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ゆふいん音楽祭2021開催さる [ゆふいん音楽祭]

九州地方は梅雨の湿っぽい日曜日午後、コロナ禍の中、竣工成ったYufuin LUCC HALLを新たな会場に、ゆふいん音楽祭2021が開催されました。
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話し出せばネタ満載なのは毎度のゆふいんなれど、とにもかくにも、まずは写真のみの速報。

かつてのメイン会場たる公民館の向かい、今風の総合町役場の東側半分を占めるホールに入れた幸運な方々を、歴代監督が迎えます。黒沼さんがいないのが残念。
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300席ながら感染防止で半分に抑えられたホールの舞台では、町民の小林先生、河野文昭前監督、音楽祭に何度も参加しお馴染みの川田知子さんが、メンデルスゾーンのニ短調の緩徐楽章での渡し合いのタイミングを巡って和気藹々の喧々囂々。
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なにせ今日が初めてつかわれる会場、舞台の上も、表方も、いろいろなことが起きてますが、ま、それはいつものゆふいんですから…
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おお、あんな顔こんな顔、まるで2009年までの夏が戻ってきたような舞台上。

そして、ゴメンナサイで帰っていただかねばならなかった数十人の方(コロナを恨んで下さい!)のぶんも含めた、大拍手が飛び交うのであった。
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今回はいらっしゃられなかった方々には、11月の秋のコンサートでお会いしましょう。ともかく、これまでとは形は違うけど、ゆふいん音楽祭、復活しましたぁ!小林道夫のモダン・ピアノのでの鍵盤芸を、初めて湯布院町民にきちんと音として伝えることを可能とした新会場を、皆の衆、讃えよっ!

この先、小林先生がロマン派のスタンダード室内楽名曲をモダン・ピアノで公開演奏する場所は、このご町内ホールだけになるんじゃないかしら。乞うご期待。

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ミュンヘンのヴァイオリンにニッポン参加者大量進出! [演奏家]

別件でこの秋のミュンヘンについて調べていて、もう参加者リストが出ているので興味本位に眺め、あああらまあ、とビックリ仰天。ほれ。
https://www.br.de/ard-music-competition/participants-and-results/index.html

この秋はピアノ二重奏、声楽、ホルン、それにヴァイオリンという科目。なにせヴァイオリンという花形楽器があるわけで、どういうことになってるのやら。以下、参加が許可された名前をコピペするぞっ。

Yurina Arai, Japan
Ava Bahari, Sweden
Ludwig Balser, Germany
Lorenz Chen, Germany
Adam Koch Christensen, Danmark
Wonbeen Chung, Korea
Larissa Cidlinsky, Germany
Smirnov Dmitry, Russia
Anna Agafia, Egholm, Danmark
Hiu Sing Fan, Hong Kong
Ho-Hsuan Feng, Taiwan
Noemi Gasparini, France
Natsuki Gunji, Japan
Sirena Huang, USA
Yuki Ishihara, Japan
Yuri Katsumata, Japan
Roman Kholmatov, Ukrain
Karen Kido, Japan
Alexander Won-Ho Kim, Korea
Eun Che, Kim, Korea
Chihiro Kitada, Japan
Judyta Kluza, Poland
Emilija Kortus, Serbia
Miyeon Lee, Korea
Youjin Lee, Korea
Seina Matsuoka, Japan
Mathilde Milwidsky, Great Britain
Fumika Mohri, Japan
Elias David, Moncado, Germany
Yasuka Morizono, Japan
Shuichi Okada , France /Japan
Seiji Okamoto, Japan
Megumi Okaya, Japan
Kyumin Park, Korea
Eva Rabchevska, Ukrain
Piotr Rachwał, Poland
Mio Saito, Japan
Johanna Schreiber, Germany
Tomotaka Seki, Japan
Mariia Shutko, Ukrain
Ayin Son, Korea
Louisa Staples, Great Britain
Annika Starc, Germany
Valerie Steenken, Germany
Max Tan, USA
Yun Tang, China
Fabiola Tedesco, Italy
Alexandra Tirsu, Moldova / Rumania
Saki Tozawa, Japan
Ayaka Uchio, Japan
Akiko Ueno, Japan
Louis Vandory, Germany
Eimi Wakui, Japan
Matthias Well, Germany
Raika Yamakage, Japan
Dayoon You, Korea
Filip Zaykov, Czech Republic
Jingzhi Zhang, China

いやぁ、これはこれは。ここまでいっぱいニッポンの若者があの音楽院講堂に押しかけるなんて、どーしたんでしょーか。韓国中国を数で圧倒するなど、ホントに久しぶりではなかろーか。

一方、前回だか前々回だか、「一次予選はソウルでやってくれ」と客席でギャグが飛び交っていた声楽は、そこまでのことにはなっていない。うううむ、ミュンヘンの応募締め切り頃、韓国は国を出るのが難しい状況になってなんですかねぇ。

それにしても、我らがアマービレとチェルカトーレの顔が見えるのは、嬉しいのやら不安なのやら。とにもかくにも、まずは出国。無事にシベリアを越えてくれ。

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葵トリオについてとても残念なこと [演奏家]

去る土曜日、実質上満員のサントリーホール青薔薇での公演を以て、葵トリオ2021年初夏日本ツアーが無事に終了いたしました。途中、中部地方の公共ホールを中心にいくつかのキャンセルがあったものの、この時期に事故もなく秋田から四国まで(だと思うけど)のツアーがやれたのですから、それだけでも喜ぶべき事でありましょう。

やくぺん先生も、緊急事態下で県境越えをしてはならぬという御上のお達しに逆らい、荒川越えた埼玉は与野本町、多摩川越えて一度は神奈川に足を踏み入れる相模国は鶴川
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プログラムもすべて別の総計3度の演奏会を拝聴させていただき、モーツァルト、ベートーヴェン、シューベルト、メンデルスゾーン、サン=サーンス、ドヴォルザーク、マルティヌーと、よくまあこんなにレパートリーがあるもんだ、ってピアノ三重奏の世界に浸らせていただいたわけでありまする。

演奏家の皆さんばかりか、このツアーに関わったすべてのスタッフ裏方ご家族関係者の皆々様に、ホントにただただありがとーございました、と言うしかありませぬです。はい。

所詮はこんな無責任私設電子壁新聞、気楽に記してしまえば良いんでしょうが、ま、楽屋を襲ったり飲みに行ったり出来ない今といえ、ちゃんと問題の無い方法で演奏家さんご本人(のひとり)にあたくしめが言いたいことは良いことも悪いことも洗い浚い言っちゃったんで、他人様に誤解されそうなことや、ホントに思ってることなど、メンドーなんで記すつもりはございませぬ。やくぺん先生ったら、別に自分の感想を他人様に晒すのを商品としている評論家ではありませんので、表の媒体に書くこともないでしょう。

とはいえ、後の自分のために(あとどれだけ後があるかわかりゃせんけどさ)、今、感じていることを記しておくと…

ああああ、葵トリオがシューベルトのEs-durの楽譜で、音程もリズムもボロボロで、ダイナミックスも好き勝手で、なんでこんなことやってるかまるで判らんけど、でも、なんだか凄く格好だけは付いちゃって滅茶苦茶説得力がある、なんて演奏をしてくれる頃には…俺はもうこの世にはおらんのだろーなぁ、ホント、残念だなぁ…

以上。葵トリオについてでした。オシマイ。

…ってんじゃ、いくらなんでも酷すぎるわい。ひとつだけまともなことを記しておくと、現在の葵トリオは、恐らくは日本を拠点とする(のか?)ピアノ三重奏団としてはほぼ初めてのレベルにまで、楽曲を猛烈に作り込んできてます。特に大巨匠たちがやっつけ仕事とは言わぬが、自分の思ってることをぶつけ合うのが素晴らしい音楽である、ってスタンダードがしっかり出来てるシューベルトの変ホ長調みたいな作品で、まるでシューベルトのト長調弦楽四重奏曲をぎっちり作ってくるみたいな演奏が聴けるなど、もうひたすらぶったまげまくりでありました。その前の週に「技術的衰えがない上手過ぎ若過ぎる巨匠芸」たるイェルサレムQの20世紀後半レコード黄金時代のスターを彷彿とさせる大演奏タイプのベートーヴェンで前頭葉が潰れそうになってたところに、そーねー、敢えて誤解されても構わん言い方をすれば、今世紀初めくらいのベルチャQがベートーヴェンでやってたような細部まで猛烈に作り込んだ、嘘くささギリギリの音楽を、ピアノトリオで聴かせてくれた、ってこと。

だってね、あのシューベルトのえすでぅあで、飽きないんですから、最初から最後まで。そんなん、普通はあり得ないでしょ。

どこがどうなってたかをマニア語り始めれば、もうキリがないくらい細部が詰められている。そして、なによりも吃驚なのは、音程をがっちり固められたピアノに引っ張られずに、ヴァイオリンとチェロが音程を瞬時に変化させれる弦のアンサンブルにしか不可能なシューベルトの微妙過ぎる音程マジックを拡大鏡で掲げるみたいに見せつけてくれたこと。あのハ長調大五重奏の最後の最後、一瞬の転調で世界がひっくり返るようなおぞましさが、音楽のバランスの中で必要かつ適切な規模を崩さずに、あちこちで頻発するのでありまする。なんでこんなことやれるんねん!

勿論、モーツァルトのラルゲットってあーゆーテンポなのかとか、ベートーヴェン作品1の1終楽章冒頭の滅茶苦茶印象的な10度飛躍はモダンピアノでホントの音色が出せるのかとか、文句言いたいことはいろいろあるわけだが、そういう細部の文句を言いたくなる程にまともな演奏だった、ということなわけですし。

思えば、世界の「常設」のピアノ三重奏団の中にあっても、バンフ・コンクールの水準の国際弦楽四重奏コンクールに参加した弦楽四重奏団が根っこにある団体って、あるのかしら?お互いの音程のクセから趣味から知り抜いた精密な弦のアンサンブルに、やり過ぎとすら思える音色の多彩さで立ち向かうピアノが配される。こんな「精密」なピアノトリオ、正直、聴いたことないぞ。ボザールみたいな太字で書いた楷書体みたいな明快さでもないし、誰とは言わぬが相手のこと考えないパワーのぶつかり合いのスリリングで(出たとこ勝負な)展開では無論ないし。まるで弦楽四重奏みたいなピアノトリオ…なんて言ったら、絶対に顰蹙買うだろうけどなぁ。

さても、葵トリオ、年末にはやくぺん先生の今は亡きオフィスから至近の川向こう葛飾に登場してくださいます。なんとか年末くらいまでは、この気の触れた世界を生き伸びねば。

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期待の新商売 [売文稼業]

ありそうでなかった、我が業界の新商売が登場しました。って、もしかしたらとっくにあったけど、やくぺん先生が世捨て人で知らなかっただけかも。

こちらであります。
https://shop.columbia.jp/shop/g/gW7183/?fbclid=IwAR30L9CgLQgrxneBiItqvmmd-u2FSNN-pbqZoA7Fdq3CI8bvd1FKLrFbU_Y

何かと言えば、「CDの曲目解説部分を220円で販売します」というものです。説明がめんどーなんで、まんま商品案内用をコピペしてしまいます。ほれ。

※※※

◆ 販売期間
2021年6月16日(水)9:00~ 2021年7月29日(木)23:59

◆ ご購入・商品(PDF)お届けまでの流れ
①本ページより商品をご購入ください。
②後日、お客様へダウンロードサイトのURLをメールにてお送り致します。
※メール送信に関しては、本ページ記載の【商品(PDF)送付スケジュール】を参照
③メールに記載のURLよりダウンロードサイトへアクセスの上、ご購入いただいた商品(PDF)のダウンロードをお願い致します。

◆ 商品(PDF)送付スケジュール
予約期間(6/16~6/22)のご注文分:6/23 正午頃にメールにてダウンロードサイトのURLをお送りします
発売日(6/23)以降のご注文分:注文後3営業日以内 正午頃にメールにてダウンロードサイトのURLをお送りします

※メールは会員登録されましたメールアドレスへお送り致します。
また、「info-cfc@columbia.co.jp」のアドレスから送信されますので受信可能な設定にしていただくようお願い致します。
※ダウンロード期間は7日間となっております。記載の期限までにダウンロードをお願い致します。
また、ダウンロード期限を過ぎたコンテンツのダウンロードの保障はございません。
ダウンロード期限が過ぎている場合、再ダウンロードするには再購入いただく必要がございます。
データをお客様が誤って削除をいたしましても、ダウンロード期限が過ぎた場合は対応致しかねます。予めご了承ください。
※ダウンロード、コンテンツの不備がございましたらこちらよりお問い合わせください。

【仕様等】
・販売コンテンツ:PDF(書類データ)
・データ容量:PCサイズ 609KB、スマートフォンサイズ 2.14MB
・ファイル形式:PDF
・ページ数:PCサイズ 10P、スマートフォンサイズ 38P
・ダウンロード可能期間:7日間
・ダウンロード可能回数:制限なし

※※※

この商売のやり方で興味深いのは、「あくまでも期間限定ダウンロード」というところですね。どうして永続的な商品に出来ないのか、不思議な気がしないでもない。どういう事情があるんでしょうかねぇ。まさか著者の山田先生がそうしてくれと主張したとは思えないし(どっかであったら尋ねてみるけどさ)、対応する日本コロンビア側の事情なのかしら。

とにもかくにも、今時、CDの解説をみたいからダウンロードの販売ではダメで、なんとかして現物を手に入れなければならない、という状況はやたらと頻発するわけで、つい先頃も某シカゴの現代作曲家さんの本人の解説が必要なので弦楽四重奏のCDを大騒ぎして取り寄せねばならない事態もあった。幸い、期待どおり、本人が力入った演説書いててくれて、苦労しただけの価値はあったけど、時間と手間と金をかけてスカ、ってこと多いんですよねぇ。

このように「曲目解説」をきちんと商品として扱ってくれて、アクセス可能にしてくれるのは、とてもとても有り難いです。当日プログラムとレコード解説の最大の違いは、前者は「その場で読み捨てられるための媒体」なのに対し、後者は「資料としてずっと保存される媒体」という大きな違いがあるわけですから。若い書き手にも励みになるでしょうし。

期間限定はともかく、これが常識になってくれますように。

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遅すぎる訃報 [演奏家]

このところの連日の溜池通いとネット張り付きのコンクールのオンタイム視聴で、当電子壁新聞へのアップをしていなかった、遅すぎる訃報です。昨日、故岡山先生が尽力して竣工した鶴川のホールでの葵トリオの演奏会で、いきなりある方から「小林さんが…」と言われ、あああ、とあらためて想い出したという失礼極まりない状況でありました。

ヴァイオリン奏者の小林健次氏が、逝去なさいました。現時点でネット上に発見出来る公式の訃報はこれだけのようです。
https://www.tmso.or.jp/j/news/13750/

いろいろ書き出せばキリがないですけど、ひとつだけ、以下のリンクだけを記しておきます。どうやら2006年の記事のようで、富山のゴールドベルク音楽祭をやっていた頃、そのドキュメンタリーを制作したときの話のようです。インタビューなど不得意な方だっただけに、貴重な資料です。
http://www.kagakueizo.org/products/23/

残念ながら、どちらの経歴にもニューアーツQのことが触れられていないのは凄く残念です。今、生き残っているディスクはこれくらいなのかしら。
https://tower.jp/item/489336/%E3%83%87%E3%82%A3%E3%83%AC%E3%82%AF%E3%82%B7%E3%83%A7%E3%83%B3

簡単に聴ける音は、これだけのようです。でも、いかにも、ですな。


ちなみに、我が夫婦とすれば、「黒沼俊夫が最期の弦楽四重奏を弾いたときの第1ヴァイオリン」が健次先生でした。黒沼さんが弾けなくなっちゃって、慌てて引っ込んで、かなり時間が経って戻ってきて「チェロが手が不調で、ハイドンの《セレナード》を弾いてこの演奏会を終わりにします」と舞台で仰ったのが健次先生だったような。

合掌

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レッジョの結果 [弦楽四重奏]

日本時間の午前7時前、現地時間の日曜日深夜、第12回ボルチアーニ顕彰国際弦楽四重奏コンクールの結果が発表になりました。以下。

第1位:なし
第2位:バローデッドQ&レオンコロQ
第3位:アドルフィQ
細川作品演奏賞:アレテQ
聴衆賞:レオンコロQ

以上です。なるほど、細川作品はアレテのやり方が評価された、ということですな。劇的に作る、というやり方とは違う、ってことね。この結果に現場にはいかなった細川氏の意見が反映されているのかは判りません。

聴衆賞が興味深いですね。へえええ…って感じ。どういう現場の空気だったんだろうなぁ。

ということで、まあそんなところかしら、という結果ではあります。さても、次のメイジャー大会がいつどこであるのか全然判らない今、当面オープンになっていて既に参加者が決まっている大会は9月の終わりのトロンハイム。レッジョに来ていた連中もごっそり北に向かいます。ニッポンの若者が国際大会に参加出来るようになるのは、一体いつのことやら。韓国は一足先にオープンになってるみたいだけど。
https://www.ticc.no/artikkel/ticc+2021+participants+.html

…ま、コンクール取材引退宣言をした隠居のあたしにゃ、関係ないこととせにゃならんわな。

[追記]

日本時間の夕方になって、公式ページにアナウンスが出ました。以下、貼り付けて起きます。お疲れ様でした。

PREMIO BORCIANI 2021 NOT AWARDED

At the end of last night’s final round at the Teatro Municipale Valli in Reggio Emilia, the jury of the XII International Competition “Premio Paolo Borciani” chaired by Emmanuel Hondré awarded the second prize of € 10,000 ex aequo to the Balourdet and Leonkoro Quartets, the third prize of € 5,000 to the Adelphi Quartet, which also receives the Under 20 prize of € 1,000. The jury decided not to award the first prize.

The Audience Prize of € 2,000 was awarded to the Quartetto Leonkoro, while the Quartet Arete receives the Special Prize of € 3,000 for the best performance of UTA-ORI. Weaving Song for string quartet, new composition for string quartet commissioned to Toshio Hosokawa, and the € 6,000 scholarship offered by Jeunesses Musicales Deutschland.

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レッジョのファイナリスト出ました [弦楽四重奏]

遙か北イタリアはレッジョ・エミリアの市立劇場で開催されております第12回パオロ・ボルチアーニ国際弦楽四重奏コンクール、日本時間の本日日曜日午前2時くらいに、何故か市立劇場の公式Facebookが最初に本選出場団体を公表しました。こちらが、そっちから行ける告知映像。
https://www.facebook.com/iteatri/videos/325706025629306

てなわけで、ご覧のように

アデルフィQ
バローデットQ
レオンコロQ

です。ニッポン唯一の参加、我らがフラウ近衛も本選進出です。

なお、ベルギーからの団体が「隔離の理由」でコンクールを離脱せねばならなかったことは、11日の時点で発表されていました。
We are terribly sorry that the #KarskiQuartet had to leave the competition for sanitary reasons. All the staff of I Teatri di Reggio Emilia and #PremioBorciani embrace you strongly and wish you all the best. We are sure we will see you soon in Reggio Emilia for many other great moments of music, all together! [黒ハート]?[ムード]

細川氏がでっかい画面から参加し8団体に事前質問に対応したというニュースもアップされてます。ううむ、なぜこういうのが大会公式ページではなく劇場のページで発表されてるんだろーなぁ。つまり、ここが実質上の公式速報ページ、ってことになってるわけだ。ま、なんとなく状況は判りますが…

まだ、今晩演奏される作品のリストは出てません。公式が数時間後には更新されるでありましょう。
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細川新作やってます [現代音楽]

今、日本時間の金曜日深夜前。遙かレッジョ・エミリアの市立劇場からインターネットのライヴ中継で、細川俊夫の新作弦楽四重奏曲《UTA-ORI》の世界初演の一部をやってます。
https://app.idagio.com/live/event/12th-international-string-quartet-competition-premio-paolo-borciani-fourth-round-day-1-afternoon?utm_medium=social&utm_source=artist&utm_campaign=GlobalConcertHall&utm_content=PremioPaoloBorciani&utm_term=external

ホントの世界初演は日本時間の午後6時半くらいから、我らが近衛おやかたの曾孫さんが加わるレオンコロQが行っております。
https://app.idagio.com/live/event/12th-international-string-quartet-competition-premio-paolo-borciani-day-4-round-1?utm_medium=social&utm_source=artist&utm_campaign=GlobalConcertHall&utm_content=PremioPaoloBorciani&utm_term=external

ヴァイオリンの二重奏で始まる10分程の作品で、極端に特殊な奏法はありません。近年、ドイツの劇場で盛んに上演されている細川作品を耳にしている欧州圏の若い奏者なら、ほぼ抵抗なく扱える作品です。ツルッと音だけ聴く限り、やはりこれ、チェロが猛烈に美味しいところを持ってってますね。《BUNRAKU》みたいなピチカートばちんばちんでそれまでの流れを全部かっ浚い、最後のクライマックスへと持ち込む役回りなんだから、これはもうこの類いの音楽が好きなチェロさんなら直ぐにでも弾きたくてたまらないんじゃないかしらね。

恐らく、P.M.デイヴィスやらリームやら、はたまたシャーリーのやら、数々のビッグネームに委嘱してきているレッジョの新作の中でも、弾かれる曲として残っていくんじゃないかしら。

どーでも良いことですけど、ベルリン系のレオンコロQはデッカい紙楽譜にスコアで弾いてますが、ザルツブルクのアデルフィQはタブレットにパート譜入れてるみたいで、こういう処理の仕方も団体のキャラが出ますな。

まだ日本語でのデータがまるでないんだけど、やっぱり《歌ー織》って日本語表記なのかしらね。短い曲ですので、是非、お聴きあれ。

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現時点でのレッジョの進行状況 [弦楽四重奏]

本日は溜池のイェルサレムQはお休みで、アマービレとのオクテットの練習をしてるそうな。で、やくぺん先生ったら、遙か与野本町に葵トリオを朝から聴きに行き、先程グダグダになって湾岸縦長屋に戻って参りました。おうちでご家族と夕飯喰らうって、何日ぶりのことか。明日からまた土曜まで溜池近辺でカレーパン食ったり饂飩食ったり…

あたくしめがどーなっていようがそんなことにゃ関係なく、遙かシベリアの彼方、北イタリアは連所・エミリアでは粛粛とセッションが続いております。本日で4日目、作品18の2第1楽章とハイドン若しくはモーツァルトの成熟期作品をひとつ弾く古典セッションの第1ラウンド、メンデルスゾーンかシューマンかブラームスをひとつ弾くロマン派セッションの第2ラウンドが終わり、どうやら「好きな曲を弾いていいですよ」ということらしい第3ラウンドが始まってます。ベートーヴェン弾く奴、ハイドン弾く奴、はたまたタイユフェールとヴィドマン弾く奴、とかいろいろ。

なんとか無事に進行しているようであるものの、実のところはいろいろ面倒なことが起きているようなのは、こんな状況で世界各地のパスポート持った連中が集まる大会なんだから当然のこと。で、第2ラウンドが終わった時点での参加者状況を整理しておきましょうか。あくまでも自分のためのメモです。

あ、ひとつ先に申しておきますと、このレッジョの大会、今世紀というか、10年代以降のメイジャーなアンサンブル大会のひとつの大きな流れとなっている「参加は10団体くらいに絞り、招聘した時点で実質上の一次審査通過のプレステージを与え、審査会場まで来た連中は可能な限りたくさん弾いて貰う」というやり方をしています。ある世代以上の審査員や運営側理事にはこのようなやり方は凄く抵抗もあるようですが、ぶっちゃけ、今やロンドンやバンフが採用し、レッジョも追随した主流のやり方ですな(ボルドーみたいに、もう完全にコンクールのあり方を変えちゃったところもあるくらいですから)。

ですから、今回も一次予選二次予選、という風にどんどん参加団体が減らされていく、というやり方ではありません。第1ラウンドから第4ラウンドまで、キャラクターの違うステージが用意され、全参加団体が4回ステージに登場します。で、そのなかから土曜日の夜に3団体が選ばれ、日曜午後6時からの本選が行われる、ということ。以下に述べる対応が可能になっているのも、コンクールが一昔前のやり方とは違っているからです。そこんとこ、まず、ご理解あれ。

さても、現状ですが、結局、12団体が参加を許され、そのうち3団体が参加辞退となり、去る日曜日の段階で参加は9団体となってます。で、恒例のくじ引きがあり演奏順が決まったのでしょう。ここレッジョは、参加団体のアルファベット順で演奏することになってて、演奏順決定とは「どの団体が最初に弾くか」を選ぶだけなんで、あっという間に終わる。んで、どうやらカリスキーさんたちが一番籤を引き当てたらしく、彼女らが日曜日最初に演奏を始めた。その時点で、フランスから来るアガーテという連中が「隔離上の理由」で月曜日に弾けないことになっており、10日に第1ラウンドをやります、と告知されていました。

そしたら、火曜日を前に第2ラウンドも最初に登場する筈だったカリスキーQが、「隔離の理由で」出場停止となった。ここまでは既にお伝えした通りです。

その後も淡々とプログラムは進行し(公式ページの演目が間違ってたりするのは、毎度ながらのご愛敬)、いよいよ3日目も終わりになる最後のステージになって、第2ラウンドからは登場する筈だったアガーテQはまだ出てこられず、このラウンドも10日に予定されます、との告知がライヴストリーミングの画面に映し出される。
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そして本日4日目、いよいよ午後の部から第3ラウンドに突入したわけですけど、ここでもまた最初に登場する予定のカリスキーQは第2ラウンドと同じ理由でキャンセル。
https://app.idagio.com/live/event/12th-international-string-quartet-competition-premio-paolo-borciani-third-round-day-1?utm_medium=social&utm_source=artist&utm_campaign=GlobalConcertHall&utm_content=PremioPaoloBorciani&utm_term=external
この団体に関しては「別の日にセッションを設ける予定です」という告知がないままで第2と第3ラウンドに登場していないばかりか、既に第4ラウンドも出ないと言う告知がされてしまってますので、普通に考えれば実質的「棄権」ということなのでしょう。うううむ。

で、明日10日ですけど、もうなんか我らが、って感じがしてきちゃってるアガーテQの皆様、どうやら無事に登場するようです。
https://www.premioborciani.it/en/eventi/giorno-5-2/
午前中に第3ラウンド演目のドビュッシーを弾き、午後のラウンドの最後、恐らくは現地時間の午後8時くらいから、第1ラウンドの作品18の2第1楽章と《五度》を弾くとの告知が出てます。更に、金曜日には、これまた最後に第2ラウンドのブラームス第2番を弾くとある。
https://www.premioborciani.it/en/eventi/giorno-6-3/
どうもアガーテQの連中は無事に隔離を脱し、大会に参加出来たようです。

というわけで、現時点では第12回ボルチアーニ国際弦楽四重奏コンクール、参加8団体で争われることになりそう。この週末に向けて、世界音楽コンクール連盟の総会がレッジョ・エミリアで開催されるために、欧州のコンクール関係者がインパーソンで現地に集合しつつあるとのこと。コンクール運営の専門家たちですので、何が起きているか、いろいろな情報が多面的に入ってくることでありましょう。

とにもかくにも、こんな非常時で、なんとか北米とアジアからの参加団体までもちゃんと招いた「国際大会」を開催している努力は、もうなんとも頭が下がるものであります。無事に日曜日まで大会が開催されますように。

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今更ながらにイェルサレムQのこと [弦楽四重奏]

去る日曜日午後から溜池で始まっている夏のお庭恒例の中堅実力派団体に拠る(長老団体の年が一度だけあったけど)ベートーヴェン弦楽四重奏全曲演奏会シリーズ、1993年だか結成で創設メンバーが3人も生き残っていて、最も新しい若手ヴィオラ君になってから既に11シーズン目というイェルサレムQが安定の演奏を繰り広げ、既に本日で中日の3日目となりました。
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連日、「初期+中期+後期」って滅茶苦茶判りやすい、ある意味でもうどーにでもなれ、って感じのプログラミングで展開、作品18と《ラズモフスキー》は無事に2曲を終え、なかなか微妙な並べ方をしてきた後期も作品127の初日に続き昨日は意外にも作品130+大フーガを持ってきた。じゃあ本日は作品18の3と、《ラズモ》3番と、それに作品131なのかなぁ、と思ったら、全然違うぞ。うううむ…

そんな演奏順の意図をあれやこれや探る楽しみを含め、なかなか壮大な娯楽となっているサイクルであります。客席はまだまだ空いているのだけど、入場者数制限の売り止めなのかもしれないので、皆さん、今晩は溜池にいらっしゃい、と気楽に言えないのが残念。当日券が出ているのか、ご関心の向きはホールのチケットセンターに問い合わせてくださいな。スイマセン。

さても、そんなイェルサレムQでありますが、ぶっちゃけ、ホントに公演が出来るか判らない情勢だったこともあってか、過去の溜池夏祭りで展開されたような事前広報が成されてはおりません。これはもう、広報担当者自らちゃんと判ってるわけで、誰を非難しても仕方ない。やれて良かったね、とみんなで慰め合うしかないコロナ禍ですっかりお馴染みとなった風景ですな。

公式のホームページにも、いつもならば参加団体が力の入ったコメントやらヴィデオクリップやらをアップするわけですが、そういうことも不可能だったし、なによりも団体の基本的な紹介もそれほどはない。なんせこの団体、2004年の秋にもの凄く気に入ったテレビマンユニオンの伝説のプロデューサー大原れいこさんの肝いりで来日し、大原美術館の倉敷コンサートなどにも出演したわけですが、その後は創設メンバーでは2007年だかに来て、それからずーっと日本には来ていなかった。やくぺん先生ったら、余りにも来ないんでメンバー交代後の音を知りたくて厳冬の釜山のアホみたいにデカいホールにまで行ったりした記憶があるなぁ。ともかく寒い会場だったという記憶ばかりが…
https://yakupen.blog.ss-blog.jp/2013-01-26
その後もパリのビエンナーレなどでは聴いているものの、それほど熱心にお付き合いしていたわけでもなく、やっと一昨日昨日の《ラズモ》2曲と、なによりも昨日の作品130を聴いて、「ああああなるほどねぇ、こういう人達なのね」と膝をポンと叩いた、という情けなさであります。まさかまさか、冷静に考えればそうなんだけど、「21世紀の北米時代ブダペストQ」だったとはなぁ。敢えて断言しますが、21世紀20年代の今、世界の現役団体で、あのような「2000席のホールに隅々まで響き渡らせるためのピアニッシモ」を作る団体は、恐らく、他にないんじゃないかしら。世間の顰蹙を買うこと百も承知で言えば、やってる音楽の中身含め、ブルーローズじゃなくてサントリー大ホールで聴くべき団体です。こういう団体って、まだこの地球上にあるんだなあ!

って、吃驚呆れている午後、遙かレッジョエミリアからはこんなとんでもない話が伝わってきて
https://www.premioborciani.it/en/eventi/giorno-3-2/
何があったのか、最初のラウンドは弾けた団体が二度目のステージを前に隔離になったって、陽性反応が誰かに出ちゃったってことかい、おいおいおい、裏方などPCR再検査必至だろーに、ともの凄く心配になってくるぞ。

もといもとい。で、イェルサレムQです。この団体について、2010年に創設ヴィオラがベルリンフィルの首席ヴィオラに栄転して、逆にベルリンフィルやら東西詩譚管にいたヴィオラが加わった頃から、それまでに行っていた広報の仕方をすべて切り替えて、若手団体の広報から、今更団体についての説明は不要な成熟した団体の広報のやり方になった。ンで、今回も「イェルサレムQとはどういう由来の団体なのか」という広報は全くなされてません。

そんなわけで、一昨日から本番に接している皆々様に情報を提供する、というお節介な無責任勝手連で、やくぺん先生の人間体がこの団体の初来日のときに大原さんからの依頼で書いた紹介文を以下にまんま貼り付けます。正直、なんの媒体に書いたかはまるっきり記憶がありません。ハードディスクの過去原稿ファイルを検索して出てきたもの、そのまんまです。では、どーぞ。繰り返しますが、2004年夏に書いた旧稿ですので、ヴィオラ奏者は今とは違ってます。

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弦の国から~イェルサレムQあれこれ

◆主要コンクールを経験せずに
 音楽ジャーナリストとして弦楽四重奏を中心テーマとしているので、世界にさほど数が多くない弦楽四重奏の国際コンクールに可能な限り顔を出している。弦楽四重奏の世界は狭く、バンフ、ロンドン(旧ボーツマス)、ボルチアーニ、ボルドー(旧エヴィアン)、ミュンヘン、メルボルン、大阪などの主要国際コンクールのどれをも経験せずに世界マーケットに乗った団体など、1990年代以降、恐らくはひとつとしてなかろう。
 が、正直にいうと、筆者はイェルサレム弦楽四重奏団をライブで聴いたことがない。
 そもそも、オーケストラのコンサートマスターや首席奏者などの安定した地位を狙えるほど腕達者で、敢えて弦楽四重奏などという金にならぬ代物に青春を捧げようとする酔狂な奴らなど、この世にそれほどはいない。それゆえか、室内楽のコンクールは、ピアノやヴァイオリンのそれとまるで性格が異なるのだ。国際コンクール会場は、あっちを向いてもこっちを見ても、どこかで見たような顔ばかり。受ける連中は顔見知りで、顔ぶれだけで相手の水準もだいたい判っている。ある時点を過ぎると、若手の室内楽志望者が総員勢揃いしたフェスティバルのような雰囲気が流れる。なんとも不思議な場所なのだ。
 イェルサレムQは、そんな主要コンクールを経験していない希有の存在だ。本当のエリート。事情がどうあれ、この事実だけでも充分に注目すべき団体なのである。

◆なぜイスラエルから若手団体が出ないか
 というわけで、イェルサレムQはとても気になっていた。EMIのデビューシリーズでディスクが出たときも、イスラエルからこんなに若い、それも男ばかりの常設弦楽四重奏団が生まれられるなんて、到底信じられなかった。なにしろ常時戦時下のあの国には徴兵制度というものがあり、余程特別な理由がない限り若者は兵役を逃れられない。若い室内楽団が育ち始めても、誰かが兵役に引っかかりキャリアが中断される。傑出した若いアンサンブルなど、育ちようがない社会構造なのだ。
 ソ連崩壊前後、旧ソ連からユダヤ系の有能な若手音楽家が大量にイスラエルに移住した。イェルサレムQメンバーも、そんな人々である。徴兵は難問だ。かつてパリでトランペットのナカリアコフとインタビューしたときも、どうやって徴兵免除を乞うか深刻に悩んでいたっけ。2年前のボルチアーニ国際弦楽四重奏コンクールで、17歳平均のイスラエルの団体が本選まで進んだことがある。のちに小耳に挟んだところでは、まだまだ未熟な彼らを最終ステージまで残した理由は、「徴兵でこの先も続けられるかどうか判らない彼らに、少しでも多く演奏の機会を与えてやるため」の審査員の配慮だったという。
 弦の国と呼ばれ、世界に冠たるイスラエルフィルを有し、テル・アヴィブ美術館には高水準の室内楽シリーズがあり、名高いイェルサレム音楽センターやアイザック・スターンのセミナーが存在するイスラエルなのに、過去に有望な若手常設弦楽四重奏が出現していない。そんな中でイェルサレムQが登場したのは、偶然ではなかった。1993年にイェルサレム音楽センターでクァルテットを結成し、メキメキと上達する若き4人を前した音楽センターのディレクターが、政府に掛け合い、ほんの少し年齢の異なる4人を同時に徴兵するよう求めた。要求は受け入れられ、1999年までの2年半、4人は同じ宿舎で暮らし、兵舎で練習を重ねたという。徴兵という非常事態を逆手に取り、集中的な練習期間にしてしまったのだ。兵役の良し悪しはここで問うまい。与えられた環境を自ら目指すもののために利用し尽くした強かさに、ただ舌を巻くばかり。

◆内田光子のお眼鏡に適った3代目
 1980年代の終わり頃から、ピアニストの内田光子が共演するクァルテットは比較的限られている。一頃はカルミナQ、このところ数年はブレンターノQとの共演ばかりだった。音楽をあらゆる要素に分解し再構築する内田の強靱な精神に付き合うのは、並大抵なことではない。スイスのカルミナQはクァルテット界のアルノンクールと比喩される超辛口だし、ブレンターノQは何も知らずに聴いたらNYの団体とは誰も信じない「クァルテット弾きのためのクァルテット」。共通するのは、考え抜き、計算し抜いた挙げ句に、やっとアンサンブルを創り上げる団体であること。
 イェルサレムQは、この秋から内田光子との共演を始める。内田が選んだ若手の3代目だ。彼らのディスク、特にハイドンを聴けば、さもありなん。とてもあの若さとは信じられない成熟したアンサンブル表現と、猛烈に素直な素材の美しさとの共存。そう、まるで大人顔負けの声色で「リンゴ追分」を唄う天才少女美空ひばりみたい…なんて、素っ頓狂すぎる物言いかしら。
 なんにせよ内田が選んだ音楽家だ。素直なだけでは済むまい。この世代、ドイツのクスQ(イェルサレムQと共にブイトーニ財団の支援を受ける)、アメリカのパシフィカQ、日本のクァルテット・アルモニコ(イェルサレムQが唯一参加し優勝したグラーツのコンクールの彼らの次の回に優勝)、同じくイスラエルのアヴィブQ、デンマークのパイツォQなどなど、有望な若手が横一線。現時点でここまで成熟した響きを聴かせるイェルサレムQがこの先どう変貌するか、誰にも判らない。ま、未来はどうあれ、今のイェルサレムQを聴けた皆さんが将来鼻を高くできることだけは確かだろう。

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