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リンプはんちょー…とは? [ゆふいんだより]

世間の知恵のある皆様に今回の新帝都脱出温泉県盆地へのオフィス移転の話をすると、皆様揃って顔を顰め「田舎暮らしは大変だよ」と仰って下さいます。そもそも由布院町は都会生活を脱出してやってきた人があちらこちらにおり、それらの方々も口を揃え、いかに面倒なことが多いか、嫌になることばかりか、仰ってくださる。

ま、そーなんだろーなー、としか言い様がないです。いずれ俺も言い立てる側にまわって言いたい放題言って、新参者を不安に落とし込むのであろー、とその日を楽しみにする嫌なオッサンなのであった。

さても、とにもかくにも現時点でのやくぺん先生ったら、逃げも隠れも出来ない絵に描いたような新参者でありまする。それでも、巨大倉庫や物流ヘッドクォーターから車で5分の大川端のテキパキピリピリした新帝都湾岸のヤマト運輸さんと南由布ヤマト運輸センターのおにーちゃんのノンビリマイペースぶりを比べてお客様センターに電話してやろうなんて思わないし、エディオン販売店に行っても話が判る若社長がいつも不在でご隠居しかいないと呆れないし、神楽坂からの普通郵便が5日もかかるとビックリすることもない。ま、田舎なんだからこんなもんなんじゃろ、と鷹揚な気持ちで縄張りの雄叫びを挙げては15分毎にやってくるうちの百舌鳥さんにご挨拶を繰り返すのでありまする。うん。

とはいえ、流石にこれは困る、ということがある。ゴミ出しです。

なんせ新帝都縦長屋の場合、各階にゴミステーションがあり、どんなゴミできちんと分類しさえすればいつでも指定の場所に持って行きさえすれば良い。葛飾区の場合にも、曜日による細かい分類があり回収日や場所の指定はあるものの、それさえ守れば区民納税者じゃなくてもそれなりの頻度で出すことが出来た。

勿論、我らが温泉県盆地の人口1万の町も、町が曜日指定でゴミを回収するシステムは出来上がっております。ほれ。
http://www.city.yufu.oita.jp/wp-content/uploads/2021/03/yufuin-gomicalender.pdf
ペットボトル、瓶缶、燃やせないゴミは毎月一度、というオソロシー事実におののきはするものの、一応、ベルリン市みたいな頭抱えるような細かい分類が求められるわけでもなく、葛飾区と同じ常識的な分類で持って行ってくれることにはなっている。うん、偉いぞ、由布院町。しばらくの間は、缶ゴミなどに関しては、LCCの荷物1500円だか2500円也だかを購入し温泉県から新帝都まで成田経由で手で運ばねばならんことになるのは、もう今から眼に見えてるけどなぁ。ううううむ…

がぁあああ、問題はそこではない。ゴミを出す場所、なんです。

指定した日にゴミを持って行って貰うために朝の7時半までに出しておけ、という場所は、葛飾ならば巨大柿の木下から数メートル、やくぺん先生旧オフィス敷地とお隣の退役した中学の先生のお宅の間からちょっと向こうの公道の隅っこだったわけです。ところが、ここ石武地区のシステムは、「ゴミ出しステーション」というしっかりと囲われた場所に、扉を開けて納め、また閉じておかねばならない。いくら久大本線が走っていて、向こうの我が軍最強の海兵隊官舎がある方からは鹿やら狸やらの野生動物さんたちが束になって降りては来ない辺りとはいえ、野良の猫さんなどはいるそうだし、いろんなこともあるんでしょう。ともかく、地域住民がお金を出し合って建てたボックスのようなものが設置されてます。

前のオーナーさんからは、「あのゴミステーションは私がお金を出して建てたものですから、使えます」とは仰るものの、その表には堂々と「このステーションが使えるのは以下の者のみ。それ以外は罰金を取りますよ」と記されている。

となれば、取るものも取りあえず、この場所を管理している方のところに挨拶に行き、前のオーナーさんの名前をやくぺん先生の世を忍ぶ仮の姿の名前に変更して貰わないとマズい。なによりの急務でありますな。

んで、不動産屋さんに「この方に連絡してください」と渡されたのが、「石武自治委員」という肩書きの方の電話番号。調べてみると、駅に向かう表通りの、それなりに大きなお宅にお住まいの方のようだ。了解しました、連絡してご挨拶し、話を聞き、指示に従います、ってことになり、先程、電話してみたら…繋がらない。

面倒だから直接行ってみましょう、と佃の佃煮の折り抱えて出かけら、やっぱりいらっしゃらない。

しょうが無いから、裏の畑のお宅とか、その隣のご隠居とか、敷地を接しているご近所には佃煮撒いて歩き、人畜無害の怪しいものでありませぬ、とご挨拶。更に、ゴミステーションから最も近い町工場のご隠居宅の扉を叩く。幸いにもいらっしゃって、これこれこういうわけでよろしくお願いします、ともうマシンのように同じ事を繰り返し、ついでに自治委員の某さんがいらっしゃらなくて、と漏らすと、いやいや、その人に言っても話は判らないさ、りんぷはんちょうの某さんに言わないとダメだよ、って。

リンプはんちょう…って、なに?

ともかく、言われるがままに集落の方へ引き返し、教えられた「リンプはんちょう」さんのお宅に向かう。幸いにも佃の佃煮の折りはまだ残っているわい。んで、ガラガラに開けられた玄関の向こうに向けてこんにちわ、と叫ぶと、相当にご高齢のおじいちゃんがおひとりでいらして、出てくる。うううむ、と思うも、ともかく何度も繰り返してマシンになってしまったような挨拶を繰り返し、折りを渡すんだけど…どうも要領を得ない。また来ます、と引き返すわけにもいかず、ともかくご挨拶だけして、いちばん知りたいゴミ出しシステムについての話は出来ないままに、早々に引き上げることになった次第。

さても、やくぺん先生新オフィス、あのステーションにゴミを出してもいいのやら。

とにもかくにも、現時点でやれるだけのことはやって段ボール屋敷の新オフィスに戻ってきて、「リンプはんちょーとは、自治委員とは、いったい何じゃらホイ?」と、この地域では恐らく最強のインターネット回線を駆使し調べたところ、以下のような諸事実が判明した次第。

★ここ温泉県には、行政の下請けの「自治委員」というものが存在し、ゴミの管理などはその人が行う。町会のようなボランティア組織ではなく、準公務員のような扱いらしい。
https://www1.g-reiki.net/yufu/reiki_honbun/r222RG00000017.html

★「リンプはんちょー」とは「隣保班長」で、なんとなんと大政翼賛会が作った隣組組織のことのようであーる。三宅坂の国会図書館には、ちゃんと概説してくれる文献が存在しておるわ。
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000039-I001636071-00

ゼンリンさんの最新住宅地図のこの地域抜萃版を500円也払ってダウンロードして眺めてみると、どうやら隣の田圃なさってるお隣さん一族やら、線路向こうで超高級温泉宿やってる社長さんやら、二軒くらいの大きな農家さんが住んでらっしゃった場所で、その中にちょろちょろとよそ者が住み着くようになったらしいことは推察できます。んで、なにがどうなってるやら知らぬが、第2次大戦に向けた戦時体制から戦後、その後の数度の市町村大合併を経て、地方自治のあり方は既存のものをチャラにして新しくするのではなく、その時点で存在している組織なりを適当に(適切に、というべきか)利用し続けることで動かしてきたみたい。

そこに持ってきて、農家さんと町工場、さらにはお寺やら、狭い農道がまんま観光地になった迷路のような町内に入り込まずに済む高速インターから近いロケーション故にこちらにまで進出してきている1泊お一人様5万円が当たり前なんて超高級温泉宿も複数あり、地域住民さんの間でもいろいろと面倒なことがあるんじゃろ。
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とにもかくにも、やくぺん先生としては基本的にはウルトラスマイル路線、言われるがままに「はいはい」と良い人をし続け、金を払えと言われれば税理士さんに相談して(っても、東京の人だから、状況は判らんだろーなぁ…)、明らかに法的に筋の通らないおかしな話でなければ、言われるがままにいたしましょ、ってな無抵抗主義で行くつもりでありまする。人間関係横並びがなにより、同調圧力にはガンガン従いましょ、ってね。

いやぁ、まさか21世紀も20年代の今になって遙か温泉県は標高450メートルの盆地で近衛文麿の遺産と対面し、目を白黒させられることになるなんて。ヴィオラ弾き近衛双子兄妹よ、あんたらのご先祖様、なんて迷惑かけてくださるんじゃいっ!

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