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In a Summer Garden [ゆふいんだより]

ちょっとばかし早すぎる夏休み真っ最中。
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今回の2週間弱の温泉県盆地オフィス滞在、目的と言えば、盆地から延々と大分川沿いに下った豊後国府は大分市内で開催される一般財団法人地域創造のステージラボ・セッションへのお嫁ちゃまのお通いのお付き合い。かつて地域創造創世記にステージラボのファシリテーターとして、今やすっかり偉くなった演奏家さんたちと付き合ってニッポン各地あちらこちらの公共文化施設を動き回っていたうちのお嫁ちゃまはお局様みたいなオブザーバーとして参加、お弟子やら、はたまたまだチーフなんぞやってるかつての同僚らの働きっぷりを見物する。その通勤拠点として、久大線で1時間と自転車で10分弱のところの盆地オフィスに泊まり込んでいた次第。

ま、そっちはそっちで台風が直撃する中に開催され、いろいろあったりなかったりだったようでありまするが、それはそれ。やくぺん先生ってば、この滞在中に原稿ふたつとテープ起こしひとつやれば良い、ってなかなか緩い隠居っぽい日程だったわけでありまする。

地域創造ステージラボが無事に終了、かつて目白に庵を結んでいた頃にはそこを会社として使っていた今や長老講師連中が押しかけてくるかと危惧していたら、台風だなんだでそれどころではなく、ま、一安心。その後、些か無茶な原稿入れて純粋作文とテープ起こしになってから、〆切がまだ先ということもあってすっかり気分が緩んでしまい、そこにもってきて驚天動地の元首相襲撃殺害なんてリアリティ皆無な騒動が起きたりしてあれこれあれこれ…

とはいうものの、なんせ地上波テレビも紙の新聞もないここ温泉県盆地オフィス。世間がどんなおかしな空気になっているか知るよしもなく、はたまた知る気もなく、新帝都中枢を大川向こうに見晴るかす大川端縦長屋なんぞにいなくてホントに良かった、と神様に感謝していた次第。

※※※

てなわけでこの滞在、頭ん中ってば、ちょっと早い夏休みになってもーたわぃ。
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テラスに食卓から椅子とテーブルを引っ張り出し、久大本線と田圃の間に新帝都ならちっちゃな住宅二軒くらいは建ちそうな我が開墾途中の畑に向け、「満州に地形がそっくり」という理由で昭和初期から使われ続けている北側の山の向こうの日出生台演習地側から緑を抜けて吹き下ろしてくる涼風にあたり、収穫終えた馬鈴薯の畝やら、今を盛りと葉っぱが生い茂るサツマイモやら、はたまたにょきにょきと伸び始めた細い枝が風に揺れて倒れそうになってるアスパラガスをあのままでいいかと眺めつつ
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ボーッと純粋作文の内容をあれやこれや脳内推敲している夏の庭の午後。

天気ってば、「曇りときどき晴れときどき驟雨」という典型的な山のそれ。湿気ているとはいえ、動いている限りはそれなりに過ごせなくはない夏の盛りへと向かう田圃の空気に、ドンドンと作文仕事をしようという気分は失せていく…

この場所に終の庵を結び、遙か福岡帝国は伊都国から通ってきて下さるスーパー庭師さんにおんぶに抱っこで土を弄るなんて仕事のまねごとを始めると、なにもなく草ボウボウ一歩手前の庭も、嫌になるほど沢山の大きな小さな生き物たちが動き回っているとてつもなく広大な宇宙に見えてくる。

ちっちゃな方々といえば、農作物だろうが雑草だろうが構わずに我が世界となさってるこんなぴょんぴょん跳ぶ方とか
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その親戚筋でどう見てもショッカーの改造に失敗した仮面ライダーみたいなこんな方とか
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共に体長1センチにも満たぬも、そのお体の数倍を一気に飛び跳ねる元気者たちだバッタバッタ。

とはいえこれらの者たちも、周囲気にせずお気楽に跳ねようもんなら、目の前の動くものはなんでも喰っちゃう我が畑の陸の王者、20ミリにも満たぬ小さなお体を冷たく光らせるニホンアマガエルさんの餌食となるのであーるケロケロ。
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地を這いまわり跳び回るそんな連中なんざ無縁とばかり、吹き下ろす風に乗ってなのか流されてなのか、ノンビリ浮かんでるのはこの方々。
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この季節、盆地最大の観光地となってる名旅館の庭に無数に舞い、眼から涼を漂わせてくれる方々は、こんな観光とは無縁の田圃の中にもいらっしゃいまする。

飛んでいるものといえば、やくぺん先生んちではちょっと困ったことになってるこんな方々も。
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キボシアシナガバチというお名前の団体様。性格は温厚な方々だそうなんですけど、なんせ畑とは反対の田圃側の玄関脇の楓におうちをお作りになり、女王様以下、すっかりお働きになり始めてしまい、どうしたもんか、と。今は温厚ながら、秋口になると些かナーバスになられるそうで、庭師さんからは玄関使用禁止、秋が深まり巣の使用が終わるまで勝手口から出入りするよう指令が出ておるのでありまする。うううむ…まあ、馬鈴薯やサツマイモの葉っぱを喰らっちゃう小さな虫さん達を御飯にしており、「益虫」というニンゲンの勝手な言い方が適応される方々だそうなので、この夏は楓の木をお貸しするしかないのだろーなー。

もひとつ飛ぶ方々といえば、この辺りの主はこのお方。
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線路向こうの高級温泉宿と軍隊官舎の辺りから隣の田圃、やくぺん先生んちの畑から、表の社長さんのお菓子工房にかけてを縄張りとしている百舌鳥さんでありまする。日出生台からの風が平野に吹き下ろすこの辺りはなんか知らんが百舌鳥さん天国。ちっちゃくてもかなりコワい百舌鳥さんのフィールドとあって、由布岳の麓辺りにはいくらでもいらっしゃるカラ類は全く寄りつかず。それぞれの百舌鳥さん、数百メートル毎に縄張りをしっかりキープなさっており、春の終わり頃にはこの世界へと出てきたばかりの百舌鳥っ子達が盛んに追いかけっこをしていた。今は子供たちは自分らの場所を探して独り立ちしたらしく、百舌鳥母さんがまた自分の領地を守ってるだききききっ!

そんな夏の枝の間を跳び回っているのが、ぎゃーぎゃーぎーぎーヒヨちゃんっ子たち。二人ぐらいで仲間になって、枝の間から葉陰を抜けてアクロバティクな飛行を繰り返し、ヒヨちゃん族が誇る複雑にして高度な空中マニューバーの訓練してます。
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青く固い実が付いた梅の木にとまり、梅の実つついて落としてるのはこいつらだぎゃあああ!

そして、由布岳麓の盆地の空のもっと上を我が物顔で舞うは、強烈な吹き下ろしを受けてなのか、盆地の真ん中を突っ切り町内で話題の星野リゾート上空をかすめて大分道向こうのヘリポートに降りていく陸自チヌークくん。
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パーシモンゲートを跨いで朝にやってきて、夕方には久大線に沿って遙か有明海と吉野ヶ里遺跡望む塒へと戻っていくその通勤風景、高度といい動きといい、まるで葛飾巨大柿ノ木上空を木更津から朝霞やらへ通ってく騒々しい姿を懐かしく思い出せてくれるなぁ。

古い木製テラスに置いたiPhoneのYouTubeから流すディリアスの響きは、思った程にはこの小さな宇宙に似合ってくれない。

なんせ向こうの杉林から田圃にかけて叫んでるホトドギスさん、緯度の高い欧州のノンビリした郭公さんとは相当に違うけたたましさでありましてぇ。かくてこの庭に似合う生き物たちの歌ってば…やっぱり、カエルくんたちの大合唱かしらねぇケロケロ。

由布岳の隣の活火山の噴火警報がレベルアップされ立ち入りが規制された、って。そんなローカルネタも、どこぞの物騒な騒動にかき消されてしまい、未だ続報はないままに夏の庭は暮れていく。

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ケント・ナガノとうとう山鹿に登場 [演奏家]

まだ音楽祭公式ホームページなどにはアップされていないようなのですが、何故かtwitterでは発表されているようですので、記します。

昨年、コロナ禍でなんとか初回が開催されたくまもと復興国際音楽祭、第2回の開催がアナウンスされました。こちらをご覧あれ。
https://mobile.twitter.com/kumamoto_rimf/status/1544676177327292416/photo/1

ハイライトは、指揮者ケント・ナガノ氏がおじいちゃんの故郷たる熊本県山鹿の八千代座という由緒ある劇場で指揮する、昨年予定されながら実現しなかった公演でありましょう。こんなとこ。
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映画『るろうに剣心』の舞台となった、とのことです。こちらが八千代座公式ページ。
https://yamaga.site/?page_id=2

演目は昨年予定されていた《月に憑かれたピエロ》など。詳細はいずれ発表されるでしょうが、ともかく、しっかりと上のチラシをご覧下さいませ。参考までに、これが昨年のお話。商売作文をやったので、当無責任電子壁新聞では中身についてちゃんと取り上げておりませんです。スイマセン。
https://yakupen.blog.ss-blog.jp/2021-09-11

9月9日の熊本市内での九響公演など、このクラスの指揮者とすればビックリするぐらいお安いですから、来週土曜日の発売日にはチケット争奪戦になる…のかな。とにもかくにも、東京首都圏からでもいらっしゃるという方は少なくないことでありましょう。頑張って闘いに参加して下さいな。

ちなみに、あたくしめはミュンヘンARDコンクールの弦楽四重奏本戦が終わり、慌てて日本列島に戻ろうとしている辺りなので、取材なりには行けません。昨年いろいろお世話になりましたから、本来はやらにゃならぬのでしょうが。関係者の皆様、なんとかしてみます、ちょっとお待ちを。

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夏のたび道険し [たびの空]

世間で何が起きようがわしゃ知らん、どーでもいい暇つぶし話ですぅ。

標高450メートルほどの温泉県盆地に月の半分程滞在するようになりはや8ヶ月と少し、10日ごとに東海道から関西、瀬戸内を見下ろし福岡帝国首都ど真ん中空港か、はたまた国東半島先っぽ空港へと通うGoogleマップさん曰く片道955㎞で徒歩なら8日間という遠距離通勤生活をしてまいりました。

こんなことが可能だったのは、ひとえに10年前にニッポンの旅のそらに大革命を興してくれたLCC格安航空会社さんたちの存在故であります。ありがとうございます。

例えば、きちんとデータを採っていないから正確なことは言えぬが、昨年11月末のオフィスリフォーム完成から今に至るまで、通いまくった20数回ほどのホンシュウ縦断通勤路の交通費で最安値だったのは、たぶん…

東京駅八重洲口発成田空港行き激安バス1300円
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ジェット★特別セール成田大分価格諸手数料込み1390円
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大分空港由布院バスセンター直行バス回数券1回1300円
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以上総計3990円也

って道程かしらね。

とはいえ、流石にこれは例外中の例外で、「ジェット★10周年特別大セール」がたまたまコロナ患者再増加のタイミングで、普段なら開始早々に瞬間蒸発してしまうタダ同然の激安チケットが買えてしまった、というラッキーがあった特殊例。激安の指標に出来る額ではありませぬ。なんせこの便、当初購入した便が客が少な過ぎだったらしく、ジェット★さんが勝手に間引いて運航キャンセルにしてしまい、便の変更を迫られた。おかげで、どこに居るのか判らぬ担当者とやっと繋がったライヴチャットをし、あれやこれや半日くらいかけて前日便への振り替え手続きをせねばならなかった。「お客様は神様」扱いしてくれるANAJALなんぞではありえない、「乗客とは自分で勝手に動ける手荷物」というポリシーで運営されているLCCっぽい、乱暴極まりないストーリーがありましたです。いやはや。

ま、それはそれ。現時点でのLCCでのホンシュウ島半分縦断最安値の目安は、チケット額面だけで21世紀のニッポン国中央銀行発行紙幣女性偉人枠分1枚分くらい、というところ。これに発券手数料、クレジットカード使用料、空港税などなどが最低でも1500円くらい上積みになってくる。更に荷物が7キロを超えるなら預け荷物を買わねばならず、これが最近値上がりして2300円くらいが最低かな。そんなこんなで、大雑把な感覚としては「成田大分LCC片道は荷物無しで7000円弱くらい」ってとこかしら。乱暴に言って、東京都内から長野やら浜松やら長岡やら福島やらくらいまでの新幹線普通車程度のお値段でありますな。

そう考えると、コロナ禍後の今時なら、これらの場所から週に3回くらい丸ノ内のオフィスに通ってる遠距離通勤者など、さほど珍しくはないでしょ。ま、ここ温泉県盆地オフィスは半島先っぽ空港からが思いっきり遠いし、最寄りJR駅バスセンターから徒歩25分、200円也のコミュニティバスは週に2本(1日2本、じゃありませんっ!)という別の問題があるが、こればっかりは田舎なんだからしょーがないわなぁ。

※※※

そんな生活を続け、今や由布院駅バスセンターの亀の井バスチケットカウンターのおばちゃんやにーちゃんにすっかりメンツが割れてしまっているやくぺん先生にとっては、これからの1ヶ月半ほどは極めて厳しい時期となるのでありまする。そー、言わずと知れた「夏休み盆休みのハイシーズン」なのじゃよ。

この時期、我ら貧乏人のヘルメス神たるLCC様ったら、お値段を思いっきりアップしておられる。お盆を中心にした8月1週終わりから3週くらいまでは、成田落花生空港からホンシュウ島半分を縦断し福岡、佐賀、大分、長崎、熊本などのLCCが入っている空港まで連れて行ってやるには、最低でも基本料金で€100くらいは払っていただけないとうちだって困る、って仰る。だってね、あんた、他をご覧なさい、この時期に青でも赤でもあんたを客扱いしてくれる航空会社ならお安くても€250ですよ!え、JR東海&西日本&九州さんですか、ANAさんなんかと同じくらいでしょーけど、6時間の長旅、無事に座れると良いですねぇ…

つまり、夏のホンシュー半分縦断は、普段の倍以上値段がかかる、ということじゃわい。

てなわけで、当初の予定では、この木曜日に新帝都に戻ってなんのかんの10日ちょいくらい過ごしたら、バカ高値になる前ギリギリのところでキューシュー島に舞い戻り、来月末に松本の祭りが始まるまでずっと温泉県盆地に蟄居するつもりでおりました。草むしりしながら、いよいよ未だ手付かずのCDなんぞソフト類の整理をするかぁ、ってね。

そしたら、なんということでしょー、8月1日に大阪に行かねばならぬ用事が出来てしまった。居並ぶ偉い先生方の都合で、某団体のイン・パーソンでやる会議がどうしてもこの日しかダメとのこと。うううむ、しょーがないなぁ、じゃあ帰りは温泉県に戻らずトーキョー湾岸大川端に行き、ミューザの山本直純大特集を眺めてくるか。んでもてキューシュー島への戻りは、東京駅を5時に出てもチェックイン時間に間に合うのはギリギリというLCC始発で福岡板付へ、なぁんとなんと、朝一のLCC最安値でも中津の偉人越えでありますっ!うううむ…

それだけで済むかと思ったら、なにをとち狂ったか8月13日なんてお盆大移動の真っ最中に、遙か名古屋でケージの《ユーロペラ3&4》をやるという。この作品は演奏時間指定が2時間ときっちりあるので何時に終わるか判らんという困った事態は起きず、細かい移動のタイムラインは組めるとはいえ、選りに選ってニッポン列島の移動に最も費用がかかる日でありますぞぉ!

往路は福岡板付空港からラッキーなことにお誕生日割引きを用いて富士夢航空さんで小牧までひとっ飛び出来たんだけど(それでも特別割引きで€100くらい、閑散期最安値の倍以上)、問題は温泉県への復路。どうやっても安くするまともな方法はないようじゃ。こうなったら仕方ない、松本往来なんぞで用事がないとはいえない青春18きっぷと一部区間新幹線ワープの合わせ技、という体力の無い爺には禁断の方策を真面目に考えている次第。朝の5時半に名古屋駅を出て、由布院駅到着は終電でありまする。無論、前日に終演後に名古屋駅を出て、なんとか姫路くらいまで引き返し、駅前で新幹線一区間分くらいの安宿に泊まり、というもう少し軟弱な手もあるんだけどねぇ。

え、名古屋博多の深夜バスですかぁ…ゴメン、数週間前に大阪博多を久しぶりに深夜バスに揺られ、もうこれは無理であるなぁ、と、どうでしょう聖地壇ノ浦サービスエリアで背伸びしてみる海峡に己の衰えを呪ったばかりでして…
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夏のたびの空、ハードル高し。そしてその向こうには、いよいよ2年と10ヶ月ぶりにこの列島を離れるババリア王都訪問が待っている。

コロナ後の世界、たびの道はまだまだ険し。

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ラヴィニア音楽祭は10日まで中止です [音楽業界]

アメリカ合衆国独立記念日パレードを見物していた客に無差別でライフル乱射、というとんでもない事件が報道されております。テレビがない環境なんで、日本語メディアがどれくらい取り上げてるかわからんですが、ともかくこれがその直後の地元への通達。
https://www.cityhpil.com/news_detail_T21_R892.php
で、その後のまとめ。
https://apnews.com/article/chicago-july-4-parade-shooting-92b50feb80c19afe7842b9caf08545cb

当無責任私設電子壁新聞がこのニュースを取り上げる理由は、もう極めて明快。この事件の現場が、シカゴ交響楽団の夏のホームベースたるラヴィニア音楽祭の会場の直ぐ近くだからです。近くというか、住所表示ではハイランド・パークという同じ町内というのか、同じ行政区。そんなわけで、当然のことながら、音楽祭からこのようなアナウンスメントが出ました。下に中身をまんま貼り付けます。
https://www.ravinia.org/HighlandParkStrong

Ravinia is closed through July 10

In light of Monday’s tragedy, and out of a deep respect for our community, Ravinia announces the cancellation or postponement of all concerts and events through Sunday, July 10.

This decision was made after careful consideration and in close consultation with many stakeholders, including neighbors, public officials, artists, and patrons. Our shared hope is that the reduced activity–both within the park and in the neighborhoods surrounding Ravinia–will give the community the space and quiet to reflect and heal.

We sincerely regret any inconvenience. Those holding tickets for the affected concerts will automatically receive a full refund by August 1st.

Ravinia stands in loving support of our Highland Park community. We wish comfort and peace to the victims, their families, and all those affected, and look forward to gathering together again soon.

RAVINIA FESTIVAL

来週末以降はどうなるのか、シカゴ響が出てくるのは22日からのようで、それまでは室内楽なんぞばかりみたいですけど…

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みんな電子音が大好き [現代音楽]

去る土曜日午後、横浜の港からの夕べの浜風がすっかり高層ビル群で遮られてしまった紅葉坂をえっちらおっちら、神奈川県立音楽堂に行って参りました。
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シリーズ「新しい視点」紅葉坂プロジェクト、というもんを見物するためでありまする。おお、なんかアビーロードっぽくないかい。 
https://www.kanagawa-ongakudo.com/d/momijizakaproject
上のサイトをスクロールしていくと、企画プレゼンテーションの様子などの絵面もあり、当日の舞台の様子がだいたいお判りになると思います。実質、これまんまでした。

この演奏会、神奈川県立音楽堂が若手アーティストに「新しい視点」でパーフォーマンスする場所を提供する、というもの。公募された企画から一柳御大以下の企画委員が三作品を選択、公開GPなども行い中身を詰めて、この日の発表会に至る、という面倒なプロセスを経ています。要は、神奈川県のホールが主催者として神奈川県民の税金で若手アーティスト企画を3つ主催しましょう、って広義の「教育プログラム」ですな。

とはいえ、佃縦長屋に送りつけられてきていたプレスリリースを眺めても、予算がどういう風になっているのか、ぶっちゃけ、出演者には制作費が出るのか、ホールからのギャラが出ているのか、まるっきり判らない。常識的に考えて「神奈川県民ホール」主催公演で制作側が持ち出しでギャラはないなんてことはあり得ないでしょうけど、その辺り、もっとオープンにしても良いと思うんだけどなぁ。こういうのはプロデュースの教育でもあるんだから。公募の要綱をちゃんと眺めればいろいろと判るに決まってるが、残念ながら現時点では、もう県立音楽堂の公式ページに応募要項は挙がってません。うううむ、ちゃんと勉強しておくのだった。

てなわけで、午後3時から休憩挟みつつ午後6時頃まで続いた3つのパーフォーマンスを見物させていただいたわけですが、結論から言えば無責任言い放題やくぺん先生の感想は…

みんな、電子音好きねぇ。

以上です。オシマイ。

いくらなんでもこれだけじゃ酷いから、一応、感想にもなってない感想を記しておきましょう。ぶっちゃけ、後の自分への備忘録で、読者対象一切なし。

最初のヴァイオリンと電子音のデュオは正にそのまんまで、極端に言えばヴァイオリンのピアノの二重奏のピアノ部分をライヴエレクトロニクスに置き換えたもの。正直、説得力のある出し物にするためには、まだまだ見せ方にいまみっつくらいの工夫が必要なんじゃあないかしら。

その次の、みんなで太鼓取り囲んで、打面の上にいろんな道具でペタペタとお絵かきして、その音を拾って電子音で弄って(弄ってるんだろうなぁ)、ついでに後ろのスクリーンでやってる手元や打面に出来てくる絵面をでっかく投影する、というもの。所謂元祖「パーフォーマンス」系で、なるほどそういうもんなのね。でもあたくしめには、この音のみを延々と聴いてるのは極めて厳しいなぁ。かなり拷問っぽい。恐らくはそれが目的という迷惑なパーフォーマンスなのでしょうけど、流石にこの暑い中では溜まらん。スイマセン。

最後のヴァイオリンと電子鍵盤楽器のデュオは、完成度はいちばん高かったかしら。冒頭に電子的に弄って県立音楽堂とは思えぬ深すぎる音響をヴァイオリンとキーボードで作ってみた辺りでは、「へえええ」と思ったです。途中でひとつ、動きを後ろのスクリーンに変換して映し出し一切音はなし、という完全なパーフォーマンス作品があって、なんかこういうのよく見るぞ、でもなんでこの舞台でやらにゃならんかなぁ、県立音楽堂という空間でわざわざやる必要がないことをやってみるのが目的と思わざるを得なかった次第。その後には、耳をつんざく電子音を背景に演奏している楽器が聞こえなくなる、というパーフォーマンスもあったんだけど、これまた最初の30秒くらいで「判ったからもう結構」と悲鳴を挙げたくなった老人でありましたとさ。

神奈川県立音楽堂という放っておけば素晴らしい響きの空間の中で、みんな寄って集って電子音をあれやこれや、それも些か素朴過ぎて決して「美しい」とはいえない響きを、思い切りデカく奏でてくれた。そんな大音響の中で懐かしく思いだしていたのは、遙かコロナの前の夏にアムステルダムでの《光》抜萃上演の時に経験した「電子音もなんと美しい響きになったことか」という驚きでありました。あれ、当電子壁新聞でなんか書いたと思ってたら、どうやら商売もん原稿で書いてたらしい。ま、こういうのがあったときの感想。
https://yakupen.blog.ss-blog.jp/2019-05-29
どういうわけか、神奈川県立音楽堂が選んだ3組の若い意欲的なアーティストの皆さんって、電子音と響きの美しさを両立させるという今時の課題には関心がまるでなかったみたい。どうしてなんでしょーかねぇ。ううううむ…

そんなこんな、暴言を許していただけば「ああああやっぱり酷い目にあった、まともに銀座のQインテグラに言っておくんだった」と大いに後悔しつつ、でもそんな本来の職種を捨てても敢えて失敗感を経験するためにわざわざ暑い中を遙々横浜くんだりまで来たのも事実なのであった。

さ、もう日が暮れる横浜の空、佃大川端縦長屋で御家族が横浜土産崎陽軒弁当を待っているので、慌ててもどらにゃならぬ。この企画の番外編みたいに上演された「みんなで《in C》を演奏しながら紅葉坂を練り歩こう」というアフターコンサート扱いのイベント準備が進んでいるロビーで知り合いの参加者さんに手を振り
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よたよたと港がまるで見えぬよう坂を達塞ぐビルの壁に向け下っていったのであーる。

演奏者やスタッフの皆様にはしっかりと感謝の意を表明すべきなんでしょうけど、こちらも聴衆として大いに疲れ、不快感や身体的な苦痛を経験するという貴重なデータ提供をしたのだから、お互い様。文字通り、お疲れ様でした。新しいことはそう簡単には上手くいかぬ、という当たり前のことをあらためて痛感した夏の午後でありました。

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本日前提:無料でジョン・アダムスの1日 [現代音楽]

作曲家ジョン・アダムスの75歳を記念して、出版社のブーシー&ホークスさんが壮大なプロモーションの1日を開催しております。アメリカ合衆国は独立記念日を来る月曜に控えた連休気分の金曜日夜、日本時間では本日土曜日の午前1時から、以下のYouTubeサイトで24時間の間、ずっとアダムス作品を無料で垂れ流しにしてくれておりまする。

今何やってるのかとか、次ぎに何が来るかとか気にせずに、延々と暑い土曜日の1日をアダムスのサウンドで浸りたいという方には、最高のBGMですのでお楽しみあれ。なお、映像はなくあくまでもノンサッチが出したアダムスのボックス・セットを流しているというものみたい。

説明がめんどーなんで、ほれ、こういうもの。ペトっ。

On July 1, 2022, Nonesuch Records releases "John Adams Collected Works," a 40-disc box set of recordings spanning more than four decades of the composer’s career with the label. Listen to a 24-hour stream of tracks from the boxset, including recordings of Adams's iconic orchestral, chamber, and opera works, plus video interviews with the composer about his music.

Learn more and purchase "John Adams Collected Works":
https://www.nonesuch.com/albums/colle...

Learn more about John Adams:
https://www.boosey.com/Adams

アダムスといえば、この9月にはSFオペラで《アンソニーとクレオパトラ》なんてメト意識しすぎの狙いすぎ新作が出るし
https://www.sfopera.com/on-stage/antony-and-cleopatra/
世間的には、9月からのシーズンでパリ・オペラ座がデュダメル指揮ニクソンとニクソン夫人をトマス・ハンプソンとレネ・フレミングなんて突拍子もないキャストで《中国のニクソン》新演出を出すことが最大の話題でしょうねぇ。これは絶対にDG辺りが録音しそうだなぁ。
https://www.operadeparis.fr/en/season-22-23/opera/nixon-in-china
いやぁ、凄い時代になったものよ。SFOはタイミングとして無理だが、パリは…これはもうエミレーツで行くしかないか。

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大阪国際参加エントリー費用無料に! [大阪国際室内楽コンクール]

当無責任私設電子壁新聞を立ち読みなさっている皆様にはあまり関係ないことかもしれませんが、なかなか興味深い、そしてとても太っ腹な美談でありまする。

2020年に第10回開催が予定されコロナ禍で延期を繰り返した大阪国際室内楽コンクール&フェスタ、なんのかんので来年の薫風皐月に開催されることになり、現在、参加団体を鋭意募集中でありました。そんな中、本日、大会事務局から「大会参加費を無料にします」というアナウンスがありました。
http://www.jcmf.or.jp/news/detail.php?news_id=122

上の公式文書にある「世界情勢を鑑み」という理由がどういうことなのか、まあ、いろいろあるのでしょうけど、ともかくコンクールでほぼ唯一の収入たる参加者エントリー費用をなくすというのですから、たいそうな決断でありましょう。コンクールというのは一切のお金を生まない、資本主義の世の中にあってかなり不思議なイベントです。お金は生まない代わりに、無限の価値を生み出すかもしれないわけですから。膨大な額の大会開催経費全体の中で、参加者からのエントリーフィーでどの程度のカバーになっているのか、なんせ渡航費用や滞在費も提供される大阪大会ですから、敢えて言えば微々たるものでありましょう。とはいえ、いくら円が安くなっているからと言え、スムやらチャットやらタカやらで生活なさっている音楽家からすれば、とんでもない額でしょう。フェスタ部門の参加希望団体には、大きな後押しになるんじゃないかしらね。

大阪大会、もうあと10ヶ月ではないかぁ。その頃には、どんな世界になっているのかしら。バヤンの名手を集めたアンサンブルなんぞが、遙々大阪に来られるような世界なのだろうか?

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