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ボンクリは電子音響のフェスティバルだ! [現代音楽]

どれくらいの方が気付いているか判らないけど、明日明後日と池袋は東京芸術劇場で開催される藤倉大氏監督(なんですよね)の「ボンクリ」が、いつのまにやらニッポンではいちばん大規模な「電子音楽」の音楽祭になってしまっているじゃあないですかぁ!
https://www.borncreativefestival.com/

もちろん、ライヴ音響の普通のゲンダイオンガクもいっぱいありますけど、この都市型、というか、ヴェニュ総動員型フェスティバルの初めの頃から地下のギャラリーのようなところでひっそりと、でもずっと開催されていた様々なタイプの電子音楽のライヴ上演が、ジワリジワリと表に出てくるようになり、とうとう今年はラインナップの半分以上が所謂「電子音楽」がらみで、ついにはこんな空前の大演奏会まで開催されることになった。
https://www.borncreativefestival.com/grownup

なんとまぁ、あの東京芸術劇場のいちばん上に据えられた大ホール、普段は読響さんやら都響さんやらN響さんなんぞがマーラーやらを鳴り響かせる巨大空間で、「ボンクリ・フェス2022のアーティスト選曲による“出演者なし”の電子音楽コンサート。コンサートホールが巨大なリスニングルームに変身。コンサートホールに設置されている無数のスピーカーをふんだんに使い、選りすぐりの電子音楽に浸ることができます。」だそーな。

こんな演奏会って、70年大阪万博の鉄鋼館以来じゃあないかい。でも、どうやら主催している芸劇さんったら事の重大さをあんまり意識してないみたいで、「いつも地下階でやってる奴、もうみんないろいろ耳に慣れてきたみたいだから、今年は大ホールでやっちゃうかぁ」くらいの、肩に過多な力が入ってない様子なのが、これまたなんともナイスでありまするな。

コロナ禍以降の今、よく考えてみると私たちにとっていちばん耳に馴染んでいて近しい存在の「楽器」って、ヴァイオリンやらピアノやらではなく、アンプやスピーカーなんですよねぇ。全人類とは言わないが、少なくともニッポンの都市生活者が耳にする「音楽」の99%までが再生音だろうし、再生装置やマイクスピーカー通さない生音を日常的に聞いてるのはごくごく一部のクラシック音楽関係者かクラシック音楽ファンしかいない。それに、創作だって電子音が簡単といえばいちばん簡単。さあ、あなたもやってみましょう、そこにパソコンさえあれば直ぐに音楽を創ることができますよ、ってさ。

電子音といっても、ホントにいろんなものがある。へええと驚いたり、何じゃこりゃと呆れたり、おおおおおなんて綺麗なんだと陶酔したりと、何が出てくるか判らぬのも面白いところ。この勢いでかのシュトックハウゼンの大作…の筈だったのにねぇ…

ま、死んだ子の歳を数えても仕方ない。さあ、明日明後日は、気を取り直して池袋にGO!どれも絶対居面白い、とは敢えて言わないけど、ダメと思ったら抜け出しちゃえばいいだけですから。

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