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バンフ始まってます [弦楽四重奏]

ババリアはミュンヘンではもうフルートのセッションは始まっている葉月晦日の晩、明日の2年9ヶ月ぶりの出国を前に、もうホントにどうやって国を出るか忘れてしまったやくぺん先生ったら、本日はいろいろ雑用山積み。八丁堀に海外用ルーターのチェックに行き、銀座で温泉県盆地に置きっぱなしにしちゃった長距離機内用サンダルを買い、ついでにデパ地下でミュンヘンで会うあの方この方のための手土産を慌ててひとつ買い足し、その間にもあれこれ書類を準備してエティハド航空のチェックインを無事済ませ…もうたっぷり疲れてしまったわい。

そんなこんなバタバタする間にも、遙か太平洋越えてロッキー山脈の彼方バンフでも、一足早く「弦楽四重奏北米決勝大会」っぽい展開となっているバンフ大会が始まってます。しっかりライヴストリーミングが始まっております。どこから行くのが公式か良く判らんが、ほれ、ともかくこちらからどうぞ。
https://www.facebook.com/theviolinchannel/videos/381264557512906

なんせこの大会、前回の段階で既にやくぺん先生は引退宣言をしスキップしてしまったんで、もうまるっきり流れが見えない。参加している団体で知ってる連中がひとつもない大会なんて、この仕事を始めた90年代前頃に舞い戻ったみたい。新鮮と言えば新鮮なんだがけど、やっぱりなぁ…

この今弾いてるアガーテQって連中にしても、名前はプロカルテットやコロナ禍でやれなかった大会の参加予定リストなんぞで見ていたものの(なんせ、かつてあの人やこの人が加わった藝大の女性4人団体がこの名前で、ゆふいん音楽祭にも来たことがあったから、イヤでもこの名前は気になるわなぁ)、ライヴで聴いたことない。なるほど、いかにもプロカルテットでしっかり勉強してます、って音楽やってますね。こういうのをあのバンフの審査員団がどう評価するんだろうなぁ。

バンフも、ホールが随分と響きが良くなったみたいで、「あのバンフで聞こえれば世界のどこで弾いても大丈夫」という逆の意味での厳しさが薄れたとしたら、ちょっと残念でもありますが。

ミュンヘンARDと完全平行という史上稀な困った展開になっているバンフ、どんなことになるやら。お暇な方はフォローして下さいませ。あたしゃ、明日は午後から乗り継ぎ2時間半入れれば総計17時間くらい飛びっぱなし、到着したら1次予選会場の音楽院に直行状態なんで、バンフのフォローはほぼ無理です!

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大邱の《リング》サイクル [音楽業界]

恐らくは、ニッポンの音楽関係者やヴァーグナーキチガイの皆様にも届いていないんじゃないか、という情報。何を今更、なのかもしれないけどね。

昨日、2年と9ヶ月ぶりの出国を前に久しぶりに「あっちに連れてけない調べ物仕事」に勤しみ、予定していた木曽福島にも行かずにシコシコお仕事している合間、これまたこんなときの定番として「ところでこの時期の欧州各地ICEが停車する規模の地方都市劇場はなにをやってるかな」調べを始めてしまい、おおおおお欧州各地はいろんな意味でコロナ禍の影響がまだまだ出ておるなぁ、ホントの意味でいろいろめんどーな作品は圧倒的に減っていて、暫くは安定路線で再構築かしら…なーんて思ってたら、こんな話が出てきました。送り出すマンハイム側ではなく、受け入れる大邱オペラハウスの側の告知でどうぞ。ええい、もうチケット買えるページを並べるぞぉ。

ラインの黄金:http://www.daeguoperahouse.org/eng/contents/01_performance/page.html?mid=177182&mode=view&no=1827&start_date=&end_date=&event_title=&event_type1=&event_type2=&event_type3=&event_state2=%EA%B3%B5%EC%97%B0%EC%98%88%EC%A0%95&event_state3=%EA%B3%B5%EC%97%B0%EC%A2%85%EB%A3%8C&event_state1=%EA%B3%B5%EC%97%B0%EC%A4%91&search_month=2022-10
ヴァルキューレ:http://www.daeguoperahouse.org/eng/contents/01_performance/page.html?mid=177182&mode=view&no=1841&start_date=&end_date=&event_title=&event_type1=&event_type2=&event_type3=&event_state2=%EA%B3%B5%EC%97%B0%EC%98%88%EC%A0%95&event_state3=%EA%B3%B5%EC%97%B0%EC%A2%85%EB%A3%8C&event_state1=%EA%B3%B5%EC%97%B0%EC%A4%91&search_month=2022-10
ジークフリート:http://www.daeguoperahouse.org/eng/contents/01_performance/page.html?mid=177182&mode=view&no=1842&start_date=&end_date=&event_title=&event_type1=&event_type2=&event_type3=&event_state2=%EA%B3%B5%EC%97%B0%EC%98%88%EC%A0%95&event_state3=%EA%B3%B5%EC%97%B0%EC%A2%85%EB%A3%8C&event_state1=%EA%B3%B5%EC%97%B0%EC%A4%91&search_month=2022-10
神々の黄昏:http://www.daeguoperahouse.org/eng/contents/01_performance/page.html?mid=177182&mode=view&no=1843&start_date=&end_date=&event_title=&event_type1=&event_type2=&event_type3=&event_state2=%EA%B3%B5%EC%97%B0%EC%98%88%EC%A0%95&event_state3=%EA%B3%B5%EC%97%B0%EC%A2%85%EB%A3%8C&event_state1=%EA%B3%B5%EC%97%B0%EC%A4%91&search_month=2022-10

来る10月16(ラインの黄金)、17(ヴァルキューレ)、19(ジークフリート)、23(神々の黄昏)日、大邱のオペラハウスでマンハイム歌劇場の韓国人演出家ヨナ・キム
https://www.nationaltheater-mannheim.de/de/ensemble_detail.php?PID=2964
による新演出《ニーベルングの指輪》サイクルがステージ上演されます。絵面はこっちで見てちょ。
https://www.nationaltheater-mannheim.de/de/spielplan.php

これ、ソウルで始まって《ラインの黄金》だけで頓挫していたダン・エッティンガーが指揮担当していた演出とはまるで違う、やくぺん先生は毎度ながらの《神々の黄昏》抜きで眺めた奴とはまるで別、新しいヴァージョンです。ま、関心ある方は調べるなと言っても勝手に調べるでしょうから、さあ調べておくんなせぇな。

このチクルス、大邱のオペラハウスのフェスティバルでの上演で、お値段も安く、コロナ前だったら大邱なら成田からエアプサンが飛んでるし、宿はラブホテルみたいなもんならオペラハウスから徒歩圏の駅の反対側にいくらでもあるし、ちょっと行ってくるかぁ、ってもんでしたけど…今は、まだ日本中国並みに入国の壁が高く、観光ヴィザ貰うだけで新宿御苑横のくにゃくにゃビル前に朝から並ばなきゃならんという状況。実際、大邱に行こうと思ったら、エアプサンが運行停止中でもソウルか釜山からKTXかバス乗ればあっという間なんだが…壁は高いですなぁ、10月では。

正直、このニュースを知ったとき、《ラインの黄金》と《ヴァルキューレ》だけで良いから眺めに行くか、どうせ温泉県盆地にいるときだから、博多港まで行って3時間で釜山に渡り、釜山駅からKTX乗れば半日かからないな、と思ったんだがぁ…それ、出来ない。なんせ、博多港国際線ターミナルから対岸に渡る船が運休中でんがな。板付から金海空港へのひょいっと海峡跨ぐ便も、ない。みんな仁川まで連れて行かれてしまう。無論、温泉県国東半島先っぽ空港からの仁川便は、ずっと運休中。海峡、海深し、でありまする。

てなわけで、この無責任壁新聞で煽れば、あの人この人がなんとかして行くであろう、と期待しつつ、あたしゃ、対馬海峡の南から眺めておりまする。さあ、ニッポン列島のヴァグネリアン諸氏よ、己の名誉に賭けて、海峡横断に挑戦してくれたまえっ!

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《中国のニクソン》スーパー三連ちゃん可! [現代音楽]

今朝から、なんのかんのホントに3年ぶりに「2週間くらいの欧州に滞在する間のICE停車くらいの規模の劇場の演目総浚え」を始めてしまったら、とてつもないことが判ってしまった。ううううむ、これは困った。

今シーズンのパリ・オペラ座最大の話題は、あの宇宙船月面《ボエーム》の再演ではなく、メインキャストがトーマス・ハンプソンとレネ・フレミングで指揮がデュダメル、という超スター布陣で挑む《中国のニクソン》新演出であることは誰も否定できない事実であろーぞっ!今シーズンのパリ・オペラ座は、このためにあると言っても過言ではないであろーっ!←はっきり過言だけどさ…
https://www.operadeparis.fr/en/season-22-23/opera/nixon-in-china

恐らくは空前のスーパースターキャストによるこの作品上演、恐らくは一瞬でチケット消滅であろうが、ともかく眺めに行くと決断した瞬間、もうひとつ、こんなのが存在している事実を発見したのであったぁ。
https://www.theaterdo.de/produktionen/detail/nixon-in-china/

そー、かのフィリップ・グラス初期偉人三部作の驚くべき演出を出してくれた、とりわけ過去にこんなやり方があるとは誰も考えなかった《浜辺のアインシュタイン》で度肝を抜くというか、呆れかえるというか、おいおいこれありかぁと物議を醸したこの劇場、このアダムス作品を上演するに最も適した総合舞台創作の地であることは、これまた誰にも否定できない事実であろーぞっ!

日程をじっくり眺めると、なんと3月29日は両方の劇場で上演してるじゃないの。んで、3月29日にドルトムントで見物し、ICE乗って延々とパリに至り、4月1日にバスチーユ、という日程が作れるわけですわ。若しくは、4月12日か16日の公演をパリで眺め、間の14日にドルトムントに行ってくる、という手もある。ドルトムントは街の南にLCCの空港があるから、パリから格安便でも飛んでるかも。

更に日程を繰っていくと、驚くべきことに、続く4月17日にはマドリッドのテアトロ・レアルでも!
https://www.teatroreal.es/en/show/nixon-china
うううむ、テアトロ・レアルの広報さん、コロナ禍の間もリリースをしっかり送り続けて下さったけど、ゴメン、真面目にちゃんと見てなかった。スイマセン。

てなわけで、その気になれば、4月14日ドルトムント→4月16日パリ→4月17日マドリッド、と4日間に欧州諸都市で3つの異なる《中国のニクソン》フルステージ公演が観られるのであるぞよ、皆のシュー!!!!!!ブーシー&ホークスさんの公式ページを眺めると、こんなん。
https://www.boosey.com/cr/calendar/perf_results?musicid=7156

さあ、もうこれは決まった。俺はこの時期、日本にはおらんぞ!翌月には大阪国際室内楽コンクールが始まって大阪張り付きになるが、その前にアダムス三昧じゃ。

さあ、働こう、ガンガン稼がねばっ。

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君はケージの何に関心があるのか? [現代音楽]

世の中何が起きているかよーわからんけど、どうもこの2020年夏以降、ニッポン列島では「第2次大戦後の前衛オペラ」古典の見直しがいきなり起こっているようでありましてぇ、去るお盆の真っ最中には温泉県盆地オフィスから遙々ニッポンの真の首都ナゴヤまで行き、その後炎上しちゃった(比喩でなく…)空港バスの姉妹号に乗って栄のアーツセンターまで行ってケージの集大成《ユーロペラ3&4》を見物。商売もんなんでこんなところに中身については書けないけど、これがアルメイダ劇場ならぬ愛知芸術劇場小ホールの当日の様子。
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昨晩は、新帝都は溜池で夏の終わりの伝統現代音楽祭り真っ最中に割り込むように乱入したスーパースター落合陽一息子さんのプロデュースに日本フィルが乗っかる年に一度の若者向け演奏会で、これまたケージの初期作《ミュージサーカス》が上演されましたです。これ、開演前にカラヤン広場でやってた同作品オープン上演に引っ張り出された張りぼて猫。
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実は、やってるイベントが見えない場所に陣取って急ぎの作文作業をノマド仕事していて、野外サーカスは音で聴いただけなんですけど…ホーミーとかスチールドラムとか、はたまた坂本九とか、いかにもなもんが騒々しく流れていたようであります。夏終わりのサントリー財団祭りのために来日中のクラング・フォーラム・ヴィーンが新ヴィーン楽派名曲小編成編曲集なぁんて、いかにもいかにもな超トラッドなことを小ホールでやってる隣の大ホールは、「なんでもいいから一緒にやっちゃってください」のホール版。最初にウルトラマンがシュワッチと出てきて、沖縄舞踏、アイヌ音楽、比叡山声明、イサン・ユン、打楽器音楽などを一緒にやっちゃいました――なぁんて60年代直感音楽偶然性の音楽ハプニングまんせー、ってもんを観せてくれる。客席には、恐らくは本日演奏されるクセナキス作品のためもあって仮設された舞台がどかーんと据えられ、サトちゃんとか
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なにやらAI組み込まれたシンセサイザー型ロボットが、動きながら聴衆と一緒に見守ってる。
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60年代っぽいハッタリかました世界、落合息子さんったら、舞台の上で若者に説教する中で「これはやっておかないと、先に行けない」みたいなことを「苦笑」という感じで仰ってました。ま、6年かけてこれがやれるまで来て、藤倉氏に新作書かせちゃうんだから、落合息子さんも「ゲンダイオンガクギョーカイ」の納まるところに納まってきたかな、と感慨ひとしおな晩でありました。

ま、そういう感想にもならん感想はそれとして、やくぺん先生的に感じたことってば…ああああ、ナゴヤの足立さんも溜池の落合息子さんも、「この作品がどうやって作られているかを説明する気は毛頭ないのだなぁ」。それだけ。

高齢者やくぺん爺とすれば、こういう作品への関心は、なによりも「混沌をどうやって組織するか、はたまたしないのか」の一点にかかっているわけで、結果として生まれてくる舞台というか、作品そのものは、正直、どーでも良い。なんか凄いことが起きることもあるし、全然スカなこともある。それはもう、今日は新帝都の風景は雲と太陽の具合でなんとも美しく見えるではないかい、とか、ああ残念ながら今日の由布岳はなんにも見えないわ、とかいうのとまるっきり同じ。それだけのことです。だって、「ニンゲンの手でどこまで自然を作り出せるか」ですからね、よーは。

で、驚いたのは、この2つの公演、当日配布される刷り物には、共に「この作品がどうやって作られているか」の説明が一切ない。足立氏も落合氏も、自分が作品をどう思うかなどはお書きになっているのだが、実際にケージがどういう指示をしており、それに対して自分が何をやってるか、とりたてて説明らしきものはない。足立氏には、商売ということで終演後に楽屋でインタビューをさせていただき、ご本人の意図は成る程と判り、短い原稿になんとか突っ込んで提出したんだけど、昨晩の落合氏に関しては単なる見物人ですので、このカリスマ青年がなにをやってるのか尋ねるチャンスもなく、現場スタッフに立ち話で愚痴を聞くくらい。正直、落合氏が何をやったか、ぜーんぜん判らなかった。どうやら、観る側がそんなことを判る必要はない、って思ってらっしゃる、ということなんですな。

なるほどねぇ…。

てなわけで、いよいよ俺の現役時代は終わったな、と思う夏の終わりなのでありましたとさ。

戦後前衛回顧、次は10月の《浜辺のアインシュタイン》東西競演、そして11月の巴里でのサイクル4作目《光の金曜日》へと突き進むっ。半世紀以上の時を経て、「前衛」がどんどん過去に納められて、安心して扱えるオモロイ娯楽となっていく。ま、それはそれで良いんでしょ。

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UNOQ仕切り直してスタート [弦楽四重奏]

去る8月頭、九州は福岡を拠点に新たな弦楽四重奏団が旗揚げされることになっておりました。こちら。
https://www.facebook.com/events/4863086767147924/
https://www.nishinippon.co.jp/kyushu_event/17011/
山下大樹(九州交響楽団首席第2ヴァイオリン奏者)、飯田拓斗(九州交響楽団第1ヴァイオリン奏者)、ヴィオラ橋本和樹、チェロ宇野健太というメンツの30代(だと思うが…)。皆様ご存じの福岡ハイドンQを筆頭に、アマチュア奏者を中心に意外な程の室内楽活動があるキューシュー島北部、常に室内楽活動の拠点となってきた九響ベースとはちょっと違う団体がこの世代から出てくるのは、大いに期待されます。

…と思ってたら、この演奏会、今時毎度ながらの諸事情で中止になってしまいました。やくぺん先生としてみれば、この日は佐世保の団体とバッティングしていてどっちに行くべきか大いに悩み、佐世保は最終回ということで苦渋の選択をしたわけで、佐世保に向かう特急みどり車内で中止を知ったときには、なんとも複雑な気持ちでありましたとさ。

さても、これで負けないのが若さだよUNOちゃんっ!←昭和死語

UNOQ、復活の第1回演奏会が決まりました。こちら。って、コピペ。

[日時] 2022年10月19日(水)19:00開演(18:30開場)
[会場] 大名MKホール
[曲目]F.J.ハイドン:弦楽四重奏曲第0番変ホ長調 Op.1-0
   L.v.ベートーヴェン:弦楽四重奏曲第4番ハ短調 Op.18-4
   A.ボロディン:弦楽四重奏曲第1番イ長調
[料金] 一般 3,000円/学生 2,000円(当日各500円増し)
[チケット取扱] Livepocket https://t.livepocket.jp/e/oasqo
[お問い合わせ] kyushucelloproject@gmail.com

なんといってもウリはボロディン1番でしょう。ともかく長いし、1番が名曲過ぎるので殆ど演奏されませんけど(ついこの間、モルゴーアQが定期でやってましたねぇ)、流れる時間に身を浸すタイプの、ノンビリ聴ける音楽です。

なお、第1回のリベンジも来年に予定されているとのこと。九響メンバーがいるので、どこも同じで日程作りは大変だそうですけど、現実問題として続けるためにはこういうやり方しかないでしょう。ぐぁんばってほしいものであります。

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今年は豪華なアジア・オーケストラウィーク [音楽業界]

秋の芸術祭開幕を飾る、実質上一年に一度だけニッポン国文化庁が直接主催するクラシック音楽演奏会、「アジア・オーケストラウィーク」が今年も無事に開催されます!こちら。
https://www.orchestra.or.jp/aow2022/

詳細は上の公式URLを眺めていただければいいわけだが、なんといってもやはりマニラ→那覇→ソウルと環太平洋を時計回りに北上する豪華参加団体の顔ぶれに尽きるっ!コロナ禍のまる2年、やりたくてもやれなかったことを一気にやっちゃうぞ、ってやる気満々のラインナップ!演目も、それぞれのオーケストラがしっかり地元の作品を紹介してくれて、トリを飾るはイサン・ユンの交響曲第2番という堂々たるもの!

そしてそして、こんなもの凄い演奏会がたった1000円札1枚で聴けてしまうのだよ、皆の集!文化予算果つる日出づる国、なけなしの文化予算も半分が文化財保護という恥ずかしくて人に言えないよーなニッポン国も、御上が本気出せばこんな値段でこんなことが出来るのだ、という証拠のようなコンサート・シリーズでありまする。

さあ、みんな、新帝都から神様がお出かけになる月の初めは、初台に集まるべしっ!新帝都の民よ、これを聴かずに何を聴くというのじゃ!

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しんかんせんコンサート! [音楽業界]

恐らくは新帝都を含めキューシュー島に関わりの無い皆々様には全く判らんことでしょーが、今、キューシュー島は「シンカンセン」で盛り上がっておりますっ!ホントに盛り上がってるのか、この春に特急大幅値上げと駅の人員大幅削減をやらかしたJR九州さんが、もうなにがなんでも盛り上げようと必死になっているのか、なんとも判らんけど、ともかくJR駅なんぞは大いに盛り上がってるよーに見えるわけですは。この新しい線に最も冷たい筈の佐賀駅でも、ほれ、こんな。
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本日、お盆休みは終わってもまだまだ夏休み値段の公共交通、お嫁ちゃまが温泉県盆地から新帝都は大川端に戻ろうとして、最もお安い方策は、なんとなんとジェット★やら桃さんではなく、佐賀空港発のSpring Japanさんなのであった。で、朝からお見送りでせっせと一緒に田圃と遠浅の海の真ん中の将来のニッポンミサゴホームベースへと出かけたのでありまする。で、駅のホームを降りて空港バスに向かおうとすると、上のような告知が改札横に掲げられていたのでありました。

正直、この「キューシューしんかんせん」とやら、鳥栖から佐賀を経て武雄温泉までの長崎本線、佐世保本線の間はシンカンセンとして繋がっておらず、100キロにも満たない盲腸線、というか、断片です。どうやって新鳥栖と繋げるか、喧々囂々、こんなものが出来てもなんの利益にも成らぬ佐賀周辺は冷たい目で騒ぎを眺めている。ぶっちゃけ、この新線、「新幹線」と思うから行けないので、なんのことはない、在来線としてもいろいろと問題があり過ぎる長崎本線の新線が出来たと考えるべきなんでしょう。今更この場所に新線を作るなら在来線ではなく、新幹線フォーマットで作ってしまえ、ということ。どうやって現在の新幹線網に繋げるかなど、考えてない!だって、ともかく今の備前山口からの海沿い線は、余りにも不便すぎるんだから…

ま、そんなこんないろんな思惑はどうあれ、来月末には新線が出来てしまう。佐賀駅でも、こんな手作りポスターを階段に張ってます。
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うううん、佐賀駅のJR九州職員さんは、どんな思いなんでしょうねぇ。なんせ、実質的に駅が開設されたときからずっと当たり前にあった「長崎行き特急」が、あと1ヶ月でなくなってしまうなんて、シシリアンライスから肉がなくなっちゃったよーなもんではありませんかっ!

いろんな思いが交錯するSagaなれど、新線のジャンクションとなる武雄温泉周辺は大いにもりがっているよーで、ぬぁんとおぉ、こんな演奏会がありまするっ!
IMG_4495.jpg
http://www.city.takeo.lg.jp/information/2022/07/011371.html
新線開通の前日、長崎本線に特急かもめが走る最後の日(武生温泉駅には来ないけど)、市内の文化会館に九響が高らかに発信ラッパを鳴らすのだぁ。

なんかチケットが猛烈に安いし、今ひとつ判らん演奏会だけど、やくぺん先生ったら、この日は翌日が竹田の室内アンサンブルの第3回定期公演で温泉県盆地に居る予定なんで、マジ、ちょっと覗いてみようかしら…っても、裏九州文化圏からすれば、延々3時間もかかる遙かな向こうなんだよなぁ…

[追記]

チケット買おー、っとよく見たら、なんとこれって開通前日じゃなくて10月ですね。アホじゃ。スイマセン。

ま、逆に考えれば、熱狂も収まってそろそろ「使いにくくなっただけじゃないか」「みんなバスに流れた」などという声が隠せなくなり始める頃だろうから、かえって現実を眺めるには興味深いかな。いずれにせよ、行きますぅ。

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田舎の花火は大きな送り火 [ゆふいんだより]

立秋も過ぎ、温泉県盆地の夏の終わりを告げる花火大会が、先程無事に終了しました。

このところの盆地の天気予報は「ふるふる詐欺」続きで、午後には驟雨という予報が連日出ているのにまるで降らぬ。ニッポン列島も朝鮮半島も大雨のニュースばかりなのに、ここはどうなってるんじゃ、と不思議な晩夏の空が続いていたのですけど、選りに選って今日は午後から土砂降りの雨。畑でヨレヨレになりかけていた紫蘇の葉には恵みの雨ながら、玄関脇の紅葉に居を構えたキボシアシナガバチさんたちは、雨樋から滝のように落下する濁流に巻き込まれまいと、女王を下にびっしりとおうちに張り付いてます。
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畑の主のニホンアマガエルさんたちは、降っても晴れてもマイペースでケロケロ!
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どうなることかと思われた驟雨も去り、打ち上げの合図も響き、8時半過ぎからいよいよ観光地と反対側に広がる田圃の真ん中から、20分くらい、それほど派手だったり凝った玉があるわけでもない、でっかいお盆の送り火みたいな花火が打ち上げられる。観光地の側はどうだか知らんが、田圃の中の道に出てきているのは近所の住民と、お盆で田舎に来ているらしいお子様たちばかり。あ、一台だけ観光タクシーが乗り付けていたのは、賢い観光客さんが運ちゃんに「人が少なくてよく見えるところに行ってちょ」って頼んだんでしょうねぇ。

ノンビリと、淡々と打ち上げられる田舎の花火は、頂上を雲に隠した由布岳を背景に、夜の田圃をいろんな色に染めていく。花火といえば晴海埠頭の先、虹橋との間の会場から打ち上げれる中央区大華火大会か、遙か大川の上流の天樹隣に眺められる隅田川花火大会、はたまた矢切の渡しの上に輝く葛飾柴又花火くらいしか知らん東夷とすれば、ここ温泉県盆地の花火でいちばん驚いたのは、その音でした。

ドカンと打ち上げられた花火って、視覚と音にちょっとズレがあるところに味わいがあるんだけど、それだけじゃなく、由布岳から反対側の九重の山、市役所がある庄内との境の山、更にはお盆で流石に機械鳥や砲弾、はたまたドローンくんの音がすっかり止んでいる日出生台演習場を隠す山へと複雑に反響し、巨大なポリフォニーを成す。光と複数声部の音のカノンが、もうすぐ頭を垂れそうな一面の緑の田圃を埋めていく。

風の凪いだ宵、最初の数発があがったところで背景を成すまっ黒な由布岳の稜線はさっさと煙に霞んでしまい、源泉から噴き出す真っ直ぐな煙と混じり、盆地全体が朝霧ならぬ宵の霧に沈んでいく。
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盆地の花火は、海風が全てを沖へと散らしてくれる帝都湾岸のそれとはまるっきり違う、でっかいお盆の送り火。なんせここは田圃の真ん中さ、「華火ってのはねぇ、観るもんじゃなくて、聞くものなんじゃよ」なーんて嘯くこともできんわい。

音楽祭も、まだやろうってんなら、こんなもんでいい。田舎の街の、適正規模な、田舎の祭り。

さて、盆地滞在夏休みもあと数日。信州は松本経由で戻った帝都はまだ灼熱だろーし、その先に待ってるバイエルン王国ったら…どうなってることやら。

盆の地に 火華のカノン 夏送り

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今年は《金曜日》 [現代音楽]

夏休みも盛り、なーんにもすることないぞ、しょーがないから暇つぶしに《リング》のBlu-rayでも眺めてやるか…なーんて思っていらっしゃるそこの貴方!ちょーっと待ったぁ!今やYouTubeを漁れば20世紀前半の歴史的演奏からつい先頃ドイツの田舎の劇場で出た最新演出の全曲まで、ありとあらゆる録音映像が溢れている《リング》です。急ぐことはない。人生に、まだまだ何度も全曲に触れる機会はあるでありましょう。

ところがぁあ、《ニーベルングの指話》全曲よりも遙かに巨大、もう何度説明されても何をやってるか判らない、何度聴いても何が演奏されてるか複雑すぎて判らない、そんなとんでもないサイクルの映像を、今ならタダで視られるのです。そー、タダですっ!ほれ、こちら。

シュトックハウゼン《光》より3作

《光の火曜日》

https://philharmoniedeparis.fr/fr/live/concert/1136785-karlheinz-stockhausen-dienstag-aus-licht?fbclid=IwAR0egaPusN6SBFj_QcGHZfkSZmg6tbmCNtJvJJohoe8oRJ-wCM3et-HJn2E
《光の木曜日》

https://philharmoniedeparis.fr/fr/activite/opera/22671-stockhausen-donnerstag-aus-licht?fbclid=IwAR3xN2wKSXoZJtQr8IPzE6RAVMN-snDbJW2HdRuHqGSMZ1qH7opFulguE9A
《光の土曜日》

https://philharmoniedeparis.fr/fr/live/concert/1111564-karlheinz-stockhausen-samstag-aus-licht?fbclid=IwAR2hIadSKsGxv9-l6PbHF8nl-GUrKqsjmKbFYFXx6fA1HjAW2X4c_0gosKA

21世紀の鬼才、こんなまともにしてトンデモな指揮者他にいない、我らがマキシム・パスカル率いるル・バルコンが、グループ存続を賭けて挑む20世紀最大の狂気の作曲家カール・ハインツ・シュトックハウゼンの《光》チクルス、1週間かけての全曲演奏という誇大妄想炸裂のプロジェクトに向け着々と企画が進む中、コロナ禍も、インチキトーキョー五輪でニッポン国東京都がスポーツに予算使い果たし共同制作が出来なくなるという呆れかえったトンデモ話も乗り越え、いよいよこの秋11月には《光の金曜日》が上演されます。

それに先駆け、皆さんに過去にフィルハーモニー・ド・パリで上演された3作品を復習して貰おう、ということ。なんと太っ腹な企画、凄いぞ、フィルはもニー・ド・パリ!

このチクルス、まあなんとか上演出来ないこともない《木曜日》で始まり、巴里が摂氏40度を超える熱波に頭がおかしくなりそうな中で運河挟んだ教会も舞台に上演された《土曜日》。そしてコロナ禍で子供たちの練習などが出来ず予定された《月曜日》が上演不可能、それならばと、順番を換えて上演された比較的コンパクトで短い《火曜日》と、七分の三が上演されてきました。で、今年は中身的には最も「難解」、というか、「一般の人類としては生理的に理解することが極めて困難」な「生物と非生との愛」を描くオペラ・バレエ《金曜日》に至った次第。ま、とはいえ、筒井康隆『虚構船団』が大丈夫な方なら、もーまんたいでありましょうぞ。

ここまで来れば、あと残されるは、舞台のど真ん中に巨大な女性器がドカーンと据えられる、これまた困ったといえば困った《月曜日》、みんな大好きヘリコプター上空乱舞の四重奏が巨大な間奏曲として奏される《水曜日》、そして2つの舞台が並行して進み遙か数百キロ離れたところで誰も聴いていない演奏も同時に行われねばならない祝祭劇《日曜日》と、ウルトラ級に上演困難な作品ばかりが並びます。さああ、どーするパスカル君!って、どうやら既に勝算はあるようなんですが。

暑い夏、トンデモな話に頭をパーにしたいなら、《光》チクルスを眺めてやろーじゃないかぁ!

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盆地の夏祭り [ゆふいんだより]

昨日、先週の月曜日にいきなり内容変更になった無茶ぶり原稿作業をなんとか終え、手元にあるのは〆切がはっきりしないんだがどう考えてもさっさとやっておかないとマズい原稿がひとつだけという状況になり、晴れて目出度く夏休みに突入。20日朝に福岡帝国都大空港から松本のちっちゃな滑走路へと空路移動、そのまま新帝都に戻り月が変わるやバイエルン王都に向かうまでの、ささやかな夏休み期間となりましたとさ。

温泉県盆地と新帝都大川端の2拠点、実質作文作業は大川端縦長屋ではやる場所がない生活となり、結果として当無責任私設電子壁新聞が諸作業の中でも最も冷遇されることになってしまい、書きかけで放置されているもんが山積み。ま、夏休み期間中に少しづつでもアップしていくつもりですが、今時のYouTuberさんみたいに読者数カウント稼いで収入にするような責任ある媒体ではありませぬが故、ま、こんなもんだと諦めて下さいな。なんせ、weblogというメディア、そろそろハッキリと廃止というか存続そのものがなくなりそうな気配すらあり、過去記事が検索可能なアーカイブとして存在している当電子壁新聞なんぞには困ったことなんですけど…まあ、情報の質が圧倒的に変化している時代に生きているんでしょうねぇ。ううううむ…

ま、そんな愚痴は愚痴として、毎度ながらのどーでもいい話。先週には盆地開闢以来一切存在しなかったチェーン系ホテルの星野リゾートがオープンし、タクシーうんちゃんとのあーだこーだ格好の話題となっている観光地、2009年で35年間続いたレギュラー開催が終了して7月最終週末の音楽祭はなくなったものの、もうひとつのメイジャーな祭りたる映画祭は、今年も開催されます。
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http://www.oct-net.ne.jp/yufuin-c/
音楽祭はレギュラー開催がなくなっても延々と続いていた映画祭、去る真冬に実質上のプログラミングディレクターだった伊藤氏が急逝なさり
https://www.47news.jp/7377609.html
どうなるか心配されていたのですが、無事に開催されます。駅前の本屋さんには、亡くなる直前に出版された伊藤氏の著作も並んでます。
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隅っこには、ずっと在庫がなかった拙著もビニ本になってひっそりと据えられておりますので、よろしくです。

とはいうものの、そもそも人口が1万ちょっとの歴史もなければ文化もない温泉と田圃しかない田舎町。伝統と格式の祭りなんてあるでもない。あるといえば、どこの田舎町にもあるお盆の送り火花火大会くらい。
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打ち上げ場所は、やくぺん先生が改札口のない駅からぐるりと線路越えて田圃側にやってきて、緑の中をまあっ直ぐにオフィス軒隠居庵に向けてダラダラと登ってくる直線道路のど真ん中、大分川を跨ぐ橋の袂のようですな。

この満点の星空に、花火が打ち上がる。
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温泉県では「たまやぁ、がぎやぁ」というかけ声が挙がるのか。それとも、コロナ大蔓延の中、声出し鑑賞はここでも一切禁止なのか。

華火咲き 蛙ケロケロ なつやすみ

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