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最後のクァルテットは元気モリモリ [弦楽四重奏]

ヒロシマ原爆忌の週末、温泉県盆地から豊後の山、筑後から肥前の原を過ぎ、遙々有田の谷の彼方のニッポンJR最西端の駅佐世保まで日帰りして参りました。キューシュー島はホンシューや半島からの玄関口たる福岡帝国から鹿児島に向けて南下する、はたまた「裏九州」と言われようが日向灘を宮崎に向け進む方策はそれなりに用意されているのだけど、大分から長崎へと公共交通機関で横切るのはとんでもなく大変。海岸線から特急でも40分以上かけて標高500メートル登ってくる我が盆地からだと、JR優等列車をほぼ待ち時間ゼロで乗り継いでも、最寄り駅を午前9時過ぎに出て佐世保駅到着は12時半くらい。

到着した高架駅は、車窓左手に佐世保軍港が広がる基地の街だけど、駅目の前にあるのは離島に向けた民間小型フェリーなども出ている生活港としてのターミナルなんで、JR横須賀駅みたいにいきなりヘリ空母いずもがドカンと鎮座し、ヘリポートがあり、「おおおおお、基地のゲート前に着いてしまったぁ」って感は希薄。たまたま本日は日本海軍側施設がオープンハウスで、艦艇公開やら関連装備展示なんぞをやってる「ニッポン軍夏祭り」状態。埠頭のショッピングセンター前ではニッポン海軍軍楽隊の演奏会も準備されてます。
inabanorikovc@gmail.comへええヒロシマ忌にお祭りやるんだなぁ、我が軍は、とちょっとビックリ。そういうもんなんかいな。

ま、それはそれ。で、本日のお題はこちら。
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正に横須賀は京急汐入駅から横須賀芸術劇場までと同じくらいの距離のところ二、佐世保ハルカスという大小ホールを備えた芸術センターがあります。JRからそのまま繋がってる松浦鉄道を挟んで港とは反対側で、マリンコ雷電専用ヘリ空母アメリカやら揚陸艦ニューオルリンズなんぞの巨体は鉄路と高速が丁度シールするような建て方となっているのは、横須賀芸術劇場からはどう頑張っても空母ロンや第七艦隊旗艦ブルーリッジは見えないのと同じ。

いかにも「基地があるんでうちはお金がありまして」って感じありありの素晴らしい設備の上層階に、所謂バブル期「室内楽専用」タイプの中ホールが設置され、そこを拠点に「レジデンス弦楽四重奏団」という触れ込みでアルカス・クァルテットという団体が活動していました。いました、というのは、本日の演奏会開始前に、実質上この団体の創設から関わって来た担当の方が舞台に登場し、「一昨年は出来ず、昨年は川崎さんが来日出来ず三重奏、やっと3年ぶりに弦楽四重奏ですが…」と前置きし、この団体の活動は今回で最後、と報告なさった次第。

遙々福岡などからもやってきていた熱心なファンの皆様はご存じだったのやら、それほど「えええええ」という感じもなく、サラリと本番に突入し、ファーストはオタワのアートセンター管(ピンキーの指揮でCBCからいっぱい録音が出てましたねぇ)コンマスの川崎息子、ってか、今やすっかり立派なオジサンの川崎洋介、ヴィオラは言わずと知れた柳瀬省太、チェロは見かけに似合わず(などと言ったら中様に殺されそうだが)高い歌を繊細に奏でる辻本玲。そして、なんとなんとセカンドは我らが西野ゆか様、そー、エクファーストのゆか様なのでありまするよ。

定期演奏会でエクが大いに語っているのをお読みの方は、ゆか様がいつだったかベートーヴェン作品132について大いに語った際に「この曲はセカンドをやってみたい」と仰っていたのをご記憶でありましょうや。あれ、って書きながら、そう言ってたのは吉田嬢のような気もしてきたけど…まあいいや、なんにせよエクのファーストとしてこの作品をもう何十回と弾いてきている隅から隅まで知った方が、敢えて隣のパートを担当する。そういえば、20世紀の終わり頃、最初期の「プロジェクトQ」結果発表会だったかなぁ、ともかくまだエンカナさん時代のエクがこの曲を演奏したのは、個人的には第1期エクの頂点だったという記憶があるのだが…ファーストセカンド交代制だったあの頃のエク、ゆか様がどっちのパートを弾いていたか…ううううむ、記憶にない。

とにもかくにも、これはもう何を置いても聴かねばならんでありましょーぞ。

ちなみのこの団体、10年代初め頃に結成されたとき、まずは川崎氏のファーストというところがスタートで、川崎氏の強い意向でこのメンバーが集められたとのことです。担当者さんによれば、西野さん招聘にはそれなりの躊躇はあったそうですけど、ま、幸運にもエクはサントリー室内楽アカデミーの初代講師として教えるという仕事に本格的に関わるようになったときで、年に1度、1週間ほどを集中的に過ごし練習しアウトリーチをし(コロナ前の年は米軍基地にも行ったとのこと)理想的な会場で本番をし、という経験は弦楽四重奏というものをより深く知る上でよろしいのではないか、ということだったのかしら。

そんな弾くだけなら黙ってても出来ちゃうような人達を集めた今回の「最終回」プログラム、まさかヒロシマ忌に合わせたわけではあるまいハイドン《十字架上の七つの言葉》抜萃に始まり、20世紀半ば杉のアフリカン・アメリカ作曲家ヘイルストークのいかにもなテーマによる変奏曲、こんな曲じゃ。
https://youtu.be/_KEdcLKVlkk
そして団の締めくくりに相応しい作品132、という堂々たるプログラム。

とはいえ演奏は、最後、という言葉で期待するような「万感の思いを込めて」とか「永遠に続くような静かな祈り」とかよりも、きっちりガッツリどんどん弾いて、妙な感傷が入る余地なんぞ微塵も無し、というものでありました。なるほどねぇ、これがプロ達の「最後の言葉」なんだなぁ。無論、西野さんはいろいろ仰りたいことはあったようですけど、これはこれ、と割り切れるのが正にプロ。大いに興味深い音楽でありました。大枚払ってSaseboまで来た意味は大いにありましたとさ。

こういう「最後」も、ある。スタッフ、演奏家の皆様、お疲れ様でした。

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コルバーン音楽院の学生レジデンシィって [弦楽四重奏]

クァルテット・インテグラの公式Facebookでこのような告知があり、マニアさんの間で話題になっております。
https://www.facebook.com/QuartetIntegra/

最初知ったとき、ホントか、と声を挙げてしまいました。まんまコピペします。

※※※


[ご報告]
今年の9月より、クァルテット・インテグラはロサンゼルスのColburn Schoolにレジデンスアーティストとして2年間在籍する事になりました。これからはコンサートのたびに、日本とアメリカを行き来する生活になります! これからも応援よろしくお願いします!

※※※

まあ、さらっと書いてますが、これって、もの凄く下世話な言い方をすれば、「東大文一に合格しました」とか「MITに9月から行くことになりました」とか言ってるようなもんです。いや、もっととてつもなくハードルが高い、世界に同世代でひとつしかない席です(だと思う、コロナでどういう風に情勢がかわっているか、クライヴに尋ねてみないとわからんけど…)。

意外だったのは、ある音楽好きの方から「コルバーンって、どういうとこなんですか?」と訊ねられたこと。うううん、業界的には「西のカーティスになるべく、お金持ちがディズニーホールの真ん前にどーんといきなり建てた超エリート校」としか言いようがなく、ともかく今世紀になって突然出現した世界最高の音楽院と思って間違いない。室内楽のトップは元東京Qチェロのクライヴ・グリーンスミス氏で、第1ヴァイオリンのマーティン・ビーバー氏も行ってる。エベーヌQもある時期は教えていたけど、メンバーが交代した今はどうなのかな。

あ、こういうサイトがあった。ほれ。
https://www.ongakuryugaku.com/program/834-the-colburn-school-conservatory-of-music.html

インテグラのコメントでは良く判らないのだけど、コルバーンの学生レジデンシィといえばあのカリドールQだったわけですからねぇ。呆れかえる程完成度の高い連中で、やくぺん先生は個人的にはコンクールの舞台の上と、あとはザンケルホールでエベーヌQが演奏会やったときに楽屋に行ったら、中になかなか入れず、一緒に外でどーなってるんですかねぇ、なんてブツブツ言いながら外で待ってた連中がカリドールQだったなぁ。あのときしか喋ったことないけど、もう北米ではしっかりマーケットに乗っていて、パーカーとかドーバーとかと並んでるくらいの世代(…かな、ちゃんと調べてない、ゴメン)。この連中が出てきたとき、あの話題のコルバーンがクァルテット業界に送り込んだ刺客、とかいう下劣な言い方をしながらコンクールギャラリーは盛り上がってたなぁ。ともかく上手で、完成度が高い。それで文句あるかぁ、ってね。

そんなところでやってくことになったんだから、これはもう日本のマネージャーさんや主催者さんにはどんな不義理をしようが、もう2年間は日本には一切帰ってこない方が良い。ってか、クライヴの下で死ぬほど弾いて来い、としか言えぬ。

アマービレのYCA合格もビックリだったけど、コロナ禍でチャラになっちゃった今、東京Q以来の「日本出身で、北米の教育システムに入り込み、大学レジデンシィのステップをきっちり踏み挙がり、最後はメイジャー大学レジデンシィをとって世界最難関の北米弦楽四重奏業界で骨を埋める」道が開けた団体です。なにがあっても、太平洋上に巨大な壁を立てて、大阪フェスティバルホールで帰国リサイタルが出来るようになるまで戻るな、と言い続けるしかないぞぉっ!間違ってもLA成田のLCCで行ったり来たりなんでしないでくれよぉ。

土曜日の王子ホール、残念ながら紅葉坂の訳の分からぬ現代物イベントに行くことになっていて、やくぺん先生は行けません。皆さん、聴いてきてちょ。
https://www.ojihall.jp/concert/lineup/2022/20220702.html

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幸松本セット販売 [弦楽四重奏]

広告です。昨年、惜しまれつつお亡くなりになった「弦楽四重奏博士」幸松肇さんの著書が、このような形でセット販売されます。
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徹頭徹尾「実際に正規録音として音になっている団体」を網羅したもので、放送録音なりアヤシげな海賊盤には目もくれず、結果として20世紀後半の「公式にレコードとして記録された演奏」の歴史を記録した貴重なシリーズとなっております。インターネット上に世界中のライヴが溢れかえり、レコード会社が崩壊し、メイジャーだけではなくマイナーも含めた「パッケージとしての録音」が完全に過去メディアになってしまった21世紀20年代とすれば、もうあり得ないタイプの研究書でありましょう。

初期の巻は出版のされ方がちょっと特殊だったもので、案外、マニアや関係者の方でも全巻を揃えでお持ちの方は少ないかも。この機会に、是非書棚を再確認してみてくださいませ。

幸松先生、レコードという形で残されなかった日本のローカル弦楽四重奏団の歴史調査に関心を示されていたところでお逝きになられてしまい、とてもとても残念です。俺にやれ、ってことなのかなぁ…

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エベーヌQを聴く人達 [弦楽四重奏]

昨晩、コロナ禍の2年半で実質上新帝都では初の「外来弦楽四重奏団公演」たるエベーヌQのコンサートが開催されました。
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なにせ、昨年はサントリー室内楽のお庭という祭りでベートーヴェン全曲を披露するためにイェルサレムQが来ただけ、今年になってからも関西や横浜、札幌では一足早くプラジャークQやダネルQがコンサートを開いていたものの、トーキョーでは普通の意味での単発「来日公演」は絶えてなかった。

会場となった紀尾井ホールのロビーは、ちょっと異常な雰囲気。昨晩は溜池お庭でアトリウムQベートーヴェンの最終日だというのに、この会場の弦楽四重奏シリーズでは東京QやアルテミスQで「今はもうここや晴海、はたまたいずみホールの規模では弦楽四重奏は出来ないんだよねぇ、トッパンやハクジュさんが適正規模にまで市場が縮んでしまった」と嘆きの声が挙がるのだけど、なにをなにを。まあ7割程度が埋まる盛況ぶり。それよりもなによりも、詰めかけた聴衆であります。なんとなんと、見渡す限り若いプロばかり!本日全国一斉発売の(多分)「O楽のT」誌プチ特集で非難囂々だろうと思いつつアップした2010年代後半以降のニッポンの若手代表7団体の顔がゴロゴロ。やくぺん先生ご夫婦の後ろの席には溜池室内楽アカデミー一期生やら、遙々関西から駆けつけた現役弦楽四重奏奏者さんやら、本気で弦楽四重奏をやりたいと思っている40代以下の若き室内楽プレイヤーがてんこ盛り。マジ、200人くらいはいたんじゃないのかしらね。
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この絵の中だけでも、あの顔やらこの顔やら、いくつもめっかるわい。

会場ロビーがこんな風になる来日公演というのがあるとすれば、出演者が教育面での大家で、外国の音楽学校やら専門セミナー、音楽祭併設講習会などで教わった生徒さんがどおおおおっと押しかける、というパターンですな。あれぇ、エベーヌって、そんなに生徒がいっぱいいるような教え方ってしてたっけ、と某関係者さんに訊ねたら、やはりプロカルテットでもパリ音楽院やらリヨン音楽院でも、はたまたケルンやシュトゥットガルトの弦楽四重奏教室で教えてるわけではなく、ミュンヘン音楽院でちょっとみているくらい、とのこと。

ってことは、ここに集まった若い弦楽四重奏志望の連中は、純粋にエベーヌの凄さを眺めたくて来た、ということでありますな。

こんな風景を眺めたうちのお嫁ちゃまったら、「ああ、これはカザルスホールにカルミナが来てた頃みたいだねぇ。矢部君とか、みんな目の色変えてマティアスの無茶なボウイング眺めてたよねぇ…」ってすっかり婆さん顔。なるほど、確かに20世紀末の、アルモニコやエクやすばるやらが世界のメイジャー大会を次々と受けにいっていた室内楽ブームの空気が戻って来たような。

なんのことはない、ホントのプロは、業界が盛り上げたり煽ったりしなくても、ホントの世界一が誰なのかはちゃんと判ってる、ってこと。勿論みんな、ピエールやラファエルの真似をしたって全然ダメなことは判っている。ガブリエルらのコントロールっぷりは、なんとか「学べる」かもしれないけどねぇ。

ともかく、凄いもんは凄い。エベーヌが、2022年の今、世界最高峰の弦楽四重奏団である理由は、敢えて営業的に言えば、どんな状況でも汚い音はない、それに、聴衆がどんな関心で聴いても死角無しに「これは勝てない」と思わせるスタンダードの高さ、ってことなのは言うまでもないでしょう。その意味では、昨日のプログラムは「楽器の音色」というところに視点を当てた、些か語弊或る言い方をすれば、かなり判りやすい特殊なものだったかも。なんせ、外来団体がシューマンの2番をメインに据えるなんて、ベネヴィッツQが大阪大会で大技仕掛かけ優勝したとき以来、ってか、外来公演でメインに据えたのは史上初だろーに。全楽章がシューマンの地味なピアノ小品の弦楽四重奏編曲みたいな、とっても不思議な音楽で、更にはアンコールで「ほーらね」って感じにシューマンピアノ曲編曲を弾いて種明かしするなんて(ピアニストたるピエール夫人のアイデアだそうな)、ウルトラコアなマニア層の心もがっちり鷲掴みだもんなぁ。

今回の来日、日本に至る前の韓国やら台湾公演がコロナで全部キャンセル、日本公演もあちこちの主催者がキャンセルして、昨日今日の四ッ谷堀と明日のびわ湖だけになってしまった。
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社内的にも、現状の南回り延々15時間かけて3公演のためにニッポンまで行くかどうか、議論があったそうです。この公演が終わると夏のフェスティバル・シーズン前のバカンスになるから、ま、休養兼ねて久しぶりに行きますか、と遙々来てくれたわけで、ホントにありがとーございますです。もー、やくぺん先生ったら、お礼になんでもしちゃうよっ!

なお、エベーヌQ自身は、日本で教えることも関心はあるとのこと。まあ、とはいえこの物理的な遠さと、なにより円安が進む貧乏ニッポン。どなたかお金持ちの方、なんとかしてくれませんかね?

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「室内楽の楽しみ」の多様性 [弦楽四重奏]

猛烈な円安になろうが、眼に入るありとあらゆるものが値上げになろうが、なんにもしない方が失点無しで支持率が上がるから上院選が終わるまで知らんぷり作戦ミエミエの我が御上、唯一やってることといえばコロナ禍の非日常をじわりじわりとノーマルに戻す作業みたいで、水無月に入るやもうニッポン列島には「外来演奏家」連中が溢れ返ってら。こっちとすれば「一斉に」だけど、向こうとすれば「2年半ぶりに」なわけで、当然のことながら「おおおおい、今、トーキョーに着いたぞ、積もる話もあるから、飯でも食おうぜっ」ってことになるのはニンゲンという心を持った生命体ならば仕方ないところでありましょーぞ。んなわけで、神無月も最初の1週間が過ぎようとする時点でやくぺん先生ご夫妻ったら、もういくつの演奏家関係者入り乱れた久々の打ち上げ宴会やら
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いくつの涙の再会のハグハグやら
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その数を数えようにも、記憶が定かならざる状態。今月いっぱいはこれが延々と続く、30ヶ月ぶりのスーパー再会&宴会月間となってるのでありまする。ふうううう…

当然ながら新帝都(そろそろ「シン」が取れてもいい気がするが、上皇後存命中は外せないんだろーなぁ)は猛烈な演奏会バッティング合戦で、仕方なく日取りをずらし北の大地まで足を伸ばしたり、こりゃお手上げと全て放棄し休養日する荒技に出ちゃったり。

かくて昨日は、日本列島ヴァインベルク祭りの頂点たる温泉県女帝&クレメルに拠るヴァイオリン・ソナタ第5番超満員のメイジャー会場での演奏、はたまたプラジャークQ最後のベートーヴェン全曲演奏の最終日、コロナ禍を耐えてブダペストで開花した若き才能インテグラの門出を祝う溜池お庭収穫祭、なぁんてスーパーイベントが目白押しなのを敢えてスルーし、多摩県最東部というか、トーキョーの西の外れというか、やくぺん先生夫妻が若き日を過ごした武蔵野の地で、なぜか激安じゃないこの主催者としてはノーマル値段、なぜか大ホール、そして今や日本語文化圏チラシ界のひとつのメインストリームとなってしまった持ってけ泥棒チラシもない、という不思議な演奏演奏会に向かうべく、蝦夷地から貧乏人御用達桃さんで梅雨空跨ぎ千葉空港に着陸、そのまま新帝都都心通り越し吉祥寺駅へと馳せ参じた次第でありました。
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https://www.musashino.or.jp/bunka/1002092/1003107.html

昔から「ヴィーン」ネタは可能な限り避けまくってきたやくぺん先生としましては、この団体がどういう素性でどういうやり方をしているのか、まるっきり知りません。どうやらメンバーに山響コンマスさんが入っていて、過去にも何度かバックバンド系の仕事で来日公演はなさっているらしい。第1ヴァイオリンとチェロが旧ハプスブルク帝国の東の方出身って感じに名前の兄弟で、風貌からしてもラカトシュ系というか、なかなか大向こうを意識したベラボーなこともやらかしそうな気配なんだけど…

30余年前に現与党議員の市長の「どんな方法を使っても良いから満員にせよ」という命令一下始まったという伝説が伝わる激安の地、武蔵野市の文化財団が流石に時代の流れに抗せずに新たな組織へと生まれ変わったか、「新法人「公益財団法人 武蔵野文化生涯学習事業団」発足記念公演」なる賑々しいタイトルが付いた演奏会。事前には新主催者が天下のモーツァルト学者先生を招いた事前レクチャーをやったりしてるんで、これはローカル新聞記者が詰めかけ、黒服の招待関係者が居並び、市長なんか来ちゃったりして、開演前に延々と挨拶があっちゃったりする類いの演奏会なのかなぁ、なーんて思ったら…まるっきり違いましたです。聴衆は武蔵野の文化財団最大の至宝たる聴衆リストの多くを占める四半世紀のお得意さん、要はこの会場の固定客でもう都心や遙か鶴見くんだりまで行く気がない熟年ばかり。このところの飯会で欧州の演奏家からも盛んに話題となる「コロナで高齢者が演奏会に来なくなり、その足が戻っていない」という深刻な話なんぞどこへやら、の盛況っぷりでありまする。でも、トーキョーの室内楽コンサート会場で見るコアなファンや同業者の皆さんの顔は一切無し。そりゃそーだろーねぇ。

んで、やってた音楽ですがぁ…これがまた、なかなか興味深いものでありました。敢えて誤解されそうな言い方をすれば、「演奏様式がどうだ、使用する譜面がどうだ、テンポ設定がどうだ、アンサンブルとしてのバランスがどうだ、フーガとソナタの形式上のバランスがどうだ、なんぞとヒョーロンカ先生が難しいことをどうのこうの仰るもんではなく、キレキレのフィドラーが仲間集めてモーツァルトやらベートーヴェンの譜面をそれっとばかりに楽しく初見弾きするのを、みんなが集まってニコニコ喜んで拍手喝采、大いに盛り上がる」ってもの。ああああ、コロナ禍ですっかり忘れてたけど、室内楽には本来こういう盛り上がり方ってあるんだよねぇ、そう、ニッポンならモルゴアQの「プログレ」に集まってくる熟年一歩手前世代なんかの盛り上がりを、《不協和音》や《ラズモ3番》でやっちゃう、というようなものかしら。

音はデッカいので、大ホールでも大丈夫。今時のコンクール世代やバリバリ世代の「メトロノームにこう書いてあるから、行きまーす」って猛烈な勢いで飛び出す《ラズモ3番》終楽章とは大違い、まずはごゆるりと重厚に始まり、ああノンビリゆったり弾けなくなったら止まっちゃってもええんでないのって70年前のヴィーン系人気団体のノンビリしたライヴの再現かと思いきや、コーダに向けてガンガンのスピードアップで、最後はもう止められなかったら聴衆総立ち、って大熱狂。
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ショーマンやなぁ、第1ヴァイオリン氏!

そんなハイパー娯楽系演奏会なんて行ってもしょーがなかろー、と言うなかれ。今時の真面目な若者たちが絶対にやらないような再現のお陰で、なるほどこの時代に流行していたという所謂「第1ヴァイオリン超絶技巧クァルテット」をハッキリと意識した《ラズモフスキー》という曲集、それも最後の大サービスおまけ楽章みたいな部分って、アンサンブルの核はセカンドとヴィオラになって、ファーストは実質上超絶技巧オブリガートなんだよねぇ、ガンガンやっても曲は壊れないように出来てるんだなぁ、なぁんて教科書に書かれているよーなことが音としてとても良く判る。娯楽として楽しかっただけじゃなくて、大いに勉強にもなりました、って一粒で二度美味しい晩なのでありましたとさ。

終演後、居並ぶ熟年聴衆の大拍手に応えるヴィーンの楽人らの、やったぜという満面の笑みったら。そう、コロナで忘れそうになってたけど、室内楽にはこういう楽しみもあったんだっけ。

大真面目な若者の真摯な力演も、どこからどう文句を言っても崩れない世界最高峰の巨匠技も、滅茶ムズ楽譜を思いっきりやっつけてみんなで盛り上がっちゃおうって贅沢な(些かベートーヴェン様に対して不届きな罪悪感も残る)娯楽も、どれもがみんなベートーヴェン!

今晩のベルリン在住ロシアの中堅達は、果たしてどんなことをやらかしてくれるやら。

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ベートーヴェンの初夏が戻って来た? [弦楽四重奏]

まるで梅雨の晴れ間のような水蒸気のカーテンに覆われたような爽やかならざる皐月の晴れ間、バイデン大将軍来訪を週末に控え、些かアヤシい空気も漂う新帝都を眺めつつ、皆様、いかがお過ごしでありましょーか。あたしゃ、明後日からいよいよ3年ぶりに女帝様を迎える温泉県に向かう準備にやっと着手でございまする。ふううう…

ま、世間がコロナだ戦争だとまともじゃない状態が続くとはいえ、それでも緑萌え出る水だらけの水無月はやってくる。そー、例年ならば世界のコンサートシーズンが終わり、夏のセミナーやら音楽祭が始まる前の、メイジャーやらマイナーやら若手やら取りそろえ、国際ツアーの季節でありまする。

なんせこの2シーズン分、それも2020ベートーヴェン年の契約書未履行が溜まりに溜まった状況ですので、さあああやぁっとやるぞぉ、とニッポン列島でも一気にベートーヴェン全曲が炸裂。っても、無論、まだまだ入国及び腰のオケとかじゃなく、弦楽四重奏でありまする。

コロナ禍に巻き込まれつつ無事に2020-21シーズンに全曲を終えたQエク、延期延期が重ねられるもやっと先頃全曲が終わった澤QとウェールズQ、記念年など無縁に安定の活動を続ける古典Qなんぞ、国内中堅長老ばかりか、漆原姉妹の新団体ひばりQやら、澤&福崎&猛烈お忙し山澤らのQオリーブ、今やもう何も言う必要なき大人気売れっ子のQアマービレも王子さんでと、没後200年に向けた新たな長期スパンのチクルスも始まってるし。

とはいえ、広い音楽ファンの皆様の関心は「来日外国団体」の動向でありましょうねぇ。で、いよいよやって参ります、ホントに待ちに待った、何度延期されたのやらの、こちら。
http://www.kojimacm.com/digest/211025_27/211025_27.html
https://musikverein-yokohama.jimdofree.com/%E3%81%93%E3%82%8C%E3%81%8B%E3%82%89%E3%81%AE%E3%82%B3%E3%83%B3%E3%82%B5%E3%83%BC%E3%83%88/%EF%BD%93%EF%BD%91%EF%BD%93%E3%82%B5%E3%83%AB%E3%83%93%E3%82%A2%E3%83%9B%E3%83%BC%E3%83%AB-%E3%82%AF%E3%82%A1%E3%83%AB%E3%83%86%E3%83%83%E3%83%88-%E3%82%B7%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%82%BA/
関西では後期のみ、外来団体としてはコロナ禍で強行されたイェルサレムQ以来の鶴見は初期中期後期並べる「1公演でも大丈夫」タイプのラインナップです。

なんで今更宣伝しているかといえば、プラジャークQ一行、昨日の時点で全てヴィザやら日本滞在許可などはクリアー。本人達も来る気満々で、あとは最後の最後の出入国時合わせて総計3回のPCR検査に全員が陰性となれば、目出度く初日が迎えられるとのこと。ホントに来るか判らないので…とチケット購入を躊躇っている貴方、こんな場所に慣れてしまうと他のどこで聴いても不満になってしまうという困った減少すら起こしている世界の至宝鶴見サルビアホールのチケットも、まだ若干はあるとのことです。さあ、お急ぎでご予約を!

同時期にガッツリ重なってしまい、なんとかぶつからないような処理をするのに大変だったという溜池室内楽のお庭に関しましては、まだ特別のアナウンスはありません。この時期にロシア団体となってしまったという歴史の皮肉がどういう結果を齎すやら…ともかく、今更ですけどデータだけは貼り付けておきます。
https://www.suntory.co.jp/suntoryhall/article/detail/000769.html

両団体がニッポン列島でベートーヴェン弾いてる頃、ロシアネタという意味では遙かにヴィヴィッドなこんな演奏会も。
https://www.kitara-sapporo.or.jp/event/event_detail.php?num=4609
いつものようにトーキョースルーのダネルQ、ショスタコーヴィチとヴァインベルクを披露するのはいつものようにこの札幌だけみたいなんで、やくぺん先生ったら、ことによると帰りを敢行することも考えておりますが…どーなることやら。

そしてそして、困ったことに「2022年初夏の時点で世界最高の弦楽四重奏団」と言わざるを得ないエベーヌQ連中が、サントリーお庭のロシア軍団の最終日とバッティング。ううううむ…
https://www.melosarts.jp/melos-arts/concert/QuatuorEbene2022
もうベートーヴェンは終えました、ってか、メインがシューマンの2番というトンデモなプログラムなのも困ったもんだわなぁ。

みんな、ちゃんとやれますよーに…

[追記]

本日午後の時点で、サントリーホール・チケットセンターのおねえさんに拠れば、「現状に大きな変化がない限りアトリウムQはやります」とのことです。なお、6月5日の札幌のダネル、行きます。桃さん往復24時間セールで手数料税金込み往復10220円也。もう、行くしかない!

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レオンコロ完全試合は逃すも驚異の三連覇達成! [弦楽四重奏]

思いっきり煽って、あとはもう他人様に任せようという悪辣隠居の思惑ミエミエの見出し…

この一週間、遙かアキテーヌのワインと兵器産業の都ボルドーで開催されていたボルドー国際弦楽四重奏コンクール、数時間前に結果が出ました。まだ公式がめっからないので、こちら。現地に行っている大阪国際室内楽コンクールのプロデューサーさんからの速報連絡です。

1位: レオンコロ・クァルテット
2位: カオス・クァルテット
3位: バービカン・クァルテット
現代音楽賞: カオスQ
聴衆賞: レオンコロQ
ヤング聴衆賞: レオンコロQ

なんとなんと、ベルリン拠点のABQアルテミス直系団体(なんだろーなぁ)、我らが近衛の血がヴィオラで支えるレオンコロQが優勝!下馬評通りとはいえ、コロナ後最初に再開された(強行、に近い形にも見えたが)このジャンルの国際メイジャー大会たるボルチアーニで最高位
https://yakupen.blog.ss-blog.jp/2021-06-14
去るイースター前のロンドン・ウィグモア大会でも余裕の勝利を収め
https://yakupen.blog.ss-blog.jp/2022-04-11
過去の世界メイジャー大会としては大阪&ボルチアーニのベネヴィッツQとロンドン&大阪のアルカディアQしかなかった連覇記録にあっさり並んだ勢いで、史上初のメイジャー大会ほぼ三連覇を成し遂げました!うぉおおおおお、凄いぞ、エラいぞ!!

もう現役引退ですっかり野次馬気分のやくぺん先生とすれば、やるなら目指せ完全勝利、だったんだけど、流石にそこまで世間は甘くはなく、委嘱作品賞だけは別団体に持って行かれましたね。ファーステストラップだけとられた、って感じかな。

こうなるともう、世間の関心は9月のミュンヘンARDでの四連覇がなるかに絞られてしまいますねぇ。流石にこのジャンルにはほぼ無関心の極東の島国でも、近衛の血筋ということで引っかかりがあるだけに、そろそろ火が付きそうな。来週には飛行船シアターで開催されるヴィオラ・コンクールに双子で登場のようなので、レオンコロも某TVマンUさんがフライングで手を付けそうな感じだなぁ。

てなわけで、やくぺん先生はもう聴く前からこの連中はもういいや、という感が漂って参りましたので、本日も遙か荻窪まで地道にやってる若いクァルテットを眺めるという本来業務に参ります。日本語文化圏の皆様、レオンコロをよろしく。アルテミスQの正統派交代団体としてジメナウアー事務所がプッシュしてくるでしょうから、今から要注目!

結果としてボルドーのファイナリスト3団体が夏を挟んで真っ正面からの再激突となるミュンヘンARD、昨年初夏から再スタートとなった世界若手弦楽四重奏ラウンドの当面の最終決戦になってしまいましたねぇ。「疫病神やくぺん先生が現場にいると日本の団体は絶対に勝てない」という不滅のジンクスがあるんだがぁ…ま、ニッポンの団体ではないからね。

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ミュンヘンARDとうとう弦楽四重奏部門もアジア大会化 [弦楽四重奏]

数日前に、来る9月2日に一次予選が始まるオクトーバーフェスト前のババリア州都の祭りミュンヘンARDコンクール弦楽四重奏部門のエントリーリストが発表されました。今年はピアノという大物があるのでいろいろ注目が集まりそうなこの日本ではチャイコフスキーと並びバランスを崩して注目度が高い大会、昨年の筈が延期され、この秋でモロにバンフとバッティング。どうしたものかと関係者頭抱えてたわけだが、このような出演団体リストになりましたとさ。ほい。
https://www.br.de/ard-music-competition/competition/category-3/index.html

ななな、なんじゃこりゃぁ!今世紀に入ってから声楽やヴァイオリン部門は「ミュンヘン・アジア国際コンクール」と冗談で言われてたこの大会、唯一アジア枠がほぼ皆無だった弦楽四重奏部門が、空前の事態となってるじゃあないの。バンフが完全に「フィショッフ北米国内コンクール上位大会」化してるんで、ミュンヘンはヨーロッパ大会になるだろうと予想されていたのだが…

今時18団体も参加OKとするというのも時代錯誤というか、なんだかなぁ。恐らくは、どうせコロナや戦争で半分は来られないだろうから、それでも大丈夫なようにしておきましょ、って「半数までの不参加は織り込み済み」の発表なんでしょうけど…それにしてもこれだけを処理するって、審査員連中、ぶっ倒れるぞ。ま、みんな現役クラスばかりの審査員だから体力的には大丈夫そうだけどね。

それにしても、18団体中10団体が実質「アジア系」で、史上空前恐らく絶後のメイジャー大会四連覇を狙い爆走中のレオンコロにも我らが近衛孫がいる。数年前の声楽部門にも匹敵するトンデモな状況。

業界的に困るのは、日本、韓国、中国、台湾、どこも成熟した弦楽四重奏のマーケットが地元には存在していない地域なんで、勝たせても後の面倒の見ようがない。特に韓国は、ただでさえ独奏者志向の弦楽器が溢れているところにノーブスの成功にエスメの大成功が続いちゃって、このジャンルはいけると一斉に若い連中が突っ走り始め、もう収拾が付かんことになっとるわい。どーするんじゃ、ソウルのマネージャーさん!

ま、もう隠居の我が身、コロナとウクライナ戦争以後の世の中はとんでもないことになっておるのぉ、と呆れかえりながら、もうわしゃ知らんとノンビリ由布岳眺めながら畑を耕していたいんじゃが…これじゃあ、そういうわけにもいかんのぉ。なんせ、温泉県盆地からはソウルや上海はトーキョーより近いんだから、現場の様子眺めにババリアの地まで足を伸ばさぬわけにはいかんわい。まだアキテーヌの地では熾烈な闘いが続く最中というのに…

さっさと刈り取らないとならん若根がセイタカアワダチソウみたいににょきにょき伸びてしまってるこの2年の荒れ地状態をどう整理するのやら、世界の室内楽業界。幸か不幸か、来年の大阪がこの混乱の総まとめという感じになりそうだなぁ。

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ボルドー大会本日開幕 [弦楽四重奏]

この2シーズン、世界中のコンクールのスケジュールが滅茶苦茶になってしまい、コロナが終わったことになったような(戦争でコロナどころではなくなったような?)世界になった今年になり、次々と渋滞していた列を整理するみたいに各地の主要大会が再開、結果として目白押し状態になっておりまする。去るイースター頃にはロンドン大会が開催され、レオンコロQの優勝という結果も出た。で、次に控えるのは2019年以来のボルドー大会でありまする。

やくぺん先生としてみれば、現役引退を表明した今や最後に顔を出したメイジャー国際大会が、いよいよ次の会が巡ってきたわけで、いろいろと感慨深い、隠居の庵から由布岳を眺めつつホントに隠居感深まる今日この頃でありまするが、ま、そんなことはどーでもいい。ともかく、ニッポン列島の連休明けというわけではないのでしょーけど、本日5月9日からワインと航空軍事産業の街、フィレンツェ、京都と並ぶ世界三大観光都市のひとつボルドーで「ボルドー国際弦楽四重奏コンクール&フェスティバル」が開催されておりまする。英語のページにしておきましょ。
https://vibrefestival.com/en/

中身は上のURLから眺めていただければもうそれで全部判るわけでありまするが、一応、大会としてのポイントだけ列挙しておくと…

※エヴィアンからの移転後、今世紀に入ってからのムニエ体制が一新され、芸術監督にモディリアーニQが任命された。

※前回の極めて実験的な、「春のセンバツ甲子園大会」的なやり方、要は「参加団体の録音による予備審査でのエントリーではなく、主催者側が他の大会や教育セミナーなどの実績を鑑み参加団体をセレクトしてボルドーに招聘する」という国際コンクール連盟加盟団体クラスの大会では過去に類例のない革命的なやり方は維持されず、第1ラウンド、セミファイナル、ファイナル、という旧来型の顔つきに戻った。

※会場はボルドー市内中心部のオーディトリアムに限定、郊外の会場は用いない。

※フェスティバルの側面が強調され、モディリアーニQを中心としたフェスティバル部門の充実が図られた。

という感じですかね。今回も遙々極東の島国からは大阪大会の若きチーフ・プロデューサーがぐるり南回りで現地に向かってますので、大阪はちゃんと現地の生情報は持っております。ご安心を。

ちなみに、というと失礼ながら、参加団体は以下。

– Adelphi Quartet (Austria)
– Arete Quartet (South Korea / Germany)
– Barbican Quartet (United Kingdom)
– Chaos String Quarter (Austria)
– Novo Quartet (Danmark)
– Quartet Integra (Japan)
– Klever Quartet (Russia)
– Leonkoro Quartet (Germany)
– Mona Quartet (France)
– Zorá Quartet (Austria)

現役引退宣言をしたやくぺん先生も、まだどうにか着いていけるくらいの顔ぶれが並んでますな。ちなみに、本日日本時間午後9時だかから始まる筈の一次予選冒頭一発、我らがインテグラなんですけど、ストリーミングはどうなってるやら。どうやらこちらみたいなんだけど…
https://vibrefestival.com/live/
ま、なんにせよ、関心のある方はいろいろ気をつけて眺めていてくださいませ。

なお、8月終わりから9月初めにはバンフとミュンヘンARDが重なり、後者には日本の団体の参加も決まったという本人らからの情報も挙がっておりますが、急ぐ話ではないので、本日はこれまで。

それにしても、ロシアの連中はホントに来られてるのかしらね。レオンコロの連勝が成るか、モナがどこまで対抗たり得るか、オーストリア系がこのコロナ禍でどうなってるのか、いろいろと興味は尽きない大会ではありまする。

[追記]

どういうわけか、当初の発表よりも遅れたフランス時間午後4時、日本時間午後11時から1次予選が始まり、ストリーミングも始まってます。まずは、インテグラ。
IMG_1349.jpg
なんとなんと、続いてロシアの団体も弾き始めてます!なんとなんとなんと、インテグラはメインはバルトーク5番だったんだけど、こいつらはあっと驚くボロディン1番!こんなのコンクールで弾くの聴いたことないどころか、あたしゃ、ライヴで聴いたことないわいっ。いろんな意味で、凄いぞボルドー!

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もうひとつの「プロシア王セット」 [弦楽四重奏]

新帝都滞在中はともかくやることいっぱい、当電子壁新聞なんぞすっかり放置、コロナも黒海北も事態は全然終わりが見えてない今日この頃、皆様いかがお過ごしでしょうか。

本来ならばとっくに記しておかねばならなかった宣伝を慌ててやりまする。本日午後7時、日暮里サニーホール コンサートサロン(JR・京成 日暮里駅前より徒歩約 2 分、ホテルラングウッド 4 階)でこんな演奏会があります。
https://quartettooceano.wixsite.com/main/concerts

演目をまんま貼り付けますと…

G.ドニゼッティ:弦楽四重奏曲 ホ短調 第 18 番 (1836)
P.ヴラニツキー:弦楽四重奏曲 ハ長調 op.23-1 「プロシャ王セット第 1 番」(1793)
F.メンデルスゾーン:弦楽四重奏曲 第 4 番 (1837)

そー、なんとなんと、知る人ぞ知る「もうひとつのプロシャ王セット」ってか、「モーツァルトの最後の3つ、ハイドン作品50に継ぐ、3つ目のプロシア王セット」でありますな。

ここで、こちらのwikiでもご覧下さい、とプロイセンの王様でデュポールにチェロ習ってたブランデンブルク候の音楽への功績が一覧にでもなっていれば有り難いのだが、そんな便利なものはないなぁ。ドイツ語ならここ、流石にベルリン国立図書館(フィルハーモニーの向かいにモダンな館がありますな)らしく、ベートーヴェンを筆頭に所蔵するオリジナル楽譜が並ぶしっかりしたサイトでありまする。英語版を貼り付けておきましょう。
https://blog.sbb.berlin/friedrich-wilhelm-ii-violoncello/

っても、いきなりこんなもの見させられても困るぞ。ま、この作品23の2の序文でも見て下さい、ってことにしておきましょ。
https://www.wranitzky.com/downloads/strqrt_op23_no2_parts.pdf
ホントは、これをダウンロードして勉強してください、と無責任な放り投げをしたいところ。
https://www.academia.edu/14331653/_Haydn_Boccherini_and_the_rise_of_the_string_quartet_in_late_eighteenth-century_Madrid_in_Ch._Heine_y_J._M._Gonz%C3%A1lez_Mart%C3%ADnez_eds._The_String_Quartet_in_Spain_Bern_2017_pp._53-120_

演奏するのは、「ガット弦の弦楽四重奏団」で売り出し中の注目団体。とはいえ、こんなキャッチフレーズで出てくる団体に一昔前は漂っていたカルトっぽさやマニア臭さ、はたまた「俺たちだけが判ってるぞ」感とはちょっと違う新世代。お気楽に楽しみに来て下さいな。ホントに古典派が好きな方、「ハイドンの弦楽四重奏はやはり作品50にトドメを刺す」などと仰りたい方(そんな奴いるのか?)は是非どうぞ。

[追記]

拝聴し、戻って参りました。
IMG_0759.jpg
ぶっちゃけ、《プロシア王セット》は、ホントにプロシア王のためのセットでありました。もうチェロ無茶ぶりに近く、中声はちゃっちゃっちゃっと合いの手入れてるだけで上と下がガンガンやっとるでぇ、って音楽が始まり、突然セカンドさんがデカい声出したり。なるほどぉ、ボンから出てきたベートーヴェン君、こんなのいっぱい聴かされ「弦楽四重奏書いてかいて」と周囲から言われたら、そりゃ意固地になって「俺は絶対書かんぞぉ」って言ったろうなぁ。いやぁ、勉強になりました。ドニゼッティも、シューベルトの初期みたいな弦楽四重奏のあり方がどんどん先に行ったらこんなになるんかね、って不思議な音楽でした。

まだまだ世界は広い。ありがとう御座いましたです。次回は12月23日だそうな。またまたトンデモなクリスマスプレゼントがいただけそう。それにしても、こういう音楽を面白がって聴ける聴衆が100人弱とはいえ存在するなんて、トーキョーはすごおぃところじゃのぉ、ホント。

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