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秋吉台音楽コンクール弦楽四重奏部門本選進出団体 [弦楽四重奏]

昨日から、山口県の山奥は秋吉台国際芸術家村で、「第13回秋吉台音楽コンクール弦楽四重奏部門」が開催されております。
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(写真提供:サラサーテ)

クァルテット部門の開催は2度目で、前回は優勝がQインテグラとほのQだったということもあってか、今回も9団体が参加する実質上日本で開催されるこのジャンル唯一の国内大会(もうひとつ、不定期で開催される宗次ホールコンクールがあり、久しぶりに来年の開催が予定されているとのこと)として立派に機能しております。

某専門誌にレポートを掲載するために滞在しておりますので、当無責任私設電子壁新聞には最低限の事実関係しか記せません。悪しからず。ともかく、初日の「ハイドン若しくはモーツァルト」ラウンドが行われました。
秋吉台予選.JPG
んで、本日の本選進出団体は以下。本日朝10時からの演奏順で記します。なお、メンバーや演奏曲目は下に貼り付けたPDFをご覧あれ。

Qアチェロ
Qプリマヴェーラ
Q風雅
Qイリス
Qエメ

https://aiav.jp/cms/wp-content/uploads/2024/04/%E6%9C%AC%E9%81%B8%E3%83%97%E3%83%AD%E3%82%B0%E3%83%A9%E3%83%A0_SQ.pdf

残念ながらストリーミングなどはありません。山口や島根、広島、はたまた福岡で暇してる皆様、今から車吹っ飛ばせばまだ午後のセッションには間に合いますから、是非どうぞ。

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お江戸での取りこぼしを黒田藩で討ち取る [弦楽四重奏]

敢えて「弦楽四重奏」カテゴリーじゃわい。

もう2週間も前になるか、桜の花咲き乱れる上野の杜の奥深く、藝大奏楽堂で開催された2024年最大の快挙壮挙暴挙、なんとでも言うが良かろー「シェーンベルク弦楽四重奏全曲演奏会」、溢れんばかりとは言わんものの、予想を遙かに上回る400人以上の聴衆を6時間も拘束する大イベントとなり、壮大に幕を閉じたのは当電子壁新聞をお立ち読みの酔狂な方はよーくご存じの通りだと思いますです。全曲フェチのディオティマさん、今日は上海で「ヤナーチェク+リゲティ全曲」やってるんだけどねぇ…

会場を出て、上野公園東博前大噴水の南に広がる屋台大音響と夜桜見物の人に紛れながら、もう充分、お腹いっぱい、と思いつつも、いやぁ、まだまだ足りんわい、どうして弦楽四重奏メインと言いつつ最も重要な《ナポレオン・オード》をやらんのか、それよりなにより、「弦楽四重奏団」が問題なく演奏出来るフォーマットでシェーンベルク作品中でも最も傑作とも評価する人も居よう弦楽三重奏曲を何故やらん、わざわざゲスト呼んで《浄夜》なんてやってくれなくていいから、お疲れ様の第1ヴァイオリンを一足先にお休みさせ、巨匠最晩年の小編成弦楽アンサンブル作品の最高傑作たる弦楽トリオで演奏会を締め括ることこそ記念年に最も相応しい姿ではあるまいかぁあああ、っと思った方も多かったことでありましょうぞ。

どんな曲で、どんな音がするのか、シェーンベルク様がお生まれになって1世紀と半が経った今や、貴方のポケットの中の電脳端末がネットワークに繋がっていれば、指先ひとつでちょちょっと知ることが出来てしまうオソロシー世の中なのじゃ。ほれ、こんなん。
まあ、確かに一部では、ってか、大多数の皆様にはこのところ評判が猛烈に悪い「ゲンダイオンガク」の典型みたいな響きに聴こえるやもしれんがぁ、歌えそうな旋律を拾う、って気持ちを止めたその瞬間、もの凄く豊かで多彩な世界が広がっていることが誰にでもお判りであろーぞ。こういうのを名曲っていうんだよねぇー、というレベルの作品であります。

どいういうわけか大編成の《グレの歌》やら《モーセとアロン》はまだしも、ちっちゃな編成でやれる交響曲すらやってくれず、室内交響曲第1番だってヴェーベルンの小編成版のみで第2番なぞまともに聴けないかもしれないまま終わりそうな記念年、せめて弦楽三重奏曲くらいはどこかで誰かがやってくれ、と思っていたら、おおおおお、こんな演奏会があると連絡がありましたです。
https://teket.jp/4317/34125

このアンサンブル・ファルケという福岡拠点でコロナ頃から活動する団体、ヴィーンで学んだ奏者がコアメンバーということもあり、さりげなく「ヴィーン趣味」なプログラミングをしてくださるのでありまするが、なんとなんと新ヴィーン楽派親分の記念年に、やってくださいます。コアメンバーは実質的に弦楽三重奏なんで、メインはシェーンベルクとヴェーベルンの弦楽トリオ、それにゲストを加えた弦楽四重奏としてツェムリンスキーの第1番、という涎ダラダラな演目ですな。

無論、これならツェムリンスキーは第4番のが筋が通るんじゃね、とか言いたいかもしれんけど、ま、それはそれ。こんなプログラミングをやっていただけるだけでも有り難い限りでありまする。

やくぺん先生、前の晩は直方でエクがあるので、そのまま麻生帝国中枢に宿泊、福岡城趾の彼方は南西学園の講堂に向かいましょうぞ。江戸の敵をようよう長崎まであとちょっとの黒田藩で撃ち、麗岳大師生誕年を気持ちよく祝おうではないかぁ。

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クァルテットを続ける [弦楽四重奏]

弦楽四重奏団というジャンルは、「ソリスト」とはまるで異なり、ホントの意味での「新人」を追いかけるのが不可能な困った業界でありまする。新人が出てきても、コンクールなどで結果を出してもそこからものになるまでに最低でも5年、普通は10年かかってやっと「期待の新人登場」くらいの注目を浴びるか浴びないか。

20代前半に結成されたとしても、欧州では「30歳の壁」での選り分けが待っている。簡単に言えば、ヨーロッパのきちんと給料が払われ生活の保障がされる臨時編成自主運営なんかじゃないまともなオーケストラの場合、トゥッティ奏者として採用されるオーディションの年齢制限が30歳くらいまでで、それを越えての採用となると別ジャンルで既にキャリアを積んでいる奴が首席クラスで採用されることがあるくらい。つまり、30歳のところで弦楽四重奏団として喰っていくかを決断しないといけん、ということですわ。

北米でも似たようなもので、30過ぎくらいで「解散します」とFacebookやtwitterに投稿して活動を終える、なんて団体がいくらでもおります。ロルストンQもコロナ禍で活動停止だそうだし…。ま、室内楽コンクールそのもののを評価しない、という考えもあるわけだけどさ。https://chambermusicamerica.org/articles/in-it-to-win-it/
ちなみに、この昨年11月のチェンバーミュージック・アメリカの記事、ロルストン関係を以下に引用しておきます。ちなみにロルストンの第1ヴァイオリンのリー女史は、今はトロント響第2ヴァイオリン副主席だそうな。ふううう…
”Sometimes, competitions don’t provide the key to lasting success. Consider the Rolston String Quartet, which won first prize at the 2016 Banff competition. Despite this and other accolades — including the grand prize at the Chamber Music Yellow Springs competition and the Cleveland Quartet Award from Chamber Music America—the group disbanded last year amid a variety of career pressures, worsened by the pandemic. ”

って、話はどんどん別の方に突っ込んでるんでもうこれくらい。弦楽四重奏団を続ける困難さは世界のどこでも同じ、とあらためて確認したところで、昨晩は我らがソレイユQが作品130を弾いたぞ、という本論なのじゃ。

我らが太陽さん、ソレイユ弦楽四重奏団さんといえば、サントリー室内楽アカデミー第1&2期生から出てきた最初の「常設」を目指す団体でありました。こんなんとか…もう10年以上前なんだなぁ。
https://yakupen.blog.ss-blog.jp/2013-05-08
ありました、なんて言うとなくなっちゃったみたいだけど、毎度ながらの「クァルテット創設最初の5年」の壁を越えるところでメンバーがそれぞれの道を選択することになり、第2ヴァイオリンとチェロが「先輩おねーさん」として若いもんを従える形に再結成。チェロさんの本拠地の上田を拠点に年に1度の「定期演奏会」を行うことをメインに据えて活動を続けているわけでありますわ。若いもん、っても当電子壁新聞を立ち読みしようなんて酔狂な方とすれば、「ああ、琉球響のコンマス座ったりしてる彼と、反田オケにいるヴィオラくんじゃないの」なんて思うんじゃないかしらね。
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沖縄での活動なども模索していたようですが、とにもかくにも上田でのアウトリーチなどと、その前後に東京のサロン型会場での本気勝負、というやり方で7回目となるのかぁ。

なにせ0年代終わりからの「小規模コンサートスペース」ブームで、100席規模くらいのちゃんとした室内楽がやれる条件の良い民間スペースが日本各地に乱立することとなり、そういう場所の中でもメイジャーなヴェニュのひとつたる代々木上原の急坂の途中で、ちゃんと定員いっぱいくらいの聴衆を集めているのですから、立派なものとしか言いようがないでありましょうぞ。

こういう会場は、良くも悪くもダイレクトに生音が伝わり、もう一切の隠しようがなく、同規模の残響過剰な教会やら、響きが全部どっかに吸われれてしまうような宴会場やら、はたまた学校の講堂まんまで外の音がまるまる入ってきて音響も何もないやら…なんてところとは違う。ちゃんとしたマイクロ・コンサートホールです。それだけに、求められる演奏の質はかなりの水準となるわけで、いやぁ、侮れないわね、こういう場所での「定期演奏会」は。

年間にどれくらい練習やら本番やらの日程が入るのか知らんけど、自分らでマネージメント出来るところで、自分たちが弾きたい楽譜を音にする作業を続けられる状況を作れたのだから、これはこれでありなのでしょう。作品130の1楽章やらカヴァティーナ楽章前やらの、微妙なパルスとも言えぬ揺れみたいなものが自然と出てくるくらいになるまで、なんとか呆れられても同じ楽譜を繰り返して貰いたいものでありまする。

ちなみに、ソレイユを脱した元メンバーも、己の道を弦楽四重奏で開いていこうとなさっております。こちら。
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元ヴィオラさんが、ドイツでオペラのオケなどを弾き帰国した妹さん、それにこれまたアカデミーで別の弦楽四重奏をやっていた第1ヴァイオリンさん、それに知る人ぞ知る芸達者チェロ氏と結成した団体で、千葉や東京首都圏を拠点にアウトリーチなどを含めた活動をなさっている。演奏会は、まだピカピカの東武東上線池袋から直ぐの立派なコンサートスペースで開催しております。ちなみにこの演奏会、元ソレイユの第1ヴァイオリンさんも客席に顔をみせておりました。

弦楽四重奏として外国に留学し、その道で喰っていくために切磋琢磨し、あるいはもうダメだと諦めたりするだけが、クァルテットを続けるやる方ではない。地方で音楽を教えたり、お母さんになったりしながら、それぞれの生き方で弦楽四重奏の楽譜に向き合っている。クァルテットで生きていくには、いろんな道がある。そういう努力があちこちで重ねられることで、少しでも世間にベートーヴェンの後期やらメンデルスゾーンの魅力的な小品やらが広まることは、業界全体としてとっても大事なことだもんねぇ。

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戻ってくる千葉の春は桜吹雪の中か? [弦楽四重奏]

上野の杜や北千住にインパーソンで居なければならぬ雑用ばかりで、なんのかんのずっと新帝都を離れられなかったお嫁ちゃまがたった1週間の春休みで温泉県盆地に戻れた朝、やくぺん先生が一足早く戻って以来ずーっと雨模様だった空も晴れ上がり、風はまだちょっと冷たいものの、由布岳もしっかり姿を見せておりまする。とはいえ、未だ久大本線に沿って咲き誇る筈の桜もちょぼちょぼ。菜の花畑はしっかり黄色く広がっているのに、観光地の方の大分川沿いに薄桃色のトンネルが出来るのはいつのことやら。

あの人この人、こんな世界からさっさとおさらばしたいとでも言うように訃報ばかりが届く今日この頃、少しは春らしい目出度い情報でも記して起きましょうかいな。

先頃のクァルテット・エクセルシオ記者会見でもちょっと触れられていたように、今や第3期エクのホームベースとも言える場所となった千葉県は房総の付け根あたり、夏の風が吹く時期に羽田空港に西から到着したら、半島の南の先端館山かすめ千葉の奥深い山の上を北上、BランやDラン着陸ならぐうううっと大きく左に旋回して東京湾に突っ込んでいく辺り、はたまた午後3時から6時の副都心上空通過大パノラマ展望着陸の場合は東京東から反時計回りに松戸朝霞と新宿上空に向けぐるり回り込み始める辺りに、長柄町というノンビリした田舎がありまする。バブルの頃から東京湾横断橋完成にかけて、山が開かれゴルフ場が沢山出来たりして、上空からもいくつものコースが眺められます。写真は、昨年秋の終わり、温泉県盆地から新帝都に戻るソラシドエアの機窓から見下ろした長柄町風景。大友宅の真上辺りじゃの。
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そんな長柄町で、「ながらの春 室内楽の和音楽祭」なる小さなイベントが始まったのは、もう7年も前のこと。クァルテットの活動がある程度の形を取ってきた頃から冗談のように繰り返していた「どんなに小さくても良いから、自分たちのフェスティバルが持ちたいですね」という言葉をどうやって現実にしたかはともかく、なんとか始めて、コロナ前の2019年まで続き、「東京春音楽祭」や「統営国際音楽祭」の完全な裏番組として千葉の春に輝く…というところまではまだまだ遠いなぁ、ってところだった。

んで、この音楽祭もご多分に漏れずコロナで2020年からは中断。コロナ禍が明けてからも、状況がいろいろ変化して初回から使っていた会場が使えなくなり、あれやこれやだったんですけど、昨年は規模を小さくして開催。今年はやっとエクも戻って来て、更にはこの音楽祭の最大のポイントたるセミナーも開催されることになりましたです。

無論、セミナーはとっくに閉め切られておりますが、どんなもんか、募集要項の一部をまんま引用すると…

※※※

このセミナーでは、プロアマを問わず、個人・グループを対象に、弦楽四重奏団クァルテット・エクセルシオメンバーの指導がうけられます。
個人での参加はエクセルシオメンバーと共演するリハーサル形式のレッスンとなります。
【セミナー期間:2024年 4月10日(水)~4月13日(土)】
4月10日13時セミナー会場集合 4月13日13時ごろ終了、解散
レッスン実施日:4月10日(水)~12日(金) 成果発表会:4月13日(土) 10時~(予定) 
指導者:クァルテット・エクセルシオ(以下エク)のメンバー(ヴァイオリン:西野ゆか、北見春菜、ヴィオラ:吉田有紀子、チェロ:大友肇)
【会場:長柄町都市農村交流センター“わくわくながら”】
セミナー会場:管理棟ロビー   宿泊:施設内コテージ
住所:千葉県長生郡長柄町山之郷70-15(無料駐車場あり)
JR外房線「茂原駅」より小湊鉄道バス利用、所要時間約30分
JR内房線「浜野駅」より小湊鉄道バス利用、所要時間約35分
宿泊コテージは、参加人数によって、同性のかたは相部屋をお願いする場合があります。
グループ参加で同性のかたは相部屋となる場合があります。(同グループのみ)
各コテージでは朝8時~23時まで音出し可能です。

【個人参加者のセミナー内容について】
 個人参加者にはレッスンで課題曲をエクのメンバーと演奏、リハーサルを通じて指導を行います。
 個人参加者は1曲(1楽章)につき、45分間のレッスン2回行います。(2曲で合計4回)
 成果発表会はリハーサルを行ったメンバーで演奏を行います。
【グループ参加者のセミナー内容について】
 グループ参加者のレッスンは1曲につき2回、合計4回(1回45分間)のレッスンを行います。
 レッスンの指導は4回ですべてのエクメンバーが一人ずつ行います。

※※※

どうやら現時点ではいろいろな参加者がいらっしゃるようですが、ま、それはまたそのうち。

このセミナーの会場、上の写真の真ん中左の辺りに見える人造湖の畔のセミナーハウス。そこに泊まり込むわけですが、この辺りは千葉市郊外でも有数の桜の名所なんでありまするよ。正に、人造湖の周囲に桜咲き乱れる場所で、この週末には桜祭りが予定されている。
https://nagaran-club.com/info/n-2024-02-01/

このところの例年ならば、弥生晦日の前には桜が満開になってしまい、まだだいじょーぶかぁ、って感じだったんだけど、今年は桜が遅く、ヘタすりゃこの週末のお祭りには間に合わないかも知れない。で、このセミナー開催中もまだまだ桜舞い散る、ってことになりそうじゃのぉ。

千葉の桜を愛でたい方は、エクも出演する通常の演奏会も用意されています。こちらをご覧あれ。
https://www.gauche-music.com/nagaranoharu2024

やくぺん先生も、来週の半ばに温泉県盆地から玄界灘の向こう統営には寄らず、新帝都に直帰。上野の杜の雑踏は可能な限り回避し、統営行きは諦めたディオティマQとシェーンベルク室内楽特集、それになぜか音楽監督で来ないアンサンブル・アンタルコンテンポランだけは顔を出し、他はずっと千葉の桜を愛でに参る予定であります。

果たしてどっちで舞い散る最後の桜吹雪を浴びることになるのやら。

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エク30周年記念シリーズ発表 [弦楽四重奏]

昨日、東京文化会館大会議室で、クァルテット・エクセルシオ30周年シリーズ発表記者会見がありましたです。
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重要なポイントだけ列挙すると…

★春秋の定期演奏会で新作委嘱世界初演
★フィリップ・グラス初期弦楽四重奏曲5作品一挙演奏会開催
★幸松肇追悼演奏会開催
★モーツァルト《ハイドン・セット》録音及び2公演での全曲演奏

詳細は、以下に当日配布された資料及び説明スライドをまんま貼り付けますので、ご関心のある方は精読くださいな。この先のメディア情報は、記者会見で記者が直接質問をして出てきた情報以外は、基本的に全てこれがオリジナルのソースとなります。

結成30周年記者会見当日配布資料:https://x.gd/Zb9WW
記者会見スライド:https://x.gd/0A1vK

ま、個々の案件について話し出せばいろいろありますが、それは折々、ということで。とにもかくにも、この資料を相変わらずの家庭内手工業で作ったエクの面々及び関係者の皆様、お疲れ様でした。委嘱した作曲家の皆さんと並んで、はいポーズ。なお、権代さんはこの日、完成した総譜を持っていらっしゃいました。酒井さんは、現状、4楽章の意図的に古典的な作品の前半2楽章までは完成。第3楽章は一度書き上げたけど、捨てて書き直しているそうな。
DSC_0340.jpg
さあ、あとは弾くだけじゃ!

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エク30年記者会見あります [弦楽四重奏]

春の嵐が吹き荒れるニッポン列島、そんな中でもなんとかクァルテットで喰っていこうなーんて嵐に立ち向かうような無謀な人生を選んでしまったクァルテット・エクセルシオが、どうやら30年経ってしまったという報告とこの先の活動をお伝えすべく、記者会見を行います。

で、今時のテクノロジーを用い、明日3月21日午後1時50分から、オンラインで会見の様子を生中継いたします。こちら。
https://www.youtube.com/watch?v=t0pzKEH3GbU

ええ、些かお恥ずかしい話ながら、エクの4名はこの会見のために広告代理店やら広報会社を雇うなんて資金はなく、この数日、まるでベートーヴェンの後期だかバルトークだかを練習するような必死の形相で資料作成に励んでおりまする。なんとか明日の午後にはちゃんと資料がプリントされて参加記者諸氏に配れるよう、皆様、荒れる空を仰いで祈ってくださいませっ。

なお、そんな状況ですので、残念ながらライヴチャットとか書き込みへの対応とか人手不足で無理。なんせ、クァルテットですから。てなわけで、ライヴ映像中継のみで双方向的な対応は出来ないとのこと。

最近はすっかり巨匠の風格のエクですけど、久しぶりにみんなでチラシ袋詰めしたりNPO総会資料を作ったりしてた頃が蘇ったような、春の嵐のお彼岸であったとさ。

お暇ならご覧あれ。作曲家さんも2名、ライヴで登場いたしまする。

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訃報:ペーター・ブック [弦楽四重奏]

大阪のコジマアーティストさんの公式Facebookページに訃報がアップされました。公式ホームページにはないので、Facebookを貼り付けます。
https://www.facebook.com/kojimaconcertmanagement

媒体の性格上、時間の経過と共に見えなくなってしまう可能性がありますので、まんまコピペ。

※※※※

【訃報】

20世紀のドイツを代表する世界的弦楽四重奏団 メロス弦楽四重奏団のチェリストとして知られた、ペーター・ブックが膵臓癌のため3月14日 17時50分(現地時間)にドイツ・シュトゥットガルトの病院にて永眠致しました。享年86歳。
ペーター・ブック(Peter Buck)は1937年 5月18日 シュトゥットガルト生まれ。
シュトゥットガルト音楽演劇大学に学び、ルートヴィッヒ・ヘルシャーやピエール・フルニエに師事。
1965年に結成したメロス弦楽四重奏団は数々の国際的な受賞を得て、一気に世界のトップクラスの存在にまで駆け上り、以後40年ほどの活動期間を通して、その評価は常に揺るぎなく、その足跡は膨大な優れたレコーディングからもうかがい知れます。
ペーター・ブックはこの功績により、ボン・ベートーヴェン・ハウス協会名誉会員やドイツ連邦共和国功労勲章を含む数々の栄誉を与えられています。
1980年以降はシュトゥットガルト国立音楽大学の教授も務め、世界中の国際コンクールの審査員や客演教授に任命されるほか、1992年にはオーベルストドルフ・ミュージックを創立して芸術監督を務め、2004年にドクター・ダーツェルト財団賞を受賞しました。
日本にはメロス弦楽四重奏団のメンバーとして度々来日していましたが、2016年10月と2017年3月の二度に亘り、ロータス・カルテットと共に来日し、シューベルト:弦楽五重奏曲やベートーヴェン:弦楽五重奏のための「クロイツェル」を演奏したのが最後となりました。
尚、ロータス・カルテットとの『シューベルト:弦楽五重奏曲』は2011年6月にドイツ・ハイデルベルク郊外のスタジオでレコーディングを行っており、レコード芸術特選盤に選ばれるなど極めて高い評価を得たその演奏は現在でも聴くことができます。 
LIVE NOTES WWCC-7713
http://www.kojimacm.com/recording/reco/lot_schubert.html
故人の生前の業績を偲びつつ深い哀悼の意を表し、ここに謹んで御通知申し上げます。
コジマ・コンサートマネジメント
代表 取締役 小島 裕

※※※※

やくぺん先生は、個人的にはそれほど付き合いのあった方ではないのですけど、ロータスQとバイエルン州近辺を動いてまわるツアーに同行したときにはなんのかんの話をしたこともあったです。
https://yakupen.blog.ss-blog.jp/2008-01-24

メロスQとしての功績はいろいろ言い立てればあるでしょうが、やはり最晩年の「やたら厳しい好々爺」ってイメージばかりだなぁ。

メロスQという団体、演奏史的には20世紀後半のレコード会社が世界の(日本の?)音楽嗜好をコントロールする中で、ヴィーン系のアマデウスQ、アメリカ系のラサールQと並びドイツ系を代表する団体としてイエロー・レーベルに数多くの録音を遺した団体、という位置付けになるのでしょう。個人的には、第2次大戦前の情報コントロールもあり些か影の薄い存在であったメンデルスゾーンの弦楽四重奏全集を最初に世の中に出し、カルミナQが火付けとなった90年代以降の新世代クァルテットでのメンデスルゾーン・ルネサンスの基礎を築いてくれた功績は、大きく評価されるべきだと思うんですけどね。
https://www.hmv.co.jp/en/artist_Mendelssohn-1809-1847_000000000020551/item_Complete-String-Quartets-Melos-Q_3501587

あまり多くを言えないけど、お疲れ様でした。合掌。

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アヴァロンQの新譜 [弦楽四重奏]

山のように積み上がった作業をこなしている中で、久しぶりにNMLを開いたら、へえええ、と懐かしい名前に遭遇しました。このURL、貼り付けたところで日本のNMLと契約している方しか行けないし、何を隠そう北米の某音楽団体を通して北米の会員となってるやくぺん先生にも使えないんですけど、ま、当電子壁新聞を立ち読みなさるような酔狂な方の中には「俺は大丈夫だぜ」って方もいるやもしれんので、貼り付けておきます。
https://ml.naxos.jp/album/8.559941
今、LGBTQ大流行のアメリカ合衆国マーケットで突如人気作曲家に浮上した(のか?)フローレンス・プライスをメインに据えた今月新譜のアルバムであります。それにしても、ホントに昨年はなんとなんとイエローレーベルからヤニック指揮フィラ管の演奏する交響曲全集(にはまだなってないのかしら)のCDがガンガン出てきたり、今やアフリカン・アメリカンの交響曲といえばウィリアム・グラント・スティルの専売特許じゃないわい、って猛烈な追い風が吹いてる作曲家でありまする。
https://www.deutschegrammophon.com/en/catalogue/products/price-symphonies-nos-1-3-nezet-seguin-12476
https://www.deutschegrammophon.com/en/catalogue/products/price-symphony-no-4-dawson-negro-folk-symphony-nezet-seguin-13109

そんな勢いが弦楽四重奏の世界にも吹いて来たのか、とうとうナクソス・ジャパンさんが録音を出してくださいましたわ。めんどーなんで、公式な作品紹介は、まんまコピペしておきましょかね。ほれ。

「2020年代に入って急速に脚光を浴びる作曲家フローレンス・プライス。その弦楽四重奏曲第2番をメインに、彼女の師匠ともいえるサワビーの作品を合わせて紹介する、NAXOSのアメリカン・クラシックらしい1枚。 「アメリカ初の黒人女性作曲家」と呼ばれるプライスは、2021年のBBCプロムスで交響曲第3番の第3楽章が演奏され、2022年には交響曲第1番と第3番を収めたアルバムがグラミー賞を受賞、2023年には「アメリカにおけるエチオピアの影」が神奈川フィルにより日本初演されるなど、世界的に脚光を浴びています。彼女の作品の多くは死後も未発表のままで、その真価や全貌はまだ発掘途上と言えます。 レオ・サワビーは、ローマのアメリカン・アカデミーのローマ賞やピューリッツァー賞を受賞するなど国際的な名声を得ていました。プライスとサワビーは共に1930年代から40年代にかけてシカゴの音楽コミュニティのメンバーで、お互いの作品を尊敬していたことが知られています。このアルバムには両者の弦楽四重奏曲を収めています。最後に置かれたプライスの「ネグロ・フォークソング・イン・カウンターポイント」は5つの民謡旋律に基づくアフリカ由来のリズムや黒人霊歌を大胆に取り入れた作品。とりわけ第2曲の旋律は「雪山讃歌」として誰もが耳にしたことがあるのではないでしょうか。 (ナクソス・ジャパン)」

というわけで、へえ、そーなんですねぇ、といえばそれまでなんじゃが、やくぺん先生とすればもっと興味あるのは、弾いてる連中なんですわ。そー、お久しぶりのアヴァロンQじゃあないかい。当電子壁新聞でも、我らがヴィオレッタが加わってた頃には何度も取り上げてましたけど…
https://yakupen.blog.ss-blog.jp/2007-09-24
https://yakupen.blog.ss-blog.jp/2005-08-18

ま、20世紀前半のシカゴ楽派のアルバムとなれば、かのフェルメールQの後を継いでノーザン・イリノイ大学のレジデンシィを務めているこいつらが登場するのは当然と言えば当然でありましょうね。ってか、シンフォニーの録音がシカゴ響じゃない方が不思議なわけで。

かつては天下のシュモル・アシュケナージ御大の下、上海Q以下数々の団体を生み出したノーザン・イリノイ大学のレジデンシィ、アヴァロンQになってもう20年近くなるんじゃないかい、その後どうなっているか、殆ど知らないんだけど、こうやってやるべき仕事をやってくれている姿を見るのは嬉しいものでありますなぁ。曲の評価は…まあ、皆様、お聴きになってご判断あれ。NECの学生団体が弾いてる映像がYoutubeにアップされてますので、参考までに貼り付けておきます。
https://youtu.be/DYu5eANh_x0?feature=shared
2026年アメリカ建国250年記念演奏会で弾いてみたい、なんて奴らもいるかな。楽譜があれば、なんでしょうねぇ。

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人事異動:クロノスQ [弦楽四重奏]

夕方前、殆ど「てえへんだてぇへんだぁ~!」って勢いである方から情報が提供され、やっと手を付けた税金作業やら、その合間に飛びこみまくる日程調整作業やらの手が止まってしまったニュース。なんか、当無責任電子壁新聞、人事情報欄になっとるなぁ、昨今。

こちらをご覧あれ。
https://www.facebook.com/ayane.kozasa
https://www.facebook.com/photo?fbid=10102038502905786&set=pcb.10102038502975646

というわけで、天下のクロノスQのヴィオラに、コロナ前最後に開催された大阪国際室内楽コンクール第1部門で優勝したアイズリQでヴィオラを弾いていたアヤネ・コザサさんが就任いたしますっ!同時に第2ヴァイオリンも交代するみたいで、ハリントン社長を除けば移動が激しいこの団体でも長く安定していたヴィオラが、とうとう新世代に取って代わられることになったわけですわ。

クロノスQという団体、正直、ハリントン社長のコンセプトが何よりも大事という会社で、アルディッティQみたいなアーヴィン社長の演奏家としてのハイパーカリスマ性で成り立っているところとはちょっと違う。ある意味、ハリントン氏が引退してもプロデューサーとして控える限り、「クロノス・クァルテット」という存在は何も問題なく続けられる、というところもある。ま、実際にそういうことになるかは判らないけど、アーヴィン・アルディッティ氏なしのアルディッティQが考えられないような感じではない。

その意味では、今年の初めにポール・ヴィアンコがチェロに入った頃から、違った方向に向かうことも含めつつ「アメリカ現代音楽のフロンティアを切り開く」という仕事は新たに続いていきそうな感はありました。ヴィアンコ・チームの片腕コザサさんが入ることで、クロノスはホントに新しい「アメリカの現代音楽」に突っ走り続ける準備が整ったぞ。

ゲヴァントハウスQやらボロディンQやら、今のジュリアードQ、はたまた数多のチェコ系の弦楽四重奏団やらのように、クロノスQも次々とメンバーを入れ替えつつ先の時代へと続いていく団体になる…のかな。

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新生エベーネQパリからのライヴ [弦楽四重奏]

世間はベースボールのスーパースター結婚だ、脱税議員の国会での釈明だ、あれやこれや、上を下への大騒ぎになっている新暦弥生はじめ、皆々様におきましてはいかがお過ごしでありましょーか。引退宣言なし崩し撤回のやくぺん先生爺におきましては…かなりヤバい3月上旬状態になってます。税金、まだ手が付いてません。もの凄く面倒なボランティア顧問仕事、納税〆切と重なってます…うううむ。

ってなバタバタの新帝都春のどんよりした曇り空を吹き飛ばす、素晴らしいライヴ録音が華の都から届きましたです。こちら。
https://www.radiofrance.fr/francemusique/podcasts/le-concert-du-soir/quatuor-ebene-mozart-schnittke-grieg-maison-de-la-radio-et-de-la-musique-de-paris-4997090?fbclid=IwAR0Z3K7-QerIqqDeq0knTSv6hQ_rafQIGQbmsusQqr7hxMABx2PQr73cc-M

コロナ後の混乱する世界の室内楽、なかでも第2次大戦以降というか、ナチス政権把握以来80年ぶりの未曾有の大混乱に陥っていた弦楽四重奏界でありまするが、やっと日常が戻りつつあることの象徴のような、エベーネQの新メンバーによる現在の本拠地、パリはラジオ・フランスでの演奏会でありまする。

コロナの非常時は終わったとは言え、コロナ下の特殊経済状態の反動とウクライナ戦争での世界各国各自治体の経済システムの建て直しは全く出来ておらず、というか、2010年代と同じに戻ることはもうまずあり得ず、当然のことながら公的支援がなければ成り立たない弦楽四重奏などという今流行の言葉を使えば「レジリアンス」が最脆弱ジャンルにおきましては、恐らくは多くの音楽ファンがイメージする「常設弦楽四重奏団」の存続そのものが経済的に不可能になっていくでありましょう。そんな中で、中国のローカル性に特化する選択をした上海Qとは異なる道を選んだエベーネQ、新しい世界にどのような音楽を奏でてくれるか。初夏に予定される大規模な北米ツアーも、この団体だけではないとはいえ、なかなか厳しい情勢のようですし…

ま、そんなことはどーあれ、去る秋のヴィーンで聴かせてくれたようなピエール氏のキレキレの天才性散りばめられた世界一のアンサンブルが戻って来たのは、率直に嬉しいものであります。

全く個人的な勝手なことを言えば、やくぺん先生とすればノーバート・ブレイニン翁という天才との出会いで引っ張り込まれ以降30余年ずっと関わることになったこのジャンル、いろんな人々に会いながら、今世紀に入ってピェール・コロンベというブレイニンに匹敵する天才としか呼べない才能に出会うことになった。ぶっちゃけこの黒檀四重奏団、最初はジャズやらポップスやらに弦楽四重奏の世界を開いていく方向で仕事をしていく奴らなのかと思ってたら、どうやらそれはあくまでもある時期の彼らの世間に対する見せ方のひとつであり、本質はそこではないぞ、要はエベーヌQって21世紀のアマデウスQじゃないの、と感じるようになった。

そしたら、あのブレイニン翁の天才を我関せずという顔で支えていたロヴェット爺さんの役回りを、なんのかんので我らが岡本くんがしっかりすることになった。あああ、世の中ってこういう風になるんだなぁ、と不思議に感じつつ、この商売をやってきて良かった、と珍しくも素直に喜ばしく感じる春なのであったとさ。ピエールの弓の運びが、最晩年のブレイニン翁の自由奔放さを通り越した誰にも真似できないキレキレっぷりに至る迄、呆れながら、はたまた驚きながら、チームとして支えていって欲しいものでありまする。そんな頃には、俺はもうとっくにこの世にはおらんじゃろがのぉ。

今回、本拠地のお披露目で最初に取り上げてくれたのがチェロK.575というのも、岡本くんいらっしゃい感溢れて微笑ましいことでありまする。この録音がいつまで聴けるのか知らないけど、恐らくは早く聴いた方が良いでしょう。直ぐにでもお聴きあれ。忙しい方は、ともかく22分辺りからのチェロが歌い始める終楽章だけでもお聴き下さいな。

ニッポン列島へのお目見えは約一年後、ベルチャとのオクテットというスーパーなイベントなのは、嬉しさ半分残念半分だなぁ。

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