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もの凄く判りやすい弦楽四重奏編曲 [弦楽四重奏]

もの凄く暇なご隠居状態の昨今、ちょっとしたこちらのミスで昨日今日に予定していたクラリネットとピアノの些か特殊な演奏会に行けなくなってしまい、仕方なくというわけではないのだが、手元にあるホントに数少ない商売仕事をやってる湿っぽい日曜日の昼、皆様におきましてはいかがお過ごしでありましょうか。見下ろす大川の向こう、人形町の区民会館ではメサジュの《お菊さん》なんてもんをやってるそうだが、どうもそういう超珍品を喰らいに行くだけの精神のパワーもなく…

てなわけで、CDもオーディオもアクセス出来ないところに持ってきてコロナで公共音楽図書館が閉まっているこの瞬間、オフィス無し環境の唯一にして最大の味方たるNMLに数日ぶりにアクセスし、必要な音源を探そうとしたら、今月の新譜コーナーに引っかかってしまったぞ。へえ、オーマンディ指揮フィラ管の《運命》とか、凄いもんが入ってきてるなぁ、ああ天下のドイツグラモフォンの黄色いジャケットでロン・ユー御大指揮上海響の《カルミナ・ブラーナ》って相変わらずDG中国市場突っ込みは凄いもんじゃわい、バツェヴィチのポーランド語のオペラ全曲なんてどんだけ需要があるんだろーか…なーんて他人事みたいに眺めていく中で、ひとつの新譜に目が留まってしまったぞ。NMLはここでURLを貼り付けてもどーしよーもないので、Chandosrレーベルのオフィシャルページを貼り付けます。5月28日にリリースされたばかりで、もうNMLでは聴けますし、ダウンロードでの購入は出来ます。お皿が日本やら東京の輸入レコード屋さん店舗にまで届いているかは、ゴメン、知りません。
https://www.chandos.net/products/catalogue/CHAN%2020162
なんとなんと、解説のブックレットは無料でPDFがダウンロード出来るという太っ腹ぶり。ほれ。
https://www.chandos.net/chanimages/Booklets/CH20162.pdf

もうこれを読んでいただければオシマイなんだけど、一応、最低限のことだけを記しておけば、「皆様お馴染みのブロドスキーQ、ヴィオラ奏者さんはいろんな作品の弦楽四重奏編曲者としても知られている方でありますが、彼がバッハの無伴奏ヴァイオリン・ソナタ全3曲を弦楽四重奏に編曲、ブロドフスキーQが演奏しました」というものでありまする。

思えば、バッハの作品って案外と弦楽四重奏への編曲がされていて、《フーガの技法》は20世紀半ば頃からの定番で、ヴィオラどうするんねん、っての含め、いろんな楽譜や録音が山のように出ていますな。ボロメーオQのニックが《平均律》全曲やら《ゴールドベルク変奏曲》を編曲して自分のとこでやったり、日本でも松原かっちゃんが五重奏に編曲したり、あれやこれやある。無伴奏弦楽器作品でも、《シャコンヌ》はいくつかの編曲があり、やくぺん先生も実際の舞台で耳にしたこともあります。わざわざ録音で聴く気はあまりしないけど、どういう編曲でやってもそれなりに格好は付くなぁ、と思わされる。あ、セント・ペテルスブルクQがヘンシェルQの音楽祭にゲストで呼ばれ、《シャコンヌ》弾いたっけ。その頃の演奏がYouTubeに上がってますな。
https://youtu.be/BJ3I39dptgo

そんないろんな編曲ものの中にあって、このブロドスキーのヴィオラ御大の編曲は、なかなか良く出来てます。ってか、全く違和感ありません。実際に楽譜も眺めずにチョロっと音だけをヘッドフォンで聴いてみるに、違和感は1ミリもなし。こういう弦楽合奏曲なんですよ、と言われれば、ああそうなんですか、としか思えぬもんになってます。特に、各曲の2楽章に置かれるフーガ楽章なんかは、もの凄く判りやすくなっていて、正直、判りやす過ぎないか、って感じちゃうほど。どうやらYouTubeにアップされてるみたいなんで、ご視聴あれ。これは公式な広報用としてのアップなのかしら?
https://www.youtube.com/watch?v=m-js_u3r8L4
まずこれを聴き、どういう曲か勉強し理解してからオリジナル楽譜をやってみましょうね、ってガイドブックみたいな音楽になってます。お仕事のながら視聴にはちょっと勿体ないちゃんとしたもんですわ。

弦楽四重奏のレパートリー拡大も、古楽奏法(HIP、というのが今風なのかな)が若い世代に常識になった今や、バッハより向こうに向けての発掘がドンドン進み、多声音楽であればなんでもあり状態になりつつある。そんな中で、今や重鎮クラスの団体がこういうもんをちゃんとレパートリーにし、コンサートでも弾いてくれるのは、有り難いことでありますな。

それにしても、ブロドスキーはハレーと、ペテルスブルクはイグレッグと、最後から3つ前と2つ前の民音室内楽コンクールで争って共に2位だった団体、ってのはなんの因縁なんだろーなぁ。

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元ペンギンがドヴォルザーク・チクルスやってます [弦楽四重奏]

忙中閑あり、の真逆、閑中忙あり、って妙な感じになってる梅雨入り前の梅雨っぽい皐月の終わり、カレンダーも大阪大会で埋まっていた(お陰でガラガラになっていた)日々が過ぎ、本日の初台を皮切りに昨年来のコロナ禍の中にあってもそれなりに頑張ってこの瞬間にやれる中での成果を着実に上げ続けている「現代音楽」業界のイベントが、水無月初めまでギュウギュウに立て込んで来ております。デュサパン→クセナキス→サーリアホと続き、その間に大阪崩れのニッポン代表若手弦楽四重奏団シリーズが鶴見で始まり、ちゃんとやれるのか未だ心配な初台の室内楽お庭へと雪崩れ込んでいく。

これがずーっと「緊急事態」が宣言される下、というのだから頭がクラクラしてくるぞ。

天皇ならぬIOCのお告げをひたすら唱えつつ狂気の夏へと突き進む特攻ニッポンはどうあれ、欧州はシーズンオフから夏にかけ、秋のシーズン通常再開に向けてそろりそろりと動き始めてる。オペラやらオーケストラやら、はたまたコンクールやら、派手な話はいろいろとパソコン画面通して伝わってまいりますし、地味でローカルな室内楽も再開されつつあります。クスQからは数日前に「コロナ禍になってから初の客を入れたライヴがあるぞ」という報告があった。当電子壁新聞では元ペンギンとして皆さんよくご存じのツェムリンスキーQからも、昨日、こんなメールが舞い込みました。面倒なんで、まんま、必要な部分を貼り付けます。ほれ。

Today, on Wednesday May 26, 2021, at 7:30 pm (Czech time), we will perform the small but lovely Movement F major B120, and then the first of the "mature" Dvorak quartets -string quartet no. 8 E major op. 80. The third piece today is a handful of joy and optimism - the famous string sextet op. 48. Today, we will have two special guests - one of the most famous Czech violinists of this time Pavel Sporcl, and also his brother Petr Sporcl. Both are great musicians, and the spirit of the sextet is very light and enjoyable. And, to explain how a quartet could engage a violinist for a sextet - our first violinist Frantisek enjoys playing viola from time to time! :-)

Just to tell you - since two days, the corona regulations in Czech Republic allow the audience in the concerts (50% of the capacity of the hall)!!! So, today after many months again, we will be able to welcome the audience in the hall! Thanks to that, the athmosphere of the concert will be different and I think that everyone in the hall will enjoy the concert so much today... :-)

The link to buy the tickets for the online stream is here:

https://goout.net/en/listky/zemlinske-kvarteto/jmii/

The price of the ticket is 149 CZK (cca 6 EUR). After the payment, you would get an e-mail with confirmation of the payment, and with the link for the concert. The concert will be always available in the website then, so if you do not manage to be online today, you can watch it any time later.
(Should you have any trouble with the payment, please write back to me!)

Thank you very much for all your support, and please stay safe and healthy!
Yours,
Petr Holman
Zemlinsky Quartet

チェコも、やっと半分の聴衆が入れられるようになったんですねぇ。

お暇な方はご覧あれ。それにしても、ホントならば、生誕150年の記念年を祝って世界のあちこちでツェムリンスキー弦楽四重奏全曲演奏会などをやりたいだろう元ペンギンなのに、残念だなぁ。

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「弦楽四重奏曲」という題名の管弦楽曲 [弦楽四重奏]

驚くなかれ、「緊急事態」下にある2021年5月もあと1週間を切ったところで、やくぺん先生ったら「弦楽四重奏」というフォーマットのライヴ演奏をひとつも聴いておりませんっ!もう言うのも哀しい、本来ならば今月は大阪大会で、最低でも10団体、演奏会の数としてはなんのかんので少なくとも2ダース以上の力の入った本番に接する筈だったわけで…ま、それが「コンクール」というものなんだから当たり前なわけだけどさぁ。

もといもとい。んで、それらがなくなっても、緊急事態宣言と言いながら地下鉄浅草駅に降りる人がひとりもいなかったような昨年の同じ頃とは様相は様変わり、演奏会はなんのかんのやってる。特に、「演奏会やオペラの開催に補助金を出す」というニッポン独自の文化助成制度のお陰で、既存のオーケストラやオペラ団体などは客席がどうあれともかく公演を行わねばならぬという世界に類例のない奇妙な事情があり、その類いの音楽は(がっつり禁止されている大阪を除き)鳴り渡ってるのは皆様ご存じの通り。

だけど、弦楽四重奏の演奏会は全国的にほぼ壊滅で、予定されていたものは前の日曜日の故岡山先生のご自宅サロンでのエルディーディQとか、去る土曜日のつくばでのアマービレのちょっと特殊な演奏会とか、数える程しかなかった。んで、どっちも諸事情で行けてない。

このままじゃあ、これだけ演奏会があるのに「弦楽四重奏曲」が全くない皐月かな、って思ってたら、いえいえ、あるじゃあないかぁ。そー、この演奏会があったぞ。
https://www.operacity.jp/concert/calendar/detail.php?id=14358
ご本人は勿論、パリから遙か極東の島国まで来られる筈もなく、出演者も当初の発表からはあれやこれやの変更があったようですが、どうやら無事に開催されるようでありまする。んで、そのプログラムの中に、「弦楽四重奏曲第6番」なる題名があるじゃあないかい。

ああ、なんとか今月もひとつくらいは聴けるかぁ、と思えば、妙な副題がある。曰く、「~弦楽四重奏とオーケストラのためのハパックス」。そー、この作品、世にも奇妙奇天烈なことに、「弦楽四重奏曲」と謳いながら、なんのことはない、実態は弦楽四重奏とオーケストラのための協奏曲なのでありまする。

この作品、数年前の夏のサントリー音楽財団フェスティバルでデュサパン特集をやり、サントリーが委嘱した新作として初演を前にしていた《ペンテジレーア》の抜萃を出してきたという委嘱した側とすればちょっとムッとするようなことをされてしまったときに、遙々初演のアルディッティQを招聘して日本初演されてます。
https://www.suntory.co.jp/suntoryhall/schedule/detail/20140821_M_3.html
https://yakupen.blog.ss-blog.jp/2014-08-20
それほど昔のことではないので、覚えてらっしゃる方も多いことでありましょう。やくぺん先生とすれば、日本初演の前のパリの弦楽四重奏ビエンナーレでも聴いてるのはやっぱりアルディッティ御大で、別の奏者での演奏は明日が初めてなわけか。
https://yakupen.blog.ss-blog.jp/2014-01-18

なんであれ、幸いにも明日の初台でチェロ務める猛烈お忙しの山澤氏が、ご自身のtwitterにデュサパン御大の解説をアップなさっているので、ご覧あれ。
https://twitter.com/operacity_hall/status/1397512854010466306/photo/2
うーむ、「なんであんたはこの曲を弦楽四重奏曲と呼ぶんねん?」という素朴な疑問に、腑に落ちるような答えがあるかはなんとも言えぬですが、こんな形態で二度と書く気はない、とはっきり仰ってますな。残念ながらパリでも映像収録はしていなかったようで、YouTubeにも音しかありません。こちら。

デュサパンって、正直、なんだかニッポンの音楽学校の優等生が卒業制作で書いて学内最優秀賞を獲得したり、芥川賞の候補作として演奏されたりするような昨今の若く才気溢れる作曲家さんが書きたがるような曲のお手本みたいな感じがあり、所謂「現代音楽」を聴き慣れた方なら、妙に懐かしさすら感じるような響きがするのだけど、この作品も全く抵抗感、ないでしょ。なんでこれ、弦楽四重奏曲なんじゃ、という疑問は、やっぱり残り続けるでしょうけど。

なんであれ、弦楽四重奏とオーケストラの協奏曲といえば、シュポアに始まり、エルガー、シェーンベルクの擬似バロック、くらいしか定番はなく、あとはガンサー・シュラーと、最近のヒット曲で我らがアタッカQの持ちネタたるアダムスの《アブソリュート・ジェスト》があるくらい。新作はそこそこあるものの…やっぱり、誰がどう見ても管弦楽曲でしかない楽譜を「弦楽四重奏曲第×番」などと堂々と名告ってるのは、古今東西デュサパン御大しかおらんみたいだわなぁ。

てなわけで、お暇なら、話のネタに明日の初台にいらっしゃいな。蛇足ながら、初台で「弦楽四重奏」が演奏されている丁度同じ瞬間、溜池でも「弦楽四重奏」が鳴ってます。
https://www.nhkso.or.jp/concert/20210527_2.html
こっちは、弦楽四重奏の弦楽合奏版。どーしてみんな、妙な変化球ばっかり投げるんじゃいっ、素直に4人で弾いてくれよぉ!

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続・レッジョはホントにやれるのか? [弦楽四重奏]

嗚呼、ホントなら今日は大阪はいずみホール裏の宿舎滞在も1週間、コンクールの中身的にはハイライトになる弦楽四重奏二次予選が繰り広げられる筈…

なぁんて、もう毎朝恒例となった死んだ子の歳を数える妄想で目覚め、今日も今日とて早過ぎる梅雨空が広がる新帝都大川端、これまた朝恒例のメールチェックと定例Webサイト更新確認巡回をしていると、ああああ…

いよいよ開催が3週間後に迫った北イタリアはエミリア・ロマーニャ州レッジョ・エミリアの第12回ボルチアーニ国際弦楽四重奏コンクール、もうひとつ参加辞退団体が出ました。
https://www.premioborciani.it/en/admitted-quartets/
現時点では、最も実績ある団体だった我らがシンプリーQに続き、ザルツブルク・モーツァルテウムのジャヴスQが2団体目の辞退となってしまったわけであります。

この団体、結成が2013年という今回の参加が許された団体の中では比較的長い経歴がある連中で、タイミングとしても「そろそろ勝ち所」というくらいのキャリア。学んでいる先生も蒼々たるものでありまする(まあ、この大会に出てくるクラスの欧州拠点連中は、どれもがこういう方々やらこういう弦楽四重奏育成組織でしっかり習って来ているのが当たり前、そうでないアジア拠点なんぞの連中の方が例外なわけだけどさ…)。そして、なによりも重要なのは、チェロがあのハーゲンQ第1ヴァイオリンと、おねーちゃんが弾けないときは代演としてレギュラーで出てくるその嫁さんの息子、というところ。つまり、ハーゲン家の遺伝子を21世紀半ばに繋げる名門団体、と言う事実でありまする。いまどきはあっさり音も出てくるもんで、ほい、これが2020年の演奏で、シューベルトの断章。
https://www.youtube.com/watch?v=3zMh6QrmQb8

遺伝子や血統が弦楽四重奏団をつくるわけではないのは百も承知だけど、やっぱり音楽をする環境、そしてなによりも音楽業界との繋がりの濃さというのは否めないわけでありまして、配信の音を聴いてもセミファイナルくらいまでは問題なく辿り着けそう。そういうクラスの団体が敢えてメイジャー国際大会を辞退するのは、それなりの深慮があってのことなのでありましょう。

現時点で参加10団体となったレッジョ、昨年のフィショッフ大会シニア部門優勝団体、先頃のプラハ優勝団体を含め、まだまだ注目すべき参加予定団体があります。みんな、開催の希望を捨てず、頑張って細川作品を練習するのじゃぞっ!

[追記]

日本時間5月21日早朝、公式ページが久しぶりに更新され、新たに日程表がアップされました。
https://www.premioborciani.it/en/eventi/

辞退団体はその後は増えていません。なお、現在、某審査員さんに個人的に別件メールでさりげなく「レッジョって、どうなってるの」と問い合わせておりますが、返事はなし。ううううむ…

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フィショッフも韓国団体優勝! [弦楽四重奏]

偶然にも、プラハの春大会とほぼ同時の先週、フィショッフ室内楽コンクールが開催されていました。この大会、1970年代に始まった「アメリカ合衆国に於ける室内楽業界の夏の甲子園大会」ってか、「室内楽に特化したアメリカの毎コン」みたいな位置付けで、バンフ、メルボルン、大阪、ロンドン、レッジョ、ボルドーみたいな各大陸や文化圏を代表するメイジャー国際大会ではありませんし、ミュンヘンみたいなでっかい総合大会でもありません。でも、アメリカの室内楽業界とすれば、本気で室内楽をやりたい連中の最初の登竜門であります。

まさかやるとは思わなかったが、やはり恒例のインディアナ州はサウスベンドのノートルダム大学からライヴでやったわけではなく、オンラインだったみたい。こちら。
https://www.fischoff.org/competition/attending-the-competition/
ちなみに、これが過去数年の結果。なんとなんと、昨年もやってたんですねぇ。シニア部門というのはもうプロになるレベルの連中で、ジュニア部門というのは若い団体が対象で、正に目指せ甲子園ですな。おお、昨年シニア優勝は、来月のレッジョにも唯一の大西洋渡って参加することになってる連中ではないかぁ。
https://www.fischoff.org/competition/competition-winners/

さても、そんな中でのシニア部門で優勝したのは、リススQなる団体。ヴァイオリン・チャンネルが速報してます。
https://theviolinchannel.com/risus-quartet-grand-prize-winner-fischoff-chamber-music-competition-2021/?fbclid=IwAR3gLPnhuaUSsQzt92NefLfd92ZsRphm5ZyUrcLkBmDyFDpYFrMsLoMxeQQ

おいおい、ここも半島の連中、それもエスメさん同様にお嬢さんばかりの団体ではないかぁ。実は、やくぺん先生はこのニュースは彼女らがいるテキサス大学の絡み(なんだろうなぁ)でミロQのメンバーから知りましたです。今時はどんな音を出してるか、簡単に聴けますから、なんのかんの言うまでお聴きあれ。ほれ。
他にも、メンデルスゾーンなんぞがYouTube上にアップされてます。どれもこの2月くらい、ってのは、このヴィデオなんぞで選考した、ってことなんでしょうね。正直、演目がなんともこれじゃなぁ、ハイドンはないのか、って気はしないでもないですけど。

ま、フィショッフ優勝というのは国際コンクール参加に向けた最初の条件をクリアーしたというところですから、次回のバンフやら大阪に顔を出してくる可能性がある名前として、気をつけておきましょうかね。←おお、こういうニュースを視ていると、まだわしも現役気分が抜けぬわい…

今のような状況にあって、アメリカ合衆国が世界に誇る20世紀末以降に確立された室内楽教育のシステムはきっちり動いているという事実を知るだけでも、大いに有り難いニュースではあります。なんせ、コロナで業界全体のレベルが下がるのは、なによりもオソロシーことですから。

それにしても、クフモ・アシアナQがチェロ大好き大企業会長の熱烈バックアップでも開けなかった韓国の常設室内楽団体への道が、大阪でのノーブスQの3位入賞をきっかけに一気に開花し、前回ロンドンのエスメ以降はこのジャンルに雪崩を打って参入してきているって現状、なかなか興味深いことでありまする。100年近い演奏伝統とデカンショ欧州文化崇拝が背景にあったニッポンでも「一千万都市東京首都圏でホントの室内楽聴衆は数百人」という小さなマーケットが精一杯のジャンル、中国同様に国内需要がほぼ未開拓な半島に戻って、どこまでやっていけるやら。オケやオペラハウスみたいに欧米団体に就職するのはあり得ないジャンルですからねぇ。

山積みのフライドチキンとHiteビール前に、ソウルのマネージャー女史と愚痴半分であれやこれや…なんて状況はいつになったら戻ってくるのやら。ふううう…

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プラハの春コンクールの結果 [弦楽四重奏]

本来ならば今頃は大阪はいずみホールで若いピアノ三重奏団が最初のステージを繰り広げ始めていた筈だ…などと虚しく感じつつ、まるで梅雨が来ちゃったような重っ苦しい帝都の空を眺める昼下がり、皆様、いかがお過ごしでありましょうか。新帝都は「緊急事態」とやらが延長になった途端にあちこちのオーケストラが公演を再開し、なんと昨日まで溜池、錦糸町、池袋と三連ちゃん。ヘタすりゃ今日も初台、って妙なことになってるのに、商都大阪はほぼ完全にコンサートどころではない状況のようで、これが同じ政府が納める島なのかい、と不思議な気分になってくるのでありまする。

ま、それはそれで、泳ぎ続けていないと死んでしまうマグロみたいなところもあるコンクール業界も、流石にまるまる一年の活動停止を受けてそろそろ無茶をしても動き出さないと日程が詰まってしまう状態になってきている。おそるおそるという感じで、独奏コンクールはオンラインやらでの再開がなされつつあるようですな。とはいえ、なんせ参加者の練習がちゃんと出来るか判らぬアンサンブルの世界では、まだまだコンクールなんてできっこないと思っていたら、なんとなんと、「プラハの春音楽祭」のプレ事業だかフェスティバルの一部だか、組織運営の形態はよーしらんが(知りたい方は、後述の公式サイトの「コンクールの歴史」というところをご覧あれ)、ともかく、どういう頻度か知らぬが開催されている弦楽四重奏部門が先週に無事に行われ、ファイナリスト3団体を集めた本選も行われたようでありまする。こちらが結果まできっちり出ているすべての記録。
https://soutez.festival.cz/en/

んで、これが13日木曜の夜に3団体をライヴでプラハ放送のドヴォルザーク・ホールで開催されたファイナルの中継映像全部。3団体の演奏から発表まで延々とがっつり5時間時間近く、全部あります。司会者さん、最初はチェコ語ですが、直ぐに全部英語になります。今はチェコもドイツ語じゃないんだねぇ。
https://youtu.be/oCyUm9wuUpw

正直、8日の一次予選から13日のファイナルまでの流れをご覧になればお判りのように、相当に無茶をした大会運営だったようです。

実質、一次と二次予選はライヴでは行われず、プラハに来たのはファイナリスト3団体のみ。審査も、ニッポンでもやたらとお馴染みで本来ならば4月には「東京春音楽祭」で関西Qと共演する筈だったプラジャークQのカニュカ氏が審査委員長で、本選現場に来た審査員は地元ヴィーハンQ第1ヴァイオリンのチェピツキー、遙々バルセロナからやってきたカザルスQのジョナサン・ブラウン、それにパリだかブリュッセルだか知らんがダネルQチェロのマルコヴィッチの総計4名。で、他にオンライン審査員でイェルサレムQ第1ヴァイオリンのパブロフスキー、アルティスQのシューマイヤー(うううん、マイスル御大じゃないんだぁ)、元ケラーQのガルが加わり、一応、国際的な顔ぶれで7名ということにはなっている。オンライン審査って、国際コンクール連盟ではどう扱うのかしらねぇ。

んで、オンラインとはいえ参加が認められたのは10団体で、今時の弦楽四重奏の国際大会としては常識的な数字。内訳は地元団体が半分、残りのうち3つが韓国、って状況。ちなみに同時に行われたピアノはもっと凄くて、42人参加中韓国籍24人!おいおい、一次予選はソウルでやれぇ、ってかね。一年まるまるコンクールが行われていないので、韓国の中ではもう後ろが詰まってしまって大変なことになってる、って感じだなぁ。いやはや…

もとい。んで、本選の様子は上の生中継録画をガッツリご覧になればいいから、あたくしめがどうのこうのと言いません。司会者さんが、客席にいたパヴェル・ハースQのペテルと、元ペンギンのペテルを舞台に引っ張り上げて喋らせていて、元気そうな顔が見られて嬉しいぞ。みんな暇なんで、会場に来てたのかしらね。

一応、結果を記しておきますと、レッジョにも参加予定となっているミュンヘンで学んでいる韓国のアレテQが副賞含め総なめ。二位はなく、三位をヴィーンで学ぶロシアとギリシャとルーマニアのお嬢さんたちのセリーニQと、地元のクカルQが分けてます。ざっと眺めた限り、順当な結果でしょう。ただ、やはりプラハでチェコ語が母国語じゃない連中がヤナーチェクをファイナルで弾かされるのは怖いなぁ。あ、セリーニQはWebサイトがあるな。ほれ。
https://www.seliniquartet.com/

とにもかくにも、カニュカ氏は「やれて良かった」という感じありありですが、今の世界でコンクールをすることの難しさをいろいろ感じさせられる結果ですな。嗚呼、我らがあの団体が遙々シベリア越えて行けてれば…なんて思っても仕方ないとはいえ…だってねぇ、どういう状況での開催であれ、歴史の上にはパヴェル・ハースQやらと同じ扱いで記されるわけですから。

ま、懐かしい顔だらけの審査員席やゲスト出演を眺めさせていただいただけでも、有り難いことであると申せましょうぞ。ほれ。
IMG_1795[1].jpg
みんな元気そうでなによりです。なんか、「昔の仲間も遠く去れば…」って気分になってくるけどさ。

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レッジョはホントにやれるのか? [弦楽四重奏]

視野の中のオリパラ選手村を眺めつつ、ワイドショー連日のコロナ報道を背中の後ろに眺めていると、日本語文化圏限定数百万相手のマスメディアはどうでもいいんで、10数万東京都中央区民向けのメディアが無いのはホントに困るなぁ、としか思えぬどんよりした曇り空の朝なのであーる。

死んだ子の歳を数えるようで虚しいとは知りつつ、本来ならばそろそろ大阪に世界から若い弦楽四重奏団やピアノ三重奏団がこの週末の一次予選スタートに向け集まり始める筈だった
https://yakupen.blog.ss-blog.jp/2020-06-29
https://yakupen.blog.ss-blog.jp/2019-03-08
世界の主要室内楽コンクールには顔を出す現役生活への引退を宣言したやくぺん爺さんとしても、流石に地元主催開催となれば今日辺りからは大阪泊まり込みになる筈だったわけで…

って中で、今世紀に入ってからは毎回大阪の直後数週間で開催される日程が固定してしまっており、世界中のコンクール参加レベル団体の頭を抱えさせる北イタリアはボローニャソーセージとパルメジャンチーズ、それにフェラーリとクァルテット・イタリアーノの故郷たるエミリア・ロマーニャ州はレッジョ・エミリアで開催されるプレミオ・パオロ・ボルチアーニ、6月5日の一次審査開始まであと3週間ちょいと迫り、そろそろいくらなんでも事務局は決断をせねばならぬであろーに。

無論、こんなニュースがあろうが来月頭に自分が現場には絶対にいけないのは百も承知なんだけど
https://www.asahi.com/articles/ASP5F2DBYP5DUHBI02W.html
今やこれまた日課となりつつある朝の公式ページチェックをしにいったら、表のニュース欄はいつも通りで変化無し。
https://www.premioborciani.it/en/
んでもって、参加が認められた団体で北米やら、ノーブスQの弟子でこの3月からベルリンに留学とプロフィルに書かれた韓国拠点らしい非欧州圏の連中は、国にいるならそろそろ出国せにゃならんだろうに、どうなってることやらと、久しぶりに「参加団体」というところを眺めに行ったらぁ
https://www.premioborciani.it/en/admitted-quartets/
なんとまぁ、我らがシンプリーQが「参加辞退」になっておるではありませんかっ!うううむ、ヴィーンからアルプス越えイタリアに入るだけなんだから、公共交通機関使わずに車で1日かければ来られるのに、やっぱりダメかぁ。まあ、ヴィーンフィルの移動でもあれだけ「ワクチン優先接種なんてずるい」という業界内の騒動になったわけだから、世間的に無名な若い弦楽四重奏団なんてお呼びじゃない、なんでしょうかねぇ。なんせ、彼らの演奏会、この調子ですから…
https://www.simplyquartet.com/concerts

数日前に日本からお隣のロンバルディア州にお戻りになった現地に住所がある方からの情報提供に拠れば、レッジョ・エミリアは規制が最も低い地域になっていて、コンサートも行える状況だそうな。大阪からレッジョに掛け持ちする予定だったマーティンなどはどうなるのか判らないけど、要職にあってワクチンも優先的に打てるだろうオンドレ御大はともかく、ヤーナやら欧州在住の演奏家審査員の面々なら、無事にアルプスを越えられるのかしら。うううむ。委嘱新作を出している遙か極東の細川氏は…

なんであれ、顔ぶれからすればシンプリーQが圧巻の横綱相撲を展開しそうだった試合という意味では興が削がれてしまったけど(強行開催したトーキョー五輪もこんな感じなんでしょうねぇ、競技的には)、とにもかくにもやるならストリーミングはあるということなので、ギリギリまで事務局の動きを見守っていくしかないでありましょう。

なお、幸か不幸か北イタリアまで行けないお陰で、完全に日程が裏番組に重なっている溜池室内楽お庭には顔を出せるわけだけど、ノーブスQやシューマンQは言わずもがな、このところのイスラエル・パレスチナ情勢は、いかな国民総ワクチンのイスラエルとはいえどうなることやら。イェルサレムQ、こちらで最新のストリーミングを眺めるしかない、なんてことにはなって欲しくはないぞ。あ、有料なので、悪しからず。
https://www.carnegiehall.org/Calendar/2021/04/19/Jerusalem-Quartet-0700PM?utm_source=wordfly&utm_medium=email&utm_campaign=stix-voh-05-12-2021&utm_content=version_A&sourceCode=35456

風薫る皐月、このままでは一度もライヴで弦楽四重奏を聴けないという昨年と同じ状況で終わりそうな…

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2021年のショスタコーヴィチの弦楽四重奏像とは [弦楽四重奏]

去る木曜日晩に鶴見のサルビアホールでエクが初レパートリーとなるショスタコーヴィチのシリーズ第1回として第1番から第3番の演奏会をなんとか無事に終え
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そのオマケ企画たる司会タイムキーパー仕事もなんとか恙なく完了、さても新帝都にはまた緊急事態とやらが出るそうで5月は三度の仕事スッカラカンになりそうだ、なんてボーッと思ってたら、この商売始めてから難しさではトップとも言えるであろう無茶な仕事が入り、先程までバタバタしておりました。

なんせ、コロナ禍で楽屋取材は一切出来ないのが原則の中、演奏会当日、既にGPが本番会場で始まっている時間に「取材やれないかな、締め切り明日、2ページ空けて待ってるので」などというウルトラ無茶ぶり。慌ててマネージャーさんに電話し、掲載誌取りにチャリチャリと都心まで走り、そのまま会場までチャリチャリと戻り、マネージャーさんに泣きつき…結果としてなんとか取材OKが取れ、人々が慎重な楽屋詣でをせんと並ぶのを押しのけ裏に入れて貰い演奏者と共演者に3分間インタビュー。頭下げっぱなしでチャリチャリと佃縦長屋に戻り、作業をしようとするも頭が動かずぶっ倒れ、翌日土曜日はどうしても必要な資料を漁りに上野文化会館資料室に行き、奇跡的に必要な59年前の資料現物を手にすることが出来て、なんとか時間内に初稿を入れる。以降、日曜日は写真をいただくやりとりやらなにやらあり、先程、上がってきたゲラのチェックをして戻したところでありまする。平時の週刊誌取材じゃないかい、これって。いやはや。

そんなわけで、ホントならば週末にはアップしておきたかったネタが今になってしまいました。ショスタコーヴィチの弦楽四重奏についての、今時の学問レベルでの定説について、ちょっとだけ。「書いてあることは嘘ばかり、信じるなぁ」をモットーとする当無責任私設電子壁新聞としては異例な、珍しくまともな話です。

エクの20世紀作品シリーズは、これまでも作曲家さんを呼んだりしてプレトークを行っていました。今回、ショスタコーヴィチ・サイクル開始にあたり、まさかロシアから関係者を招聘し話をお願いするなど零細NPOにはとても不可能。じゃあどうするか、ということになり、「せっかくショスタコーヴィチが生きていた頃は知らない世代で、これまでに弾いたショスタコーヴィチは8番と14番、それにピアノ五重奏曲くらいのエクが始めるチクルス。若い頃にショスタコーヴィチQに10番を習ったことはありますが…というショスタコ専門家ではない常設団体やるのだから、新しい世代の研究者の方に最新のショスタコーヴィチ研究の中での弦楽四重奏のあり方について喋って貰おうではないか」ということになりました。

作曲者没後そろそろ半世紀、かの20世紀最大の偽書のひとつと認定されている『ショスタコーヴィチの証言』以降、西側ではいろんなショスタコーヴィチ像が出てきている。弦楽四重奏の創作に関しても、飛び抜けた著名曲たる第8番の「ドレスデンを訪れたとき…」という誰がどう聴いても眉唾っぽい定説は完全に揺らいだし、なんといっても4番以降はヴァインベルクとの関係を知らずには議論が出来ないというのがこの10年ほどの常識になっている。

そういう21世紀20年代の視点から、ショスタコーヴィチの15曲を弦楽四重奏文献の歴史に位置付ける新たな常識、せめてその入口くらいは確認しようではありませんか、ということです。

で、白羽の矢を立てたのが、この春から国立音楽大学准教授に就任なさったロシア・ソヴィエト音楽専門家の中田朱美先生だったわけであります。一昔前ならばソヴィエト音楽といえば一柳富美子先生の独壇場だったわけでありますが、そろそろ演奏者同様に研究者も世代を交代していく頃でしょうからね。

以下、京浜東北線が鶯谷で人身事故を起こしてJRも代行の京急もオソロシー三密状態の中を駆けつけて下さった愛好家の皆様の前で行われた20分程の本番前プレトーク内容を記します…ってなればいいんでしょうけど、ゴメン、録音してません。内容の詳細なメモを記したくても、司会とタイムキーパーをやってて、メモを取ってませんっ。

というわけで、結局のところは「書いてあることはみんな嘘、信じるなぁ」電子壁新聞の本領発揮、迂路吠えで大事なポイントを、おぼろげな記憶の彼方から最も重要なひとつふたつを記します。客席にいらっしゃった皆様からの「おいおい、そうじゃなかったぞ」という訂正、修正がありますれば、どんどんお寄せ下さいませ。よろしくです。

中田先生のお話の中でなによりも印象的だったのは、「ショスタコーヴィチの弦楽四重奏は交響曲などでは言えない内面を吐露したものだ、という認識は間違っている。弦楽四重奏は私的なばかりのものではなく、ショスタコーヴィチは弦楽四重奏曲であれ大丈夫か慎重に状況を見て発表していた」という内容のコメントであります。そもそも、ロシア・ソ連では弦楽四重奏は音楽のあり方の中では決してメイジャーなジャンルではなく、ショスタコーヴィチは第5交響曲での命に関わるような批判のあと、まずはピアノ五重奏で様子を見て伝統形式の室内楽への当局の反応を探ってみた。で、これは大丈夫なジャンルだと判断し、弦楽四重奏に着手した、とのこと。

へえええ、なるほどねぇ、いきなり、今までの曲目解説を全部捨てなきゃならんかな、と思わされるような話でありました。今後、4番以降はユダヤ主題の問題(2番にもちょろっと出ているとのこと)、そしてヴァインベルクとの関係など、興味深い話が次々と出てくることでありましょうぞ。

エクのショスタコ・チクルス、音楽そのものはパシフィカQなんぞ以降の、何度もベートーヴェンなどの演奏を重ねてしっかり古典演奏の技術と弦楽四重奏演奏に必要な和声感や音程感が身に付いた今時のまともに弾けるモダン楽器の「常設団体」の再現で、隅から隅まできっちり見えて技術的な破綻は皆無、というものであります。時代は変わってるなぁ、と感じされられる一晩でありましたとさ。次回が1年後になるのは、諸処の事情で致し方ないとは言え、待ち遠しいぞ。

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藤倉新作映像 [弦楽四重奏]

恐らくはコロナ時代に最も活発な創作活動、というか、新作創作物の発表が続けられている作曲家が藤倉大氏でありましょう。昨年、あの状況で国立劇場クラスの場所で完全新作が初演されているのは、世界でもこの方だけなんですから、普通に考えれば「なんでやねん?」でありますが、ま、いろいろな事情があるんだろう、でオシマイ。

一昨日だか、今、ニッポン国音楽業界でいちばん注目されてる若手弦楽四重奏団たるアマービレが、藤倉作品の新作初演を行っております。その音と映像が一般に公開されました。こちら。

やっぱり、21世紀の作曲家さんにとっての弦楽四重奏という媒体の最大の魅力は、「五線譜の音程を外れた音による厳密なアンサンブル」なんだろうなぁ、というのが良く判る作品ですな。

長さも適当だし、楽譜へのアクセスと演奏の制度的、経済的な壁を下げていくことが出来れば、そこそこ弾かれる可能性があるかな。

昨年来、コロナの中で世界初演にストップがかかっている邦人作曲家の弦楽四重奏の世界初演作品は、望月京と細川俊夫の2作があるのは皆様ご存じの通り。他にも、コロナ禍のオーケストラの様々な生き残りをかけた試みの中で生まれた日本センチュリー初演シリーズの薮田翔一作品とか
https://www.century-orchestra.jp/wp/wp-content/uploads/2020/10/d04af4ae7568ea314f943e47c310492e.pdf
この媒体のレパートリーになるものが出てくると良いんですけどねぇ。

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速報:シンプリーQがジメナウアーと契約! [弦楽四重奏]

数時間前に入ったニュースです。

中国出身で、現在はヴィーンを拠点に活動するシンプリーQが、ジメナウアー音楽事務所の所属アーティストになりました。まだFacebookでの速報だけで、公式サイトは一生懸命作ってるところみたい。
https://www.facebook.com/simplyquartet/photos/a.229005157607835/1095562257618783/

いやぁ、なんというか、久しぶりにこういう話題だなぁ、という気持ち半分。ジメナウアーもおばちゃんが引退して、ましてやこのコロナ禍で、いろいろ方向を模索してるんだろうなぁ、って気持ちが半分。この瞬間、ジメナウアー事務所の公式サイトの頭は、ご覧のように「シンプリーQと契約しました」というものになってますね。
https://www.impresariat-simmenauer.de/

彼らの担当者として挙がっている奴は、もううちのお嫁ちゃまなどは知らない名前だそうで、ま、それはそーだろーなー。

ちょっと根暗な第1ヴァイオリンと、逆にネアカでムードメーカーのヴィオラくんが上海時代からの生き残り。チェロはノルウェーのにーちゃんで、ヴィオラが数年前からヴィーンのお嬢さんに交代。中国&欧州の連合旅団となり、拠点はヴィーン、という活動の仕方になってる。

思えば、現時点では一度しか開催されていない北京国際コンクールの弦楽四重奏部門に、実質上の中国代表として登場、セミファイナルまで行ったんだっけか。
https://yakupen.blog.ss-blog.jp/2011-09-20
https://yakupen.blog.ss-blog.jp/2011-09-23

その後、チェロがソリストになるべく抜けて、なんとなんと八王子カサド・コンクールにやってきて優勝しちゃったり。
https://yakupen.blog.ss-blog.jp/2013-12-01

弦楽四重奏としては、中国出身で初めて団としてヴィーンに渡り勉強、あの藝大とヴィーン音大の合同で作った『ハイドン・トータル』なる題のハイドン弦楽四重奏全曲録音にも、チェロが安定しない中でも参加しております。ううむ、現物は今、豊洲の倉庫に入っていて出せないのが残念。

その後、チェロがノルゥエーのお髭くんに安定し、波乱のトロンハイム大会では、前回のロンドンで勝っちゃったエスメと並び3位となった。
https://yakupen.blog.ss-blog.jp/2017-09-30

んで、その翌年にはグラーツで悲願の優勝。
https://yakupen.blog.ss-blog.jp/2018-02-28
その勢いを駆り、やくぺん先生が現時点で最後に眺めた国際大会たる一昨年のボルドーではマルメンQと並び実質上の優勝。
https://yakupen.blog.ss-blog.jp/2019-06-12

そこで、いろいろな見せ方などを学ぶことになり、コロナがやってくる中でもそれなりに頑張っていて、来たる6月の、まだ止めるとは発表されていないレッジョにも参加することになっておりました。

果たして「中国が生んだ」と言えるか、なんとも微妙なフォーメーションだけど、少なくとも巨大な中国市場を本気でターゲットとする可能性がある本格団体としては、先達上海Qに続くポジションに付けたわけでありまする。そこにもってきて、ヨーロッパの弦楽四重奏業界を実質上コントロールする事務所に所属したわけですから、これはもう順風満帆…なのかな。

ちなみに、ジメナウアーのページからアーティストというところを推して、ロースターをご覧あれ。へえ、様変わりしてますねぇ。クレメルやってるんだぁ、今は。しかし、今年の溜池のお庭って、なんてことない、ジメナウアーからばっかりじゃないかぁ。これなら、来年再来年にはいよいよシンプリーも東京に来られるかな。

ニッポンの若者達よ、この名簿に上がることを目標とせよっ!

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