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トマじゃない《ハムレット》 [現代音楽]

ホントに久しぶりにチャリチャリ大川越えて、旧築地川を晴海通りが跨ぐ東詰の東劇に行って参りました。もうどれくらいやってるのやら、「Metライヴビューイング」ってやつです。
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オペラの舞台をライヴで全米各地の映画館で中継、がっつり$30くらい取るけど、特等席じゃないと絶対に観られないような映像と、おうちのオーディオ装置よりは余程立派な音響で聴かせて、まるでメトのプレミアに座っているように体験してくださいな、ってやつ。始まった直後からそれなりに大きな反響があり、北米の地方オペラ主催者さんに「お陰で最近はうちで来シーズンの演目のリクエストをすると、メトライヴでやった作品ばかりが挙がるようになり、舞台もあんな金かかったものと比べてちゃちだとか言われ、正直、営業妨害です」とマジで怒ってたなぁ。今世紀の初め頃のことだったと思うけど。

コロナ禍を経て、パソコンどころか携帯端末で通勤電車の中でもメトやらスカラやらパリのガルニエやらからの映像を鑑賞できるばかりか、どことも知らぬドイツの田舎の劇場の尖りまくった演出も当たり前にいくらでも視られちゃう今日この頃、じゃあわざわざ一昔前の映画館の空気漂う東劇まで来て
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今時のシネコンの豪華な椅子とはちょっと比べると可哀想な、でもメトの狭い席よりは100倍くらい立派なフカフカシートに座って、映画版オペラを眺めるという「オペラ鑑賞」が21世紀初頭の徒花に終わったかと言えば…どうもそうでもないようで、なんのかんの世界中で続いている。世界中、っても、御上の情報操作が日々巧みになっている中国本土とかはどうなってるかしらねぇ、最近は。

んで、正直言えばロマン派オペラにも、今や我が世の春のバロックオペラにもホントはそんなに関心が無いやくぺん先生ったら、わざわざ出かけるのはそれなりに理由はある。この映画オペラ、あのルパージュのこけおどしセットばかりが話題になった大失敗《リング》の最初に《ラインの黄金》なんぞ眺めに来て、ああああこれはやっぱりダメだ、この音は3時間なんてとてもじゃないが晒されていられない、と思って以来くらいのことかな(その後にメトのいつもの席でライヴで眺めても、やっぱりダメだったけどね、あの演出は)。かの、元ベルリンフィルのヴィオラ奏者のオーストラリア人(オーストリア、じゃありません)、ブレッド・台湾にコロナ持ち込んじゃった・ディーン
https://yakupen.blog.ss-blog.jp/2020-03-06
作曲するところの《ハムレット》なる演目だからでありまする。

いやぁ、なんとも勇気のある選択じゃの、と驚きを禁じ得ないわけでありますが、ともかくこのシェイクスピア翁の現代でも比較的抵抗なく上演が出来る、一筋縄ではいかない主人公のキャラクター含め「現代にリアリティがある舞台」を作るのがそれほど難しくない作品の何度目か知らぬオペラ化でありまする。

過去2世紀版以上に無限に繰り返されてきた沙翁作品歌劇化の試みの中で、文句なしの決定的な成功作と言えば神様ヴェルディの《オテロ》と《ファルスタッフ》、次点でそれなりの成功とされスタンダードとして生きてるのはヴェルディ先生の《マクベス》とかパーセルの《妖精の女王》とかブリテンの《夏の夜の夢》とかベルリオーズの《ベアトリーチェとベネディクト》…くらいかなぁ。その次のクラスとなると、もう殆ど趣味の世界となってきて、サリエリの《ファルスタッフ》という方もいようし、ニコライだって捨てたもんじゃない、ベルリーにだって一応シェイクスピアなんじゃないの、等々。個人的には、数年前にENOが新作で出した《冬物語》という難物そうなもんには興味があるんだが、あまり話題にはならなかったよーですなぁ。あ、ヴァーグナー好きの方からは《恋愛禁制》を忘れるな、と突っ込まれそーだなぁ。

んで、この現役バリバリのヴィオラ奏者さんでもある作曲家さんの《ハムレット》でありますがぁ、既にグライドボーンの世界初演が映像化されていてNHKも放送したことあるとのこと(知らんかった)。まあ素材が素材ですから教養ある英語圏の評論家が絶賛などする筈はなく、賛否両論でいろいろ言いたいことはあるけど、まあ、ええんじゃないの、という感じ。誰もトマのグランドオペラを引き合いに出す人はいないのは、当然と言えば当然なんでしょうなぁ。

というわけで、暑い夏の午後にボーッと座って大川端眺めてるんだったら、メトのお馴染みの我がファミリーサークル天井桟敷上手いちばんステージ遠くの席$20だか、あそこに座ってどーでもいーロマン派オペラ眺めて来てしまった、というくらいの気持ちでチャリチャリ出かけたわけであります。

で、感想とすれば、「これくらいだったら、ライヴビューイングの方がいつものステージなんも判らん席でこの作品眺めるより良かったかな」ってのが本音。

以上オシマイ。始まって少し、ガッツリ寝落ちしてしまったんで、作品全体についてどうこうなんて言えません、ゴメン。ただ、オペラということで言えばトマのオリジナル版のハムレットが死なずに生き残るという終わり方は、シェイクスピアのオリジナルよりも21世紀の今とすればええんでないの、と常々思うこともあるわけで、そっちでいってくれるかな、死屍累々たる現実を受け入れて王子は生きていくという結末の方が「悲劇」なんじゃないか(「アベシンゾーは殺さずに生かして、自分のやったことの悲惨な結果を目撃させねばいけなかった…」というのと同じ)とも思っていたので、ちょっと残念かな。

音楽的には、今の作曲家が大好きなカウンターテナーを絶対にどっかに投入するだろう、ヘタするとタイトルロールかとも思ったんだけど、あの役にドッカンと突っ込んでくるかぁ、とか、タイトルロールの仕事ヘビーすぎぃ、とか、結局戦後前衛の開拓したあれやこれやよりも《ヴォツェック》のドロドロ音が勝ちなのかなぁ、とか…ま、あれこれ考えさせていただきました。真夏の午後に暑い暑いと大川端でボーッとしてるよりは有意義な時間が過ごせましたです。

ただ、これをどっかで上演するから$1000自腹切って太平洋やシベリア越えて観に行くかね、と言われると…いかないなぁ。うん、ゴメン。判った、こういう曲なのか、トマには出来なかったことが21世紀にはいろいろ出来るようになってますねぇ、ってくらいかな。

この半世紀のシェイクスピア原作オペラ化としては、正直、《テンペスト》よりも上手くいってるんじゃないかしら。ことによると《リア》よりも判りやすいかも。ちゃんと演じられるテノールがいれば、でしょうが。やたらと饒舌なハムレット青年、オペラというやり方を選ぶならば、これはこれでありとは納得させられた次第でありました。WOWOWでやったら…うーん、やっぱ視ないだろうけど。

この音楽と台本で、「悩める非行動派王子ハムレット」はやれるのかしらね。当たり前のことだけど、オペラ作曲ってホントに「解釈」であり、「演出」なんだよなぁ。

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横浜版《浜辺のアインシュタイン》は上演中出入自由じゃありません [現代音楽]

話題になっているんだかいないんだか知らないけど、10月に横浜は県民ホールで上演される《浜辺のアインシュタイン》の制作発表記者会見が行われました。

当無責任私設電子壁新聞を立ち読みしてるよーな皆様には説明なんぞ一切無用でしょうし、出演者や制作側がオフィシャルに言いたいことなんぞは、午後から夕方に出始めた記事がもうありますので、そちらをご覧下さいな。ほれ。
https://natalie.mu/stage/news/485616
夜になって公式トレイラーも出ました。こちら。
ぶっちゃけこのトレイラー、どのようなコンセプトでのステージになるかまるで判らんですけど、この海を見ている若い二人、ってイメージの背景にある山下公園なんぞから眺めているような類いの「海」は、これまでのこの作品のどの上演でも見たことない海の姿であることは確かですね。へえええ、ってね。ちょっとビックリ。

で、上の記者会見記事では全く触れられていない、この作品をある程度ご存じの方が気になる点をふたつ、質疑応答で訊ねさせていただきましたので、記しておきます。特に前者は極めて重要な変更点。敢えて「変更点」と言わせていただきますけど、正直なところ、どんな舞台なのか、どんな翻訳なのか、どんな演技者の動きになるのかとかよりも、遙かに重要で本質的な変更だと思いますので。

★2022横浜版《浜辺のアインシュタイン》は、5時間近い上演がずっと途切れずに展開し、客席から聴衆が立ったり動いたりするのは自由、という初演以来のコンセプトを踏襲しません。ハッキリと幕で分けて、休憩を設定するとのことです。「コロナでの聴衆制限」などが理由だそうです。正直、どうもやくぺん先生には良く判りませんでしたが、そういうことらしい。うううん、これはこの作品のあり方を本質的に変えちゃう変更だと思うんだけどなぁ…

★このプロジェクトが発表されてから、これまでの主催側からの告知は全て作品のタイトルの前に「フィリップ・グラス/ロバート・ウィルソン」という名前が付けられていました。この表記を眺めると、「ああ、ウィルソン版の初版演出をベースにした実質上の第4版を作るのか」と思ってしまうかもしれません。ところが、いろいろな告知を見るとそうじゃないみたいで、本日も全く違う演出になると言明されてました。それって聴衆の側に誤解を与えるんじゃないかい、と訊ねたら、理由ははっきりしてました。要は、著作権だか上演権だかを持つところの要求で、ウィルソンの名前を併記しないとダメなのだそーです。へええええ…

なお、演出家さんに拠りますと、「アインシュタインは出ます」とのこと。なるほど、出るのか。なるほど…

てなわけで、横浜版がどんなになるか、あまり良くは判らなかったけど、ダラダラと浜辺を眺めているような緩い構造の上演ではなく、しっかりと決められた席に座って4時間半を過ごすというものになるようです。

当面の話題は、本日公開となった大友克洋の手書きになるポスターチラシじゃないかしらね。ここでは敢えて貼り付けませんが、上のWeb記事に出てますので、ご覧あれ。

[追記]

記者会見のライヴがアーカイブとしてYouTubeでアップされました。お暇ならどーぞ。
https://www.youtube.com/watch?v=VzpdcjV3CBY

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ボンクリは電子音響のフェスティバルだ! [現代音楽]

どれくらいの方が気付いているか判らないけど、明日明後日と池袋は東京芸術劇場で開催される藤倉大氏監督(なんですよね)の「ボンクリ」が、いつのまにやらニッポンではいちばん大規模な「電子音楽」の音楽祭になってしまっているじゃあないですかぁ!
https://www.borncreativefestival.com/

もちろん、ライヴ音響の普通のゲンダイオンガクもいっぱいありますけど、この都市型、というか、ヴェニュ総動員型フェスティバルの初めの頃から地下のギャラリーのようなところでひっそりと、でもずっと開催されていた様々なタイプの電子音楽のライヴ上演が、ジワリジワリと表に出てくるようになり、とうとう今年はラインナップの半分以上が所謂「電子音楽」がらみで、ついにはこんな空前の大演奏会まで開催されることになった。
https://www.borncreativefestival.com/grownup

なんとまぁ、あの東京芸術劇場のいちばん上に据えられた大ホール、普段は読響さんやら都響さんやらN響さんなんぞがマーラーやらを鳴り響かせる巨大空間で、「ボンクリ・フェス2022のアーティスト選曲による“出演者なし”の電子音楽コンサート。コンサートホールが巨大なリスニングルームに変身。コンサートホールに設置されている無数のスピーカーをふんだんに使い、選りすぐりの電子音楽に浸ることができます。」だそーな。

こんな演奏会って、70年大阪万博の鉄鋼館以来じゃあないかい。でも、どうやら主催している芸劇さんったら事の重大さをあんまり意識してないみたいで、「いつも地下階でやってる奴、もうみんないろいろ耳に慣れてきたみたいだから、今年は大ホールでやっちゃうかぁ」くらいの、肩に過多な力が入ってない様子なのが、これまたなんともナイスでありまするな。

コロナ禍以降の今、よく考えてみると私たちにとっていちばん耳に馴染んでいて近しい存在の「楽器」って、ヴァイオリンやらピアノやらではなく、アンプやスピーカーなんですよねぇ。全人類とは言わないが、少なくともニッポンの都市生活者が耳にする「音楽」の99%までが再生音だろうし、再生装置やマイクスピーカー通さない生音を日常的に聞いてるのはごくごく一部のクラシック音楽関係者かクラシック音楽ファンしかいない。それに、創作だって電子音が簡単といえばいちばん簡単。さあ、あなたもやってみましょう、そこにパソコンさえあれば直ぐに音楽を創ることができますよ、ってさ。

電子音といっても、ホントにいろんなものがある。へええと驚いたり、何じゃこりゃと呆れたり、おおおおおなんて綺麗なんだと陶酔したりと、何が出てくるか判らぬのも面白いところ。この勢いでかのシュトックハウゼンの大作…の筈だったのにねぇ…

ま、死んだ子の歳を数えても仕方ない。さあ、明日明後日は、気を取り直して池袋にGO!どれも絶対居面白い、とは敢えて言わないけど、ダメと思ったら抜け出しちゃえばいいだけですから。

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みんな電子音が大好き [現代音楽]

去る土曜日午後、横浜の港からの夕べの浜風がすっかり高層ビル群で遮られてしまった紅葉坂をえっちらおっちら、神奈川県立音楽堂に行って参りました。
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シリーズ「新しい視点」紅葉坂プロジェクト、というもんを見物するためでありまする。おお、なんかアビーロードっぽくないかい。 
https://www.kanagawa-ongakudo.com/d/momijizakaproject
上のサイトをスクロールしていくと、企画プレゼンテーションの様子などの絵面もあり、当日の舞台の様子がだいたいお判りになると思います。実質、これまんまでした。

この演奏会、神奈川県立音楽堂が若手アーティストに「新しい視点」でパーフォーマンスする場所を提供する、というもの。公募された企画から一柳御大以下の企画委員が三作品を選択、公開GPなども行い中身を詰めて、この日の発表会に至る、という面倒なプロセスを経ています。要は、神奈川県のホールが主催者として神奈川県民の税金で若手アーティスト企画を3つ主催しましょう、って広義の「教育プログラム」ですな。

とはいえ、佃縦長屋に送りつけられてきていたプレスリリースを眺めても、予算がどういう風になっているのか、ぶっちゃけ、出演者には制作費が出るのか、ホールからのギャラが出ているのか、まるっきり判らない。常識的に考えて「神奈川県民ホール」主催公演で制作側が持ち出しでギャラはないなんてことはあり得ないでしょうけど、その辺り、もっとオープンにしても良いと思うんだけどなぁ。こういうのはプロデュースの教育でもあるんだから。公募の要綱をちゃんと眺めればいろいろと判るに決まってるが、残念ながら現時点では、もう県立音楽堂の公式ページに応募要項は挙がってません。うううむ、ちゃんと勉強しておくのだった。

てなわけで、午後3時から休憩挟みつつ午後6時頃まで続いた3つのパーフォーマンスを見物させていただいたわけですが、結論から言えば無責任言い放題やくぺん先生の感想は…

みんな、電子音好きねぇ。

以上です。オシマイ。

いくらなんでもこれだけじゃ酷いから、一応、感想にもなってない感想を記しておきましょう。ぶっちゃけ、後の自分への備忘録で、読者対象一切なし。

最初のヴァイオリンと電子音のデュオは正にそのまんまで、極端に言えばヴァイオリンのピアノの二重奏のピアノ部分をライヴエレクトロニクスに置き換えたもの。正直、説得力のある出し物にするためには、まだまだ見せ方にいまみっつくらいの工夫が必要なんじゃあないかしら。

その次の、みんなで太鼓取り囲んで、打面の上にいろんな道具でペタペタとお絵かきして、その音を拾って電子音で弄って(弄ってるんだろうなぁ)、ついでに後ろのスクリーンでやってる手元や打面に出来てくる絵面をでっかく投影する、というもの。所謂元祖「パーフォーマンス」系で、なるほどそういうもんなのね。でもあたくしめには、この音のみを延々と聴いてるのは極めて厳しいなぁ。かなり拷問っぽい。恐らくはそれが目的という迷惑なパーフォーマンスなのでしょうけど、流石にこの暑い中では溜まらん。スイマセン。

最後のヴァイオリンと電子鍵盤楽器のデュオは、完成度はいちばん高かったかしら。冒頭に電子的に弄って県立音楽堂とは思えぬ深すぎる音響をヴァイオリンとキーボードで作ってみた辺りでは、「へえええ」と思ったです。途中でひとつ、動きを後ろのスクリーンに変換して映し出し一切音はなし、という完全なパーフォーマンス作品があって、なんかこういうのよく見るぞ、でもなんでこの舞台でやらにゃならんかなぁ、県立音楽堂という空間でわざわざやる必要がないことをやってみるのが目的と思わざるを得なかった次第。その後には、耳をつんざく電子音を背景に演奏している楽器が聞こえなくなる、というパーフォーマンスもあったんだけど、これまた最初の30秒くらいで「判ったからもう結構」と悲鳴を挙げたくなった老人でありましたとさ。

神奈川県立音楽堂という放っておけば素晴らしい響きの空間の中で、みんな寄って集って電子音をあれやこれや、それも些か素朴過ぎて決して「美しい」とはいえない響きを、思い切りデカく奏でてくれた。そんな大音響の中で懐かしく思いだしていたのは、遙かコロナの前の夏にアムステルダムでの《光》抜萃上演の時に経験した「電子音もなんと美しい響きになったことか」という驚きでありました。あれ、当電子壁新聞でなんか書いたと思ってたら、どうやら商売もん原稿で書いてたらしい。ま、こういうのがあったときの感想。
https://yakupen.blog.ss-blog.jp/2019-05-29
どういうわけか、神奈川県立音楽堂が選んだ3組の若い意欲的なアーティストの皆さんって、電子音と響きの美しさを両立させるという今時の課題には関心がまるでなかったみたい。どうしてなんでしょーかねぇ。ううううむ…

そんなこんな、暴言を許していただけば「ああああやっぱり酷い目にあった、まともに銀座のQインテグラに言っておくんだった」と大いに後悔しつつ、でもそんな本来の職種を捨てても敢えて失敗感を経験するためにわざわざ暑い中を遙々横浜くんだりまで来たのも事実なのであった。

さ、もう日が暮れる横浜の空、佃大川端縦長屋で御家族が横浜土産崎陽軒弁当を待っているので、慌ててもどらにゃならぬ。この企画の番外編みたいに上演された「みんなで《in C》を演奏しながら紅葉坂を練り歩こう」というアフターコンサート扱いのイベント準備が進んでいるロビーで知り合いの参加者さんに手を振り
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よたよたと港がまるで見えぬよう坂を達塞ぐビルの壁に向け下っていったのであーる。

演奏者やスタッフの皆様にはしっかりと感謝の意を表明すべきなんでしょうけど、こちらも聴衆として大いに疲れ、不快感や身体的な苦痛を経験するという貴重なデータ提供をしたのだから、お互い様。文字通り、お疲れ様でした。新しいことはそう簡単には上手くいかぬ、という当たり前のことをあらためて痛感した夏の午後でありました。

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本日前提:無料でジョン・アダムスの1日 [現代音楽]

作曲家ジョン・アダムスの75歳を記念して、出版社のブーシー&ホークスさんが壮大なプロモーションの1日を開催しております。アメリカ合衆国は独立記念日を来る月曜に控えた連休気分の金曜日夜、日本時間では本日土曜日の午前1時から、以下のYouTubeサイトで24時間の間、ずっとアダムス作品を無料で垂れ流しにしてくれておりまする。

今何やってるのかとか、次ぎに何が来るかとか気にせずに、延々と暑い土曜日の1日をアダムスのサウンドで浸りたいという方には、最高のBGMですのでお楽しみあれ。なお、映像はなくあくまでもノンサッチが出したアダムスのボックス・セットを流しているというものみたい。

説明がめんどーなんで、ほれ、こういうもの。ペトっ。

On July 1, 2022, Nonesuch Records releases "John Adams Collected Works," a 40-disc box set of recordings spanning more than four decades of the composer’s career with the label. Listen to a 24-hour stream of tracks from the boxset, including recordings of Adams's iconic orchestral, chamber, and opera works, plus video interviews with the composer about his music.

Learn more and purchase "John Adams Collected Works":
https://www.nonesuch.com/albums/colle...

Learn more about John Adams:
https://www.boosey.com/Adams

アダムスといえば、この9月にはSFオペラで《アンソニーとクレオパトラ》なんてメト意識しすぎの狙いすぎ新作が出るし
https://www.sfopera.com/on-stage/antony-and-cleopatra/
世間的には、9月からのシーズンでパリ・オペラ座がデュダメル指揮ニクソンとニクソン夫人をトマス・ハンプソンとレネ・フレミングなんて突拍子もないキャストで《中国のニクソン》新演出を出すことが最大の話題でしょうねぇ。これは絶対にDG辺りが録音しそうだなぁ。
https://www.operadeparis.fr/en/season-22-23/opera/nixon-in-china
いやぁ、凄い時代になったものよ。SFOはタイミングとして無理だが、パリは…これはもうエミレーツで行くしかないか。

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ブライト・シェン《紅楼夢》ライヴストリームあり [現代音楽]

10年代半ばにSFオペラが猛烈に力を入れて世界初演したブライト・シェンの《紅楼夢》が、日本時間の本日から戦勝記念オペラハウスで再演されます。こちら。
https://www.sfopera.com/on-stage/dream-of-the-red-chamber/

SFという地域がら、はたまた昨今の膨大にステージに出現しているアジア系歌手の扱いから、《トゥーランドット》や《蝶々夫人》にも匹敵する新しいアジア系をメインの据えられる作品が欲しい業界とすれば、政治的なテーマ抜きでやれてみんな知ってる中国の作品ですから、なんとか育てていきたいのでしょうねぇ。アフリカン・アメリカン系では《ポギーとベス》という決定版があるし、いざとなれば《トレもニーシャ》とかもあるわけだが、アジア系はやはり「トドメを刺す」という感じの作品は上述のふたつになっちゃうわけで。ま、あるだけ凄い、と考えるべきなだろーなぁ。

もとい、で、この《紅楼夢》、コロナを越えた今はすっかり当たり前になった「劇場からのライヴストリーミング」が行われます。初演の頃はまだまだ手探り状態でしたが、今回はいろいろやり方も安定してきてますから、安心して視られるでしょう。初日の舞台じゃなくて、日曜日のものが配信されるみたい。
https://donate2.app/sfopera/dream-of-the-red-chamber
$25って、今、おいくらくらいなんじゃいね?

今回のもうひとつの注目点は、指揮者にダレル・アンが起用されていること。このところ日本でもいきなり注目を浴びている(のかな?)シンガポール人指揮者のひとりですな。エスプラネードの外の飯屋で挨拶したことあったような。
https://www.bunkamura.co.jp/orchard/lineup/nkyo/interview_soloist/96_2.html
うううむ、こうしてみると、日本の若い指揮者さん、すっかりアメリカ合衆国でのキャリアを作る気がなくなってるのが心配だなぁ…

ま、お暇な方はこの週末にご覧あれ。

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ユトレヒトでニッポン若者作品初演 [現代音楽]

来る6月18日、オランダはユトレヒト音楽院でオランダ弦楽四重奏アカデミー設立20周年を記念した音楽祭が開催されます。
https://www.nska.nl/
わ、まさかのオランダ語だらけじゃんかぁ。皆様、今時、オランダ語なら英語ドイツ語への無料マシン翻訳でほぼ完璧ですから、なんとかしてください。これが当日の流れ。ちゃんと英語翻訳で出るのかしら。
file:///C:/Users/yawar/OneDrive/%E3%83%87%E3%82%B9%E3%82%AF%E3%83%88%E3%83%83%E3%83%97/Jubileum%20%E2%80%93%2018%20juni%20-%20Nederlands%20StrijkKwartet%20Academie.html

一応、英文翻訳の演説をまんま貼り付けると、以下。


NSKA String Quartet Festival – Saturday 18 June
TivoliVredenburg

An ode to the string quartet! The Dutch String Quartet Academy (NSKA) celebrates its 20th anniversary on Saturday 18 June 2022 with a vibrant String Quartet Festival full of performances, presentations, music performances and lectures. From a very young Utrecht quartet and up-and-coming subject students to the international world top.

何を隠そう、数ヶ月前、このアカデミーの中心講師たるダネルQのマーク氏から突然電話があり、弦楽四重奏教育のラウンドテーブルやるから日本やアジアの状況を喋りに来い、なんて無茶苦茶な話があった。どうやら、これね。

What makes an ensemble successful? What are the critical factors that cause a young ensemble to break through and take its place in the professional landscape?
Cécile Gouder de Beauregard, classical music programmer at TivoliVredenburg Utrecht
Emmanuel Hondré, general director of the Opéra National de Bordeaux
Francesca Moncada, General Director of the Associazione Le Dimore del Quartetto (Milan)
Tobias Niederschlag, Head of the Concert Office of the Gewandhaus (Leipzig)
Sonia Simmenauer, director Impresariat Simmenauer (Berlin)

それはわしじゃなくて大阪国際室内楽コンクールのチーフ・プロデューサー氏辺りがいいんでないの、俺は座って突っ込む役回りに行くくらいなら吝かではないとはいえ、6月の半ばなんてニッポン列島から出られるかまるで判らないなぁ、残念ながら現状、行ける確証はないなぁ、って返事しか出来なかった。ああやっぱりそういう感じか、でね、もうひとつ話があるといい、「フェスティバルで俺のところのアダムQって若いのが、世界各国の若い作曲家6人に1楽章づつ委嘱する作品の世界初演をやる。誰か日本に良いのいないかね、締め切りは…」って、相当に無茶な話になった。

なんせ時間はないし、ギャラとか条件は電話では話せるような内容ではない。なんのかんのあったんだけど、最終的には日本の20代作曲家と深い繋がりがあり、作品を通しいろいろご存じで、更には自分も作曲をする打楽器の會田瑞樹さんに相談したところ、ユトレヒト側の条件に合いそうな作曲家さんをひとり紹介していただけた。無論、音大の作曲科の先生に尋ねればいろいろと名前が挙がるでしょうけど、やっぱり実際に実践者として楽譜を処理してきている経験が多い、更には世代的にも作曲者さんと近い人の言葉がいちばん信用出来るだろう。というわけで、ユトレヒト側に話を繋いで、やくぺん先生の役回りはそれっきり。どうなったかも知らんままに冬は過ぎ、春になって、夏至も近付く初夏となり…

で、去る日曜日に札幌でやっと来日出来たダネル氏に会えて、あの話はちゃんと進んだんだよね、と訊ねると、あああ連絡してなかったっけ(してねーよーっ!)、作品はみんなちゃんと出来て…

かくて、フェスティバルでこんな演奏会があります。

YOUNG COMPOSERS PROJECT
Throughout the day, the ADAM Quartet (NL) will play six new works by young composers from all over the world:

Amarante Nat (Netherlands; i.s.m. Gaudeamus)
Renaldo Ramai (Trinidad & Tobago)
Natsumi Yamamoto (Japan)
Egor Savelianov (Russia)
David Azaglo (Ghana; i.s.m. Gaudeamus)
Vinthya Perinpanathan (NL / Sri Lanka), in the evening concert

どうやら「6人の作曲家がひとつづつ楽章を担当した6楽章の曲」というのではなくて、短い6つの弦楽四重奏小品、ということになったのかしら。

ま、どういうことになったかは判らんけど、ともかく、無事に山本菜摘さんの新作、上演されるようです。どうもライブストリーミングなどは内容なんで、ここで聴けますよ、とは言えないのですが、何らかの形で聴ける形にはする、とマーク氏は申しておりまする。

皆々様にご迷惑かけましたが、このような状況になっております。明後日、びわ湖ホールの終演後にもうちょっと詳しい話が聞けるかしらね。

オランダ在住の方、誰か聴きに行ってくれないかなぁ。マジ。

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前衛の時代がやってきた! [現代音楽]

田植えが始まり夕方に別府から由布岳を下ってくるクネクネ道からはまるで盆地全体が巨大な池になったような光がまぶしい皐月の終わり、宗主国大元帥一行が我が物顔で跋扈する新帝都の皆様はいかがお過ごしでありましょうか。

相変わらず過剰な感染対策を誰もやめようと言えないままの公立ホールロビーに近寄りでもしない限り、すっかりコロナも終わったかに思える昨今、我らが零細業界もどうやら二年間封印されていたいろんなものが一斉に吹き出しているようで、夏から先のいろんな日程が出始めている。そんななか、ある方から「もう売り切れになりそうですよ、切符買いましたか」という連絡をいただき、慌てて昨日購入したのがこちら。
https://aichitriennale.jp/press/item/Europeras3%EF%BC%864_flyer.pdf
へえ、名古屋は栄の立派な劇場のオペラハウスではなく演劇用スペース(なんでしょ?)で、ケージの《ユーロペラ》、アルメイダ劇場でやるために縮小した版の方の上演だそうです。日本初演、って、サントリーの夏のゲンダイオンガク祭りでやったのは5だったのかな。記憶にない…

こんなもの、ケージ作品には必ずお布施を払って参上する数十人のマニアさんくらいしか需要はなかろうから日程入れはまだ先の話と思ってたら、なんとなんともう売り切れ間近という。オリジナル版がどんな作品か、まあ、こちらを眺めておくんなせぇ。
https://yakupen.blog.ss-blog.jp/2018-06-23
わずか4年前の話だが、なんだか大昔に感じるなぁ。ふうう…

名古屋には舞台衣装やセットや専属歌手や裏方がちゃんといるまともな歌劇場が存在している都市ではないので(ってか、日本には新帝都含めそんな歌劇場はありませんから)、ケージの本来の意図たる「歌劇場という極めて近代ヨーロッパ的なシステムそのものを脱構造化する」という作業は出来る筈がない。で、ロンドンの下北沢みたいなところが元気満々だった頃に、オペラハウスではないところでこの作品を再現するというまるっきり矛盾したことをやろうという奴がいて、それに茸爺さんがホイホイ応えた縮小版の方での上演なわけですね。こんなもん、日本じゃやれっこないと思ってたら、そういうことね。

まあ、正直、飽きる為に行く、つまらない、眠い、馬鹿馬鹿しい、と思わせてナンボの作品ですから、ホントなら2公演あるなら2回付き合わなきゃいけんのだーけど、とてもそこまで良い人になる気はない隠居の身、ともかく土曜日の方だけを眺めてみましょか、ということでありまする。

んで、明けて本日は、こちら。こっちはメンツから考えても、さっさとチケット購入しないとホントに瞬間蒸発の可能性があるぞ、ってもん。
https://phoenixhall.jp/performance/2022/10/30/17583/
なんとなんと、《浜辺のアインシュタイン》の短縮版音楽のみ上演、というこれはこれでありな企画です。今、ニッポン列島でやるならこういうメンツが出てくるんだろうなぁ、という人達がズラリと並んでますから、ある意味で「安心して聴いていられるグラス」になることは確実。舞踏がいないと成り立たない「宇宙船のある原野」辺りが大幅カットされるんでしょうから、どこでトイレに行ったらいいか困るんだけど、ま、それはそれ。こちらのチケットは、今、押さえましたです。

ちなみに、こんな無責任電子壁新聞眺めてる方は、勿論、この3週間前に横浜で上演されるこっちは、とっくにご存じですよねぇ。
https://www.kanagawa-kenminhall.com/d/50th-opera1
正直、どこからどうみても舞踏が中心で「ロバート・ウィルソン」は台本作家(としか言い様がない)に過ぎない舞台だろうことはスタッフ・キャスト表から目に見える横浜版ですので、舞踏は横浜、音楽は大阪、というふたつでひとセットと考えるべきでしょうね。それにしてもウィルソン&グラス版がどんなもんかは全然判らないのは、しょーがないけどさ。

てなわけで、なんだか妙に「前衛の傑作」が並ぶコロナ後のニッポン列島、五輪で都の海外文化交流予算が底を突き中止になってしまったあの作品が当初の予定通り来年2月に池袋で上演されていれば、20世紀後半に「オペラ」の意味を根底から問うた一連の歴史的作品が揃い踏みのニッポンだったんだけどねぇ…と嘆きながら、ミソラソミソラソ脳内に繰り返し11月14日のパリへと向かうやくぺん先生なのであろー。

もう「ポストモダン」は古い、今やぐるっとまわって「前衛の時代」がやってきたっ!

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ミニマル音楽の終わらせ方 [現代音楽]

爽やかなんだか湿っぽいんだか良く判らん新帝都に戻って参りました。また10日くらい、滅茶苦茶演奏会場にお通いする日々です。

んで、本日は早速、遙かトーキョーの西の外れ、もう多摩県との境ギリギリ、最近はなんだか知らんけどトーキョー西地区のゲンダイオンガク拠点みたいになっちゃってる杉並公会堂地下深く潜った小ホールに参った次第。目的はこれ
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…って、ポスターの写真でも貼りたいところなんだけど、なんせ今時の小規模手打ち演奏会はポスターもなければチケットも電子化されていて紙では存在しない有様で、仕方ないから公式のFacebookページらしいところから演目と出演者だけコピペすれば、こちら。

★テリー・ライリー/Taboo Danzas(2002)  *日本初演
★フィリップ・グラス/Music in Contrary Motion(1969)
★トム・ジョンソン/ナーラヤーナの牛(1989)
★近藤譲/Standing(1973)
★鈴木治行/円周(2022/委嘱新作)  *世界初演
クラリネット:岩瀬龍太 ギター、バンジョー:山田岳 ピアノ:川村恵里佳 語り:鈴木治行

主催者の作曲家兼声の出演という鈴木氏に拠れば、ミニマル音楽の様々な有り様を示すのが目的の演奏会とのこと。

まあ、主催者さんだかプロデューサーさんのお考えはどうあれ、遙々内藤新宿の彼方まで出かけた最大の理由は、ひとえにトム・ジョンソン作品にありました。この曲、その筋ではそれなりに有名な、ある意味、超有名といっても良い曲で、アイデア一発勝負という意味ではかの《4分33秒》にも匹敵する作品です。

ミニマル音楽の最大の難しさのひとつは、「どうやって終わりにするか」であるのは皆様容易に納得なさるところでありましょう。だって、極小の要素を延々繰り返す、ということは、音楽に於けるベートーヴェン的な起承転結のドラマ性なんぞは存在しなくなる、ということ。無論、ソナタ形式なんぞの終わり方もあり得ない。ただダラダラと、打ち寄せる波を永遠に眺めているように時間が過ぎていく。音楽そのものが終わる理由がどこにもない。

で、トム・ジョンソンなんて真面目だか本気だか判らぬよーな名前のこのアメリカ人さん、数の理屈に音楽、というか、繰り返しを乗っけた。短い音型を(この曲の場合は音型とも言えない極小の音たちの塊)何度繰り返すか、理由をでっちあげた。で、それだけが音楽、ってよーなもの。

どっかに日本語の解説がないかなぁ、と探したけど、案外無いなぁ。ええい、Youtubeにアップされてる沢山の映像の中で、いちばん判りやすいもんをアップしちゃいましょう。問題は、ナレーションがギリシャ語だ、ということ。

要は、ねずみ算ならぬ牛算、牛の子供がどんどん増えていく、その牛の数だけ音が繰り返される、というものです。これじゃ全然判らんなぁ。

なんとこの作品、7月16日には芸劇でノマドも演奏します。関心のある方は、こちらへどうぞ。
https://www.borncreativefestival.com/nomad
不肖やくぺん先生も、牛さんを勘定するために牛久委絶叫大会の盆地から遙々新帝都に戻ってくる予定。さあ、貴方も一緒に牛の数を勘定してみましょー。

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これがアメリカンメイジャーが推す「現代の弦楽四重奏曲」だっ! [現代音楽]

一昨年来のコロナ禍で最も大きく環境が変化したのが、「映像配信で世界中の最先端の動向が無節操に流れ込んでくる」という状況が恒常化してしまったことでありましょうぞ。

なんせ2010年代終わりまでは、海外メイジャー歌劇場や音楽祭の最新演出やら、あちこちのオーケストラや室内楽演奏会で披露される現役作曲家の最新作やらが、オンタイムでいきなり貴方のお宅のスピーカーやらテレビパソコン画面から眺める、なんてことがあればもう大騒ぎ。マニアファン関係者、事前に大盛り上がりで、様々な告知もなされ、みんなオンエア時間を待つ、って状況だった。ライブ中継ではなかったけど、年末のバイロイトへの人気指揮者の登場の放送なんて、そわそわワクワクしてその日を数えたものでしたねぇ。なんだか大昔のような懐かしさ。

2022年春の今、もうどんなものが放送されようが誰も驚かない、それどころか、「コロナ終わって今は戦争報道がインなのに、またそんなもんやってるのか」って空気すら漂う今日この頃であります。情報過多、良い物食い過ぎ、もう結構、ってことになろーとはねぇ。

そうはいっても、たまには当無責任電子壁新聞的には紹介しておきたいライヴもあります。こちら。
https://www.chambermusicsociety.org/watch-and-listen/live/new-milestones-visions-and-illuminations/?utm_source=wordfly&utm_medium=email&utm_campaign=Watch%26Listen4.27.22&utm_content=version_A

やっとシーズン復活なったリンカーンセンター室内楽協会が、先々代エンペラーお誕生日の朝を祝いニッポン時間でかつての天皇誕生日朝8時半という極めてアクセスしやすい時間に無料ライブで流してくれるのは、カリフォルニアのエリート校出身、何故かニッポンではまるで名前が知られないままでここまで来ちゃってる北米若手エリート団体のトップのひとつたるカリドールQが披露する今を代表する作曲家の作品。演目をコピペしちゃえば

Sofia Gubaidulina Quartet No. 4 for Strings with Tape (1993)
Anna Clyne Breathing Statues for String Quartet (2019) (CMS Co-Commission)
Joan Tower White Water for String Quartet (2011)
Jörg Widmann Jagdquartett for Strings (2003)

って、いかにもな「現代音楽」ばかり。もうすっかり古典となったグバイドゥーリナの作品群の中にあってあんまりやってくれない第4番、CMS委嘱の新作、北米の売れっ子ジョアン・タワー、そして恐らくは21世紀に書かれた弦楽四重奏文献の中で最も頻繁に演奏されるであろうヴィドマンの大ヒット作。なるほど、これが「2020年代マンハッタンのプッシュするメイジャーな弦楽四重奏作品かぁ」と思わせてくれるようなラインナップとなっておりまする。

首都圏の皆様とすれば、今世紀に入ってからはお祭りの時間だった大連休が一転、拍子抜けみたいな空白シーズンに戻ったこの春、まずは一発目にマンハッタンからの作品演奏ともにインな弦楽四重奏をお聴きあれ。皆々様におきましては、戦争もコロナも船の沈没も無縁な、良き黄金週間をお送りになりますよーに!

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