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急告:ゆふいん音楽祭5月特別公演決定 [ゆふいん音楽祭]

急告です。来る5月25日土曜日午後7時から、湯布院町新公民館「ゆふいんラックホール」で、2024年ゆふいん音楽祭プレ公演が開催されることが急遽決定しました。以下、ご覧あれ。
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詳細はご覧の通りです。毎度ながらチケットは由布院観光協会事務所に電話で連絡。って、流石に今年からは電子メールでの予約も可能となりました。支払いは当日会場、現金のみだと思います。

電話番号:0977-85-4464
メール:info@yufuin.gr.jp
www.yufuin.gr.jp

なお、残念ながらこの日はやくぺん先生は鈴木雅明指揮オーケストラ・アンサンブル金沢のツェムリンスキーのために金沢におり、演奏の最中は小松から福岡板付に戻るANAダッシュ8の機内です。うううむ、なんてこった。お嫁ちゃまも、この日は藝大の公開講座の当日で、上野を離れられません。ですから、温泉県盆地に転がり込もうと思ってもダメです。ゴメン。

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静かな盆地の音楽の日々が終わった [ゆふいん音楽祭]

昨日午後、35回までの夏だったら「フィナーレ・コンサート」と題されていた出演者総出演のガラコンサートで、「ゆふいん音楽祭2023」が幕を閉じました。出演者、関係者の皆様、お疲れ様でした。
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今回はメディアに関しましては、過去の夏開催中は必ず大分市内からやってきたローカルテレビ局や地方紙の記者さんは全く訪れず(お陰で「90歳のピアニスト驚異のモーツァルト」なんて煽りっぽい記事が紙面に踊る最悪の事態は避けられましたけど)、東京から当日プロ執筆をなさった音楽評論家T.A.氏と「サラサーテ」編集者様、それに現在中谷賢太郎さんに聴き取りをやっていらっしゃるという谷根千で名高いエッセイスト森まゆみさんがいらしただけで、恐らくはメディア露出は極めて限られたものになると思います。

やくぺん先生の世を忍ぶ外の人も、「サラサーテ」は記者さんに来ていただいたので執筆することはなく、あくまでも「相談役」=「公式写真を撮っている地元のアマチュアカメラマンのオッサン」としての役回りに徹しておりますです。もう、専門誌に売り込むパワーもないし、そういう必要があるのか判らない商業性とはますます無縁のイベントとなってきてますものでして…

とはいえ、中身がどうだったか、一応、商売作文がある可能性に抵触しない範囲でちょっとだけ記しておきましょうぞ。
配信でもあれば関心のある方が注目なさっただろう水谷・山崎・小林トリオのモーツァルトK.502ですが、水谷氏のコメントに拠れば「道夫先生はこういう風にすると仰るのかと思ったら、さあどうしますか、でした」とのこと。究極のベテランは「俺が俺が」ではなく、「貴方はどうしたいんですか、それをモーツァルトのあるべき姿に収めるのが私の仕事ですから、なんとでもどうぞ」なんだなぁ。そして、21世紀の今や遙かなレコード時代を感じさせる木造建築のような、とはいえ「古楽ってこういう音です」みたいな今時の才気煥発な鍵盤奏者のこれ見よがしな響きとはまるで異なる音が、制約と限界のあるピアノから引き出される。聴衆がこうあって欲しいと思ってるのを提供してくれる「おいしさ」やらサービス精神とは無縁ながら、こういうものなんだよなぁ、とあらためて納得させてくれる音楽。ゆふいん町内のあちこちの高級お宿で大流行のレトロっぽさとも微妙に違うけど、今や貴重な懐かしい楽興の時が流れる。

そしてなにより、初日の午後と夜に披露された、21世紀のシンゆふいん音楽祭を担う松本&水谷の独奏であります。かつての旧公民館時代にはやりたくてもハードウェアとして不可能だった、極めて雄弁なピアニッシモがありました。昼間の世界各地からの若い観光客さんたちの賑わいはどうあれ、夜ともなれば蛙の声と水の音、それに田圃を抜けて行く風のざわめきしか聞こえないここ温泉県盆地に座って、じっと耳を澄ませ、静寂の雄弁さを体験するに相応しい響きたち。バッハのハ長調ソナタの第2楽章の長大なフーガとそれに続く深い歌は、まるでベートーヴェン《大フーガ》の複雑なストーリーと《カヴァティーナ》の諦観を、ヴァイオリンひとつで再現するような。

新生ゆふいん音楽祭、新たな舞台で奏でられた音楽も、2日間を支えた人々も、文字通りの世代を跨ぐ小さな盆地の夏祭りでした。この静かさ、このこじんまりさこそが、この盆地の空気…なんだろうなぁ。

なにはともあれ、お疲れ様でしたの集合写真、はいポーズ!
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客席で撮影している面々も、大事なスタッフですぅ。はいシャッターポン!
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1975年の夕立の中の「星空の音楽祭」から数えれば49年目となる「ゆふいん音楽祭2024」、日程は7月27,28日の2日間。35回目までと同様に、7月最後の週末に戻ります。恐らく、来年も配信やらはないでしょう。聴きたければ、盆地にいらっしゃいな。新帝都は大川端住民とすれば、また隅田川花火大会にバッティングなんだけどさ。

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新世代のゆふいん音楽祭開幕 [ゆふいん音楽祭]

遙か九重や阿蘇に近い盆地の西奥でソーラパネルのために山肌削り取ったところが崩落したり、福岡熊本から至る大分道トンネル入口が崩れたり、久留米からの平原や盆地への最後の分水嶺近辺の鉄路が流出したり、温泉県盆地に散々な被害を齎した梅雨後半の大雨洪水でホントに人が来られるのかと心配されたゆふいん音楽祭2023、本日、旧中央公民館跡地向かいの新公民館内ラックホールで、無事に午後2時開演の「ギター、リュートと声の午後」で開幕いたしましたです。入口には懐かしい2009年第1期音楽祭最後の歴代監督そろい踏み写真が掲げられております。
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2016年以降の再開ぼちぼち音楽祭から関わった若い現場スタッフは、「電話予約当日カウンター現金払い」という絶賛時代の真逆を突っ走る昭和初期のようなチケット扱いにもすっかり対応、淡々と作業は進み
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地元や大分方面、遠くは宮崎や千葉からいらしたという聴衆がホールに吸い込まれていく夏の午後なのであった。

帝都東のニンゲンとすれば隅田川花火大会とバッティングする最後の週末から1週間繰り上がったとはいえ、やっと懐かしい「7月終わりの週末」に戻って来たシン・ゆふいん音楽祭、スタッフや聴衆はともかく、核となる演奏家は一気に30代まで若返りました。

大友宗麟の落人、キリシタンの里豊後の奥座敷の空気を伝える古い時代の音楽の担当は、この地で産まれ、小学生の頃から音楽祭スタッフとして働き、長じてはギターを学び、古い時代の音楽に関して森一つ向こうにお住まいの道夫先生の薫陶を受け、一念発起バーゼルで学び帰国した音楽祭スタッフのアイドル、元ギター少年の松本富有樹
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そしてもうひとつの柱、ヴィーンでピヒラーやらと新時代の室内楽を模索し九響コンマスに戻ってこの島の室内楽の基礎を築いた岸邊百百雄、言わずと知れた巖本真理Qの実質上のリーダー黒沼俊夫らが率いてきたモダン楽器の伝統室内楽は、東響コンマスを辞して新たな道を歩み始めた大分出身の水谷晃
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そんな21世紀中葉に向け新たに歩み出したゆふいん音楽祭の若きホープが、コルベッタやバッハの逃げも隠れも出来ない直球勝負の独奏で、それぞれの真価を堂々と聴かせてくれた1日となりましたです。

そして長い夏の土曜日を締め括ったのは、35回のレギュラーな夏を終えたのと同じ、モーツァルトのピアノ三重奏曲。
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頭を深々と下げる水谷氏と、若いキャプテンの後見人というわけでもないけど厳しい先輩山崎とこさんとを、ニコニコ見守る湯布院町民の90歳の鍵盤の鉄人だったとさ。モダンなコンサートグランドから、まるで古い木造建築のような音がする、今時はやりの古楽とも違う、懐かしい昭和の音、なのかな。

ゆふいん音楽祭、本日午後2時から、昨日の2公演の出演者が総出で、2日だけでは短すぎる「フィナーレ・コンサート」があります。道夫先生だけは、客席で拝聴してニコニコしたい難しい顔をしたりしてくださる大事な役回りですけど。

なお、2009年の伝説の「歴代監督そろい踏み」CD、会場で販売しております。
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え、本じゃないか、って。ま、CD買うと本も付いてくると思ってくださいませな。

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たびのガイド:ゆふいん音楽祭にどうやってくるべきか [ゆふいん音楽祭]

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本日午前中から、JR九州由布院駅徒歩4分、由布院バスセンターバス到着駐車場から道を挟んで向かいの「ゆふいんラックホール(由布市湯布院町公民館内)」では、明日開幕するゆふいん音楽祭2023のリハーサルが始まっております。

午後になってすっかり夏空が広がり、いつも温泉の蒸気を含み湿気っぽい盆地も、夏の日差しを浴びた田圃の上を流れる九重から吹き下ろす夏風に、ちょっとばかし避暑地っぽい空気が漂っておりまする。そんな温泉県の別府裏、遙か筑後平野の彼方は日田の向こうの盆地に明日土曜日22日午後2時の開演時間までに至るにはどうすれば良いか、まだお悩みの方にガイドいたしましょうぞ。

なんせ公共交通機関はすっかりマイナーな移動手段となってしまっているキューシュー島、九州道を鳥栖ジャンクションで東に曲がり、大分道でいくつもの山々を貫き、由布院インターチェンジから至るのが当たり前になりつつあります。また、博多駅や久留米駅から「ゆふいんの森」号を利用するのも王道で
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朝の9時台と10時台の博多発を利用すれば、昼過ぎまでには由布院駅に到着いたしますです。

とはいえ、やくぺん先生お薦めの最高の盆地への至り方は、やはり「別府からのバスでの山越え」にトドメを刺すのであーる。以下、遙か関東は羽田や成田、はたまた大阪伊丹から空路でいらっしゃる方を対象にご紹介いたしましょうぞ。

まずは成田から。夏ダイヤで桃航空さんが大分線から撤退しているので、ジェット★さん一択。成田発8時40分になんとかして乗り、10時半過ぎに大分空港到着。JALANAソラシドさんで羽田や伊丹、はたまたセントレアからいらっしゃる方は、ベストな道を選ぶなら同じ頃までには到着するようになさってくださいませ。

で、簡単なのは大分空港のターミナル前に並ぶバス停から「由布院行き」に乗り、ぼーっとしていれば、今日の陽気なら50分ちょっとで由布院バスセンターに到着しちゃいます。楽といえばこれがいちばん楽で、車窓左側に午前中の光を浴びた別府湾と向こうの高崎山を臨み、大分道に入ってからは目の前に迫ってくる由布岳をワクワク眺めることが出来ます。今日だったら、十文字演習場に来ている実質6機しかない我らが貴重なアパッチ君が日出生台上空から盆地の上をグルグル廻っているのも見物出来て、ミリオタさんならもう狂喜乱舞だったでありましょう。明日は土曜日だから我が軍はお休みなのかな。
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で、由布岳が左手に壁のようになって暫く、星野リゾートの向こうに盆地が広がります。

とはいえ、多少時間や費用がかかっても由布院盆地入りの感動を味わいたいならば、絶対にお薦めなのは「別府バス乗り継ぎルート」でありまする。

まず、空港で別府経由大分行きのバスに乗ります。空港道を経由し、日出のインターチェンジで下道におりて、別府湾を一般道から眺めつつ、かつては別府大分マラソンで全国的にお馴染みだった湾岸を走り、大阪からのさんふらわぁ号を眺め、ここは札幌はたまた名古屋か、って別府タワーが見えたら
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「北浜」という停留所で下車。このT字路をダラダラと鶴見岳の方に向かえばJR別府駅がありますが、そこまで行く必要ありません。道を渡ったところ、でっかいローカルデパートの1階にスタバがある前のバス停は空港行き&福岡行きですので、そこじゃなく、駅に向かう道の側に並ぶバス停に向かって下さい。明日ならば、亀の井バスの観光快速バス「ゆふりん」が走ってます。こちら。
https://kamenoibus.com/guruspa/hp/yufurin/index2.html
別府駅まで行き、反対側の西口から出る由布院行き路線バスとお値段は同じですので、ご安心を。

ちなみに盆地住民の足たる路線バスは1時間に1本で、北浜側から駅コンコース突き抜けたここが乗り場。
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市役所前からアルゲリッチ・ハウス、ビーコンプラザらに停車しつつ、温泉観光地には寄らずに最短距離で別府駐屯地前に向かい、峠を越えて1時間弱。

それに対し観光客対応ゆふりんは、まずは大分空港からの湾岸道をちょっと戻り、さんふらわぁの波止場に停車、そこから温泉観光地の方へと登り始め、グルグルといくつもの地獄巡りの前を抜け、やっと駐屯地前に至り、あとは路線バスと同じくエイっと峠越えを始めます。時間は70分ということで、市内に廻る分だけ長くなってます。

最大の違いは、ゆふりんは観光客対応の長距離バスタイプの車両なので、荷物を入れるスペースが客席下に設けられていること。普通の路線バスにデカい荷物を持ち込むのはなかなか難儀ですから、多少時間がかかっても、別府市内観光が出来てラッキーと思えばそれまででありましょう。それに、北浜のバスセンターから別府駅までって、ダラダラと5分以上歩くことになりますので、夏は午前中とはいえしんどいですし。

どちらを選ぶにせよ、バスでこの道を至った善男善女には、最後の10分の大パノラマが控えています。港からえっちらおっちら、40分以上かけて標高770メートルだかを上り詰め、由布岳登山道入口の分水嶺を越えると
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バスの前の前に、盆地が広がります。
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この瞬間、乗客の全員がスマホ取り出して写真撮影を始める程の壮大な風景
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鉄道で言えば篠ノ井線の姨捨から眺める筑摩の平野に勝るとも劣らぬ絶景でありまする。今から100年以上昔のこの風景を文章で描いた中谷宇吉郎氏の究極の名文で、絶景を味わって下さいませ。
https://www.aozora.gr.jp/cards/001569/files/53209_49816.html

ホントは金鱗湖入口で下車して、観光客溢れ返る湯の坪街道を歩いていらっしゃい、と言いたいところだけど、これから道夫先生やとこさん、水谷キャプテンのモーツァルトを聴こうというのだから、ま、それは止めておきましょう。ともかくバスセンターに至り、お腹が減っているなら駅前から由布岳を望む正面道路が五叉路とぶつかったところの鳥居の右手下「陽だまり食堂」で定食喰らって、ラックホールにいらっしゃいな。
https://jaoita.or.jp/learn/shop/307

ゆふいん音楽祭、明日午後2時開幕。さあ、盆地へいらっしゃい。まだチケット予約の時間はありますぞぉ。
https://i-oita.net/yufu/event/68057/

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水谷晃ゆふいん音楽祭2023を語る [ゆふいん音楽祭]

いよいよ2023ゆふいん音楽祭が今週末に迫りました。
https://i-oita.net/yufu/event/68057/
約半世紀前の地震をきっかけに始まった盆地の夏の音楽祭、2016年の熊本大分大地震を受けての再開後は、実質上、毎回ひとりの演奏家にプロデュースを託した演奏会を続けて来ました。

そして音楽祭がとうとう夏の週末に戻って来る2023年、プロデュースを任されたのは若き俊英ヴァイオリニスト水谷晃氏です。現在のiichiko文化センターが建つ場所にかつて存在した大分県立病院で生を受けた文字通りの大分っ子、桐朋学園卒業と同時に群馬交響楽団コンサートマスターに大抜擢され、東京交響楽団に移籍。水谷率いる東京交響楽団は、新ホールを拠点に首都圏で最も注目される「イン」なオーケストラとなったのは、音楽ファンなら誰もが知る事実でありましょう。

10余年のそんなコンサートマスター人生に一区切り、水谷氏は新たな活動を始める決断をしました。そして、ゆふいんという場所を次の時代に運んでくれようとしています。

あと2年で音楽祭半世紀。演奏家もスタッフも、次の世代に渡されつつあります。以下、水谷晃氏がこの夏のゆふいん音楽祭を語ります。ご一読あれ。

水谷晃ゆふいん音楽祭2023を語る

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まず一日目は、僕と道夫先生でモーツァルトのK.454の大きな変ロ長調のソナタを演奏します。それと、ゆふいん音楽祭は35回で一度終わっていますよね。その最後のプログラムとして、K.502のトリオを河野先生、道夫先生、岸邊先生で弾いてらっしゃいます。やはりもう一度ゆふいんの音楽祭を再始動するということなら、継承ということを大事にしたいので、この曲しかないというのが自分の中でありました。それを山崎先生と道夫先生で演奏します。それから、今年の秋から山崎先生が津田君とベートーヴェンのチェロ・ソナタ全曲演奏を始めるので、その中から何かを選んで弾いていただきます。

二日目は、メインとなるのがメンデルスゾーンの2番のトリオです。ちゃんと理由があるんですよ。この前ゆふいんに来たときに、隠れキリシタンのお墓を見せてもらったんです。最初に僕が演奏する無伴奏ソナタ3番も賛美歌とフーガですし、メンデルスゾーンの2番も最後は賛美歌。由布院の中心にある、西洋とのつながりを示したい。


僕は道夫先生とは共演させていただいたことはないんですよ。勿論、演奏は聴いてますけど、先頃初めてゆふいんでご挨拶をさせていただいた次第です。面白いことに、小林道夫先生と僕の師匠の小林健二先生って、同じ1933年生まれなんですよ。健二先生は2年前にお亡くなりになって、今、録音などを整理してるんですけど、そこにお二人の《春》の昔の録音とかが見つかったんです。人生のこのタイミングで小林先生と自分の師匠が組んだデュオが出てきたり、自分が実際に道夫先生と弾けたり、音楽が繋げる縁みたいなものをあらためて感じてます。健次先生もゆふいん音楽祭がとても大好きでいらした。音楽祭の古株の方とお話をさせていただいて、まさかゆふいんで自分の知らない健次先生の一面の話に触れることがあったり。そんなこと、思ってもみなかったです。

道夫先生を第1世代とするならば、山崎伸子先生は第2世代、僕らは第4か第5世代かな。道夫先生はみんなが知っていて、山崎先生も僕らの世代と深い関係にあります。僕と津田君も今、生徒を教えながらいろいろ吸収している世代。ゆふいんという凄く穏やかな時間が流れているところに滞在して音楽作りも出来るので、学びつつ、僕らも発信しつつ、上手く混ざると良いんですけどね。今年はちょっと短いですけど、来年からはそういう風にしたい。東京では出来ないものが出来るんじゃないかと期待してます。

(2023年春大分にて 文責:2023ゆふいん音楽祭実行委員会)


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シンゆふいん音楽祭始動 [ゆふいん音楽祭]

昨晩、町内某所で「ゆふいん音楽祭2023」の出演演奏家と実行委員の顔合わせ会がありましたです。初動のノンビリさで世に知られたこのイベントも、夏至も過ぎ田圃の稲もすくすく育ち始めた今となって、やっと本格的に動き出した初夏の温泉県盆地でありますな。っても、市に最低限の税金を払うばかりで住民票は大川端佃の都民たるインチキ住民のやくぺん先生の外の人ったら、恐らくは今年最長となる新帝都は佃縦長屋での半月を超える居候生活に向け、四国沖を東に向かってるところなんだけどさ。

いよいよ開幕まであと1ヶ月となった「ゆふいん音楽祭」、夏休みも始まった夏の盛りは文月後半の週末複数日に渡り開催される「映画祭と並ぶ盆地の夏の風物詩」としては、5年ぶりの開催となりまする。温泉県盆地新参者やくぺん先生なんぞとすれば「久しぶりの音楽祭」気分なんですが、実行委員顔合わせではどうやらちょっと空気が違うようでありました。

昨日の顔合わせ、実務的な作業というよりも「みんな頑張ろう」だったのですけど、ちっとはまともな会議らしいこともやっている。最大の問題は「音楽祭をどう呼ぶか」です。

これ、コロナ以降、ホントにあちこちで問題になっていることで、去る5月に開催された大阪国際室内楽コンクール&フェスタも、第10回とは謳わずに「コンクール&フェスタ2023」を正式呼称としておりました。

温泉県盆地のお祭りにしても、予算規模は比べものにならぬほど小さいながら、大阪みたいな国際メイジャーイベントとはまた違ったいろんな事情やら問題やらがある。以下、復活以降の音楽祭の状況を当電子壁新聞のバックナンバーで拾ってみましょ。なんせ、当無責任電子壁新聞の他にデータがないものでして、いやはや。

★2016年11月26日:https://yakupen.blog.ss-blog.jp/2016-09-19
★2017月7月29,30日:https://yakupen.blog.ss-blog.jp/2017-06-27
★2018年7月28,29日:https://yakupen.blog.ss-blog.jp/2018-07-28
★2019年8月4日:https://yakupen.blog.ss-blog.jp/2019-07-31
★2020年7月25,26日(中止):https://yakupen.blog.ss-blog.jp/2020-02-05
→2020年8月30日:https://yakupen.blog.ss-blog.jp/2020-09-01
★2021年6月27日:https://yakupen.blog.ss-blog.jp/2021-06-27
★2021年10月27日:https://yakupen.blog.ss-blog.jp/2021-10-15
★2022年5月7日:https://yakupen.blog.ss-blog.jp/2022-05-07

こうしてみるとなんてことない、熊本大分大震災(アベ政権の伊勢志摩サミット絶対開催ポリシーのために異常なまでの過小評価と「兵隊さんや米軍さんは頑張ってる」報道で埋まったため、現地以外では東日本大震災クラスの地震だったとは看做されてない災害なんですけど…)をきっかけに復活した2016年以降、コロナ禍でさすがに開催中止となった2020年夏(夏の終わりのアルテジオでの道夫先生リサイタルに「ゆふいん音楽祭」レーベルを掲げました)以外は、なんらかの形で温泉県盆地で「音楽祭」が毎年開催されていた。やくぺん先生自身も、2019年の1日だけだった夏の午後と移動制限があった2020年に欠席した以外は、なんのかんの全部眺めてるじゃあないかい。

実際のところ、昨晩、町内某所に集まった実行委員のうち、由布院温泉観光協会理事長太田晋一郎氏以下現場スタッフは、元実行委員長やらやくぺん先生やらを出演者のお父さんの歯医者さんやら爺さん婆さん数名を除けば、ほぼ全員が2009年までの35回現場には関わっていない方々でした。ほれっ
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やくぺん先生なんぞとすれば「新しい顔ぶれ」なんだけど、実体は2016年以降7年間総8回の現場を担ってきたもうベテランの現場スタッフなのでありますね。うううむ、これが爺になる、ということなのだなぁ…

で、そんな熊本大分大震災以降の復活音楽祭スタッフとすれば、音楽祭の回数も「35+7若しくは8回」というのが実感。で、昨晩も「第43回ゆふいん音楽祭」にしよう、という声も多く挙がったりしたわけであります。

結論から言えば、今回も実質的な実行委員長を務める前実行委員長の「回数は付けなくてもいいんじゃないか」という意見が通り(2021年は春にラックホールのオープニングとして町民代表小林道夫先生をステージに向かえ開催された春と、とこさんや前監督を迎えた秋と、それぞれ1日づつがあり、どう数えるか判らなくなったりするし…)、「ゆふいん音楽祭2023」が正式名称となりましたです。敢えて言えば、「実質43年目の夏となるゆふいん音楽祭2023」かしらね。

表には謳っておりませぬが、復活後の音楽祭、もう小林先生にはプログラミングや人選などのお願いはせず、名誉町民として特別ゲストで好きなことをしていただくというスタンス。実際の演奏者や演目は、毎回、実質上の「ゲスト音楽監督」というか「今年のプログラミング・ディレクター」みたいな方を据えてやって参りました。

元音楽監督河野氏や、音楽祭には何度も登場した漆原啓子さんなどにお願いしていたわけですが(なんせこの音楽祭、似た歴史を持つ木曽福島みたいに役場職員さんの公式な仕事なわけでもなく、殆どの地方音楽祭のように東京や地元のプロの音楽事務所に任せているわけでもなく、音楽家を含めスタッフワークは全員がボランティア仕事なんで、そんな無茶な仕事を誰にでも頼めるものでもないのですわ)、今年は世代を一気に若返らせ、水谷晃氏が実質上のプログラミングの中心となっていただいております。昨日の打ち合わせも、現場スタッフとプログラミング・ディレクター2023の初顔合わせでありました。

ま、聴衆の皆々様にはどーでもいいような内部事情でありまするが、そんなこんなでゆふいん音楽祭、あと4週間後に開幕いたします。今年はラックホールも過去2度の開催の反省を受けて、舞台上の演奏者から指摘があった響きのコントロールのために、客席後ろに板を並べるなどの改良も試みるとのこと。少しづつでも改善しようという気持ちがあるのは、ご理解下さいませです。それから、グランドピアノ余ってる方、下さいっ!マジです。

では、オマケに2023ディレクター水谷氏からのご挨拶。
https://youtube.com/shorts/sbwDwlJXPsY?feature=share
もっと聴きたい方は、4週間後に盆地までいらっしゃいな。

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ゆふいん音楽祭演目確定&発売開始 [ゆふいん音楽祭]

全国津々浦々数千人くらいはいるかもしれない「ゆふいん音楽祭」にご関心がある皆々様、お待たせしました。もう開幕まで2ヶ月を切り、暦の上では夏になっちゃった今日この頃ではありまするが、ようよう「ゆふいん音楽祭2023」の全容をお伝えしましょうぞ。ほれ、これがポスターじゃわい。
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ま、当電子壁新聞を立ち読みなさってるような酔狂な方は、一斉に「いつもとおんなじじゃんかぁ」と声を挙げたことでありましょうが、そーです。いつもと同じテイストです。基本、中身もがっつりトラッド、まるで2009年までの7月最後の週末だけが戻って来たような、敢えていつもの夏のゆふいんです。

なんせ、今の世の中、公式サイトもない音楽祭なんて世の中にあるのか、チケットも事務局の電話予約だけで、今時の電子チケットどころかコンビニ発券すらやらんのですから、もうシーラカンスどころかプテラノドンと言われても仕方ないかもしれません…がぁ、それがこの音楽祭だから、そういうもんなんです。はい。

で、上のポスターの写真をしっかり眺めろ、ではいくらなんでも酷いので、一応、データはこちら。
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なお、土日マチネ公演の演奏者は説明不要でしょうけど、問題は土曜日。さっき、役場の昼休みにポスターとチラシを持ってきてくれた事務局長S氏に拠れば、「それはお楽しみ、ってことで」だそうですが、隠してるわけではないというので敢えてバラしてしまうと、音楽祭のプラニングや運営には一切ノータッチで、あくまでも「町民ゲスト」としての参加の湯布院町の賢人小林道夫先生は、今回のプログラム構成など実質上の音楽監督的な動きをしていただいている盆地初見参の水谷氏とのモーツァルト共演で登場でありまする。ちなみにこれまたゆふいん音楽祭としてはお馴染みの山崎とこさんは、ベートーヴェンのチェロ作品で暫く共演予定の津田氏とのデュオを聴かせてくださるそうな。

プログラムの意図などは、また次の機会に。ともかくは、速報でした。一応、念のために記しておきますと、チケットは上の写真のいちばん下、由布院観光総合事務所での電話かメールでの予約受付のみ、当日支払い。恐らく、カード支払いは出来ないと思いますので、現金握って来て下さい。

時代に圧倒的に逆行するのこレトロさが楽しめる、微笑ましく思える方は、夏休み始めの週末に温泉県盆地までいらっしゃい。とはいえ、音楽祭が夏に複数日で開催されないようになってからもう14年、その間に観光地としての由布院の環境は劇的に変化し、とりわけコロナ後の週末の公共交通混雑ぶりはトンデモです。博多や福岡空港からの直行バス、1ヶ月前の予約開始の日に買わないと、2時に間に合う便はまず取れませんから、お気を付けて(大分空港は、国際線到着のときを除けば問題ありません)。昼前と昼過ぎに博多から到着するゆふいんの森号も、予約開始日に一瞬で埋まるそうです。ダメだったら、別府からバスで由布岳越えて、盆地を眺望しながらいらしてくださいな。

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続報:ゆふいん音楽祭2023小林&水谷演目決定 [ゆふいん音楽祭]

ゆふいん音楽祭2023続報です。
https://yakupen.blog.ss-blog.jp/2023-02-13

小林道夫先生が参加なされる7月23日の演目の一部が決定しました。今年初参加で、ゆふいん音楽祭の新たな顔として活躍が期待される大分市内出身のヴァイオリニスト水谷晃氏と共演するのは、モーツァルト変ロ長調K.454と、同じくピアノ三重奏曲K.502。後者はチェロに山崎伸子氏が参加し、世代を跨ぐ夢の初共演となります。

「定期的に開催されていた35回目の最後のプログラムで、K.502のトリオを河野先生、道夫先生、岸邊先生で弾いていらっしゃいます。ゆふいんの音楽祭を再始動するということで、もう一度始めるなら継承ということを大事にしたいので、この曲しかないというのが自分の中でありました。小林道夫先生と僕の師匠の小林健次先生は、同じ1933年生まれなんですよ。健次先生もゆふいん音楽祭がとても大好きでいらした。」(水谷)

ちなみに第35回のK.502は、『ゆふいん音楽祭~35年の夏』(木星舎)付録CDに全曲がライヴ収録されております。
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http://mokuseisya.com/?item=%E3%82%86%E3%81%B5%E3%81%84%E3%82%93%E9%9F%B3%E6%A5%BD%E7%A5%AD-35%E5%B9%B4%E3%81%AE%E5%A4%8F
その他の演目も、近く決定される予定です。チケット発売方法や時期も含め、もう暫くお待ちください。

7月22,23日、ゆふいんの風に吹かれてみませんか。

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速報:ゆふいん音楽祭2023概要発表 [ゆふいん音楽祭]

速報です。「ゆふいん音楽祭2023」概要が決まりました。現在発表出来るのは以下の日程と参加者のみ。チケット発売方法など、追ってお伝えします。基本、ぴあなどでの販売は予定しておりません。Webチケット化するかも未定です。会場の使用状況なども未だ不確定部分がありますので、公式な発表はイースター明け頃まで(正確には、大分県知事&県議会選挙終了まで)お待ちくださいませ。日程は確定です。出演者の都合により、レギュラー開催時よりも1週間早い週末になってますので、お気を付け下さい。

日程:2023年7月22日(土)、23日(日)

会場:ゆふいん町ラックホール(旧湯布院町公民館向い)

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★22日午後1時半:中世・ルネサンスのギター付き歌曲

出演:佐藤裕希恵(Sop)、松本富有樹(Guit)、高本一郎(Lute)

★22日午後7時:ピアノ三重奏の夕べ

出演:水谷晃(Vn)、山崎伸子(Vc)、津田裕也(Pf)

★23日午後1時半:フィナーレ・コンサート

出演:小林道夫(Pf)、22日参加者全員


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「巨匠の時代」ガイドブックその後 [ゆふいん音楽祭]

カテゴリーが「ゆふいん音楽祭」と微妙に変化してますぅ。

数日前に同じご町内ながら盆地の反対側、距離にすれば佃縦長屋からサントリーとまでは言わぬが日比谷公会堂や日生劇場より遠い由布岳麓にお住まいのゆふいん音楽祭前実行委員長K氏(もう判ってる方にはバレバレでしょうから記しちゃって、カテゴリーも変更します)から持ち込まれた「「巨匠の時代」紹介に適切なガイドはないだろうか」という話、意外な難題で、こっちもこれまで考えたことがなかったネタだったので、手間取ってしまった。で、信頼出来る友人の編集者氏の夫人(ご本人も以前は楽譜出版社かなんかに働いてた)がこの話に燃え上がり、まるでやくぺん先生の新帝都駐在個人秘書さんみたいにあちこち動いて調べて下さいました。結果、この一冊が最も適切であろうというものを選び、K氏にお伝えしようとしたらぁ…K氏ったら、携帯含めネットは一切やらないし、実行委員長時代はヘビーローテーションだったファックスも止めちゃったという。これはしょーがないなぁ、と朝霧が晴れて盆地上空を陸自の虎の子アパッチくんがグルングルン跳び回っている下、百舌鳥天国のやくぺん先生オフィスをチャリチャリ出て、観光地の大混雑避けて大分川沿いを由布岳の方に向かい
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河原で遊ぶじょびおくんやらつぐみんやら眺めつつ、電動自転車のバッテリー2割くらい減らしつつ、えっちらおっちら登って参りました。

どうやって仕入れたか知らんけど「これ、ラオスの珈琲豆、ちょっと面白いでしょ」などと出てきた洗練さの欠片もない素朴な珈琲が香り立ち上げるのを前に、「これ、この話をしたら小林先生が持ってきたCDなんですけどね」って積み上げられた往年の名演ボックスをひっくり返しながら
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この数日来の調査結果を説明し、この数年のLP流行を受けた今のこの類いのものの出版状況など泥縄入れ知恵を漏らし、んで、そういうわけでこれなんていかがでしょ、とご紹介。
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https://alphabetabooks.com/lineup/907/
なんのことはない、結局、のむらあらえびす氏の次の世代くらい、ニッポン国での「レコード評論家」第1世代最後くらいの方の、定番の書物が昨年に復刻されているということなので、これなんかを読んで貰ったら良いんじゃないでしょうか、ってこと。

へえ、なんて仰ってたK氏、手書きで書名をメモりながら、やくぺん先生のiPhoneに示された問題の書物のジャケット写真を眺めるに、「あれ、これ、知ってる気がするなぁ。」

ま、そりゃそーでしょ。で、話はK氏が若い頃、パリに行く前に諸処の事情で原宿は竹下通り裏(今の、湯布院湯の坪街道の先輩みたいな惨状になる遙か以前のことです)某所に居候していた頃に聴いた20世紀レコード巨匠の最後辺りの世代の話とか、ヴァン・クライヴァーン初来日のときのチャイコフスキー協奏曲終楽章を2回やって最後は自作を弾いた1時間以上のアンコールの話とか、同じく初来日のアシュケナージを聴き「ああ、時代が変わったなぁ」と感じた話とか、あれこれあれこれ。

そう、SPレコードや蓄音機が現役で溢れるこの温泉県盆地は、こういう経験をしてきた人達が作ってきた。で、今、そういう人達が、「元」や「前」になって、若い世代を見守っている。とはいえ若い世代は、同じ温泉県でも客を呼ぶことそのものに必死だけど暇ななりにそれなりに時間もあるあの街この町とは違って、ともかく次々とやってくる観光客を捌くだけで他に何も出来ず、音楽祭にまで手が回らないという特殊な状況にある。目の前にあるSP盤のかけ方は御隠居から教えて貰えても、その中身をじっくり聴いて自分の経験としていく時間も余裕もない…

てなわけで、結局はいつもの「音楽祭をどうしましょうかねぇ」という話になってしまい、小一時間でお暇したわけであります。

今年の音楽祭、やります。そろそろメンバーも決まりつつあります。当初予定が合わなかった道夫先生も、どうやら参加出来そうとのことです。また決まったらお伝えしますです。ま、由布岳向こうのお隣みたいな全国ネットの記者会見なんて、勿論、やらないですけどね。

当無責任電子壁新聞立ち読みの皆々様、ご協力、ありがとう御座いました。

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