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12月24日午後3時より「こしのくに音楽祭」ドキュメンタリー放送 [こしのくに音楽祭]

しつこく告知です。来る12月24日午後3時から、BS日テレにて、北日本放送制作「こしのくに音楽祭」及びシモン・ゴールドベルク夫妻のドキュメンタリー『一粒の麦 ここに芽ぐむ』が全国に放送されます。有馬記念の裏番組ですが、心ある方はご覧下さい。番組案内はこちら。http://www2.knb.ne.jp/furusato/furusato_20061029.htm

出演は、シモン・ゴールドベルク夫妻、ニコラス・キッチンwithグァルネリ・デル・ジェス・ヴィッタ男爵、グァルネリ・デル・ジェス・クライスラー、マルコ・コッピアルディ、ベスナ・スタンコーヴィチュ、古部賢一、花崎薫、山根三銃士、魚津セミナー及び立山セミナー参加者、立山国際ホテルのオバチャン、そして「こしのくに音楽祭」スタッフの皆様、等々。皆さん、ご苦労様でした。なんと、やくぺん先生も出ます。しょーしんしょーめーの「ただ働き」です!なんせ、自腹切って朝っぱらに佃から富山のスタジオまで行き、自腹切って泊まり、んで、無論、ノーギャラです。「お車代」もありません(あ、KNBの食堂で昼飯ご馳走になったっけ、天麩羅蕎麦定食)。でも、これで良いんです。自分のためにやってるんじゃないですから。

イシハラ都知事さん、これが「ただ働き」とゆーものなのだよ!わーっはっはっはっはぁ!!

そんな地方音楽祭なんぞ関心ないわい、という方にとっても、爆裂的な中身かもしれませんよ。なんとなんと、ワシントンDCのスミソニアン博物館と国会図書館とで生き別れになっていたゴールドベルクとクライスラーの愛器グァルネリ・デル・ジェス兄弟が、誕生以来276年ぶりに再会。ニコラス・キッチンの手で、室内楽ファンなら涙もののあの国会図書館講堂で両者を弾き比べするシーンが納められています。こんなトンでもない映像と音響、二度と聴けません。ヴァイオリン愛好家必見です。

なお、番組内で「ゴールドベルクに最後にレッスンを受けた弟子」として登場するオーボエ奏者古部賢一さんは、番組全国放送を記念するように、来る26日にNJP演奏旅行で富山オーバードホールに登場します。ゴールドベルク夫妻に「日本の息子」と愛された古部氏は、小澤征爾氏のバトンでチャイコフスキー交響曲第1番第2楽章冒頭の長大なメロディをソロで歌います。誰よりも目立ちます。乞うご期待。
古部氏は、昨晩の錦糸町での本番後、「音楽祭ではセミナーを覗いただけで吹く機会がなかったので残念でした。今回はリードを新しくして頑張っちゃいます」と抱負を語っていらっしゃいました。首席チェロの花崎さんにも、ちょっとだけソロがありますよ。


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「一粒の麦 ここに芽ぐむ」全国放送決定 [こしのくに音楽祭]

10月に北日本放送で放送され、当電子壁新聞でもとりあげた「こしのくに音楽祭」を巡るドキュメンタリーhttp://blog.so-net.ne.jp/yakupen/archive/20061028が、全国放送されることになりました。制作担当者及び「こしのくに音楽祭」広報から正式の連絡がありました。担当ディレクターからの連絡抜粋を下に貼り付けて、告知とさせていただきます。

                            ※※※

「一粒の麦」全国放送&県内再放送のお知らせ
11月29日にふるさとスペシャルとして KNBで放送した特別番組「一粒の麦 ここに芽ぐむ」の全国放送と県内での再放送が決まりましたのでお知らせいたします。番組を放送できたこと、そしてまた全国での放送や再放送につながったのは、皆様のご協力と温かい声のお陰です。本当にありがとうございます。
BS日テレ 12月24日(日)午後3時~4時
北日本放送   12月31日(日)午後4時5分~5時

                            ※※※

このように、キー局ではない放送局が制作した、ハイヴィジョンBS放送を前提に制作した硬派のドキュメンタリーが全国放送されるのは、極めて異例なことでしょう。関係者の皆様のご努力には頭が下がります。局内の番組審議会でも評価が高かったようですね。http://www2.knb.ne.jp/committiee/

作品は全編50分弱。全体は4部で構成され、シモン・ゴールドベルクの略伝、こしのくに音楽祭開催までの経緯、そしてゴールドベルク山根美代子未亡人の最期の演奏会となった「バロン・ヴィッタ里帰りコンサート」の模様などから成っております。あの壮絶なブラームスも、一部ながら、お聴きになることが出来ます。BS日テレをご覧になれる方がどの程度いらっしゃるか判りませんが、是非ともご覧になって下さいませ。当日は小生はハノイにおり、リアルタイムで視られないのが残念です。

富山方面の方に付け足し情報。12月26日、オーバードホールに新日本フィルが客演します。
ご存じの通り、シモン・ゴールドベルク翁は最晩年にこのオーケストラの指揮者団に加わり、今も語り種になっているシューマンの交響曲第4番、シェーンベルク「浄夜」(ゴールドベルク版との言うべき独特の楽譜での演奏だったそうです)、伝説のハイドン全曲シリーズの一部、そして日本で最晩年に独奏した数少ない協奏曲としてのバッハなどを披露しています。
すべてが一期一会だったあれらの出会いを通し、チェロの花崎薫氏やオーボエの古部賢一氏は、ゴールドベルクのレガシーを伝える列に加わることになりました。両者とも、「一粒の麦」に登場し、翁の想いでを語っておられます。花崎氏は1日だけ日帰りで東京から駆けつけた魚津セミナーでのレッスンの様子も収録されております。
本日、新日本フィルの練習を拝見に行った際に確認したところ、両者とも年末の小澤氏との演奏旅行には乗っているそうです。ゴールドベルク縁の楽器で始まった音楽祭の年の最後に、指揮者ゴールドベルクが日本で手兵としたオーケストラが富山に登場し、残念ながら音楽祭では演奏者として登場する機会がなかったチェロとオーボエの両首席奏者が富山のゴールドベルク・メモリアル・イヤーを締めくくってくれることでしょう。


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偲ぶ会 [こしのくに音楽祭]

本日11月17日、富山市民プラザで、故ゴールドベルク山根美代子氏を偲ぶ会が開催されました。会場の様子は、「こしのくに音楽祭」を熱心に支えてくださったKNBが、いつものようにネット配信ニュースで伝えて下さっております。http://www2.knb.ne.jp/news/20061117_9282.htm
2週間弱でリンクが切れますので、お早めにご覧下さい。

ちいさな画面から眺めるあの人やこの人、ついこの前まで一緒にバタバタしていた方々なのに、なんだかとっても懐かしく感じます。富山はもう寒いんだろうなぁ。

ゴールドベルク未亡人は、再び富山から東京にお戻りになり、月曜20日の晩からは、13年ぶりに愛するご主人と水入らず、護国寺の一角でやっと静かにお休みになることができるとのことです。

以降、手をお合わせになりたい方は、護国寺の一番奥、山根家の墓所に詣でてくださいませ。なお、ゴールドベルク未亡人は菊はお好みになりませんでしたので、その旨、よろしくお願いします。

ながいながい、旅の終わり。あらためて、合掌。


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アメリカ国会図書館でゴールドベルク未亡人追悼演奏会 [こしのくに音楽祭]

ワシントン特別区アメリカ合衆国国会図書館の協力により、来る2007年5月18日、故ゴールドベルク・山根美代子氏を追悼する演奏会が同館で開催されることになりました。出演はニコラス・キッチン以下ボロメーオQら。先だって、楽器に関するレクチャーも行われる予定とのことです。会場・時間などの詳しい情報は、追ってお伝えします。

以上、「ゴールドベルク=バロン・ヴィッタ」を管理するゴールドベルク・トラストからの情報提供に拠りました。


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宣伝:KNB日曜午後4時より「一粒の麦 ここに芽ぐむ」放送 [こしのくに音楽祭]

昨晩遅く、北日本放送の若きディレクターTさんから、ゴールドベルクのドキュメンタリーを納品したという連絡がありました。明日、2006年10月29日午後4時からの「KNBふるさとスペシャル」というドキュメンタリー枠で、彼女がずっと追いかけていた取材がひとつの番組として実を結びます。
写真は、去る7月に故ゴールドベルク氏の命日前日に東京は護国寺のお墓に墓参りにいらっしゃる未亡人に同行取材した際の様子。http://blog.so-net.ne.jp/yakupen/archive/20060719夏とは思えない冷たい雨の日で、未亡人も取材陣もみんな傘の中。大きな青い傘の下から、カメラの視線に入らぬようにインタビューするTさん。

あのときにはまさか、こんな形で最後の編集をすることになるなんて、思ってもいなかったろうに。

開催に協力したり主催したりした地元テレビ局が地方音楽祭をドキュメンタリーフィルムにするのは、さほど珍しいことではありません。というか、当然のことです。あの大阪国際室内楽コンクールだって、誰も知らないけど、よみうりテレビがドキュメンタリーを作ってます。
でも、それらは、せいぜいが放映時間30分の深夜枠、いちおう放送しましたよ、とスポンサーや協賛企業に言い訳するため程度のものが殆どです。ときにNHK地方局が作ったりもしますけど、それも15分とか30分が限界。この「ふるさとスペシャル」は日曜午後に1時間枠での放映ですので、異例な大きさと言えますね。富山の人々の力の入り方がびんびんに伝わってきます。

残念ながら富山ローカルなので、視聴可能な方はヴィデオに録画し、感銘を受けたら世界中のお友達にダビングして送りつけてください。内容がダメダメだったら、罵倒や怒りの感想を北日本放送に送るなり、この電子壁新聞にコメントするなりしてやってください。Tさんは泣いたり笑ったりしながら、必ず目を通します。素晴らしかったらきっちりと誉め、酷かったらボコボコにして神通の河原か立山の深い谷に放り投げてやりましょう。局が行っている番組宣伝は以下とのことです。

                            ※※

10月29日 16:00~16:55放送 KNBふるさとスペシャル
「~シモン・ゴールドベルクと山根美代子さんに捧ぐ~一粒の麦 ここに芽ぐむ」
~立山山麓で生涯を終えた流転のヴァイオリニスト、シモン・ゴールドベルクの愛器「バロン・ヴィッタ」の音色がここ富山によみがえる~

ゴールドベルクの音楽的・精神的な遺産を受け継ごうと、この秋ひとつの音楽祭がここ富山に生まれました。それが「こしのくに音楽祭」です。流転の人生を送ったゴールドベルクの富山にいたる波乱の道のりとその音楽性、そして、今月20日に急逝したゴールドベルクの妻でピアニストの山根美代子さんがこの音楽祭にかけた想いとは-?


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「男爵」追悼のため日本緊急訪問 [こしのくに音楽祭]

昨日10月24日午後5時前、故ゴールドベルク山根美代子氏の遺影に詣でるため、「ヴィッタ男爵」が太平洋を渡り東京にやって参りました。無論、従者ニコラス・キッチン氏も一緒です。

冷たい雨が降りしきるなか、大崎の故人宅を訪問した男爵と従者は、霊前に長い祈りを捧げました。その後、ご遺族と思い出話をなさり、静かな時を共になさりました。

白い花に囲まれた故人を両側から守護するように、すっかりお馴染みになったあのゴールドベルク氏の写真と、僚友ゴールドベルク氏が男爵と行動を共にするときに男爵をお包み申し上げた懐かしいヴァイオリンケースとが、並んでおかれておりました。

夫人が逝かれた金曜日以降初めてのすっきり晴れた秋空の下、佃厄遍庵の畳で一夜を過ごされた男爵は、スケールに始まりラズモフスキーの緩徐楽章、ブラームス六重奏曲ト長調冒頭部分と、2時間ばかりお体を整えになられました。先程、現在の居城ボストンに戻るべく、従者ニックに抱かれ成田空港へとお向かいになりました。東京滞在20時間ほどでありました。

なお、故人の遺志により、ニコラス・キッチン氏がゴールドベルク未亡人から託された1730年制グァルネリ・デル・ジェス「バロン・ヴィッタ」の名称は、「ゴールドベルク=バロン・ヴィッタ」となります。


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ゴールドベルク山根美代子追悼会のお知らせ [こしのくに音楽祭]

富山での故ゴールドベルク山根美代子氏追悼会は、以下のように開催されます。

2006年11月17日13:00-17:00 富山市民プラザ 山根家主催

故人が音楽監督を務めていた「こしのくに音楽祭」の実行委員会は、積極的にお手伝いします。

問い合わせ先を含め内容詳細は未定です。近く関係者には公式発表がある予定ですので、現時点、特に本日から暫くは、山根家及びこしのくに音楽祭事務局への問い合わせは、まだまだ関係者多忙を極めております故、お控え下さい。正式発表があり次第、当ブログでも情報をお伝えします。

なお、ゴールドベルク山根美代子氏逝去に関する当ブログでの直接のニュース情報提供は、これで終了となります。情報源としてご活用だった関係者、ご友人の皆様、ご苦労さまでした。あらためて故人の冥福をお祈りいたします。そして、我々残されてしまった者は、現実を生きていきましょう。

追記:午後5時過ぎです。北日本新聞文化賞文化功労賞特別賞が故ゴールドベルク山根美代子氏に授与されるとの連絡が富山からありました。詳細は、必要があればいずれまた。さて、成田に到着したニックがTCATに向かっているので、迎えにいかねば。まだまだ忙しい。


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告別式~Mozart K.502 2satz [こしのくに音楽祭]

「こしのくに音楽祭」音楽監督ゴールドベルク山根美代子氏の告別式が、先程、沢山の音楽関係者、ご親族、ご友人が列席する中、終了しました。http://www2.knb.ne.jp/news/20061023_8968.htm

午後1時からの式は、昨晩の前夜祭より多少フォーマルで、讃美歌も「いつくしみ深き」、「主よみもとに」など、告別式の標準的なものでした。弔辞紹介もあり、こしのくに音楽祭実行委員長新木富士雄、富山県知事、イダ・ヘンデル、ヴェスナ・スタンコーヴィチ、サンドラ・ヴェリッチ、ニコラス・キッチン、ゴールドベルク・トラストのアン・マリー、富山市長、魚津市長、芸大副学長、水戸室内管団員一同などの名前が読み上げられました。

牧師説教の後、会衆がレクイエムとクレドの祈りを唱える前に、故人の愛弟子による追悼演奏がありました。昨年の立山国際ホテルでの「ゴールドベルク・メモリアルセミナー」にも、去る9月の魚津での「こしのくに音楽祭~ゴールドベルク・メモリアルセミナー」にも参加し、山根三銃士と呼ばれた白井圭(ヴァイオリン)、門脇大樹(チェロ)、津田裕也(ピアノ)のトリオが、モーツァルトのピアノ三重奏曲K.502第2楽章を、厳しく指導して下さった先生の前で演奏しました。http://www.hi-net.zaq.ne.jp/mikiroon/TRIO.html
ひとつひとつの音をとても大事にした、すべての音が意味を持って突き刺さってくる、静かな時間でした。「音楽を演奏するときはこのネクタイを着用しなさい」と山根先生から譲られたシモン・ゴールドベルク氏のネクタイを締め、3人は楽器に向かっておりました。

全ての式典が終わり、午後3時過ぎ、冷たい雨が降る中、ゴールドベルク山根美代子氏のお体は、愛する「婿」や「三銃士」に運ばれ、母教会に別れを告げました。

                             ※

東京で告別式が執り行われていた丁度同じ頃、富山では「こしのくに音楽祭」実行委員会が開催され、今後の対応や来年度以降の取り組みが話し合われたとのことです。以下の北日本放送のニュース配信で、極めて重要な来年度に向けた方針変更が伝えられています。2週間で配信中止になってしまうので、後の記録のために、例外的措置として内容をコピーして貼り付けておきます。
http://www2.knb.ne.jp/news/20061023_8972.htm
「こしのくに音楽祭の実行委員会が23日開かれ、音楽祭を来年以降も継続させるには、民間主導では難しく、県が主体となるのが望ましいという方針をまとめました。 25日石井知事に提言する予定です。 実行委員会では冒頭、山根美代子さんに黙祷を捧げ、死を悼みました。 そしてこしのくに音楽祭の中間報告が行われ、多くの県民や音楽家から反響があったことから、来年以降も継続すべきだという意見が相次ぎました。 しかし、今回のように県内企業などから協賛金を募って民間主導で開催することは難しいとして、来年以降は県が主体となって、官民協働の組織で継続すべきという考えで一致しました。 あさって、石井知事に提言する予定です。 またシモン・ゴールドベルクが収集し、山根美代子さんが生前、県に寄贈したいという意向を示していた、ペルメーケなど20世紀を代表する芸術家の作品18点については、県立近代美術館でゴールドベルク・コレクションとして展示することを提言します。 (北日本放送ニュース2006年10月23日17:58配信)」

なお、アサヒビール芸術文化財団事務局長加藤種男氏を講師に迎え、来る土曜日28日に高岡で開催予定の「とやま文化塾」第2回講座は、予定通り実施されます。


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ゴールドベルク山根美代子葬式前夜の祈り [こしのくに音楽祭]

本日2006年10月22日、午後6時より、下井草の日本福音ルーテルむさしの教会にて、「ゴールドベルク山根美代子葬式前夜の祈り」が行われました。

雨が降りそうな、ちょっと降ってきたかな、湿った秋の晩、西武新宿線鷺宮駅から阿佐ヶ谷方向に向け中杉通りを10分ほど下り、中野区から杉並区に変わったばかりの筋を右に入った住宅地の中の大きいとは言えない教会。ICU隣に移転する前のルーテル神大が近くにあり、移転後に学校跡地に建ったマンションに山根先生がお住まいで、この教会に通われるようになられたそうです。

なんだか最後まで、因縁というか、幾重にも重なる偶然の連鎖を感じる。

だって、最初にコイネー・ギリシャ語のレッスンを受けにICU敷地外れの垣根を潜って嫁さんと出向いたのが、三鷹に移転したあとのルーテル神大。今日の牧師の話では、山根先生がむさしの教会で受洗なさったのはその少し前らしい。山根先生の40年来のご友人で、今回葬儀の実務を取り仕切っていらっしゃる友人代表宮尾舜助氏は、ICU一期生という大先輩であり、なんと第一生命元社長石坂泰三氏(第一生命館内集会室を旧第一生命ホールとして開放することを決定した矢野社長の後任)が経団連会長だった頃に氏の秘書をなさっていて、パリで山根先生に出会ったそうな。

シモン・ゴールドベルクを巡る偶然の連鎖には、もう驚きもしない。ゴールドベルクの来日、嫁が現場で働くホールへの氏の登場、五反田のお宅でのインタビュー、最期のリサイタルの客席にいたこと、曲目解説原稿が宙に浮いた急逝、嫁が日本のレップとして深い付き合いを持つようになった音楽家がゴールドベルクの愛弟子だったこと、来日のたびに楽屋裏にいらっしゃる未亡人とのお付き合いの復活、未亡人が「うちの嫁」と呼び格別の信頼をよせたヴァイオリニストがSQWで近しい団体に加わったこと、無数の縁が縒り合わされるような「こしのくに音楽祭」の慌ただしい立ち上げ……これらのぜーんぶが、偶然といえば偶然。

そして、偶然の仕上げとして、未亡人の葬儀で教会礼拝堂上集会室のすみっこに嫁さんとちょこんと坐っている。

偶然が3度重なると縁になり、ダースも重なれば必然になる。逃げようにも逃げられない絆になる。

山根先生のお弟子さんが弾くオルガンのブクステフーデ「天に在ます我らが父よ」を前奏に、祈りの会が始まりました。まず、讃美歌136番「血潮したたる」(言うまでもなく、マタイ受難曲のコラール)。続いて詩篇90編を牧師と会衆が読み合う。司祭の祈り。会衆全員が読むマタイ福音書5:3~10。大柴穣治牧師の説教(山根美代子氏の経歴、信徒としての歴史が簡素に語られた、押しつけがましさのない話)。讃美歌298番「やすかれ我が心よ」(これまた言うまでもなく、「フィンランディア」コラール)。祈り。主の祈り。讃美歌496番「うるわしのしらゆり」(乙女の園に揺れるワルツ)。最後に宮尾氏の思い出話があり、続いて、会衆全員着席のまま、ゴールドベルクがオランダ室内管を弾き振りしたハイドンのヴァイオリン協奏曲ハ長調の第2楽章を拝聴。喪主挨拶(故人が2年前から癌を知っていたこと、残された地上での時間をどう使おうとしたか)。そして、ゴールドベルク夫妻共演のベートーヴェン「春」が流れる中、眠る山根先生に白いカーネーションの献花。

教会の外には、派手な花輪が並ぶこともありません。偉い人たちの弔辞が延々と読み上げられることもありません。簡素な追悼集会。人々は三々五々湿っぽい夜に散ってゆき、去りがたい弟子達は、追悼の人々が去った後に再び礼拝堂に戻り、最後まで先生を取り囲んでいる。

ゴールドベルク未亡人を追悼なさりたい方は、ゴールドベルク翁が弾くハイドンのヴァイオリン協奏曲第2楽章を聴いてあげて下さい。生前の未亡人が、自分の葬儀ではこれを流してくれ、と弟子達に伝えていた音楽です。式典で流されたオランダ室内管との演奏はライブのプライベート録音ですが、ジェスキント指揮フィルハーモニア管の録音は、昨年復刻されており、簡単に購入可能です。http://www.toshiba-emi.co.jp/classic/release/200502/toce15011.htm

明日、23日の葬儀は、午後1時から同じ場所です。フィラデルフィアのゴールドベルク家に上がり込んではぐだを捲き、山根先生の手料理を散々喰らっていたカーチス時代の弟子らは、火曜日に慌ただしく到着する予定。まだまだ、わしらもお手伝いすることがあるようだ。


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故山根美代子氏葬儀について [こしのくに音楽祭]

昨晩8時前、富山から車で東京大崎にお戻りになられた故ゴールドベルク山根美代子氏は、ご親族、ご友人、お弟子さんに囲まれ、ご自宅アパートでの最後の晩を共にお過ごしになられました。

その席で、ご親族により以下のように決定されました。よろしくおねがいします。お花屋さんにご注文の連絡をいただいた場合も、受け付けて頂けないとのことです。ご了承くださいませ。

教会でのお葬式ですので、一般論として、親族関係者に限られたものではありません。故人への追悼を捧げたい方すべてに開かれております。ニコラス・キッチン氏はツアー中でどうしても葬儀には間に合わないけれど、なんとか火曜日には到着するつもりです。ヴェスナ・スタンコーヴィチさんも葬儀に間に合おうとしています。

なお、10月29日午後4時から、北日本放送ふるさとスペシャル『一粒の麦 ここに芽ぐむ』という題で、「こしのくに音楽祭」及びゴールドベルク夫妻と富山についての1時間ドキュメンタリーが放送される予定です。富山地区の方は是非ご覧下さい。富山で予定される追悼会は詳細未定です。

                           ※※※

前夜式 10月22日(日)午後6時 日本福音ルーテルむさしの教会http://www4.big.or.jp/~joshiba/
葬儀   10月23日(月)午後1時 同上
喪主   大木裕子(妹)  
弔電宛先は東京都品川区北品川5-8-15-415。誠に勝手ながら、遺族の意向により、お香典、お花はお断りさせて頂きます。


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