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業務連絡:カメラマン仕事暫く出来ません←撤回! [売文稼業]

業務連絡です。

アホ過ぎる、情けなさ過ぎる話ですけど…メインの一眼レフと望遠ズームレンズを紛失しました。遺影。
nikonのコピー.jpg
昨晩からJR忘れ物問い合わせとコンタクトしておりますが、現時点で連絡はありません。バックアップの一眼レフは温泉県盆地オフィスに置いてありますので、「急なカメラマン込み仕事、当面、出来ません」という告知をせざるを得ませんです。

なお、毎度ながらの安定した貧乏っぷり故に、同クオリティの新しいカメラ&レンズを直ぐに買うのは不可能。当面、大きな額のギャラが入ってくるお仕事も予定がありませんので、ことによるともうこの先は条件が厳しい撮影込みのフォトジャーナリスト系の取材は出来ないかもしれません。

正直なところ、紛失そのものよりも、いままでは背負子を背負った瞬間に「あ、カメラキットが入っていない」と判った、そんな体感センサーがダメになっていたという事実の方にショックを感じております。いくら暑かったから、眠かったからといえ、あれだけの重さの違いを感覚が察知しなかったわけで…これは老化のレベルがひとつ違うものになったぞ、とかなり深刻な落ち込み状態。

うううむ、爺になるってのはこういうことなんだなぁ。楽器を弄る演奏家の方など、フィジカルな感覚を商売にしている方などは、マジでお気を付けあそばせ。

後の記録の為に無き愛しきマシンたちのために最期の様子を記しておきますとぉ、諸事情で常磐線各駅停車で南相馬の2年前まで立ち入り禁止不通地区をノンビリ新帝都に向け上っており、いわき駅に到着。ここで磐越東線に乗り換えるべく下車したわけです。客はいわき駅からの特急に乗り換え常磐線で新帝都を目指す原発関係者ばかりで、延々とこのまま2時間以上水戸まで向かう各駅停車には帰宅学生がどっと乗って来てワンマン列車内はほぼ総入れ替えになったよーであった。そのボックス席にポコンと一眼レフ君たちを転がしたままにしてきてしもーたのであーる。

うまくいけばいわき駅にあるのだろうが、この後、常磐線は水戸の南で踏切事故がありダイヤが混乱するという悪条件。駅はバタバタだろうから、まぁ、これが見納めであろうと思っております。

持って行かれた方がいらっしゃったら、売っても二束三文にしかならぬ古いカメラですから、なんとか上手く使ってくださいな…と言いたところだが、かなり扱いが面倒なカメラなんで、新たな天地で活躍も厳しいだろーな。メモリーカードにバックアップでなかなかヤバいデータも入ってるんだが(小澤征爾氏がロッラのセミナーで若い弦楽四重奏にラズモの1番を教えていて思わず4人を前に指揮を初めてしまった隠し撮り、とか…)、まぁ、その価値が判る奴の手に渡ることはまずないでしょう。

ううむ、9月のミュンヘン、どうするんじゃ?やはり神様がカメラ付き取材からも引退を勧告をしているってことなのかなぁ…

[重要な追記]

というような告知をすっかり夏日照りの無責任私設壁新聞にアップし、鶴見のQアマービレに向かったら、なんとなんと、JR東日本さんから「それらしきものが常陸多賀駅にあるから7月4日までに取りに来るよーに」という案内が来ました!

てなわけで、まだ確実に戻ってくると判ったわけではありませんけど、まず間違いないでしょうから、さっさと当電子壁新聞見出しのフォト取材引退宣言、あっさり撤回いたしますう。明日はしっかり横浜でお仕事だってしちゃうからね。

それにしても、凄いぞ、ニッポンの鉄道!素晴らしいぞ、福島・茨城県の人々!トレニタリアだったら絶対に返ってこない!KTXだったら危険物として回収された瞬間に破棄必至!アムトラックだったら…ううん、どーなんだろーなぁ?

[追記の追記]

今、常陸多賀駅で一眼レフくん、無事に受け取りました。
IMG_3168.jpg
この駅に常磐線の遺失物センターがあるわけではなく、単にこの駅を利用したどなたかが落とし物として駅員さんなりに渡し、保管されていただけのようです。残念ながら拾い主の情報は記録していないそうで、判れば佃煮の折りでもお礼に送らせていただこうと思っていたのですが、そういうことも出来ないのが残念。

一眼レフくんもレンズ君も、全くどこも弄られた感はなく、ホントに2日間お泊まりしてただけだもーん、って顔してます。うううん、アフリカ南米を除く世界全ての大陸を旅してきている猛者とはいえ、なかなか根性座ったマシンじゃわのぉ。

とにもかくにも、恐らく生涯二度と用がなさそうな常陸多賀駅、駅前中華で冷やし中華喰って、帰りはJRさんへの感謝の念を込めて特急ときわ指定席で東京駅まで戻らせていただきます。いやぁ、いろいろ勉強になりましたぁ。

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地獄の水無月やっと半分終了 [売文稼業]

なんでこんなことになったんじゃ、と呆れるしかない水無月の日程もなんとか半分終了。一昨昨日の終列車で温泉県盆地オフィスに戻り、一昨日に梅雨の晴れ間に敢行された馬鈴薯デストロイヤー(マジ、そういう名前の品種だそうな)初収穫だったのだけど
IMG_2507.jpg
誰がどう見ても過労と判断されるらしいやくぺん先生ったら、庭師さんからあっさり戦力外告知を受け、北の大地から運び込んだ白アスパラがぼーっと煮上がるのを眺めてただけの役立たずっぷり。卵黄と溶バターを混ぜて、檸檬搾って湯煎しながらグルグル回しているだけで、もう全パワー消耗でありまする。ほいっ。
IMG_2531.jpg

閑話休題。世間では「自分の日程はSNS上にアップするな」という常識があるようですけど、佃にも温泉県盆地にも盗まれて困るのはやっと出てきた西瓜とメロンの花芽くらいしかないあたくしやくぺん先生ったら、平気で地獄の日程をfacebook上に公開で貼り付けたら
https://www.facebook.com/yawara.watanabe
出向くあちこちで捕まえて用事申しつけようという方々が続出。なるほど、それならこっちにも、と当電子壁新聞にもやくぺん先生の世を忍ぶ仮の姿の出歩く先を列挙しておきましょ。まずは、水無月前半過去編から。ペトっ。

5月31日:札幌キタラ小 エク札幌定期
6月1日:上野文化小 21世紀音楽の会新作初演弦楽四重奏等
6月2日:飛行船シアター ヴィオラ・スペース
6月3日:藝大奏楽堂 リゲティ特集
6月4日:作業日(相模湖交流館 ヴィルタスQを予定していたのですけど、どうしても作文仕事が溜まり行けませんでした、ゴメン)
6月5日:札幌キタラ小 ダネルQ
6月6日:武蔵野市民文化会館大 モーツァルトハウスQヴィーン
6月7日:サントリー小 アトリウムQ
6月8日:サントリー小 葵トリオ
6月9日:びわ湖ホール小 ダネルQ「ショスタコーヴィチの弦楽四重奏」レクチャー
6月10日:びわ湖ホール小 ダネルQ、フェニックスホール プラジャークQ
6月11日:直方美術館 エク
6月12日~14日:温泉県盆地オフィス馬鈴薯初収穫&作文仕事

ううむ、この間の長距離移動のみを記せば、温泉県盆地→札幌→新帝都→札幌→新帝都→神戸→京都→浜大津→大阪→糸島→直方→温泉県盆地

で、後半はこんなん。次の温泉県盆地オフィス帰着まで記せば…

6月15日:桃航空大分昼便で新帝都へ サントリー小 酒井あっちゃん
6月16日:紀尾井 エベーヌQ
6月17日:錦糸町NJP吉松交響曲第6番、豊島 古典Q
6月18日:サントリー小 CMGフェロー発表会
6月19日:豊島マリーコンツェルト アミティQ
6月20日:上野文化小 大友肇無伴奏
6月21~25日:ジェット★で温泉県盆地へ、華の都からの来訪客&作文仕事
6月26日:茅野 エク
6月27,28日:某所で作文作業に専念
6月29日:鶴見Qアマービレ、ハクジュひばりQ
6月30日:神奈川県民ホール小 エク&とこさんら
7月1日:初台 Music Tomorrow
7月2日:銀座 Qインテグラ
7月3~12日:温泉県盆地オフィス

後半の長距離移動は、温泉県盆地→新帝都→茅野→新帝都、だけだから、前半ほど酷くはない。とはいえ、温泉県盆地オフィスに遠来のお客さんをお迎えするというのがあるからなぁ…

ちなみに、今年はちょっと畑が遅くて、馬鈴薯の本格収穫は文月に入ってからになるそうな。なんだかあっという間に9月頭のミュンヘンになっちゃうわい。

こんな無茶が出来るのもあと数年。頑張れ、やくぺん爺さん!

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ロシアから出禁にされたメディアは… [売文稼業]

どうせ「書いてあることはみんな嘘、信じるなぁ」をモットーとする当無責任私設電子壁新聞だから今更隠しても仕方ないことでありまするけど…

ロシア共和国が始めたあっと驚くアナクロニズム丸出しの18世紀型近接領土拡大侵略戦争については当私設電子壁新聞では一切触れておりませんでした。媒体としての性質上、Facebookでは挨拶代わりに口にすることもありましたけど、誰も行方が判らぬグーテンベルク革命以来の巨大情報改革が起きている中での初の本格的な「主権国家」レベルの情報戦争、恐らくは使用人口千万単位以上で電脳空間にアクセス可能なあらゆる言語空間が戦場となっている誰も経験したことないこんな状況に於いて、何かを口にすることがどんなバタフライな影響を与えるか、スタトレ世界の転送装置を可能にするような素粒子レベルでの位置把握が可能な状況でもない限り絶対に判らぬ。そんなヤバい場所で気楽にあれこれ言うほどのアホにはとてもなれず、勇気あるシロートの皆様が自ら進んで戦場に巻き込まれ次々とのたれ死んでいく(殺されているのも知らずに)のをぼーぜんと眺めるばかりだったのでありまする。

とはいうもの、引退宣言をしたとはいえ流石にこれは我が事とも直接関わる話なので、皐月も5日のこどもの日に由布岳から麦の秋の匂いを運び吹き下ろす爽やかな朝の風に吹かれ、親に御飯ちょと叫ぶ百舌鳥っ子と夜も明けたのに泣き続ける蛙たちの声を聞きつつ、後のメモとして記す次第。

日本時間の昨晩、ロシア共和国外務省が、ロシア入国禁止とするニッポン国籍所有者63名の氏名リストを発表しました。どうやら5日朝の時点で在日ロシア大使館の日本語ホームページにはアップされていないようなので
https://tokyo.mid.ru/web/tokyo-
日本の通信社経由で各新聞朝刊が報じているリストを以下にコピペ。毎日さんのYahoo!無料ウェブ記事からです。
https://news.yahoo.co.jp/articles/2989e567b41b1e700f1d3e3a99df90dcf6ac22d6


(1)岸田文雄 首相
(2)松野博一 官房長官
(3)林芳正 外相
(4)鈴木俊一 財務相
(5)岸信夫 防衛相
(6)古川禎久 法相
(7)二之湯智 国家公安委員長
(8)西銘恒三郎 沖縄・北方担当相
(9)秋葉剛男 国家安全保障局長
(10)山東昭子 参院議長
(11)細田博之 衆院議長
(12)高市早苗 自民党政調会長
(13)佐藤正久 自民党外交部会長
(14)松川るい 自民党国防部会長代理
(15)森英介 日本・ウクライナ友好議員連盟会長
(16)志位和夫 共産党委員長
(17)石井苗子 日本維新の会参院議員
(18)熊野正士 公明党参院議員
(19)森裕子 立憲民主党参院議員
(20)阿部知子 衆院沖縄・北方対策特別委員会委員長
(21)秋葉賢也 同理事
(22)国場幸之助 同
(23)鈴木隼人 同
(24)堀井学 同
(25)石川香織 同
(26)大島敦 同
(27)杉本和巳 同
(28)稲津久 同
(29)青木一彦 参院沖縄・北方問題特別委員会委員長
(30)青山繁晴 同理事
(31)今井絵理子 同
(32)北村経夫 同
(33)勝部賢志 同
(34)高瀬弘美 同
(35)大塚耕平 同
(36)清水貴之 同
(37)諸星衛 北方領土問題対策協会理事長
(38)佐伯浩 北方領土復帰期成同盟会長
(39)脇紀美夫 千島歯舞諸島居住者連盟理事長
(40)桜田謙悟 経済同友会代表幹事
(41)鬼木誠 副防衛相
(42)岩本剛人 防衛政務官
(43)中曽根康隆 同
(44)山崎幸二 統合幕僚長
(45)小野日子 外務省外務報道官

ここまでが所謂「政治家&役人、経済界」なんぞの連中。まあ、そんなもんでしょ、というだけのこと。勿論、どーしてあの名前やこの名前がないのか、ロシアが交渉相手としてカードに残しているのが誰なのか、などなどいろいろ勘ぐりたくなるのは仕方ないけど、それはそれ。興味深いのは、それ以降の名前です。

(46)飯塚浩彦 産経新聞社社長
(47)近藤哲司 産経新聞社専務取締役
(48)斎藤勉 産経新聞社論説顧問
(49)遠藤良介 産経新聞社外信部次長兼論説委員
(50)山口寿一 読売新聞グループ本社社長
(51)渡辺恒雄 読売新聞グループ本社主筆
(52)二宮清純 スポーツジャーナリスト
(53)岡田直敏 日本経済新聞社会長
(54)長谷部剛 日本経済新聞社社長
(55)井口哲也 日本経済新聞社編集局長
(56)湯浅次郎 選択出版代表取締役
(57)加藤晃彦 週刊文春編集長
(58)袴田茂樹 青山学院大名誉教授
(59)神谷万丈 防衛大教授
(60)櫻田 淳 東洋学園大教授
(61)鈴木一人 東京大教授
(62)岡部芳彦 神戸学院大教授
(63)中村逸郎 筑波学院大教授

58番以降は「大学の先生」で、へえ、こういう連中がロシア外務省さんにはダメ出しされてるのね、というデータ。これらの6人の先生達、ロシアからお墨付き状貰ったようなもんですから、もう今日からはメディアで引っ張りだこでしょうねぇ。メディアへの出演料や文字媒体の原稿量がいきなりアップしたりして。

で、やくぺん先生的に最もビックリというか、あれまぁ、なのは、46番から57番までの11名。そのなかでも、ニッポン国市ヶ谷大本営直属御用達メディアたるサンケイさん、自民党大衆情報操作統制部たる讀賣さん、ニッポン国大企業広報部&株価操作担当の日経さん…などなどは当然ながら、残るふたつの出禁枠です。

へえええええええええ…

これ以上は、もう言いません。なるほど、そーなんだぁ、出禁なんだぁ。うちの畑でメロンが出来たら、真っ先にお祝(?)に持ってかないとなぁ。
DSCN7544.jpg
無論、紀尾井町は参議院宿舎前の方じゃありませんから。

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戦時下新帝都の朝 [売文稼業]

おはよう御座います。このところ、周囲に流れる情報の膨大さと、処理せねばならない作業の間にギャップがありすぎ、40代の猛烈な前頭葉の体力が無くなっている爺としてはアップアップ状態。当電子壁新聞と自分の個人日記(確定申告書類作成時に不可欠!)まですっかり手が回らなくなっておりまする。歳は取りたくない…

てなわけで、久しぶりに当電子壁新聞立ち読みのみの酔狂な方々にご挨拶。実質、コロナ&1850年代型領土拡大戦争下非常時の朝の風景雑談。

今、確定申告締め切り2日前の日曜日朝、大川端縦長屋を出て、都営大江戸線で西新宿五丁目駅に向かっております。流石にガラガラです。朝の10時半からオペラシティで諏訪内監督の個人音楽祭で、朝から馬場でブラームスの二重奏ソナタと弦楽四重奏を除く全室内楽演奏、という無茶苦茶な演奏会の午前の部、ピアノ三重奏全曲となにやらあれこれ、というのを見物に参ります。

おいおい、全部聴かないのかい、あんたは、と突っ込まれそうだが、そー、この午前の部だけで失礼させていだだきます。午後3時からは、一体何度延期になったのだ、とこれまた突っ込まれそうな東フィルさんのプレトニヨフ指揮《我が祖国》全曲を拝聴。その後、夜の部に戻ればいいじゃないかと仰られるかもしれんが、正直、ブラームス室内楽全曲のハイライトはレア度から考えれば本日はどうしても聴けないピアノ四重奏全曲で、弦楽五重奏や弦楽六重奏のような定番は敢えて纏めて聴く必要なし、という判断です。

本音を言えば、一昨日のモダンものでも明らかだったスター監督の合わせがちゃんと時間が取れないこの日程での演奏は、「全部纏めて聴く」という勢いがないと評価が難しい。で、無理に聴く必要はない、ということ。ま、お判りの方はこれ以上書かなくても言いたいことはお判りでしょうから、今のロシア市民の様に裏の意味を察して下さいませ。正直、やくぺん先生がマネージャーや主催者だったら、この演奏会は止めます。音楽監督さんから嫌われ担当を外される可能性もあるだろうけど、どうしてもやりたいなら全曲出演者団体は別、監督は最後にト長調弦楽六重奏曲の第1ヴァイオリンのみ出演、と強固に主張するだろうなぁ。うううむ…

ま、それはそれ。問題は、その間に急ぎの面倒なメールをふたつ入れないとならんこと。ひとつは、現在トーキョー滞在中の某指揮者さんに「マーラー新録音についてのインタビューがどっかで出来ないか」という問い合わせ。なんのことはない、昨日はオケの皆様のご厚意で楽屋裏で立ち話だけは出来たものの、まだ編集者さんから最終的にGOかどうかの指示が来ない。本日4時過ぎに池袋で演奏会が終わるや成田に突っ走り、戦時下シベリア・ルートのクローズのあおりを食ってアブダビ経由で国に戻って明後日夜にはどっかでオペラの練習に飛びこむ、って無茶苦茶にお忙し氏な奴に、もう対面で話をしている時間はないよねぇ、ネットワークでやるしかないか…という連絡。

あ、網都庁前駅だ。もうひとつは、明日、エクのショスタコ全曲シリーズ前のプレトークで司会をする内容が、現在の状況を鑑み予定通りで良いか、ゲストスピーカーのロシア音楽専門家の先生と打ち合わせをせねば成らぬ、という超急ぎのメール。こんなアホな電子壁新聞やってるなら、そっちやれ、ってに!

おっと、西新宿五丁目駅に到着してしまった。昨日は芸劇1階喫茶店で税理士さんとお会いして税務作業完了の判子とサインを押し、幸いにも国民の義務は無事に果たした新暦弥生半ばにして春も盛りの新帝都。

でも、ここ新帝都トーキョー、そこに生きる庶民やら庶民じゃない奴らも、やっぱり戦時下の非常時。人生の最後のフェイズで、ヴェトナム戦争末期以来の「核戦争で世界が滅ぶかもしれない」感をどっかに覚えつつ過ぎていく時間を半世紀ぶりに経験している、春も盛りの新帝都の田舎者でありましたとさ。

開演まであと1時間、喫茶店に入り込んでる時間があるかっ!

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買えない本の紹介文 [売文稼業]

明後日朝には新帝都に戻ります。その理由は、この本を返すため。
IMG_E7552.JPG
今回の新年温泉県オフィス滞在の目的は、某年鑑の室内楽概論と、この本の紹介文をやっつけることにありました。

本来なら、今、この瞬間は巴里のシテ・ド・ラ・ムジークからトラムで一駅くらいのアパート宿にいて、丸二年ぶりのシベリア越えの長旅でええ加減体もおかしくなっていて寝られんぞぉ、なんて言ってる頃。いよいよ本日から弦楽四重奏ビエンナーレが始まり、まずはやくぺん先生現在の欧州一押し若手チャリック一家の演奏会があるぞぉ、って筈だったのに…。ちなみに来月頭のアムステルダムのビエンナーレは中止になったそうな。ハイデルベルクはどうするんじゃろかね?

もといもとい、そんなあり得なかった今を嘆いてもしょーがない。巴里行きがなくなった時点で引き受けた明日締め切りの仕事、まだ作文作業という意味では一行も出来てないんだからさ。

ええ、そういうわけで、中身に関しては触れられないんですけど、やってるものはこういうもんです。こちらをご覧あれぇ。今時、本の紹介がYouTubeの動画になってるなんてドイツもやるじゃないか、と思うかもしれんが、なんのことはない、こういうやり方がいちばん手っ取り早い書籍であることは、ご覧になればお判りでしょうぞ。

紹介文とはいえ、媒体が媒体だけにペラペラ捲ってさあ書きましょ、というわけにもいかず、重さ3キロの現物をドカンと机にのっけて、去る月曜午後からさっきまでまるまる三日間かけてひと渡り目を通したところであります。昨日一昨日と雪模様で、お籠もり作業には最適な(?)空様。外に出たのは、雲の切れ間に雪景色の由布岳を眺めに田圃の中まで気分転換に出たときだけ。今日は晴れて、昨日から雪の中に射撃音が轟いていた日出生台の新年演習もやっと本格化、朝からヒヨちゃんや、うちの周辺を縄張りにするジョビ子さんや百舌鳥姫だけじゃなく、我が軍の先鋭目達原のアパッチやら陸自鷹やらも飛びまわってるお役所仕事も本格化した正月明け。

この作文仕事、何が困るって、普通の書評とは違って、紹介している本をこの鎖国列島で購入するのはほぼ不可能という事実。今時Amazonやらで買えない新刊本があるのか、と呆れるでしょうが、現実問題、Amazonでも入荷不可だし、いかにも返そうなデゥスマンのサイトでも品切れで入荷未定になってます。実際、仕事を下さった編集さんは自分でも欲しくてリクエストしてるけど、半年以上立つのにまだ来ないそうな。ボンの市ミュージアムに直接頼んでいてこの有様だそうで。日本にはアカデミアに数冊入り、昨年暮れに在庫があるというのでノコノコ行ったら、「あれ、ありませんね」ってことなってましたです。いつ入るか未定だそうな。

つまり、当面のところ、紹介されたところで殆どの人にとって手に取るのは不可能、って幻の本なわけです。デュッセルドルフやらケルンに住んでる人が日本に来るならちょっとボンまで行って買って来てちょ、というのは荷物になりすぎるし、そもそも今、ニッポンは鎖国状態じゃけんのぉ。世の中には「存在しない本の書評」という特殊なフィクションのジャンルがあるけど、なんかそんなもんをやってるような気がしてくるぞ。

まあ、ピリオディカルではなく少し時間がかかるタイプの媒体なので、いずれ入るようになれば、ということでしょう。文化会館の資料室なんかが買っておくべきなんだろうなぁ。

とにもかくにも、これから一休みして、明日の夕方まで作文作業にかかりましょ。明後日は朝の5時起きで水道の元栓閉めて(明日から氷点下6度とかの朝が続くそうで、水道管が凍結して破裂するやもしれんのです)、通学の高校生と一緒に夜明け前の6時台の大分行き久大本線各駅停車に揺られ、デカく太い本をプチプチにグルグル巻きにし納めたアホみたいに大きな荷物をジェット★さんに預け、成田に向かいます。本を編集さんに返却することが目的のニッポン新帝都訪問、18日夜までセレブなブンチョウ様お住まいの佃縦長屋に寝かせていただき、上野やら溜池やら池袋西口やらに出没する予定ですので、対面で用事のある方はその辺りで捕まえて下さいませ。

この三日間、マスクをしたことがないぞ…

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新春初仕事は雪の新帝都とZoomで [売文稼業]

遙か新帝都からここお温泉県盆地に入り、何日が過ぎたやら。お嫁ちゃまも新年初仕事で東に戻り、本日は明日締め切りの初荷原稿に専念する筈が、来週末から数日新帝都に戻ってる間にやる予定だったインタビューが掲載媒体の作業進行の都合でどうしても今日しかやれないとの連絡。

じゃあオンラインでやるしかないですね、ってことで、慌ててZoomを設定。今回の新オフィス滞在中はインタビュー系仕事は予定がなかったから、現役の録音機くんは佃縦長屋でノンビリ寝正月してら。うーん、しょーがないなぁ、と和室に積み上がった段ボールをひっくり返し、イラク戦争で米英軍が首都に迫る緊迫状況の中でアムステルダムからブリュッセルに向かう車内で置き引きに遭い盗まれてもーたDATデンスケくんの後を継ぎ、はや2010年代終わり頃には引退していた初代EdirolのR-09くんという電化製品としての使い勝手が猛烈に悪い奴を掘り出すのであった。
image0[20655].jpg
メモリーカードがちゃんとしてるかチェックし、電池を充電し…そこまではいいものの、耄碌爺初心者は使い方なんぞすっかり忘れてしまったぞ。慌ててWebを探すと、なんとありがたや、使用説明書PDFファイルが落ちているではあーりませんかぁ。有り難ぁく引っ張り出し、あわてて学習しなおし…

ってな調子で明日締め切りの作文予定を半日先延ばしにして、あれやこれや準備を進める。楽譜類も和室段ボールの中で引っ張り出せず、これまた仕方なくISMLPからバッハなんぞをダウンロード(無伴奏チェロ組曲ニ長調の4つの異なる版を全部並べてアップしてくれている便利な楽譜なんぞもあって驚いたのだが、そんなもの引っ張り出して遊んでる暇はないっ!)、ディリアスの小品は著作権は切れているのだけどISMLPに上がってないんで、編集担当者に「ないよぉ」と悲鳴を上げたら、おやおや、全ページを写メールで送ってきたぞぉ。ううむ、まあ、どういうものか判ればいいんだから、これはこれでいんだけどさ。

そうこうバタバタするうちに指定時間が近づく。ったら、なんと新帝都が大雪で、今朝戻ったお嫁ちゃまも仕事で出向いた仙川から佃に戻るのが一苦労だったとのこと。Zoom画面の向こうに揃わにゃならん方々もいろいろあるようで、まさか雪りしきる千葉の山の路肩に車駐めてそこからZoomに入る、なんてことして遭難でもしようもんなら冗談では済まぬ。かくて開始時間を遅らせてくれとの話になり、あれやこれやあれやこれや。

こちら温泉県盆地は、昨日来大雪の可能性を言われていたようだけど、案外と暖かく氷点下ギリギリくらいまでしか下がらず、霙がちらついただけ。本日は朝から10分ごとに空模様が変貌する冬の天気が続き、由布岳が見えたり隠れたり、夕方から夜になっていくのを眺めながら、典雅なディリアスをヨーヨー様の演奏で拝聴したりしながらボーッと待って…

そんなこんな、石武やくぺん先生新オフィス、本来の作文専用お籠もり場としての機能を十全に発揮する1日でありました。さて、明日は半日遅れた原稿に戻って夕方には初稿を入れないとマズい。食い物は佃大川端から運んできた31.5キロの荷物の中にガッツリ含まれていた切り餅の山があるので、もーまんたぃ!

以上、内容皆無、ご隠居の山中生存確認でありましたとさ。ともかく、温泉県盆地で遭難せずに、なんとか生きてますぅ。

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謹賀新年:ふたつの窓辺 [売文稼業]

新年明けましておめでとう御座います

2021年、10年前に没した実家をオフィスとしていた巨大柿の木付き葛飾の家を春分の頃に処分。秋分の日の前には縁あって大分県由布院町に新オフィスを移転、冬至前にやっと住居部分のリフォームが完了し、なんとか普通の生活は営めるようにはなりました。とはいえ、葛飾オフィスや佃、それに嫁の田舎から持ち込まれた大量の本、雑誌、紙資料、映像音響資料などは未だ段ボールに収まり、まともにアクセスは出来ない状況が続いております。図書館&勉強部屋となる空間は空っぽで、搬入された本棚キットが未開封のままに転がっている有様。なんとか畑の隅の桜が咲き誇る頃までには、段ボール箱積み上がる和室の奥の仏壇に、現状千葉の妹のところに仮住まい中の亡両親が戻れるといいんだけど。

佃の路地から移ってきた大川端縦長屋も、なんのかんのでいつのまにか10年。眺める風景もアベ不動産バブルで変貌し、東京都庁は辛うじて眺められる程度。首相官邸へのVIPヘリの出入りはまるで見えなくなり、東京駅周辺に林立した200メートル旧高層オフィスの影となった皇居向こうの防衛省ヘリポートは、谷間への着陸風景になってしまった。
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新しくなったブリジストン美術館の向こう、八重洲口都バス停留所真ん前に引っ張り上がっていた低層階が小学校のビルもほぼ完成、頭の上のクレーンはひとつだけになりました。中央大橋の奥、日銀の隣にはホンシュウ島で最も高い300メートル級のビル建設工事が始まっていて、やくぺん先生がこの風景を眺める最後の頃には、そろそろ竣工してるのかな。

この風景を「美しい」と感じるや、はたまた「醜悪」と思うや…

そして、こちらが現時点でのやくぺん先生のメインお仕事机から眺めた風景。我が庭を目指してやってくる小さな飛ぶ方々は、まだおりません。
IMG_7022.JPG
久大線の裏の藪には、小さな生き物が動き回っているのは分かってるんだけど、そいつらもまだ「ここにくればなんかあるぞ」とは思ってくれていないみたい。

暫くはまだ鎖国が続く2022年のニッポン列島、新帝都と温泉県の往来の中に淡々と春が来て、夏が過ぎ、秋となって冬が来るのか。

いよいよ宿望の隠居仕事に本格着手の年になるのやら、まだまだ道の途中なのやら。

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巴里断念 [売文稼業]

来月11日に巴里行き昼前の直行便で羽田を発ち、真っ直ぐ同月26日午後に羽田に帰国、その後は恐らくは都内での2週間の隔離が想定され、《影のない女》に飛び込めるかギリギリだったツアー
https://yakupen.blog.ss-blog.jp/2021-11-30
昨晩、中止を決断しました。

コロナ状況を眺め渡航を決定し、様々な準備が揃ったのが11月終わりの段階。その時点ではフィルハーモニー・ド・パリ総裁からお嫁ちゃまへの正式な招聘状も出て、大学側もOKを出し学校としての公式の渡航許可がおりたのですけど、その直後から新型コロナ新変種騒動が勃発。あれよあれよと状況が変化し、御上が原則外国人無差別入国禁止という無茶な政策を打ち出してニッポン国世論もそれに賛成の空気が瞬く間に広がって、我が業界すっかり置いてきぼりの大混乱に陥っているのは皆様ご存じの通り。

で、鎖国宣言から1ヶ月、政府中枢が未だに鎖国措置をどうするかきちんと発表はなく、讀賣新聞など政府翼賛系メディアを使った情報リークで世間の空気読みをしている事態に変化なく(というか、自分たちは命令しないけど国民が勝手に萎縮する空気を作る、という我が政府お得意の常套手段で)、宿のキャンセルのタイミングなどからクリスマス休暇明け仕事納め前にニッポン政府の動きがないのを見極め、決定に至った次第でありまする。

葛飾にオフィスがあった頃なら、羽田に入国しどこか数日御上が調達したアパホテルなりに隔離され、そこから最悪でもえっちらおっちら5時間くらい歩けば、なんとか巨大柿の木下まで到達するだろう。となれば、10日の隔離があろうがなんてことなかった。ところが葛飾オフィス無き今、強制隔離解除後に遙か1000キロ近く離れた温泉県盆地の新オフィスまで公共交通機関無しで行けといわれても、いかなノンビリぽかぽか東海道山陽道とはいえ弥次喜多道中越え1週間を野宿しながら徒歩で向かうなど不可能。ヨー・ヨー・マ様のようにHONDAジェットをチャーターして沖縄まで向かう、なんて荒技は貧乏人庶民に出来る筈もない。10日間も自費で都内の宿に自主隔離する費用だけで巴里までの往復航空運賃くらいかかってしまうなぁ、と頭を抱えていた。

それでも、この演目ならば仕方ない
https://philharmoniedeparis.fr/fr/agenda?startDate=2022-01-12&weekend_i=784&utm_source=211215_biennale_quatuors_2022&utm_medium=email&utm_campaign=biennale_quatuors&utm_content=btn_header&fbclid=IwAR0BCeOT8Hw1pbCkuO25oKNXKnezmmwWRHpxo2itqhmhifrj060FaefZlVo
なんせまるまる2年も仕込みをしていないんで、そろそろ商売干上がってしまう寸前。2年分の海外取材経費全部投入、と考えるしかないかぁ、と腹をくくっていたわけでありました。

既に上の日程表に挙がっている参加団体を眺めただけでもアングロサクソン系団体の参加は皆無で(アルディッティは昔みたいにマネージャーはおにーちゃんの家族経営ではなく、欧州大陸拠点みたいなもんですからね、実質)、恒例のビエンナーレに比べるとEU圏内だけ、有り体に言ってフランス文化圏ばかりのフェスティバルになっていることは誰の目にも明らか。それでも、チャリックがどうなっているか、なによりもシンプリーがどうなっているか、そして最大のポイントは16日に予定されている若手団体国際オーディション。このオーディション開催4回目にして初めて日本からインテグラが参加するということもあり、多少の無理は覚悟で眺める必要があるべぇ。

無論、ホントはこの後のハイデルベルク、アムステルダムとまわって2月上旬まで滞在出来るにこしたことはないのだけど、ドイツやオランダは同じEU内とはいえ経済優先のフランスとはちょっと違ってロックダウンやら規制が厳しく、フェスティバルがまともに行われるとは思えない。何故かパリは現時点では予定通り決行とのこと。とはいえ、オーディションには日本の室内楽振興財団や中国や台湾の関係者ばかりか、ウィグモアホール総裁やらリンカーンセンター室内楽協会のディレクターやらも来ることになってるけど、英米は来ないだろうし、アジアも日本以下、みんな来られないでしょう。それどころか、オーディションに参加する側だって、フランス圏以外から来られるのかしらね?

コロナへの感染リスク、東京佃大川端のご家族へのリスク、経済的リスク(キャンセル可能な航空運賃以下、普通にパリに行って2週間、って取材ツアーの数倍の経費が予想されますから)、物理的精神的な負担、それらの全てを納得した上での渡航は、流石に無理。これが40代現役バリバリだったら、それでも行くぞ、と思うかもしれないけどねぇ…

ちなみに2022年は4月にロンドン・ウィグモアホール国際弦楽四重奏コンクール、9月にはミュンヘンARDコンクール弦楽四重奏部門、秋から冬にはパリでマキシム・パスカル氏率いるル・バルコンの《光》チクルス「金曜日」が控えてます。ミュンヘンくらいからは顔を出せるようになるんやら。イースター明けに渡欧出来る雰囲気は…正直、ないなぁ。「東京春音楽祭」がホントにやれるのか、って感じだもんね。

というわけで、来月半ばは現状では温泉県盆地新オフィスで粛々と本棚を建て込む生活をすることになりそうであります。冗談ではなく、ひとりで出来る肉体労働を越えているので、日程が決まりましたら「雪見酒露天風呂付き図書館建て込みボランティア温泉県盆地ツアー」を募集するやも。この大寒波で水道管が破裂してないといいんだけどさ。

ふらんすへ行きたしと思へども
ふらんすはあまりに遠し
せめては新しき本棚を背負い
温泉県への通勤にいでてみん

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曲目解説は不要なのか? [売文稼業]

読者対象は業界内部関係者及び同業者さんのみ、それ以外の方は読まずに帰って下さい。時間の無駄です。

昨日一昨日と、ハクジュホールの主催公演を拝聴してまいりました。明治神宮前からハクジュ産業さんに向かう師走のトーキョー、巨大クリスマスツリーの立て込みも始まってたり。
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演奏会の中身は、ひとつは室内管、もうひとつは独奏ピアノとデュオながら、共にテーマは「編曲」です。一昨日は、イギリス人の(多分…)現役作曲家さんがユニヴェルサール出版公認というか、出版社絡み企画でマーラーの未完の交響曲第10番を、私的演奏協会タイプの室内アンサンブルで上演する演奏譜を作り、それを我らがゴールドベルク三勇士が今や立派なN響コンマスにまで出世した白井氏がリードするアンサンブルで日本初演するマーラー愛好家なら涎が出るような美味しい演奏会。実際、聴衆はブルックナーとはまたちょっと違ったやろーばかり、男性トイレは長蛇の列という状況。んで、昨日は、コロナ禍のエリザベートで入賞し話題となった若き超絶技巧派ピアニストの阪田氏が、リスト編曲ベートーヴェン交響曲をハクジュ主催で全部弾いていく、というシリーズ。昨晩は前半には交響詩《オルフェウス》ピアノ版やら、ピアノ協奏曲第2番の作曲途中譜を独奏で弾くとか、極めつけは素性がいまひとつわからないヴァイオリンとピアノの二重奏を、あのバルトークのヴィオラ協奏曲演奏譜を作成し、先頃亡くなったピーター・バルトークと喧嘩になっていたので名高い作曲家シェルリが「リストのヴァイオリン・ソナタ」に纏めたという代物。

演奏については、今時、SNSを漁ればいくらでも大絶賛、熱狂の嵐が出てくるでしょうから、そっちをご覧あれ。ちょっとだけ感想を記しておけば、前者は「なんで指揮者置かなかったんじゃろ?」と思わされましたです。今年はコロナ禍を口実に、なかなか舞台に上げられないこの類いの作品の再現が続き、私的演奏協会の小編成試演のための楽譜に準拠した編曲版マーラー交響曲は4番、10番、《大地の歌》と3作品も聴けるという異常な事態。4番は川崎で第1ヴァイオリン頭のまろさん指揮とまでは言わぬがそれと名前が出ており、サントリー大ホールの《大地の歌》はピンチャー御大がしっかり指揮しておりましたけど、今回は300席の小規模空間のホントの室内アンサンブルでありました。

ハコの規模が小さいというよりも、作品そのもののキャラクターとして、「巨大なアダージョの間に性格の異なる面倒なスケルツォが3つサンドイッチされる」というへんてこりんな作品。このような形で演奏されると、ショスタコーヴィチやヴァインベルクなどが50年代以降に盛んに展開するクァルテットの構成感と室内交響曲の響きはここから直接繋がっているのだなぁ、マーラーがあと10年長生きできていたら「無調の息の長い旋律」という真面目なシェーンベルクには対応出来なかった課題をあっさりクリアーしちゃったんじゃないかなぁ、とアホなことを思ったり。それはそれで大変に面白い。

だけど、まったく「室内楽」ではなく、完全な「小規模室内オーケストラ」です。二つ目のスケルツォとか、終楽章へのブリッジとか、白井氏が後ろを向いて指揮をする瞬間も多々あった。指揮者というお仕事が演奏者とは別に存在する理由はこういう作品のため、というような音楽でした。まあ、指揮者を連れてくるとギャラがとてつもなく必要になるという現実的な問題はあるんでしょうけど、井上みっちーさんなんかに言えば、お宅も近いんだから大喜びで歩いてきてノーギャラだって指揮してくれるんじゃないかい、なーんてアホなこと思ったりして。

別府のいねこさんとの《イタリアのハロルド》で腰を抜かして拝聴することにした阪田さんも、ベートーヴェンのニ長調交響曲をどんなfffでも絶対に響きが濁らない綺麗な音で弾ききり、第1楽章コーダ前では絶対にオーケストラでは不可能な微妙な揺れ(録音だったら阪田さんもやらないでしょうねぇ)などピアノ独奏でなければ不可能な味わいに、へええこういうもんなんだ、と思わされたり。極めて興味深いものでありました。ま、編曲ものとソナタは「こういうもんがあるんですねぇ、べんきょーになるなぁ」としか言いようがないもんでしたけど。

さても、ここまでは枕。以下が本論。

この二日間の演奏会のどちらも、当日配布の印刷物には所謂「曲目解説」と呼ばれる作文が一切掲載されておりませんでした。マーラーの方は、終演後に慌てて地下鉄車内で検索し、ユニヴェルサールの公式ページに編曲者さんご本人による長大な解説がアップされていたので、代々木公園駅から日比谷で乗り換えて月島駅に戻るまでの時間を全部使ってなんとか読み切って、へえそういうことなのね、と理解した次第。無論、編曲者視点の発言ですから「なんでこんな編曲をやろうと思ったのか」「どういう経緯でやることになったのか」などは一切触れられていませんが、まあ、それは判らんでも良い、と仰るならそれまで。こういう「理解のさせ方」もある、と納得はします。

んで、リストの編曲大会は、なんとなんと、午後7時の開演時間に阪田さんがマイクを手に舞台に登場。ほぼ満席の客席に向かい、延々と作品についての説明をなさいました。途中からゲストのヴァイオリニストさんまで引っ張り出され、対談になり、なるほどそういう作品なのね、と聴衆が納得する頃には、もう7時25分くらい。文字通りのガッツリ長い演奏者によるプレコンサートトークになった次第。結果、演奏が終わってホールを出られたのは、時差退場のお願いもあり、9時半をまわっておりましたです。ふううう…

ハクジュホールの方には嫌がられるかもしれませんけど、はっきり言います。これ、ダメです。

昨今の我らが業界を取り巻く経済環境から、コストカットのためにみんなが知っているしどうせ書いてあっても誰も読まないような当日紙配布の曲目解説を廃止する傾向にあるのは、商売上、誰よりも良く知っております。確かに、リストラとしては真っ先に狙われるのも当然だし、わしら書き手側が営業努力をきちんとしてこなかったと批判されるのは致し方ないでありましょう。とはいえ、当日配布作品解説を無くしては困る演奏会というものはあり、一昨日昨日は、正に絶対に当日プログラムに最低限でも作品の素性などが記されていないと困る演奏会の典型例であった。

マーラーの方は、なんせ押し寄せた聴衆が柴田南雄先生やら金子健志さんの著作を暗記するほど読み込み、自分もアマオケでマーラー弾いてる、なんて聴衆ばかりだったでしょうから、解説がなければ勝手に調べるだろう、でも、ギリギリ許されるかも。だけど、昨日のリストの聴衆は、そんなものには興味がない人達が殆どだから不要、というわけにはいかんでしょう。実際、阪田さんもこれはマズいと思ったのか、予定になかったプレトークをこれから演奏するという前になさる決断をなさったわけでして。

阪田さんのプレトークは、所謂ファン向けの娯楽ではなく、中身についての情報を提供する、というものだった。これ、ひとつの作品300字でもいいから事前に阪田さんに書いていただく、若しくは喋っていただいて主催者側スタッフが作文に落とし込む、という作業をすれば済むものでした。

やくぺん先生の感覚からすれば、本人が「いいですよ」と言っても、これだけ負担が大きな演奏が予想される演奏会の前に本人に30分喋らせる、なんて絶対にやらせちゃダメだと感じてしまう。この主催者、演奏家をなんだと思ってるの、ってね。

流石にこれはマズいと思ったか、阪田さんのベートーヴェン=リストのシリーズ、次回《英雄》の回にはプレトークを行うとチラシに告知されていました。一安心、というか、そりゃそーだろーに、ってか。

結論:主催者の皆様、当日プログラム曲目解説リストラは理解しますが、それをやってはいけない演奏会もある。主催者側の見識が問われ、主催者としての評価に繋がる微妙にして重要な問題です。俺はもうあの主催者の演奏会には行かない、と考える聴衆も出てくると心得て下さいませ。

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ともかく巴里行き準備 [売文稼業]

先週、温泉県にちょっとだけ居た頃には「年が明ければ帰国後隔離も3日くらいになってるんじゃね」ってコロナ終わった終わった感が漂ってたのから一転、昨日来のキシダそーりニッポン鎖国宣言(除く治外法権の占領軍関係者及び家族)のお陰で、我が業界は上を下への大混乱。先程も縦長屋シン・ゴジラ視点の勉強部屋で、某大手音楽事務所元幹部ご隠居さんと深刻なヒソヒソ話しをしてしまいましたわ。来週から公演予定されていたフォーレQはダメだし(後述:来日しており、公演はあるそうです。こちら参照https://www.philiahall.com/html/series/201003.html)、年末第九に来る予定のルイージやらシモーネおばさまやら、どうなることやら。練習期間を考えればノット様は列島に既に入っているんだろうし、以前から滞在期間がやたらと長いツィメルマンは問題ないものの、いろいろと影響があるだろうなぁ。新年おめでとーのヴィーン・フォルクスオパーだって、そーりが大見得切っちゃった手前、いくらS社さんでも無理筋を通せないだろーし…

世間では大絶賛らしいそーりの鎖国宣言、やくぺん先生のお宅では大騒動であります。なんせ、2022年1月12日から23日まで、遙かシベリアの向こう華の都ぱりぃで開催されるクァルテット・ビエンナーレに顔を出す予定で準備が進んでおったのでありまする。これ。
https://philharmoniedeparis.fr/en/calendar?weekend_i=784&startDate=2022-01-12T00%3A00%3A00%2B01%3A00

今を去ることもうまる2年も前の12月、アムステルダムで開催されたヴァインベルク生誕100年記念ダネルQ弦楽四重奏全曲演奏会からブリュッセル経由で戻って以降、その直後の前回のパリのビエンナーレは諸事情で(ってか、引退表明をした手前、己に向けた決意という意味もあって)参加をパスしたため、やくぺん先生のパスポートったら、それから延々23ヶ月の間、全く本来の目的で使われていない。使ったのは、葛飾から温泉県へのオフィス移転で必要となった「写真付き身分証明」としてくらいじゃないかしら。

その間の世界の変化ったら、まるでやくぺん先生の「世界のメイジャー室内楽コンクールは基本的に全て眺めて歩く」生活からの引退宣言を、天の神様だか守護天使様だかがお耳に入れて下さったかのようなタイミング。とはいえ、人生最期のステージを細々と生きていくために必要最低限の稼ぎは確保せねばならず、そのためにも必要最低限の商売上の仕込みはしなけりゃならぬ。

となれば、2週間弱の間にプロ団体14、それにこのイベントの最大の売りたる、朝から晩まで30分くらいづつ次々とコンクールファイナリスト級の連中が登場する一種の国際オーディションたるショーケースで20団体ほど
https://philharmoniedeparis.fr/en/activity/musique-de-chambre/23042-audition-internationale-de-quatuors-cordes?itemId=116789
欧州フランス系のメイジャー団体とヨーロッパのマーケットに最初に出てくるクラスの若手が一気にこれだけ聴けるのだから、まあ、隠居はしたといえ状況はある程度は押さえてますよ、と世間様に言えるくらいのことにはなる。これまでならば、この直後にハイデルベルクに移動して「ハイデルベルクの春音楽祭弦楽四重奏シリーズ」でマダム弦楽四重奏のオーディション(前回のロンドンで勝ったエスメが最初に出てきたのがここ)、そのままDBからオランダ国鉄に乗り継いでアムステルダムに向かい、2010年代にムジークヘボウで始まったアムステルダム弦楽四重奏ビエンナーレへと雪崩れ込み
https://sqba.nl/
来年だったら1月11日から2月5日まで3週間ちょいの欧州滞在で、若手から長老までなんのかんの50団体以上が聴ける、って2年に一度の大仕込み市みたいな期間だったわけでありまする。あとは、年に2、3回くらい世界のあちこちで開催されるメイジャー&準メイジャー級の国際コンクールを眺めておけば、ほぼ世界の弦楽四重奏業界の流れは俯瞰出来、商売としてこのジャンルの現役を保てたのでありました。

パリ→ハイデルベルク→アムステルダムと移動し、その間に出くわす副専攻(としか言い様がない)の「戦後のオペラ」を拾って歩けば、連日のコンサート・ヴェニュ通いで頭はパンパン、もー聴きたくない、なんて状態になる。いやいや、流石に体力的にも精神力的にもそりゃ無理。お嫁ちゃまがショーケースの審査員に名前が出ちゃってることもあり、それなら巴里だけはくっついていって、「おおインテグラくん、巴里はいかがじゃね、シンプリーくんたちもすっかり上海Q後続路線じゃのぉ、ぐぁんばりたまぇ」なんて隠居顔してノンビリ気分でえらそーにふんぞり返っててやろーじゃないかい。ま、引退オヤジなりの、ギリギリ最低限のネタ仕込みですな。

まかり間違って2週間の隔離が続いていれば、既に変更不可能なLCC激安チケットを取ってある成田温泉県往復と温泉県からの片道との総計3フライト約100USドル弱をドブに捨てることになってしまうが、隠居とはいえ商売の仕込みのためなら諦めるしかない、と腹を据えていたところに、昨日来の国境封鎖騒動が勃発。またまたわけがわからぬ状況に戻ってしまった。

現時点でパリ側の動きは全く読みようがない(無論、フィルハーモニー・ド・パリからはなんも言って来ません、「なんくるないさ」さもなきゃ「革命だぁ」のラテン系のお国でありますから)。とはいえ、ニッポン政府の今の動きを眺めていると、国を出られて仏蘭西国が受け入れてくれても、ヘタすりゃ帰国時の入国人数制限が厳しくなっていて予定日に戻れない可能性も考えねばならぬ。ここまで来たらもうギャンブル。あれやこれやの条件を考えると、さっさと東京パリ往復直行便、それもニッポン国大使館などに連絡が付きやすい日系キャリア、貧乏人のやくぺん先生が電動自転車を諦めれば買える最安値のキャンセル可能チケットを取ってしまうべきであろー。

かくて、先程、JALの羽田発巴里往復を押さえた次第でありまする。

自民党航空部局と呼ばれ今や日本国際線のトップレーベルたるいつものスタアラANAではなく、かつてのニッポンのフラッグキャリア、空飛ぶ運輸省航空事業部、親方鶴丸での渡欧って、我が人生でこれで3度目…かな。

最初は90年代初め、ベルリン統一直後にJALがなにを血迷ったかフランクフルト経由でベルリン・シェーネフェルトにジャンボを突っ込んだときに取材タイアップでいただいた、人生初のビジネス・クラス空の旅。その後はずっとノースウェストKLMの縛りがあり、青いジャンボで渡欧の入口はスキポールばかり。KLMがミネソタのヤンキーと離婚し仏蘭西のオシャレな奴と政略結婚、その混乱で何故かKLMで買った便がエールフランスと提携していたJALにされてしまい、マイルが付かずに怒りまくった、ってことがあったくらい。お嫁ちゃまに至っては、チューリッヒからアムステルダム経由で戻る筈が飛行機が離陸直後に機材故障で引き返し、一緒に乗っていたハンドボール日本ナショナルチーム一行のマネージャーと一緒になってクローテン空港でわいのわいの談判し振り替えのチケットを出させたら何故かJALだった、という騒動のときしか鶴丸さんには乗ったことないそうな。

さても、やくぺん先生2年と1ヶ月ぶりのシベリア越え渡航、果たしてホントに実現するや。続きは、多分、数週間後。

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