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旧正月は新帝都で [売文稼業]

業務連絡です。以下、やくぺん先生の世を忍ぶ外の人に用事が無い方は、全く読む必要ありませんから、ムダな時間を過ごすことになるのでさっさとお帰りになった方がよろしいですよ。

三が日は新帝都で目出度く過ごし、えいっとやってきた温泉県盆地オフィス、なんのかんの半月の滞在の間、前半はあれやこれや客人があり、いつまでも新年宴会やってたような気分。こんな田舎なのに、今期滞在中は大分川に沿って延々と湾まで下り県庁所在地の県最大の文化施設まで3度も通い、由布岳向こうの超巨大温泉地でもひとつ演奏会があって駅前からバスで一本で行けたのだが、滞在前半でまるで仕事をしなかったお陰でパツパツ状態になって行けませんでした。スイマセン、アルゲリッチ様、ご体調優れないとのこと、いっそ温泉県に移住しませんかね。まあ、パリはともかくルガーノの方が暖かいのかなぁ。

てなわけで、一応、〆切落とさず必要なことは全て炬燵の中から済ませ、本日夕方に半島先っぽ空港からモモさんで日暮れ過ぎに春節休みスタートでインバウンド溢れてそうな新帝都郊外チーバは落花生空港に向かい、大川端縦長屋には午後10時前くらいには到着するかな。Door to doorで9時間弱、相変わらずの無茶苦茶な遠距離通勤でありまする。

以下、明日から如月5日にまた温泉県オフィスに戻るまでの新帝都滞在期間中、立ち回り先予定を記しておきます。なんか用事があったら、そこで捕まえてちょーだいなぁ。こういう日程をSNSにアップするのは危険だ、と仰る方もいらっしゃるようですし、まあそれはその通りなんでしょうけど、こんな電子壁新聞眺めてる奴はあの人この人両手の数ほどしかいないでしょうし(アカウント数とか、2005年だかの当私設無責任壁新聞張り出し以来、一度もちゃんと眺めたことないので知らんわい)、なによりも今やweblogは消滅寸前メディアだもんねぇ。なんといっても、「書いてあることはみんな嘘、信じるなぁ」をモットーとする信用出来んメディアですから!!

1月
20日:文化大 都響定期
21日:すみだ NJP定期
22日:三島市民会館 アンカナ特別演奏会
23日:文化小 モルゴアQ
25日:文化小 演連推薦クラリネットさんの現代物
26日:オペラシティ 19時 東フィル定期チョンさん
27日:仙台 19時 仙台フィル定期パスカルくん
28日:トリトン 14時 Qインテグラ
29日:ミューザ 14時 東響川崎定期
31日:鶴見 19時 エクプレトーク&ショスタコ第4回
2月
3日:紀尾井 19時 葵トリオ
4日:文化小 14時 芥川龍之介室内オペラ

うううむ、今、列挙して驚いたのはぁ…溜池が全然ないじゃあないかっ!つらつら思うに、この前チャリチャリと溜池まで走ったのは、一柳さんがお亡くなりになって遺作となってしまったヴァイオリンと三味線のコンチェルトを初演し見事最後の芸術祭大賞を獲得なされた読響さんのとき…かしら。このままでは2022年から23年の「冬」とされるグレゴリオ新暦12月から2月までの間、溜池近辺には全く寄りつかないことになるやも。

これって、どういうことなのか?新帝都近辺のヴェニュ環境が変化しているのか?今期の半月の新帝都滞在は、温泉県盆地に居るとまるで無縁となるオケを少しでも数稼がねば、というテーマなのに、どーゆーこーっちゃい。三島とか仙台とかの日帰りがあるからというわけでもないし、意外にもコンサートスペースなどに潜り込むこともないようだし。圧倒的に多いのが文化会館って、あんたは20世紀の人か、と言われそうだなぁ。

青山公園のつぐみんやシロハラさんたちはお元気なんじゃろか。さても、風呂掃除して、来週は氷点下9度まで下がる日があるという予想に怯えつつ水道栓を閉めて、ほーほーさんの御飯場をいっぱいにして…
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まだまだ雑用いっぱいじゃわい。

[追記]

今、温泉県半島先っぽ空港のラウンジにいるのですがぁ、ももさんのおねーさん(=ANAのおねーさん)に「明日からの春節で、やっぱりパツパツになってるんですか」と尋ねたら、え、春節ってなに、という感じで、温泉県便は特に…という話でありましたぁ。ま、やはりアジア圏からの国際線が再開してないから、ここはしっかりナゾの暦で生きてるニッポンみたいですな。

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古賀書店閉店祭りは24日まで [売文稼業]

今ややくぺん先生の周囲では軍事費大増税やらクリスマス大豪雪以上の話題の中心となっている、神保町古賀書店閉店の状況報告です。

もう皆様よーくご存じでしょうから、概説はこちらにお任せ。若旦那(じゃないんだけどね、もう)曰く、「東京新聞に出てから、もうたいへんです」とのこと。
https://www.tokyo-np.co.jp/article/220942
なんと驚くべき事に朝刊の一面トップだったそうで、中日新聞東京ローカルったら、一体どんな奴が紙面構成やってるんだか。空前絶後、前代未聞なんじゃないかな。

12月24日で閉店という情報がSNS上で流れ出したのが今月頭くらい、「若い人がいっぱい来ました。みんな音大の学生さんで、楽理なんかの高い本を買っていった」(四代目若旦那)とのこと。で、20日に東京新聞砲がぶっ放されたら、今度は初めて来るという人で大賑わい。本日23日、開店の11時前に行ったら、奥さんが店の前でお掃除始める前から外の安売りコーナー(だかなんだかもう判らなくなってる)の大判楽譜などに人が張り付いている祭り状態であります。
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お久しぶりです、なんて昔なら確実に皮肉であったろう挨拶をされてしまった若旦那のところには、もう次から次へと「閉店の挨拶」にやってくるかつての常連さんが列を成す。入口のガラス扉を開けて道を開いてあげなきゃならぬ杖をついた後期高齢者さんとかもいらして、文字通りの閉店祭りでありました。

幸いにして、店内はもう8割方空っぽです。あれほどあったミニチュアスコアなど、あと一棚分もない。我が温泉県オフィス図書館と在庫は良い勝負ではないか、というくらいまでスッカラカンになりつつありました。右扉から入った左側の雑然と大判楽譜が積み上がっていた辺りには、美術館の特別展なんぞで常に大人気の竹久夢二表紙画セノオ楽譜のオリジナル、お値段万単位のものがだあああっと並んでいて、なるほど詰めかけているのはこういうもの目的の人達じゃなく、ホンマモンの貧乏人なんだな、ということが良く判りますな。こういうものこそ、みんな大好き閉店祭りで駆けつけた方々がガッツリ買って行って、しっかり稼がせてあげて欲しいものでありまする。

火曜夜に2週間程の滞在予定で新帝都に出てきてから、この週末までは連日昼夜パツパツで、これは閉店祭りには参加出来ないなぁ、と残念に思っていたのですが、どうやら拙著の在庫がまだあるという風の便りを耳にし、これはマズいサルヴェージせねば、と角の富士銀行で万札引っ張り出し、慌てて向かったわけでありまするが、幸いにも閉店フィーバーの中、無事にどなたかの手に渡ったようで、もうありませんでした。で、これなら大丈夫と安心し、爆買いやら大人買いとは言えないまでも、人々が貼り付いている楽器別分類の大判楽譜コーナーには近寄らず、まあ持ってそうな人はもう持ってるだろうとしか言いようがない初版1000部刷るか刷らないか、ってなもんの中からめぼしいもん(こんなことでもないと買わないよーなもん、なんて言わんよーに!)を物色。持ってけドロボー在庫一斉セール半額で、7500円だかほど購入させていただき
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年明けには温泉県図書室に持ち込みます(嗚呼、LCCの荷物、買わねば…)。無論、「これは俺なんぞよりも持っておくべき人がいるぞ、ちゃんと研究室に入ってるかな」という書籍に関しては、店内から慌てて連絡し、「あるけど、要る?」って尋ねられるのはSNS時代のありがたさであることよ。だってさ、一昔前だったら授業中の教官に電話なんて出来ないもんね。

さても、多くの皆々様の最大のご関心でありましょう、残った在庫はどうなるの、って心配でありまするが、四代目若旦那曰く「ネットオークションとかに出します」とのことです。閉店の報があってから、あちこちで「あそこにあった本はどうなるのか、音大図書館とかが引き取れないのか」という声が挙がり、今流行の意識高い系地方移住者らの手によるオシャレでエコでサステイナブルな地域古書店なんかがネットワークセンターにならないか、なんて話も出ていたものの、四代目とすれば「ま、いろいろやってください」とのことでありました。

現実問題として、バックヤードにどれくらいの在庫があるのか尋ねなかったけど、店頭に出ているものだけになっているのならば、もう貴方や私の個人所有レベルの量になってますから、さほど心配することもないでありましょう。だけどぉ、一巻だけある日本語版ニューグローヴとかって、どーするんだろうねぇ。漬物石にもならんぞ。

やくぺん先生個人的には、生活拠点がお茶の水近辺にあったカザルスホール存続騒動前まではともかく、その後は3年毎の引っ越し生活で書籍は可能な限り増やさない生活だったので、思った程利用していたわけではない。それより、パブリックドメインの楽譜はISMLPでその場で眺められるなんて環境になる遙か前は、しまったあそこどうなってる、と走って行って調べるなり、買い込むなりする場所だった。ホントに酷い客だったよなぁ、と苦虫潰した顔で眺められてた若き日の四代目婿さんに佃煮の折りか大分の柚子でも抱え、「ご迷惑かけました」と挨拶しないといけなかったわけでして…

で、これからどーする。

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温泉県盆地でも仕事が出来るのじゃ [売文稼業]

暮れも押し詰まった冬至前の寒い朝、今回の2週間の滞在も、実質本日までなのであーる。

日曜晩から連夜の酒席でキッチンにワインの瓶が転がる去る火曜日、帰京後は年末ダイクコンマス仕事をいくつも控えた遠来の客人がラックホール舞台で音を出してみるのに付き合ってからバスセンターまで送り
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水曜にローカルFMで喋って
https://yakupen.blog.ss-blog.jp/2022-12-14
あとは一切の暖房設備がない極寒の和室に禁断の炬燵を引っ張リ出し、年明け〆切の原稿2本を処理するべぇか、とノンビリ構えていた日暮れ前、新帝都は某一般誌プーチンのお尋ね者編集長から電話で原稿打診。おいおいと呆れながらも、翌日木曜朝にはネタ出しを入れ、返事がないから流石に時間的に無理ということになったかと思いかけた夕方に、「じゃ、このテーマで行きましょう、〆切は来週月曜日必須」との無茶ぶり。そこから大慌てで前日まで購入可能な「JR九州3日間乗り放題敬老ネットパス」9800円也を予約するも、なんと引き取りは午後7時半までじゃないかと夜道をチャリチャリ走らせ、閑散とした閉店間際の駅窓口で
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すっかりメンツが割れてる駅員ねーちゃんから購入。

かくて敬老切符使いまくり最初の金曜は、久大線九州新幹線乗り継ぎ熊本まで行き某作曲家さんのインスタレーション&音楽展示を眺め
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ご本人は日田で地元ブラバンと仕事してるところを訪ねる。

土曜日は、雪になるというので由布岳越を躊躇っていた別府に向かい
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某長老ギター奏者さんに話を聞く。

そして昨日は朝からガッツリ積もった雪に足を取られながらまた駅まで歩き、倉木山方向に幾つも山筋超えた彼方の豊後高田に向かい
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葵トリオ三分の一のピアノ拝聴しつつホールの業務マネージャーさんにプチインタビュー。深夜の世界サッカー大会決勝ホイッスルが鳴る前までにネット取材で素材は揃い、さああああ、いよいよ前頭葉勝負の作文日なのであーる。

東京湾岸&新開地葛飾から仕事場を移しまる1年記念の来客三昧の滞在、最後は「こんなウルトラ田舎を拠点にしても、こんな無茶な商売がやれる」という証明みたいなことになってもーた。

朝7時半に行ってしまうゴミ出しに慌てて集積所に歩む小雪混じりの凍結した道の彼方、倉木山の稜線の向こうから遅い南国キューシュー島の朝がやってくる。
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さあ、働け、あたしっ!

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他人様のやるインタビュー [売文稼業]

やっと某専門誌からミュンヘンの記事のレイアウトが決まったと連絡があり、原稿作業に着手しております。で、インテグラが本選を終わったあと、結果発表までの間に楽屋でやったインタビューがあるよ、共同通信さんと一緒だけど、と伝えていたら、予想外なことにそれも囲みの形で小さな記事にしろ、とのお達し。かくて今、テープ起こしを終えたところ。ふうう…

無論、中身については「来月頭発売の本紙を見よ」なんですけど、いろんな意味でなかなか興味深いなぁ、と思ったです。何を言いたいかといえば、「一般記者さんというのは自分が全然判ってないことを記事にしないといけないんだから、とんでもなく難しい商売だなぁ」という当たり前過ぎる感想と、「やっぱり小生らのような専門記者というのは視点が極めて狭くなってしまうのであーる」という己に対する反省でありました。

国際コンクールの結果が日本語の各メディアにニュースとして取り上げられ、大いに話題になったり、へぇそれがなんなんだいだったり、ってのは皆様よくご存じでありましょう。そんなニュースのソースって、実は往々にして共同通信などの通信社で、通信社が各メディアにニュース記事を売り、メディアはそれを買って、自分の媒体に掲載するわけですね。ミュンヘンのクラスのコンクールでも、NHKや大手新聞社が自分の記者を派遣するなんてことはまずありません。そもそもミュンヘンなどというドイツで最大の州の州都でも、自前の支局を持っている日本のメディアはひとつもないんじゃないかしら。かくて、日本でも名が知れたコンクールで日本人参加者がファイナリストになったりすると、ことによると優勝してくれるか、入賞でもその音楽家の地元の新聞やテレビ局が「我が市出身の若い音楽家が〇〇コンクールで堂々の2位」なんて報じてくれる、即ち、記事を買ってくれる可能性が大いにあるわけですから、通信社の社員記者さんが遠路遙々やってくるわけですわ。

ミュンヘンは、ファイナルに日本人が残るとベルリンから共同通信がやってくるのは毎度のこと。やくぺん先生が前回ミュンヘンに行ったのはいつだったか、ウェールズだかアマービレだかがファイナリストになったときは若い男の子の記者さんが来て、こいつがもう「ドイツの劇場」というのがどういうシステムなのかまるで知らん奴で、お前、ベルリンで劇場やホールに個人として行ったことないだろー、って呆れる困ったちゃん。なんせ、いくらプレスパスを振り回そうが、クロークのおばちゃんは背負子やでかい荷物をオーディトリアムに入れさせてくれない。でも、どんなに大きかろうが、トートバッグならOKもーまんたいなのであーる、という基本的な劇場対策すら知らない。で、客席前でもめていたりするもんだから、まあまあと間に入ってあげる。そんなとこから始まり、カメラ撮影の無言のルール(通信社さんは、大会提供公式写真じゃなく、自分らのクレジットが入る自前撮影写真を撮りたがります…カメラマン受難時代ですなぁ)、入賞者へのインタビューの仕方、審査員に話聞きたいけどどうしよう、等々。なんで俺はこいつのご指導をせにゃならんの、汐留の共同通信本社に請求書持ってっちゃうよ、って有様。

今回はどんな奴が来るんだろうか、と不安だったんですが、なんとなんと、今回ベルリンから押っ取り刀で駆けつけた記者さんは、極めて優秀な女性でした。自分が知らねばならないこと、自分が何を知らないのか、きちんと把握している。んで、いろいろ教えてくれと言うから、予選からの状況の説明とクァルテットのコンクールとはどいういうものかの基本レクチャーを休憩中にしっかりやる。で、この人は大丈夫だと思ったんで、広報さんから「終演後に話きく?」と言われていたのにお誘いし、一緒に囲み取材をすることに。こっちはいつでも話は出来るからそちらの関心で全部やって下さい、と放り投げ、横で録音機を回し、まるで「解説者」かなんかのように、インテグラの皆さんの発言がどういう意味なのか説明したり、重要なポイントを突っ込んだり。
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商売として短い原稿に必要なことを突っ込むためのポイントを押さえたインタビューをなさり、へえ、そういうことを知りたがるのかぁ、と大いに勉強になった。かくて、以下のような原稿が終演後のパーティの席でひとつ机占拠して書かれ…翌朝にはニッポンに伝わり、世間の話題となったのかならなかったのか。残念ながらインテグラは首都圏出身者ばかりで、地方紙への販売や追加取材の要請はなかったんでしょうけど。あ、西日本新聞、全文は読めないんだなぁ。讀賣朝日毎日はどういう風に記事を作ったのかしら。写真、やっぱりひとつしかないのか。
https://www.nishinippon.co.jp/item/o/986830/

ま、いくらなんでもあたしゃもうちょっと音楽ファン向けの内容の記事を入れますので、しばしお待ちを。

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業務連絡:カメラマン仕事暫く出来ません←撤回! [売文稼業]

業務連絡です。

アホ過ぎる、情けなさ過ぎる話ですけど…メインの一眼レフと望遠ズームレンズを紛失しました。遺影。
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昨晩からJR忘れ物問い合わせとコンタクトしておりますが、現時点で連絡はありません。バックアップの一眼レフは温泉県盆地オフィスに置いてありますので、「急なカメラマン込み仕事、当面、出来ません」という告知をせざるを得ませんです。

なお、毎度ながらの安定した貧乏っぷり故に、同クオリティの新しいカメラ&レンズを直ぐに買うのは不可能。当面、大きな額のギャラが入ってくるお仕事も予定がありませんので、ことによるともうこの先は条件が厳しい撮影込みのフォトジャーナリスト系の取材は出来ないかもしれません。

正直なところ、紛失そのものよりも、いままでは背負子を背負った瞬間に「あ、カメラキットが入っていない」と判った、そんな体感センサーがダメになっていたという事実の方にショックを感じております。いくら暑かったから、眠かったからといえ、あれだけの重さの違いを感覚が察知しなかったわけで…これは老化のレベルがひとつ違うものになったぞ、とかなり深刻な落ち込み状態。

うううむ、爺になるってのはこういうことなんだなぁ。楽器を弄る演奏家の方など、フィジカルな感覚を商売にしている方などは、マジでお気を付けあそばせ。

後の記録の為に無き愛しきマシンたちのために最期の様子を記しておきますとぉ、諸事情で常磐線各駅停車で南相馬の2年前まで立ち入り禁止不通地区をノンビリ新帝都に向け上っており、いわき駅に到着。ここで磐越東線に乗り換えるべく下車したわけです。客はいわき駅からの特急に乗り換え常磐線で新帝都を目指す原発関係者ばかりで、延々とこのまま2時間以上水戸まで向かう各駅停車には帰宅学生がどっと乗って来てワンマン列車内はほぼ総入れ替えになったよーであった。そのボックス席にポコンと一眼レフ君たちを転がしたままにしてきてしもーたのであーる。

うまくいけばいわき駅にあるのだろうが、この後、常磐線は水戸の南で踏切事故がありダイヤが混乱するという悪条件。駅はバタバタだろうから、まぁ、これが見納めであろうと思っております。

持って行かれた方がいらっしゃったら、売っても二束三文にしかならぬ古いカメラですから、なんとか上手く使ってくださいな…と言いたところだが、かなり扱いが面倒なカメラなんで、新たな天地で活躍も厳しいだろーな。メモリーカードにバックアップでなかなかヤバいデータも入ってるんだが(小澤征爾氏がロッラのセミナーで若い弦楽四重奏にラズモの1番を教えていて思わず4人を前に指揮を初めてしまった隠し撮り、とか…)、まぁ、その価値が判る奴の手に渡ることはまずないでしょう。

ううむ、9月のミュンヘン、どうするんじゃ?やはり神様がカメラ付き取材からも引退を勧告をしているってことなのかなぁ…

[重要な追記]

というような告知をすっかり夏日照りの無責任私設壁新聞にアップし、鶴見のQアマービレに向かったら、なんとなんと、JR東日本さんから「それらしきものが常陸多賀駅にあるから7月4日までに取りに来るよーに」という案内が来ました!

てなわけで、まだ確実に戻ってくると判ったわけではありませんけど、まず間違いないでしょうから、さっさと当電子壁新聞見出しのフォト取材引退宣言、あっさり撤回いたしますう。明日はしっかり横浜でお仕事だってしちゃうからね。

それにしても、凄いぞ、ニッポンの鉄道!素晴らしいぞ、福島・茨城県の人々!トレニタリアだったら絶対に返ってこない!KTXだったら危険物として回収された瞬間に破棄必至!アムトラックだったら…ううん、どーなんだろーなぁ?

[追記の追記]

今、常陸多賀駅で一眼レフくん、無事に受け取りました。
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この駅に常磐線の遺失物センターがあるわけではなく、単にこの駅を利用したどなたかが落とし物として駅員さんなりに渡し、保管されていただけのようです。残念ながら拾い主の情報は記録していないそうで、判れば佃煮の折りでもお礼に送らせていただこうと思っていたのですが、そういうことも出来ないのが残念。

一眼レフくんもレンズ君も、全くどこも弄られた感はなく、ホントに2日間お泊まりしてただけだもーん、って顔してます。うううん、アフリカ南米を除く世界全ての大陸を旅してきている猛者とはいえ、なかなか根性座ったマシンじゃわのぉ。

とにもかくにも、恐らく生涯二度と用がなさそうな常陸多賀駅、駅前中華で冷やし中華喰って、帰りはJRさんへの感謝の念を込めて特急ときわ指定席で東京駅まで戻らせていただきます。いやぁ、いろいろ勉強になりましたぁ。

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地獄の水無月やっと半分終了 [売文稼業]

なんでこんなことになったんじゃ、と呆れるしかない水無月の日程もなんとか半分終了。一昨昨日の終列車で温泉県盆地オフィスに戻り、一昨日に梅雨の晴れ間に敢行された馬鈴薯デストロイヤー(マジ、そういう名前の品種だそうな)初収穫だったのだけど
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誰がどう見ても過労と判断されるらしいやくぺん先生ったら、庭師さんからあっさり戦力外告知を受け、北の大地から運び込んだ白アスパラがぼーっと煮上がるのを眺めてただけの役立たずっぷり。卵黄と溶バターを混ぜて、檸檬搾って湯煎しながらグルグル回しているだけで、もう全パワー消耗でありまする。ほいっ。
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閑話休題。世間では「自分の日程はSNS上にアップするな」という常識があるようですけど、佃にも温泉県盆地にも盗まれて困るのはやっと出てきた西瓜とメロンの花芽くらいしかないあたくしやくぺん先生ったら、平気で地獄の日程をfacebook上に公開で貼り付けたら
https://www.facebook.com/yawara.watanabe
出向くあちこちで捕まえて用事申しつけようという方々が続出。なるほど、それならこっちにも、と当電子壁新聞にもやくぺん先生の世を忍ぶ仮の姿の出歩く先を列挙しておきましょ。まずは、水無月前半過去編から。ペトっ。

5月31日:札幌キタラ小 エク札幌定期
6月1日:上野文化小 21世紀音楽の会新作初演弦楽四重奏等
6月2日:飛行船シアター ヴィオラ・スペース
6月3日:藝大奏楽堂 リゲティ特集
6月4日:作業日(相模湖交流館 ヴィルタスQを予定していたのですけど、どうしても作文仕事が溜まり行けませんでした、ゴメン)
6月5日:札幌キタラ小 ダネルQ
6月6日:武蔵野市民文化会館大 モーツァルトハウスQヴィーン
6月7日:サントリー小 アトリウムQ
6月8日:サントリー小 葵トリオ
6月9日:びわ湖ホール小 ダネルQ「ショスタコーヴィチの弦楽四重奏」レクチャー
6月10日:びわ湖ホール小 ダネルQ、フェニックスホール プラジャークQ
6月11日:直方美術館 エク
6月12日~14日:温泉県盆地オフィス馬鈴薯初収穫&作文仕事

ううむ、この間の長距離移動のみを記せば、温泉県盆地→札幌→新帝都→札幌→新帝都→神戸→京都→浜大津→大阪→糸島→直方→温泉県盆地

で、後半はこんなん。次の温泉県盆地オフィス帰着まで記せば…

6月15日:桃航空大分昼便で新帝都へ サントリー小 酒井あっちゃん
6月16日:紀尾井 エベーヌQ
6月17日:錦糸町NJP吉松交響曲第6番、豊島 古典Q
6月18日:サントリー小 CMGフェロー発表会
6月19日:豊島マリーコンツェルト アミティQ
6月20日:上野文化小 大友肇無伴奏
6月21~25日:ジェット★で温泉県盆地へ、華の都からの来訪客&作文仕事
6月26日:茅野 エク
6月27,28日:某所で作文作業に専念
6月29日:鶴見Qアマービレ、ハクジュひばりQ
6月30日:神奈川県民ホール小 エク&とこさんら
7月1日:初台 Music Tomorrow
7月2日:銀座 Qインテグラ
7月3~12日:温泉県盆地オフィス

後半の長距離移動は、温泉県盆地→新帝都→茅野→新帝都、だけだから、前半ほど酷くはない。とはいえ、温泉県盆地オフィスに遠来のお客さんをお迎えするというのがあるからなぁ…

ちなみに、今年はちょっと畑が遅くて、馬鈴薯の本格収穫は文月に入ってからになるそうな。なんだかあっという間に9月頭のミュンヘンになっちゃうわい。

こんな無茶が出来るのもあと数年。頑張れ、やくぺん爺さん!

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ロシアから出禁にされたメディアは… [売文稼業]

どうせ「書いてあることはみんな嘘、信じるなぁ」をモットーとする当無責任私設電子壁新聞だから今更隠しても仕方ないことでありまするけど…

ロシア共和国が始めたあっと驚くアナクロニズム丸出しの18世紀型近接領土拡大侵略戦争については当私設電子壁新聞では一切触れておりませんでした。媒体としての性質上、Facebookでは挨拶代わりに口にすることもありましたけど、誰も行方が判らぬグーテンベルク革命以来の巨大情報改革が起きている中での初の本格的な「主権国家」レベルの情報戦争、恐らくは使用人口千万単位以上で電脳空間にアクセス可能なあらゆる言語空間が戦場となっている誰も経験したことないこんな状況に於いて、何かを口にすることがどんなバタフライな影響を与えるか、スタトレ世界の転送装置を可能にするような素粒子レベルでの位置把握が可能な状況でもない限り絶対に判らぬ。そんなヤバい場所で気楽にあれこれ言うほどのアホにはとてもなれず、勇気あるシロートの皆様が自ら進んで戦場に巻き込まれ次々とのたれ死んでいく(殺されているのも知らずに)のをぼーぜんと眺めるばかりだったのでありまする。

とはいうもの、引退宣言をしたとはいえ流石にこれは我が事とも直接関わる話なので、皐月も5日のこどもの日に由布岳から麦の秋の匂いを運び吹き下ろす爽やかな朝の風に吹かれ、親に御飯ちょと叫ぶ百舌鳥っ子と夜も明けたのに泣き続ける蛙たちの声を聞きつつ、後のメモとして記す次第。

日本時間の昨晩、ロシア共和国外務省が、ロシア入国禁止とするニッポン国籍所有者63名の氏名リストを発表しました。どうやら5日朝の時点で在日ロシア大使館の日本語ホームページにはアップされていないようなので
https://tokyo.mid.ru/web/tokyo-
日本の通信社経由で各新聞朝刊が報じているリストを以下にコピペ。毎日さんのYahoo!無料ウェブ記事からです。
https://news.yahoo.co.jp/articles/2989e567b41b1e700f1d3e3a99df90dcf6ac22d6


(1)岸田文雄 首相
(2)松野博一 官房長官
(3)林芳正 外相
(4)鈴木俊一 財務相
(5)岸信夫 防衛相
(6)古川禎久 法相
(7)二之湯智 国家公安委員長
(8)西銘恒三郎 沖縄・北方担当相
(9)秋葉剛男 国家安全保障局長
(10)山東昭子 参院議長
(11)細田博之 衆院議長
(12)高市早苗 自民党政調会長
(13)佐藤正久 自民党外交部会長
(14)松川るい 自民党国防部会長代理
(15)森英介 日本・ウクライナ友好議員連盟会長
(16)志位和夫 共産党委員長
(17)石井苗子 日本維新の会参院議員
(18)熊野正士 公明党参院議員
(19)森裕子 立憲民主党参院議員
(20)阿部知子 衆院沖縄・北方対策特別委員会委員長
(21)秋葉賢也 同理事
(22)国場幸之助 同
(23)鈴木隼人 同
(24)堀井学 同
(25)石川香織 同
(26)大島敦 同
(27)杉本和巳 同
(28)稲津久 同
(29)青木一彦 参院沖縄・北方問題特別委員会委員長
(30)青山繁晴 同理事
(31)今井絵理子 同
(32)北村経夫 同
(33)勝部賢志 同
(34)高瀬弘美 同
(35)大塚耕平 同
(36)清水貴之 同
(37)諸星衛 北方領土問題対策協会理事長
(38)佐伯浩 北方領土復帰期成同盟会長
(39)脇紀美夫 千島歯舞諸島居住者連盟理事長
(40)桜田謙悟 経済同友会代表幹事
(41)鬼木誠 副防衛相
(42)岩本剛人 防衛政務官
(43)中曽根康隆 同
(44)山崎幸二 統合幕僚長
(45)小野日子 外務省外務報道官

ここまでが所謂「政治家&役人、経済界」なんぞの連中。まあ、そんなもんでしょ、というだけのこと。勿論、どーしてあの名前やこの名前がないのか、ロシアが交渉相手としてカードに残しているのが誰なのか、などなどいろいろ勘ぐりたくなるのは仕方ないけど、それはそれ。興味深いのは、それ以降の名前です。

(46)飯塚浩彦 産経新聞社社長
(47)近藤哲司 産経新聞社専務取締役
(48)斎藤勉 産経新聞社論説顧問
(49)遠藤良介 産経新聞社外信部次長兼論説委員
(50)山口寿一 読売新聞グループ本社社長
(51)渡辺恒雄 読売新聞グループ本社主筆
(52)二宮清純 スポーツジャーナリスト
(53)岡田直敏 日本経済新聞社会長
(54)長谷部剛 日本経済新聞社社長
(55)井口哲也 日本経済新聞社編集局長
(56)湯浅次郎 選択出版代表取締役
(57)加藤晃彦 週刊文春編集長
(58)袴田茂樹 青山学院大名誉教授
(59)神谷万丈 防衛大教授
(60)櫻田 淳 東洋学園大教授
(61)鈴木一人 東京大教授
(62)岡部芳彦 神戸学院大教授
(63)中村逸郎 筑波学院大教授

58番以降は「大学の先生」で、へえ、こういう連中がロシア外務省さんにはダメ出しされてるのね、というデータ。これらの6人の先生達、ロシアからお墨付き状貰ったようなもんですから、もう今日からはメディアで引っ張りだこでしょうねぇ。メディアへの出演料や文字媒体の原稿量がいきなりアップしたりして。

で、やくぺん先生的に最もビックリというか、あれまぁ、なのは、46番から57番までの11名。そのなかでも、ニッポン国市ヶ谷大本営直属御用達メディアたるサンケイさん、自民党大衆情報操作統制部たる讀賣さん、ニッポン国大企業広報部&株価操作担当の日経さん…などなどは当然ながら、残るふたつの出禁枠です。

へえええええええええ…

これ以上は、もう言いません。なるほど、そーなんだぁ、出禁なんだぁ。うちの畑でメロンが出来たら、真っ先にお祝(?)に持ってかないとなぁ。
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無論、紀尾井町は参議院宿舎前の方じゃありませんから。

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戦時下新帝都の朝 [売文稼業]

おはよう御座います。このところ、周囲に流れる情報の膨大さと、処理せねばならない作業の間にギャップがありすぎ、40代の猛烈な前頭葉の体力が無くなっている爺としてはアップアップ状態。当電子壁新聞と自分の個人日記(確定申告書類作成時に不可欠!)まですっかり手が回らなくなっておりまする。歳は取りたくない…

てなわけで、久しぶりに当電子壁新聞立ち読みのみの酔狂な方々にご挨拶。実質、コロナ&1850年代型領土拡大戦争下非常時の朝の風景雑談。

今、確定申告締め切り2日前の日曜日朝、大川端縦長屋を出て、都営大江戸線で西新宿五丁目駅に向かっております。流石にガラガラです。朝の10時半からオペラシティで諏訪内監督の個人音楽祭で、朝から馬場でブラームスの二重奏ソナタと弦楽四重奏を除く全室内楽演奏、という無茶苦茶な演奏会の午前の部、ピアノ三重奏全曲となにやらあれこれ、というのを見物に参ります。

おいおい、全部聴かないのかい、あんたは、と突っ込まれそうだが、そー、この午前の部だけで失礼させていだだきます。午後3時からは、一体何度延期になったのだ、とこれまた突っ込まれそうな東フィルさんのプレトニヨフ指揮《我が祖国》全曲を拝聴。その後、夜の部に戻ればいいじゃないかと仰られるかもしれんが、正直、ブラームス室内楽全曲のハイライトはレア度から考えれば本日はどうしても聴けないピアノ四重奏全曲で、弦楽五重奏や弦楽六重奏のような定番は敢えて纏めて聴く必要なし、という判断です。

本音を言えば、一昨日のモダンものでも明らかだったスター監督の合わせがちゃんと時間が取れないこの日程での演奏は、「全部纏めて聴く」という勢いがないと評価が難しい。で、無理に聴く必要はない、ということ。ま、お判りの方はこれ以上書かなくても言いたいことはお判りでしょうから、今のロシア市民の様に裏の意味を察して下さいませ。正直、やくぺん先生がマネージャーや主催者だったら、この演奏会は止めます。音楽監督さんから嫌われ担当を外される可能性もあるだろうけど、どうしてもやりたいなら全曲出演者団体は別、監督は最後にト長調弦楽六重奏曲の第1ヴァイオリンのみ出演、と強固に主張するだろうなぁ。うううむ…

ま、それはそれ。問題は、その間に急ぎの面倒なメールをふたつ入れないとならんこと。ひとつは、現在トーキョー滞在中の某指揮者さんに「マーラー新録音についてのインタビューがどっかで出来ないか」という問い合わせ。なんのことはない、昨日はオケの皆様のご厚意で楽屋裏で立ち話だけは出来たものの、まだ編集者さんから最終的にGOかどうかの指示が来ない。本日4時過ぎに池袋で演奏会が終わるや成田に突っ走り、戦時下シベリア・ルートのクローズのあおりを食ってアブダビ経由で国に戻って明後日夜にはどっかでオペラの練習に飛びこむ、って無茶苦茶にお忙し氏な奴に、もう対面で話をしている時間はないよねぇ、ネットワークでやるしかないか…という連絡。

あ、網都庁前駅だ。もうひとつは、明日、エクのショスタコ全曲シリーズ前のプレトークで司会をする内容が、現在の状況を鑑み予定通りで良いか、ゲストスピーカーのロシア音楽専門家の先生と打ち合わせをせねば成らぬ、という超急ぎのメール。こんなアホな電子壁新聞やってるなら、そっちやれ、ってに!

おっと、西新宿五丁目駅に到着してしまった。昨日は芸劇1階喫茶店で税理士さんとお会いして税務作業完了の判子とサインを押し、幸いにも国民の義務は無事に果たした新暦弥生半ばにして春も盛りの新帝都。

でも、ここ新帝都トーキョー、そこに生きる庶民やら庶民じゃない奴らも、やっぱり戦時下の非常時。人生の最後のフェイズで、ヴェトナム戦争末期以来の「核戦争で世界が滅ぶかもしれない」感をどっかに覚えつつ過ぎていく時間を半世紀ぶりに経験している、春も盛りの新帝都の田舎者でありましたとさ。

開演まであと1時間、喫茶店に入り込んでる時間があるかっ!

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買えない本の紹介文 [売文稼業]

明後日朝には新帝都に戻ります。その理由は、この本を返すため。
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今回の新年温泉県オフィス滞在の目的は、某年鑑の室内楽概論と、この本の紹介文をやっつけることにありました。

本来なら、今、この瞬間は巴里のシテ・ド・ラ・ムジークからトラムで一駅くらいのアパート宿にいて、丸二年ぶりのシベリア越えの長旅でええ加減体もおかしくなっていて寝られんぞぉ、なんて言ってる頃。いよいよ本日から弦楽四重奏ビエンナーレが始まり、まずはやくぺん先生現在の欧州一押し若手チャリック一家の演奏会があるぞぉ、って筈だったのに…。ちなみに来月頭のアムステルダムのビエンナーレは中止になったそうな。ハイデルベルクはどうするんじゃろかね?

もといもとい、そんなあり得なかった今を嘆いてもしょーがない。巴里行きがなくなった時点で引き受けた明日締め切りの仕事、まだ作文作業という意味では一行も出来てないんだからさ。

ええ、そういうわけで、中身に関しては触れられないんですけど、やってるものはこういうもんです。こちらをご覧あれぇ。今時、本の紹介がYouTubeの動画になってるなんてドイツもやるじゃないか、と思うかもしれんが、なんのことはない、こういうやり方がいちばん手っ取り早い書籍であることは、ご覧になればお判りでしょうぞ。

紹介文とはいえ、媒体が媒体だけにペラペラ捲ってさあ書きましょ、というわけにもいかず、重さ3キロの現物をドカンと机にのっけて、去る月曜午後からさっきまでまるまる三日間かけてひと渡り目を通したところであります。昨日一昨日と雪模様で、お籠もり作業には最適な(?)空様。外に出たのは、雲の切れ間に雪景色の由布岳を眺めに田圃の中まで気分転換に出たときだけ。今日は晴れて、昨日から雪の中に射撃音が轟いていた日出生台の新年演習もやっと本格化、朝からヒヨちゃんや、うちの周辺を縄張りにするジョビ子さんや百舌鳥姫だけじゃなく、我が軍の先鋭目達原のアパッチやら陸自鷹やらも飛びまわってるお役所仕事も本格化した正月明け。

この作文仕事、何が困るって、普通の書評とは違って、紹介している本をこの鎖国列島で購入するのはほぼ不可能という事実。今時Amazonやらで買えない新刊本があるのか、と呆れるでしょうが、現実問題、Amazonでも入荷不可だし、いかにも返そうなデゥスマンのサイトでも品切れで入荷未定になってます。実際、仕事を下さった編集さんは自分でも欲しくてリクエストしてるけど、半年以上立つのにまだ来ないそうな。ボンの市ミュージアムに直接頼んでいてこの有様だそうで。日本にはアカデミアに数冊入り、昨年暮れに在庫があるというのでノコノコ行ったら、「あれ、ありませんね」ってことなってましたです。いつ入るか未定だそうな。

つまり、当面のところ、紹介されたところで殆どの人にとって手に取るのは不可能、って幻の本なわけです。デュッセルドルフやらケルンに住んでる人が日本に来るならちょっとボンまで行って買って来てちょ、というのは荷物になりすぎるし、そもそも今、ニッポンは鎖国状態じゃけんのぉ。世の中には「存在しない本の書評」という特殊なフィクションのジャンルがあるけど、なんかそんなもんをやってるような気がしてくるぞ。

まあ、ピリオディカルではなく少し時間がかかるタイプの媒体なので、いずれ入るようになれば、ということでしょう。文化会館の資料室なんかが買っておくべきなんだろうなぁ。

とにもかくにも、これから一休みして、明日の夕方まで作文作業にかかりましょ。明後日は朝の5時起きで水道の元栓閉めて(明日から氷点下6度とかの朝が続くそうで、水道管が凍結して破裂するやもしれんのです)、通学の高校生と一緒に夜明け前の6時台の大分行き久大本線各駅停車に揺られ、デカく太い本をプチプチにグルグル巻きにし納めたアホみたいに大きな荷物をジェット★さんに預け、成田に向かいます。本を編集さんに返却することが目的のニッポン新帝都訪問、18日夜までセレブなブンチョウ様お住まいの佃縦長屋に寝かせていただき、上野やら溜池やら池袋西口やらに出没する予定ですので、対面で用事のある方はその辺りで捕まえて下さいませ。

この三日間、マスクをしたことがないぞ…

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新春初仕事は雪の新帝都とZoomで [売文稼業]

遙か新帝都からここお温泉県盆地に入り、何日が過ぎたやら。お嫁ちゃまも新年初仕事で東に戻り、本日は明日締め切りの初荷原稿に専念する筈が、来週末から数日新帝都に戻ってる間にやる予定だったインタビューが掲載媒体の作業進行の都合でどうしても今日しかやれないとの連絡。

じゃあオンラインでやるしかないですね、ってことで、慌ててZoomを設定。今回の新オフィス滞在中はインタビュー系仕事は予定がなかったから、現役の録音機くんは佃縦長屋でノンビリ寝正月してら。うーん、しょーがないなぁ、と和室に積み上がった段ボールをひっくり返し、イラク戦争で米英軍が首都に迫る緊迫状況の中でアムステルダムからブリュッセルに向かう車内で置き引きに遭い盗まれてもーたDATデンスケくんの後を継ぎ、はや2010年代終わり頃には引退していた初代EdirolのR-09くんという電化製品としての使い勝手が猛烈に悪い奴を掘り出すのであった。
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メモリーカードがちゃんとしてるかチェックし、電池を充電し…そこまではいいものの、耄碌爺初心者は使い方なんぞすっかり忘れてしまったぞ。慌ててWebを探すと、なんとありがたや、使用説明書PDFファイルが落ちているではあーりませんかぁ。有り難ぁく引っ張り出し、あわてて学習しなおし…

ってな調子で明日締め切りの作文予定を半日先延ばしにして、あれやこれや準備を進める。楽譜類も和室段ボールの中で引っ張り出せず、これまた仕方なくISMLPからバッハなんぞをダウンロード(無伴奏チェロ組曲ニ長調の4つの異なる版を全部並べてアップしてくれている便利な楽譜なんぞもあって驚いたのだが、そんなもの引っ張り出して遊んでる暇はないっ!)、ディリアスの小品は著作権は切れているのだけどISMLPに上がってないんで、編集担当者に「ないよぉ」と悲鳴を上げたら、おやおや、全ページを写メールで送ってきたぞぉ。ううむ、まあ、どういうものか判ればいいんだから、これはこれでいんだけどさ。

そうこうバタバタするうちに指定時間が近づく。ったら、なんと新帝都が大雪で、今朝戻ったお嫁ちゃまも仕事で出向いた仙川から佃に戻るのが一苦労だったとのこと。Zoom画面の向こうに揃わにゃならん方々もいろいろあるようで、まさか雪りしきる千葉の山の路肩に車駐めてそこからZoomに入る、なんてことして遭難でもしようもんなら冗談では済まぬ。かくて開始時間を遅らせてくれとの話になり、あれやこれやあれやこれや。

こちら温泉県盆地は、昨日来大雪の可能性を言われていたようだけど、案外と暖かく氷点下ギリギリくらいまでしか下がらず、霙がちらついただけ。本日は朝から10分ごとに空模様が変貌する冬の天気が続き、由布岳が見えたり隠れたり、夕方から夜になっていくのを眺めながら、典雅なディリアスをヨーヨー様の演奏で拝聴したりしながらボーッと待って…

そんなこんな、石武やくぺん先生新オフィス、本来の作文専用お籠もり場としての機能を十全に発揮する1日でありました。さて、明日は半日遅れた原稿に戻って夕方には初稿を入れないとマズい。食い物は佃大川端から運んできた31.5キロの荷物の中にガッツリ含まれていた切り餅の山があるので、もーまんたぃ!

以上、内容皆無、ご隠居の山中生存確認でありましたとさ。ともかく、温泉県盆地で遭難せずに、なんとか生きてますぅ。

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