指定管理者制度の末路 [指定管理者制度]
数日前の日本経済新聞に、このような記事が掲載され、一部業界内で話題となっております。魚拓的な意味で、記事コピーお許しを。
日本経済新聞 印刷画面.pdf
記者名がなく、どういう専門の記者さんが書いているのか判らないけど、ま、新聞記事とはそういうものだと割り切って、記録としてアップします。
当電子壁新聞でも「指定管理者」が大騒ぎとなり、某市での議会での審議状況を扉薄く開けて盗み聞きしている状況をまんま中継していた導入時が、もう歴史となり忘れ去られ、誰も関心を持たなくなって久しい「文化施設の指定管理者問題」、導入時には誰も考えていなかったようなとんでもない欠陥というか、「経済性」を追求すれば当然企業とすればそういう判断をすることもあり得る問題が、たまたま鎌倉というメディア関係者が住んでたりするような場所で露呈するようになったために、ニッポンの経済界世論形成の媒体でも取り上げられたということですな。
指定管理者は、自転車置き場や公園、スポーツ施設管理の問題で、文化とはまるで関係ない、ああそういえば文化施設もありましたね、ってのが21世紀20年代の「指定管理者業界」です。とにもかくにも、それが現実ということ。
日本経済新聞 印刷画面.pdf
記者名がなく、どういう専門の記者さんが書いているのか判らないけど、ま、新聞記事とはそういうものだと割り切って、記録としてアップします。
当電子壁新聞でも「指定管理者」が大騒ぎとなり、某市での議会での審議状況を扉薄く開けて盗み聞きしている状況をまんま中継していた導入時が、もう歴史となり忘れ去られ、誰も関心を持たなくなって久しい「文化施設の指定管理者問題」、導入時には誰も考えていなかったようなとんでもない欠陥というか、「経済性」を追求すれば当然企業とすればそういう判断をすることもあり得る問題が、たまたま鎌倉というメディア関係者が住んでたりするような場所で露呈するようになったために、ニッポンの経済界世論形成の媒体でも取り上げられたということですな。
指定管理者は、自転車置き場や公園、スポーツ施設管理の問題で、文化とはまるで関係ない、ああそういえば文化施設もありましたね、ってのが21世紀20年代の「指定管理者業界」です。とにもかくにも、それが現実ということ。
スプリンクラーは指定管理者制度の灯を消すか [指定管理者制度]
今や完全に「死カテゴリー」となっている「指定管理者制度」、久々の登場です。
このところ、業界内では大いに話題になっている、というか、大いなる戦慄が走っているこんな話題があります。皆様、もうご存じだと思いますけど。最近はローカル局のテレビニュースがまんま公式出切り撮られて配信されてるんですねぇ。凄い時代になったなぁ。
https://news.yahoo.co.jp/articles/e092f29cbc0c8b70accca9055e5ebec1d6014c6a
知る人ぞ知る日本でいちばんヤバい演目を並べる室内管、シンフォニエッタ静岡が裾野市の公共ホールで公演を行おうとしている本番直前に、何故かスプリンクラーが作動してホール舞台上に水がぶちまけられ、楽器から楽譜からみんなやられてしまった、という考えるだにオソロシー話でありまする。
で、シンフォニエッタ静岡の名物音楽監督、もうこの人がいないとやれん、って日本でも指折りのカリスマキャラたる芸術監督中原さんが、その後の対応を巡り激怒して記者会見を行った、というのが静岡朝日テレビさんのニュースの内容。で、こちらがシンフォニエッタ静岡さんの公式見解。
http://www1.odn.ne.jp/ssj/
これはもう、28日の三鷹公演、お時間のある方は是非とも行っていただきたいですねぇ。あたしゃ、この時間、大阪で交響曲《仏陀》に心震わせてる時間だわ、ゴメン。ラドミローは首都圏にゴマンといらっしゃる秘曲珍曲マニアさんには、絶対に外せない演目でしょ!
さてもさても、舞台の上で起きたことの被害総額を数えるのはその筋の専門家にお任せするとして、やっぱり気になるのは、「誰の責任か」ですね。もっといえば、「誰がシンフォニエッタ静岡さんに賠償するのか」ですな。というのは、このチラシをご覧になってお判りのように
https://www.susono-bunka.jp/src/2022/07/aac0777d6e66cd272e65b99ffc680a68.pdf
この公演、日本一尖った演目を誇るシンフォニエッタ静岡さんの自主公演とかではなく、裾野市と公文協が主催する公演にシンフォニエッタ静岡さんは雇われて出演する、というものです。要は、主催者は裾野市のホールそのもので、それどころか地元教育委員会やら文化庁さんのアートキャラバン事業まで着いちゃってる、もうこれ以上はない公共主催の公演でありまする。
つまり、公共事業に民間会社が雇われて作業をしようとしたら、作業の準備中に突然作業現場で誰がどう考えても雇用側に責任がある大事故が発生し、機材一切がお釈迦になってしまった、ということ。なんせ、航空会社が空港に飛行機おいといたら燃料引火大爆発があって虎の子のひこーきが燃えてしまったぁ、とか、コンピューターなりを持ち込んでセッティングをしてさあお仕事しましょとなったら部屋の天上から水ぶちまけられてコンピューターも持ち込んだ紙モノも全部ダメになった、とかいうこと。
もう、だれがどーかんがえても、ホールが悪い。
ここで問題なのは、「ホール」って誰かなんですな。で、今や悪名高く、消滅へのカウントダウンになっているとしか思えぬ大失敗制度「指定管理者」が出てくる。
さっさと結論を言えば、シンフォニエッタ静岡さんに億単位の賠償を払う直接の責任があるのは、「ホールを所有している裾野市」なのか「ホールを管理運営している指定管理会社のケイミックス」なのか、ということです。ぶっちゃけ、ここで両者が責任の押し付け合いをやっていて、もの凄く立場が弱い雇われ人、恐らくは失礼ながら日本でいちばん財政状態が悪いオーケストラのひとつシンフォニエッタ静岡さんを泣き寝入りさせてしまえ、零細民間オケのひとつなど潰れてもわしゃしらん、ということになってるのではないかいな、ってこと。
そこまで悪意でことが動いていないことを祈りますけど…この問題、実は根が深く、いちばん心配されるのは、結果としてケイミックスさんが全部責任があり保証をしろ、ということになったら、何が起きるか。
もうハッキリしてますね。恐らく、次の指定管理になったばかりのようなケイミックスさんですけど、こんなことで市から責任押しつけられるのだったら、とてもじゃないがこの市の指定管理は会社としてやれない、とんずらします、って。で、恐らく、別の指定管理者を探しても、まともな会社ならどこも手を挙げないでしょう。
つまり、今、日本各地でコソコソと、はたまた堂々と論じられてる「指定管理は公園とか駐車場とかなら安定した商売にもなるが、文化施設はとてもじゃないがやってられない」という現場の声がますます大きくなり、行き着くところ「文化施設の指定管理者が来てくれない、でも自治体は自分でやる程の人材もノウハウもない」なんてことになり、箱があっても運営が出来ない公共ホールが次々と…
そんな話題が静かに燃え広がる中に、第2弾ともいえる水爆弾が投下されてしまいましたぁ。なんてこった。
https://news.yahoo.co.jp/articles/40dfdbbadb76b50e1b4fa6356b7bd0cc9ec2a3b2
こっちは会場が会場だし、かの問題の横浜音祭りのメインイベント公演のひとつを前にしていたわけで…ううううむ。
ニッポン各地のスプリンクラーが一斉に反乱を起こしたのかとも思えてしまうこの連発する騒動。導入時に大騒動となった文化施設の指定管理者問題は、いよいよ「商売にならない」という末期資本主義の冷徹な理屈で終焉に向かう…のか?スプリンクラーは指定管理者を根絶やしにする水を撒くのか?
このところ、業界内では大いに話題になっている、というか、大いなる戦慄が走っているこんな話題があります。皆様、もうご存じだと思いますけど。最近はローカル局のテレビニュースがまんま公式出切り撮られて配信されてるんですねぇ。凄い時代になったなぁ。
https://news.yahoo.co.jp/articles/e092f29cbc0c8b70accca9055e5ebec1d6014c6a
知る人ぞ知る日本でいちばんヤバい演目を並べる室内管、シンフォニエッタ静岡が裾野市の公共ホールで公演を行おうとしている本番直前に、何故かスプリンクラーが作動してホール舞台上に水がぶちまけられ、楽器から楽譜からみんなやられてしまった、という考えるだにオソロシー話でありまする。
で、シンフォニエッタ静岡の名物音楽監督、もうこの人がいないとやれん、って日本でも指折りのカリスマキャラたる芸術監督中原さんが、その後の対応を巡り激怒して記者会見を行った、というのが静岡朝日テレビさんのニュースの内容。で、こちらがシンフォニエッタ静岡さんの公式見解。
http://www1.odn.ne.jp/ssj/
これはもう、28日の三鷹公演、お時間のある方は是非とも行っていただきたいですねぇ。あたしゃ、この時間、大阪で交響曲《仏陀》に心震わせてる時間だわ、ゴメン。ラドミローは首都圏にゴマンといらっしゃる秘曲珍曲マニアさんには、絶対に外せない演目でしょ!
さてもさても、舞台の上で起きたことの被害総額を数えるのはその筋の専門家にお任せするとして、やっぱり気になるのは、「誰の責任か」ですね。もっといえば、「誰がシンフォニエッタ静岡さんに賠償するのか」ですな。というのは、このチラシをご覧になってお判りのように
https://www.susono-bunka.jp/src/2022/07/aac0777d6e66cd272e65b99ffc680a68.pdf
この公演、日本一尖った演目を誇るシンフォニエッタ静岡さんの自主公演とかではなく、裾野市と公文協が主催する公演にシンフォニエッタ静岡さんは雇われて出演する、というものです。要は、主催者は裾野市のホールそのもので、それどころか地元教育委員会やら文化庁さんのアートキャラバン事業まで着いちゃってる、もうこれ以上はない公共主催の公演でありまする。
つまり、公共事業に民間会社が雇われて作業をしようとしたら、作業の準備中に突然作業現場で誰がどう考えても雇用側に責任がある大事故が発生し、機材一切がお釈迦になってしまった、ということ。なんせ、航空会社が空港に飛行機おいといたら燃料引火大爆発があって虎の子のひこーきが燃えてしまったぁ、とか、コンピューターなりを持ち込んでセッティングをしてさあお仕事しましょとなったら部屋の天上から水ぶちまけられてコンピューターも持ち込んだ紙モノも全部ダメになった、とかいうこと。
もう、だれがどーかんがえても、ホールが悪い。
ここで問題なのは、「ホール」って誰かなんですな。で、今や悪名高く、消滅へのカウントダウンになっているとしか思えぬ大失敗制度「指定管理者」が出てくる。
さっさと結論を言えば、シンフォニエッタ静岡さんに億単位の賠償を払う直接の責任があるのは、「ホールを所有している裾野市」なのか「ホールを管理運営している指定管理会社のケイミックス」なのか、ということです。ぶっちゃけ、ここで両者が責任の押し付け合いをやっていて、もの凄く立場が弱い雇われ人、恐らくは失礼ながら日本でいちばん財政状態が悪いオーケストラのひとつシンフォニエッタ静岡さんを泣き寝入りさせてしまえ、零細民間オケのひとつなど潰れてもわしゃしらん、ということになってるのではないかいな、ってこと。
そこまで悪意でことが動いていないことを祈りますけど…この問題、実は根が深く、いちばん心配されるのは、結果としてケイミックスさんが全部責任があり保証をしろ、ということになったら、何が起きるか。
もうハッキリしてますね。恐らく、次の指定管理になったばかりのようなケイミックスさんですけど、こんなことで市から責任押しつけられるのだったら、とてもじゃないがこの市の指定管理は会社としてやれない、とんずらします、って。で、恐らく、別の指定管理者を探しても、まともな会社ならどこも手を挙げないでしょう。
つまり、今、日本各地でコソコソと、はたまた堂々と論じられてる「指定管理は公園とか駐車場とかなら安定した商売にもなるが、文化施設はとてもじゃないがやってられない」という現場の声がますます大きくなり、行き着くところ「文化施設の指定管理者が来てくれない、でも自治体は自分でやる程の人材もノウハウもない」なんてことになり、箱があっても運営が出来ない公共ホールが次々と…
そんな話題が静かに燃え広がる中に、第2弾ともいえる水爆弾が投下されてしまいましたぁ。なんてこった。
https://news.yahoo.co.jp/articles/40dfdbbadb76b50e1b4fa6356b7bd0cc9ec2a3b2
こっちは会場が会場だし、かの問題の横浜音祭りのメインイベント公演のひとつを前にしていたわけで…ううううむ。
ニッポン各地のスプリンクラーが一斉に反乱を起こしたのかとも思えてしまうこの連発する騒動。導入時に大騒動となった文化施設の指定管理者問題は、いよいよ「商売にならない」という末期資本主義の冷徹な理屈で終焉に向かう…のか?スプリンクラーは指定管理者を根絶やしにする水を撒くのか?
カナフィルの指定管理を見に行く [指定管理者制度]
今、世間はお盆休みの真っ最中のなにやらいう国民の祝日、神奈川県横浜市は港から二山越えた保土ケ谷の丘の上、保土谷公園の真ん中にある「かながわアートホール」のオープンハウスに来ております。
周囲ではハマのおこちゃまたちが走りまわり、2階楽器体験コーナーに向かう通路ベンチに座って見下ろす眼下ホールロビーでは、似顔絵やら風船アートやら、はたまたギター弾き語りの準備などが進んでおり、ホール内部では南京玉簾がパーフォーマンス真っ最中。この後、神奈フィル木管五重奏が「美空ひばりメドレー」なんかやりまする。
うううん、全て世は事も無し、としか言いようがない世界でありますな。
この「かながわアートホール」、日本世界津々浦々のホールに出没する音楽愛好家の皆々様におかれましてもあまりご存じないかもしれませぬがぁ…それもそのはず、横浜駅西口からバスで延々20分程の公園の中にある、いちばん大きなオーディトリアムでも300人程の小規模な施設。実際のところ、有料無料の公開コンサートに使われることは殆どありません。ぶっちゃけ、運動場なんかと一緒に公共施が建てた音楽練習場、みたいなもんですわ。
とはいえひとつ興味深いことがあって、なんとなんと、ホールと練習室、会議室などを収めたこの公共文化施設の指定管理をしているのが神奈川フィルなのであります。日本で初めて「プロのオーケストラが公共ホールの指定管理者となった」という場所、指定管理者業界(なんてあるのか?)ではそれなりに有名なところなのであります。既に一期目は終えて、この初夏には無事に指定管理も二期目に入り、順風満帆みたいでんなぁ。その辺り、細かい資料をご覧になりたいなら、こちらをどうぞ。一期目はライバルがあったようですが二期目の指定管理、対立候補は出なかったみたい。なんせオケですから公共施設の管理運営の人材が全部いる筈もなく、無論、共同事業体で、一緒に組んでるのは横浜アーチストトという施設管理もやってる広告代理店さんでんな。
http://www.pref.kanagawa.jp/docs/yi4/cnt/f520017/index.html
http://www.pref.kanagawa.jp/docs/hy8/prs/r7537518.html
指定管理者決定の評価書みたいなものもどっかにあった筈だけど、今、めっからないなぁ。ま、関心のある方は探してみて下さいな。
この神奈川フィルの指定管理について、殆ど話題にならないのはどうしてなのか、ま、問題は起きない方が良いに決まってるけどだからって知らんぷりしてるわけにもいかぬ。てなわけで、年に一度、ホールに皆さんどんどんいらっしゃい、というイベントがあるのだから見物位してくるか、ということでここに来ている次第。
ホールは、実質的には様々な運動施設が並んでいる横浜を取り巻く丘の上の公園というよりも総合運動施設の中の管理棟みたいな感じ。内部は、300席のメインホールがあり、二階には音楽練習室が2つと室内楽の練習くらいは出来る集会室みたいなものがある。ま、横浜だから小さなホールですけど、人口数万くらいの町に公金投入して音楽ホール建てました、なんてときにはよくあるような施設です。立派なもんです。
神奈川フィルは普段からこのメインホールで練習をしており、それが公開されていることもあるとのこと。楽団主幹さんにここでの室内楽公演などは考えないのですか、と尋ねたら、まあ場所が場所ですしなかなか…とのことでありました。
もう面倒なんでいきなり結論を記しちゃえば、神奈川フィルがこの場所を指定管理しているのがそれほど大きく話題にされないのは、ぶっちゃけ、「公演会場ではなく練習場の管理だから」でありましょう。実際、指定管理を取るにあたり、この会場に聴衆を集めて商業的に成り立つ公演を行うことは求められていない。ホールを練習室として使ったり、発表会をしたりする市民や音楽ファン、その関係者は用いるだろうけど、年間に万単位の聴衆が訪れるところではない。要は、「日本センチュリー交響楽団がオーケストラハウスの指定管理をする」みたいなものですわ。←この比喩が判る人が関西圏関係者以外にどれだけいよーか…
なーるほどねぇ、と思えたんで、もうあとは気楽に「夏の楽しいお子様ランド」となってる会場を見物していきましょか。本日はメインホールのステージで神奈川フィルの金管五重奏と木管五重奏がミニコンサートもやってるしさ。っても、演奏の真っ最中も、ホールの客席側後ろ半分ではお祭りの縁日状態なんだけど。さあ、夏らしく、そしてヨコハマらしく、神奈川フィル金管五重奏団が演奏する加山雄三メドレーをお楽しみあれぇ!
再生できない場合、ダウンロードは🎵こちら
…これって、前に坐ってる2010年代に生まれたお子ちゃま達にとって、新鮮なカッコ良い曲なのかしら。
周囲ではハマのおこちゃまたちが走りまわり、2階楽器体験コーナーに向かう通路ベンチに座って見下ろす眼下ホールロビーでは、似顔絵やら風船アートやら、はたまたギター弾き語りの準備などが進んでおり、ホール内部では南京玉簾がパーフォーマンス真っ最中。この後、神奈フィル木管五重奏が「美空ひばりメドレー」なんかやりまする。
うううん、全て世は事も無し、としか言いようがない世界でありますな。
この「かながわアートホール」、日本世界津々浦々のホールに出没する音楽愛好家の皆々様におかれましてもあまりご存じないかもしれませぬがぁ…それもそのはず、横浜駅西口からバスで延々20分程の公園の中にある、いちばん大きなオーディトリアムでも300人程の小規模な施設。実際のところ、有料無料の公開コンサートに使われることは殆どありません。ぶっちゃけ、運動場なんかと一緒に公共施が建てた音楽練習場、みたいなもんですわ。
とはいえひとつ興味深いことがあって、なんとなんと、ホールと練習室、会議室などを収めたこの公共文化施設の指定管理をしているのが神奈川フィルなのであります。日本で初めて「プロのオーケストラが公共ホールの指定管理者となった」という場所、指定管理者業界(なんてあるのか?)ではそれなりに有名なところなのであります。既に一期目は終えて、この初夏には無事に指定管理も二期目に入り、順風満帆みたいでんなぁ。その辺り、細かい資料をご覧になりたいなら、こちらをどうぞ。一期目はライバルがあったようですが二期目の指定管理、対立候補は出なかったみたい。なんせオケですから公共施設の管理運営の人材が全部いる筈もなく、無論、共同事業体で、一緒に組んでるのは横浜アーチストトという施設管理もやってる広告代理店さんでんな。
http://www.pref.kanagawa.jp/docs/yi4/cnt/f520017/index.html
http://www.pref.kanagawa.jp/docs/hy8/prs/r7537518.html
指定管理者決定の評価書みたいなものもどっかにあった筈だけど、今、めっからないなぁ。ま、関心のある方は探してみて下さいな。
この神奈川フィルの指定管理について、殆ど話題にならないのはどうしてなのか、ま、問題は起きない方が良いに決まってるけどだからって知らんぷりしてるわけにもいかぬ。てなわけで、年に一度、ホールに皆さんどんどんいらっしゃい、というイベントがあるのだから見物位してくるか、ということでここに来ている次第。
ホールは、実質的には様々な運動施設が並んでいる横浜を取り巻く丘の上の公園というよりも総合運動施設の中の管理棟みたいな感じ。内部は、300席のメインホールがあり、二階には音楽練習室が2つと室内楽の練習くらいは出来る集会室みたいなものがある。ま、横浜だから小さなホールですけど、人口数万くらいの町に公金投入して音楽ホール建てました、なんてときにはよくあるような施設です。立派なもんです。
神奈川フィルは普段からこのメインホールで練習をしており、それが公開されていることもあるとのこと。楽団主幹さんにここでの室内楽公演などは考えないのですか、と尋ねたら、まあ場所が場所ですしなかなか…とのことでありました。
もう面倒なんでいきなり結論を記しちゃえば、神奈川フィルがこの場所を指定管理しているのがそれほど大きく話題にされないのは、ぶっちゃけ、「公演会場ではなく練習場の管理だから」でありましょう。実際、指定管理を取るにあたり、この会場に聴衆を集めて商業的に成り立つ公演を行うことは求められていない。ホールを練習室として使ったり、発表会をしたりする市民や音楽ファン、その関係者は用いるだろうけど、年間に万単位の聴衆が訪れるところではない。要は、「日本センチュリー交響楽団がオーケストラハウスの指定管理をする」みたいなものですわ。←この比喩が判る人が関西圏関係者以外にどれだけいよーか…
なーるほどねぇ、と思えたんで、もうあとは気楽に「夏の楽しいお子様ランド」となってる会場を見物していきましょか。本日はメインホールのステージで神奈川フィルの金管五重奏と木管五重奏がミニコンサートもやってるしさ。っても、演奏の真っ最中も、ホールの客席側後ろ半分ではお祭りの縁日状態なんだけど。さあ、夏らしく、そしてヨコハマらしく、神奈川フィル金管五重奏団が演奏する加山雄三メドレーをお楽しみあれぇ!
再生できない場合、ダウンロードは🎵こちら
…これって、前に坐ってる2010年代に生まれたお子ちゃま達にとって、新鮮なカッコ良い曲なのかしら。
オケが指定管理者になると… [指定管理者制度]
「指定管理者制度」というカテゴリー、一体、いつ以来のことやら。今やすっかり忘れられた話題になってしまいました。なんせ、現政権になって「文化政策」とは「劇場音楽堂を拠点に地域再開発」とか「文化に拠るまちづくり」とか、芸術文化基本法や劇場法の本来の趣旨とは些か異なる「どうやって文化ネタで金を稼ぐか」というところが関心の中心になってしまいましたからねぇ。善し悪しの問題ではなく、事実としてそうだ、というだけで、いずれ「あの頃は…」と振り返られる日が来ることでしょうが。
ま、そんなわけで、誠に以て久しぶりのこのカテゴリー、今更ながらに引っ張り出した理由は、先頃、某演奏団体に取材し、その中で「指定管理」が大きな話題になったから。何を隠そう、先程初稿を入れたその取材の原稿には、結果として「指定管理」の部分は殆ど使えませんでした。要は、毎度お馴染みの「取材したけど出せないままになってもーた」でありまする。
んで、表原稿に差し障りのない形で、極めて興味深い「指定管理の今」について、ちょっとだけ記しておきましょうぞ。テーマは極めて明快、「オーケストラが音楽堂の指定管理者になったら何が起きるか」です。おお、普通ならA4版4ページくらいはいただけそうな、きっちり表の原稿になる堂々たる王道テーマでしょ。でもねぇ、これがどこにも売れないのがニッポン音楽業界(アート業界、文化業界、かな)の厳しい現実でありまするよ。いやはや。
愚痴はここまで。さて、もう隠してもしょうがない。大阪府の北、伊丹空港に向けて飛行機が頭の上を降りて行く辺りに、豊中市というところがあります。大阪音大がある場所で、今や既に忘れられかけている現総理の大疑獄事件たる森友学園騒動の舞台となった場所でもあります。ここに数年前、「豊中市民芸術文化センター」というヴェニュが出来ました。その劇場&音楽堂&諸処文化施設が指定管理に出て、以下のような結論になり、今年で既に運営が始まって3シーズン目です。このネタ、当電子壁新聞でやったっけ、まるで記憶がないぞ。
https://www.city.toyonaka.osaka.jp/jinken_gakushu/bunka/hall/siminhoru-siteikanri.files/senteikekka.pdf
ご覧のように、指定管理騒動で名を馳せた栗東の文化会館以下、日本各地で指定管理を取ってる専門企業ケイミックスさんと争って勝った連合体に、同じ豊中の府営公園の中、かつては府営だったここオーケストラホールに今は借家住まいをしている
大阪府から離縁されたオーケストラ、日本センチュリー交響楽団が加わっているわけでありまする。
「オーケストラが自分が活動拠点とする公共ヴェニュの指定管理を取ってしまう」というのは、ちょっと考えれば極めて自然で合理的だと思うわけだが、どーしてかニッポン国ではそういう例はほぼ皆無。現在、オーケストラが指定管理に加わっている例としては、こちらがあるくらい。
https://www.kanagawa-arthall.jp/
出し物を見ていただけばお判りのように、ここは5年前からカナフィルが指定管理やってます。
https://yakupen.blog.so-net.ne.jp/2014-06-11
日本で音楽の実演団体が指定管理者となった最初の例でありまする。先頃、目出度くも二期目が決定したばかりです。って、他に応募はなかったんね。ううううん…やっぱり指定管理はオワコンなのか。
http://www.pref.kanagawa.jp/docs/hy8/prs/r7537518.html
ここはカナフィルは定期演奏会はやらず、要はレギュラー練習場の指定管理をやってる、ということ。日本センチュリーで言えば、「緑地公園内のオーケストラハウスをオケが指定管理する」みたいなもので、本来それが最も合理的なんですけど…いろいろあってそういうわけにはいっていない。話をカナフィルに戻せば、こんなイベントがもうすぐあります。
https://www.kanagawa-arthall.jp/project/kanaphil-land-2019/
眺めに行こうかなぁ、と思ってます。夏のオープンハウス、といえば聞こえは良いが、要は縁日夏祭り、ですな。オケの規模ではこれくらいが妥当なところかなぁ。
もうひとつ、今進んでいる話としては、こういうのがあります。
https://www.pref.yamagata.jp/ou/kanko/020073/yamagataekinishiguchiseibi/shiteikannrisyabosyu/kouhosya.pdf
山形に新しく出来るホール、となんとなく思ってる「山形県総合文化芸術館」で、点数は低かったんだけど総合的な評価として山響が加わる事業体が指定管理を取りました。面白いのは、やっぱり「平等性の確保」というところで低い点が出ていること。そりゃ、山響が指定管理するとは山響が優先的に使うに決まってるわけで、この辺りで「指定管理」というシステムと実演団体の相性が悪い部分が露呈してますねぇ。Ⅲという項目でも負けているのは、やっぱり経済性だなぁ。つまり、「経費削減が出来るか」ってことでんな。ふううう…
とにもかくにも、12月のオープンに向けて山響さんも動き出しているとのことです。
さても、問題の豊中ですが、日本センチュリーが指定管理になって3年目、ここもかながわアートホール同様に、指定管理しているオケが定期演奏会を移してきているわけではありません。練習場も歩いて20分くらいの場所に今は大阪府からの賃貸があるので、カナフィルみたいに指定管理している場所でやってるわけじゃない。どういうことをやってるか、もう記すのがめんどーになってきたので、こちらをご覧あれ。
http://www.toyonaka-hall.jp/
センチュリーは年4回の名曲定期とか、いろいろなスペシャルコンサートとか、団員の室内楽とかやってるです。定期はシンフォニーで、あとハイドン定期をいずみでやってる。
というわけで、現状、日本に36団体あるオケ連加盟プロオーケストラのうち「指定管理」をやってるオケは3つある、という事実を確認したメモでありました。だからどうだ、という話は…どっかで表でさせてくれるところ、ないかなぁ。今や「指定管理」は文化ネタとしてはオワコンになっちゃってるんで、まるで商売にならんわい。ふうううう…
ま、そんなわけで、誠に以て久しぶりのこのカテゴリー、今更ながらに引っ張り出した理由は、先頃、某演奏団体に取材し、その中で「指定管理」が大きな話題になったから。何を隠そう、先程初稿を入れたその取材の原稿には、結果として「指定管理」の部分は殆ど使えませんでした。要は、毎度お馴染みの「取材したけど出せないままになってもーた」でありまする。
んで、表原稿に差し障りのない形で、極めて興味深い「指定管理の今」について、ちょっとだけ記しておきましょうぞ。テーマは極めて明快、「オーケストラが音楽堂の指定管理者になったら何が起きるか」です。おお、普通ならA4版4ページくらいはいただけそうな、きっちり表の原稿になる堂々たる王道テーマでしょ。でもねぇ、これがどこにも売れないのがニッポン音楽業界(アート業界、文化業界、かな)の厳しい現実でありまするよ。いやはや。
愚痴はここまで。さて、もう隠してもしょうがない。大阪府の北、伊丹空港に向けて飛行機が頭の上を降りて行く辺りに、豊中市というところがあります。大阪音大がある場所で、今や既に忘れられかけている現総理の大疑獄事件たる森友学園騒動の舞台となった場所でもあります。ここに数年前、「豊中市民芸術文化センター」というヴェニュが出来ました。その劇場&音楽堂&諸処文化施設が指定管理に出て、以下のような結論になり、今年で既に運営が始まって3シーズン目です。このネタ、当電子壁新聞でやったっけ、まるで記憶がないぞ。
https://www.city.toyonaka.osaka.jp/jinken_gakushu/bunka/hall/siminhoru-siteikanri.files/senteikekka.pdf
ご覧のように、指定管理騒動で名を馳せた栗東の文化会館以下、日本各地で指定管理を取ってる専門企業ケイミックスさんと争って勝った連合体に、同じ豊中の府営公園の中、かつては府営だったここオーケストラホールに今は借家住まいをしている
大阪府から離縁されたオーケストラ、日本センチュリー交響楽団が加わっているわけでありまする。
「オーケストラが自分が活動拠点とする公共ヴェニュの指定管理を取ってしまう」というのは、ちょっと考えれば極めて自然で合理的だと思うわけだが、どーしてかニッポン国ではそういう例はほぼ皆無。現在、オーケストラが指定管理に加わっている例としては、こちらがあるくらい。
https://www.kanagawa-arthall.jp/
出し物を見ていただけばお判りのように、ここは5年前からカナフィルが指定管理やってます。
https://yakupen.blog.so-net.ne.jp/2014-06-11
日本で音楽の実演団体が指定管理者となった最初の例でありまする。先頃、目出度くも二期目が決定したばかりです。って、他に応募はなかったんね。ううううん…やっぱり指定管理はオワコンなのか。
http://www.pref.kanagawa.jp/docs/hy8/prs/r7537518.html
ここはカナフィルは定期演奏会はやらず、要はレギュラー練習場の指定管理をやってる、ということ。日本センチュリーで言えば、「緑地公園内のオーケストラハウスをオケが指定管理する」みたいなもので、本来それが最も合理的なんですけど…いろいろあってそういうわけにはいっていない。話をカナフィルに戻せば、こんなイベントがもうすぐあります。
https://www.kanagawa-arthall.jp/project/kanaphil-land-2019/
眺めに行こうかなぁ、と思ってます。夏のオープンハウス、といえば聞こえは良いが、要は縁日夏祭り、ですな。オケの規模ではこれくらいが妥当なところかなぁ。
もうひとつ、今進んでいる話としては、こういうのがあります。
https://www.pref.yamagata.jp/ou/kanko/020073/yamagataekinishiguchiseibi/shiteikannrisyabosyu/kouhosya.pdf
山形に新しく出来るホール、となんとなく思ってる「山形県総合文化芸術館」で、点数は低かったんだけど総合的な評価として山響が加わる事業体が指定管理を取りました。面白いのは、やっぱり「平等性の確保」というところで低い点が出ていること。そりゃ、山響が指定管理するとは山響が優先的に使うに決まってるわけで、この辺りで「指定管理」というシステムと実演団体の相性が悪い部分が露呈してますねぇ。Ⅲという項目でも負けているのは、やっぱり経済性だなぁ。つまり、「経費削減が出来るか」ってことでんな。ふううう…
とにもかくにも、12月のオープンに向けて山響さんも動き出しているとのことです。
さても、問題の豊中ですが、日本センチュリーが指定管理になって3年目、ここもかながわアートホール同様に、指定管理しているオケが定期演奏会を移してきているわけではありません。練習場も歩いて20分くらいの場所に今は大阪府からの賃貸があるので、カナフィルみたいに指定管理している場所でやってるわけじゃない。どういうことをやってるか、もう記すのがめんどーになってきたので、こちらをご覧あれ。
http://www.toyonaka-hall.jp/
センチュリーは年4回の名曲定期とか、いろいろなスペシャルコンサートとか、団員の室内楽とかやってるです。定期はシンフォニーで、あとハイドン定期をいずみでやってる。
というわけで、現状、日本に36団体あるオケ連加盟プロオーケストラのうち「指定管理」をやってるオケは3つある、という事実を確認したメモでありました。だからどうだ、という話は…どっかで表でさせてくれるところ、ないかなぁ。今や「指定管理」は文化ネタとしてはオワコンになっちゃってるんで、まるで商売にならんわい。ふうううう…
指定管理からコンセッションへ? [指定管理者制度]
誠に以て久しぶりの「指定管理者制度」カテゴリーであります。導入されてそろそろ3巡り目、「指定管理業界」も出来上がっているようだが、そこにあるのは「ビル管理」の世界でありまして、文化なんて入る余地もない。どこがあのホールの指定管理を獲るのだ、あんて世間の誰も目の色を変えることもなく(無論、当事者の指定管理会社や共同体にしてみればとっても重要なことなんだけど)、話題になるとすれば「指定管理先が今のままかどうか判らないので、この企画を来年やれるか判りません」なんてネガティヴなことくらい。あの導入時の熱気は何だったのか…などと当電子壁新聞バックナンバーを捲っても、なんか虚しい限り…
そんな指定管理業界に、そろそろ仕掛けた御上の側からも動きがあるのか、こんな話が出て来ています。
http://www.jiji.com/jc/article?k=2016122100203&g=pol
指定管理という制度を仕掛けた旧自治省系ではなく、宿敵文部科学省の側からの動きのようでありますな。つまり、ものすごく乱暴に言っちゃえば、「民間と期限を限った指定管理の契約をするのではなく、ハードの所有だけは公共だけど運営の権利そのものを民間に売り払ってしまう」ということ。
これって、まさか今巷で話題のカジノを公共の金で作って、運営の権利をラスベガスやらの大資本に売りつける、なんてことを考えてるんじゃああるまいなぁ…と思わざるを得ない昨今の我らが御上。いやはや。
そんな指定管理業界に、そろそろ仕掛けた御上の側からも動きがあるのか、こんな話が出て来ています。
http://www.jiji.com/jc/article?k=2016122100203&g=pol
指定管理という制度を仕掛けた旧自治省系ではなく、宿敵文部科学省の側からの動きのようでありますな。つまり、ものすごく乱暴に言っちゃえば、「民間と期限を限った指定管理の契約をするのではなく、ハードの所有だけは公共だけど運営の権利そのものを民間に売り払ってしまう」ということ。
これって、まさか今巷で話題のカジノを公共の金で作って、運営の権利をラスベガスやらの大資本に売りつける、なんてことを考えてるんじゃああるまいなぁ…と思わざるを得ない昨今の我らが御上。いやはや。
浦安でも東京ディズニー・ホールではないのだ [指定管理者制度]
本来ならば共著本の校正が入る予定で楽にしてあった期間ながら、なんとまぁ、校正が出るのが早くとも11月2週以降ということになり、すっかり拍子抜け。こんなときにこそ、暫くやってなかったネタを出しましょう。そー、あの導入時の盛り上がりはどこへ、いまやすっかり定着した、というよりも、「文化」やら「ローカル文化行政」やらの視点から論じられることもなくなってしまった「指定管理者制度」カテゴリーです。
殆ど話題にならないのだけど、アベバブルの建設業大盛況ひとり勝ち状態の下、まるで80年代後半バブル時代みたいな勢い、とまでは言わないが、地方公共文化施設がまたまた日本全国津々浦々でニョキニョキと建ち上がっているようであります(建設から30数年経った建物の老朽化使用期限切れを理由に新設、という例が目立つような)。
例えば、厚木基地のお膝元で衆議院小選挙区には甘利元大臣様で参議院に三原じゅん子というオソロシー選択をなさる勇気ある選挙民を抱えた神奈川県大和市に、来月早々に1000席と200数十席のホールと図書館と児童保育施設と集会室などを備えた巨大コミセンみたいな「大和イスカンダル」、じゃあなくて「大和シリウス」なる総合文化施設が出来るのは、当電子壁新聞でもちょっと報じたばかり
あの作文、諸般の事情でアップ出来なくなった経緯は、聡明な読者諸氏が勝手に推察したり、いろいろと訝ったりしてください。
ホール建設の昨今のありよう、総論は公文協の公式ホームページなどをご覧あれ…と言いたいところだが、案外、新設情報は判んないですねぇ。
http://www.zenkoubun.jp/
ま、とにもかくにも、なんだかまた散々あちこちで造ってるなぁ、という空気漂う21世紀10年代も半ば過ぎ、些か旧聞になりまするが、こんなところでも。
http://urayasu-joho.net/archives/entry-4093
東京都の直ぐお隣、川崎とか川口みたいな位置関係、なによりも「東京ディズニーランドがある千葉県」の浦安に、なんとなんと、「音楽専用ホール」、バブル時代の言い方をすれば「クラシック室内楽専用ホール」が建設中です。いまどきの新設公共ホールは「大和シリウス」みたいな「でっかいコミセン」タイプが主流のような気がするなかで市民からの批判必至の専用ホール、規模としては21世紀になって成功している300席規模くらいの、トッパンよりもまだ小さなハクジュとか宗次とかの規模の「音楽ホール」ですわ。今や弦楽四重奏の聖地となってる鶴見のサルビアホールみたいに、いろんな手違いで結果としてとんでもないハイスペックの音楽専用ミニチュアホールが出来ちゃった、というのではない。はっきりと意図してやってるプロジェクトです。
http://www.city.urayasu.lg.jp/_res/projects/default_project/_page_/001/015/396/jourei.pdf
なにしろ「本市は、音楽その他の文化芸術の活動の場及び音楽の鑑賞の機会を市民に提供することにより、本市における文化及び芸術の向上を図るため、音楽ホールを設置する。」ですから。なんでこのタイプの音楽ホールなのか、説明など一切なく、もういきなり、設置します、です!
んで、運営は指定管理者に任せます、と浦安市は仰り、使用料金まで決めちゃってる。昨年の初め頃から動き出して、条例が出来たのは去る7月。で、建てられる場所はディズニーランド駅たる舞浜駅のひとつ向こうの新浦安駅前。ちなみに、浦安市には鉄道駅は地下鉄の浦安駅と、JR京葉線の舞浜及び新浦安しかありません。
この駅前地図でいえば、「第一自転車駐車場」と記されているところの「自転車駐」という辺りのポッカリ空いている空間です。D1出口からディズニーランド方向を眺めると、こんなで
この奥の建設中の建物です。向こうまで行って、道を渡って眺めると、こんな状況。
クレーンが乗っかってる上層階部分がホールです。建設現場に掲げられた完成予想図は、こんなん。
ロビーからは駅のホームが丸見えですね。これならいっそロビーと駅を繋げちゃえば良いのに。
無論、駅の海側出口から真っ直ぐいったでっかいスーパーなんぞまで入った総合商業施設の上層階に60席の小さなホールがある、というのは前提の施設なんでしょうけど。そこでは、こんなことやってる。
既にこの「浦安音楽ホール」の指定管理会社も決まっており、年末の定例市議会での決定を待つばかり。
http://www.city.urayasu.lg.jp/_res/projects/default_project/_page_/001/016/575/senteikekka.pdf
指定管理業界をご存知の方は、ちょっと意外な結果と思うんじゃないかしら。老舗ケイミックスや、大手SPSの加わる連合を押さえて、「文化ホール」よりもコンヴェンションセンターを得意とするところが落としたのだから。選定審査会はどういう面子だったんだろーなー。秋川きららホールとか、大分の駅前の新しいホルトホールとか、大津市民会館なんて老舗、それになんとなんと、葛飾厄偏舎から直ぐ近くのテクノプラザかつしかなんて訳の判らぬところもやってる会社なんだぁ。へええ。
当電子壁新聞でなんでこの東京ディズニー・ホールならぬ新浦安音楽ホールの指定管理者について取り上げているかと言えば…まだ理由は言えませんっ。はい、言えません。年末市議会で正式決定され、来年4月のオープニングのプログラムや、スタッフが明らかになった段階で、続報をお伝えいたします。そのときに、ああああなーるほどね、とお判りになる筈。
このホール、佃厄天庵からだとJR八丁堀駅まで歩いて電車で10分の至近距離。意外にも葛飾厄偏舎からも、1時間に1本か2本しかないけど環七を延々と下って葛西臨海公園経由東京ディズニーランド前まで向かう京成バスに50分くらい揺られ、JRに乗り換えてひと駅ということで、東京郊外の南北交通の悪さ故に近いとは言えないものの、案外と遠くない。頭の上を往来する東京ヘリポートに向かう機械蜻蛉に乗せて貰えば10分なんだけどなぁ。
ま、なんにせよ、請うご期待の久々の「指定管理者」ネタ、始まり始まりぃ…になるのかなぁ。
殆ど話題にならないのだけど、アベバブルの建設業大盛況ひとり勝ち状態の下、まるで80年代後半バブル時代みたいな勢い、とまでは言わないが、地方公共文化施設がまたまた日本全国津々浦々でニョキニョキと建ち上がっているようであります(建設から30数年経った建物の老朽化使用期限切れを理由に新設、という例が目立つような)。
例えば、厚木基地のお膝元で衆議院小選挙区には甘利元大臣様で参議院に三原じゅん子というオソロシー選択をなさる勇気ある選挙民を抱えた神奈川県大和市に、来月早々に1000席と200数十席のホールと図書館と児童保育施設と集会室などを備えた巨大コミセンみたいな「大和イスカンダル」、じゃあなくて「大和シリウス」なる総合文化施設が出来るのは、当電子壁新聞でもちょっと報じたばかり
あの作文、諸般の事情でアップ出来なくなった経緯は、聡明な読者諸氏が勝手に推察したり、いろいろと訝ったりしてください。
ホール建設の昨今のありよう、総論は公文協の公式ホームページなどをご覧あれ…と言いたいところだが、案外、新設情報は判んないですねぇ。
http://www.zenkoubun.jp/
ま、とにもかくにも、なんだかまた散々あちこちで造ってるなぁ、という空気漂う21世紀10年代も半ば過ぎ、些か旧聞になりまするが、こんなところでも。
http://urayasu-joho.net/archives/entry-4093
東京都の直ぐお隣、川崎とか川口みたいな位置関係、なによりも「東京ディズニーランドがある千葉県」の浦安に、なんとなんと、「音楽専用ホール」、バブル時代の言い方をすれば「クラシック室内楽専用ホール」が建設中です。いまどきの新設公共ホールは「大和シリウス」みたいな「でっかいコミセン」タイプが主流のような気がするなかで市民からの批判必至の専用ホール、規模としては21世紀になって成功している300席規模くらいの、トッパンよりもまだ小さなハクジュとか宗次とかの規模の「音楽ホール」ですわ。今や弦楽四重奏の聖地となってる鶴見のサルビアホールみたいに、いろんな手違いで結果としてとんでもないハイスペックの音楽専用ミニチュアホールが出来ちゃった、というのではない。はっきりと意図してやってるプロジェクトです。
http://www.city.urayasu.lg.jp/_res/projects/default_project/_page_/001/015/396/jourei.pdf
なにしろ「本市は、音楽その他の文化芸術の活動の場及び音楽の鑑賞の機会を市民に提供することにより、本市における文化及び芸術の向上を図るため、音楽ホールを設置する。」ですから。なんでこのタイプの音楽ホールなのか、説明など一切なく、もういきなり、設置します、です!
んで、運営は指定管理者に任せます、と浦安市は仰り、使用料金まで決めちゃってる。昨年の初め頃から動き出して、条例が出来たのは去る7月。で、建てられる場所はディズニーランド駅たる舞浜駅のひとつ向こうの新浦安駅前。ちなみに、浦安市には鉄道駅は地下鉄の浦安駅と、JR京葉線の舞浜及び新浦安しかありません。
この駅前地図でいえば、「第一自転車駐車場」と記されているところの「自転車駐」という辺りのポッカリ空いている空間です。D1出口からディズニーランド方向を眺めると、こんなで
この奥の建設中の建物です。向こうまで行って、道を渡って眺めると、こんな状況。
クレーンが乗っかってる上層階部分がホールです。建設現場に掲げられた完成予想図は、こんなん。
ロビーからは駅のホームが丸見えですね。これならいっそロビーと駅を繋げちゃえば良いのに。
無論、駅の海側出口から真っ直ぐいったでっかいスーパーなんぞまで入った総合商業施設の上層階に60席の小さなホールがある、というのは前提の施設なんでしょうけど。そこでは、こんなことやってる。
既にこの「浦安音楽ホール」の指定管理会社も決まっており、年末の定例市議会での決定を待つばかり。
http://www.city.urayasu.lg.jp/_res/projects/default_project/_page_/001/016/575/senteikekka.pdf
指定管理業界をご存知の方は、ちょっと意外な結果と思うんじゃないかしら。老舗ケイミックスや、大手SPSの加わる連合を押さえて、「文化ホール」よりもコンヴェンションセンターを得意とするところが落としたのだから。選定審査会はどういう面子だったんだろーなー。秋川きららホールとか、大分の駅前の新しいホルトホールとか、大津市民会館なんて老舗、それになんとなんと、葛飾厄偏舎から直ぐ近くのテクノプラザかつしかなんて訳の判らぬところもやってる会社なんだぁ。へええ。
当電子壁新聞でなんでこの東京ディズニー・ホールならぬ新浦安音楽ホールの指定管理者について取り上げているかと言えば…まだ理由は言えませんっ。はい、言えません。年末市議会で正式決定され、来年4月のオープニングのプログラムや、スタッフが明らかになった段階で、続報をお伝えいたします。そのときに、ああああなーるほどね、とお判りになる筈。
このホール、佃厄天庵からだとJR八丁堀駅まで歩いて電車で10分の至近距離。意外にも葛飾厄偏舎からも、1時間に1本か2本しかないけど環七を延々と下って葛西臨海公園経由東京ディズニーランド前まで向かう京成バスに50分くらい揺られ、JRに乗り換えてひと駅ということで、東京郊外の南北交通の悪さ故に近いとは言えないものの、案外と遠くない。頭の上を往来する東京ヘリポートに向かう機械蜻蛉に乗せて貰えば10分なんだけどなぁ。
ま、なんにせよ、請うご期待の久々の「指定管理者」ネタ、始まり始まりぃ…になるのかなぁ。
ヤマトの諸君、これが君たちの新たな文化の殿堂だっ! [指定管理者制度]
「音楽業界」カテゴリーなのか「指定管理者制度」なのか、ちょっと考えたけど、ま、久しぶりのして管理者ネタということにしましょか。世間からとっくに忘れ去られてる問題ですからねぇ。
神奈川県は横浜の西、相模原でも厚木でもない、ましてや湘南でもない、なんといって良いのやら判らないような半端な場所に、大和市、なんてたいそーな名称の市があります。「東名高速の大和トンネルのある所」、「小田急線が相鉄線と交差する乗り換え駅の所」、「新幹線が小田急の下を潜る辺り」などなど、それぞれの人によっていろいろとイメージはおありでしょうが(まあ、イメージなんてないぞ、というのがふつーだろーけどさ)、なんといっても「厚木基地のあるところ」という説明が全国区としては最も的確かつ判りやすいでしょうね。なんせ大和市自身が厚木基地のことを「マッカーサー将軍が最初に日本に足を降ろした史跡」と仰ってるくらいだもん。
最近では「米軍機墜落」なんて話は聞かないものの、まあ「米軍基地騒音被害訴訟」が最も有名そうなこの基地の街に、来る11月3日、市民待望の新たな文化施設がオープンいたします。その名も、そー、本日まで発表出来なかったけど、とうとう満を侍して発表出来るぞ、「大和市文化創造拠点シリウス」でありまするっ!
http://www.yamato-bunka.jp/about/
なんで今日まで発表出来なかったか、実は見物に行ったのは一昨日のことなんだけどさ、担当者さんに「情報が公式にオープンになるのは明後日ですから…」と釘を刺されていた。んで、いかな「書いてあることはみんな嘘、信じるなぁ」をモットーとする当無責任私設電子壁新聞とはいえ、流石に記すわけには行かなかったのでありまするよ。
とにもかくにも、「文化創造拠点シリウス」です。ええ、どーゆーことかというと、この施設の名称、まずは一般公募し、一度は「文化森」と決定した。施設の彼方此方にもその名称が穿たれ、告知も成された。
とか
とか。
だけど、どういう経緯やら知らぬけど、その名前は撤回され、この名前になった。その辺りの詳細な経緯を知りたい方は、あたしじゃなくて、大和市に問い合わせるか、共産党市議さんにでも突っ込んで貰って下さいな。
なんであれ、結果として、本日から晴れておおっぴらにこの総合文化施設の名称を口に出すことも可能になった次第。大和シリウス、ですっ。ヤマトの諸君、シリウス、ですよ。イスカンダルでも、拡散波動砲搭搭載アンドロメダでもありませんからっ!
一昨日段階では、まだこのように名称を隠してありました。へええ。で、これが外観。
いまどきのガラス外壁建築で、上に行く程に床総面積が狭くなる郊外中層マンションタイプの案外と、といっては失礼だけど、でっかい建物でありまする。地上六階、周囲に普通の意味での高層ビルはなく、せいぜいが10数階首都圏近郊マンションなんで、かなりドッカーンと立派なもんに見えますね。こういう建物って外壁の掃除が大変だろうなぁ、と思っちゃうけど、ま、そんなことは百も承知なんでしょーねぇ。
先程から「ホール」ではなく「文化施設」と記しているのは、ここが文字通りの総合文化施設だからです。実質、殆どの大和市民の諸君とすれば、「中央図書館が大和駅東の地下に潜った旧相鉄線路際に移転して立派になった」という感じなんじゃないかしら。ちなみに、これがホール前のなんの用途があるかよーわからぬ細長い空間から、大和駅方向を見たところ。
この真下に横浜方面に向かう相鉄が走ってます。奥に見えるビルが小田急の駅で、その向こうを冬場の北風の時には厚木基地から我が軍の最新鋭対潜哨戒機やらが離陸していく。言うまでもなく、空母ロナルド・レーガンが横須賀に入ってるときには、世界一騒々しい飛行機として知られるやんきー蜂くんやらがさんざんっぱら上がり下りして非常識な程に騒々しい爆音を振りまいてくれます。こんな産業がしっかり発達してる街でありまする。
幸い、今は空母ロンが黄海辺りをウロチョロしてるらしいので、厚木は米軍スッカラカン。担当の方を楽屋口前で待ってる間に、頭の上を海自基地側からやってきた岩国の最新虎の子掃海ヘリが過ぎってったくらいでありました。っても、この調子。いやはや。
もとい。で、大和の諸君の希望の星シリウスでありまする。ここ、1階北西隅の駅に近いところでスタバが出迎えてくれて、その奥は二百数十席の「サブホール」と
美術展示などを行えるギャラリー(担当者さんに拠れば、実はここがいちばん音が良いかも、とのこと)があるんだど、そのロビー部分もしっかり図書館になってて、こんなもんが並んでます。外から見ると、この図書館は『地球の歩き方』コレクションをしてるのか、と思えちゃうぞ。
で、その上に千席ちょっとのメインホールがあります。まあ、なんとも立派です。ほれ。
これはもう、紅白歌合戦でも鑑定団出張鑑定でも、何でもいらっしゃーい、だなぁ。実際、オープニングはカナフィルで、チケットは瞬間蒸発だったそうでありまする。目出度いことじゃ、うん。
とはいえ、相鉄で20分で横浜だし、同じ時間を反対に行けば厚木市民会館。北にも南にも相模大野やら藤沢やら、もっと規模が大きく老舗の市民会館大ホールがあるわけで、正直、千席というのは極めて妥当な大きさとはいえ、いろんな意味で中途半端なのは目に見えている。貸ホールとして馬鹿安いわけでもなく、民間プロモーターさんが手打ち興行に使うのは相当に難しい。
まあ、どういうことになるのか、ホールとしては指定管理に入ってる業界老舗Sさんの現場スタッフがどう知恵を絞るかなんでしょうねぇ。当面、これといったネタはあるわけでもなさそうだけど…無論、誰だって考えるよーに、「ここの小さなホールでYAMATO Qの定期演奏会をやればいいじゃないかっ、カナフィルの人気コンマスの率いる団体なんだからさっさとレジデントにすればいいじゃないか」と騒いでみたものの、ま、なかなかそう簡単には話はいかないようでありまする。
ホールの上は、児童図書館&お子様の遊び場空間、上層階2層は大和市図書館で、これまた公立図書館関連指定管理を受けてる某大手企業がやってるそうな。最上層6階は会議室やらコミセン的な集会所スペースで、電子レンジが並んでる部屋なんかもあったのは市民お料理教室をやるんでしょうけど、こーゆーのが最近の流行なんでしょうか。最上階北西部分の自由スペースは、厚木基地に出入りする米軍機監視には最適の場所かもね。特に夏場は冷房完備じゃんかぁ。
ってなわけで、中をひとわたり見物させていただき、ああ大和市民の諸君には素晴らしい場所が出来て善かったねぇ、という以上の感想も抱いたり抱かなかったりなわけでありましたとさ。
さても、せっかく大和なんぞにまで足を伸ばしたのだから、市内最大の観光スポットを眺めないわけにもいくまい。かくて、駅を越えて東に向かえば、曇り空の下、目の前をこんな奴が。
そー、銀座新橋上空を横切って東京天樹周辺をぐるりとまわり、我が佃縦長屋の直ぐ横を抜けて戻ってく観光遊覧飛行ですっかりお馴染み、帝都の空の隠れ王者やんきー海鷹くんじゃああーりませんかぁ。ま、君の塒はここだもんね。乗っけてくれれば、大川端まで20分で帰れるんだけどなぁ。
ヴェトナム戦争終結から40余年、湾岸戦争もイラク戦争も、幸いにも空爆やってる攻撃機が直接この場所から空母に戻ったり、負傷兵を積んだ輸送機が降りてくることもなくなった。すっかり「海上自衛隊の基地」っぽくなっちゃって、大型災害時でもなければノンビリした空気が漂うようになったATSUGI Air Base、南のアプローチ下には、こんな立派な児童公園が整備され
上空には、幽霊もトム猫も叫ばず、猛禽類といえばこいつくらい。
平和に暮らす市民は文化を謳歌し、そして、こんな方々が経済で結果を出してくれている。
さあ、ヤマトの諸君、イスカンダルじゃなく、駅の向こうのシリウスを目指せっ!
神奈川県は横浜の西、相模原でも厚木でもない、ましてや湘南でもない、なんといって良いのやら判らないような半端な場所に、大和市、なんてたいそーな名称の市があります。「東名高速の大和トンネルのある所」、「小田急線が相鉄線と交差する乗り換え駅の所」、「新幹線が小田急の下を潜る辺り」などなど、それぞれの人によっていろいろとイメージはおありでしょうが(まあ、イメージなんてないぞ、というのがふつーだろーけどさ)、なんといっても「厚木基地のあるところ」という説明が全国区としては最も的確かつ判りやすいでしょうね。なんせ大和市自身が厚木基地のことを「マッカーサー将軍が最初に日本に足を降ろした史跡」と仰ってるくらいだもん。
最近では「米軍機墜落」なんて話は聞かないものの、まあ「米軍基地騒音被害訴訟」が最も有名そうなこの基地の街に、来る11月3日、市民待望の新たな文化施設がオープンいたします。その名も、そー、本日まで発表出来なかったけど、とうとう満を侍して発表出来るぞ、「大和市文化創造拠点シリウス」でありまするっ!
http://www.yamato-bunka.jp/about/
なんで今日まで発表出来なかったか、実は見物に行ったのは一昨日のことなんだけどさ、担当者さんに「情報が公式にオープンになるのは明後日ですから…」と釘を刺されていた。んで、いかな「書いてあることはみんな嘘、信じるなぁ」をモットーとする当無責任私設電子壁新聞とはいえ、流石に記すわけには行かなかったのでありまするよ。
とにもかくにも、「文化創造拠点シリウス」です。ええ、どーゆーことかというと、この施設の名称、まずは一般公募し、一度は「文化森」と決定した。施設の彼方此方にもその名称が穿たれ、告知も成された。
とか
とか。
だけど、どういう経緯やら知らぬけど、その名前は撤回され、この名前になった。その辺りの詳細な経緯を知りたい方は、あたしじゃなくて、大和市に問い合わせるか、共産党市議さんにでも突っ込んで貰って下さいな。
なんであれ、結果として、本日から晴れておおっぴらにこの総合文化施設の名称を口に出すことも可能になった次第。大和シリウス、ですっ。ヤマトの諸君、シリウス、ですよ。イスカンダルでも、拡散波動砲搭搭載アンドロメダでもありませんからっ!
一昨日段階では、まだこのように名称を隠してありました。へええ。で、これが外観。
いまどきのガラス外壁建築で、上に行く程に床総面積が狭くなる郊外中層マンションタイプの案外と、といっては失礼だけど、でっかい建物でありまする。地上六階、周囲に普通の意味での高層ビルはなく、せいぜいが10数階首都圏近郊マンションなんで、かなりドッカーンと立派なもんに見えますね。こういう建物って外壁の掃除が大変だろうなぁ、と思っちゃうけど、ま、そんなことは百も承知なんでしょーねぇ。
先程から「ホール」ではなく「文化施設」と記しているのは、ここが文字通りの総合文化施設だからです。実質、殆どの大和市民の諸君とすれば、「中央図書館が大和駅東の地下に潜った旧相鉄線路際に移転して立派になった」という感じなんじゃないかしら。ちなみに、これがホール前のなんの用途があるかよーわからぬ細長い空間から、大和駅方向を見たところ。
この真下に横浜方面に向かう相鉄が走ってます。奥に見えるビルが小田急の駅で、その向こうを冬場の北風の時には厚木基地から我が軍の最新鋭対潜哨戒機やらが離陸していく。言うまでもなく、空母ロナルド・レーガンが横須賀に入ってるときには、世界一騒々しい飛行機として知られるやんきー蜂くんやらがさんざんっぱら上がり下りして非常識な程に騒々しい爆音を振りまいてくれます。こんな産業がしっかり発達してる街でありまする。
幸い、今は空母ロンが黄海辺りをウロチョロしてるらしいので、厚木は米軍スッカラカン。担当の方を楽屋口前で待ってる間に、頭の上を海自基地側からやってきた岩国の最新虎の子掃海ヘリが過ぎってったくらいでありました。っても、この調子。いやはや。
もとい。で、大和の諸君の希望の星シリウスでありまする。ここ、1階北西隅の駅に近いところでスタバが出迎えてくれて、その奥は二百数十席の「サブホール」と
美術展示などを行えるギャラリー(担当者さんに拠れば、実はここがいちばん音が良いかも、とのこと)があるんだど、そのロビー部分もしっかり図書館になってて、こんなもんが並んでます。外から見ると、この図書館は『地球の歩き方』コレクションをしてるのか、と思えちゃうぞ。
で、その上に千席ちょっとのメインホールがあります。まあ、なんとも立派です。ほれ。
これはもう、紅白歌合戦でも鑑定団出張鑑定でも、何でもいらっしゃーい、だなぁ。実際、オープニングはカナフィルで、チケットは瞬間蒸発だったそうでありまする。目出度いことじゃ、うん。
とはいえ、相鉄で20分で横浜だし、同じ時間を反対に行けば厚木市民会館。北にも南にも相模大野やら藤沢やら、もっと規模が大きく老舗の市民会館大ホールがあるわけで、正直、千席というのは極めて妥当な大きさとはいえ、いろんな意味で中途半端なのは目に見えている。貸ホールとして馬鹿安いわけでもなく、民間プロモーターさんが手打ち興行に使うのは相当に難しい。
まあ、どういうことになるのか、ホールとしては指定管理に入ってる業界老舗Sさんの現場スタッフがどう知恵を絞るかなんでしょうねぇ。当面、これといったネタはあるわけでもなさそうだけど…無論、誰だって考えるよーに、「ここの小さなホールでYAMATO Qの定期演奏会をやればいいじゃないかっ、カナフィルの人気コンマスの率いる団体なんだからさっさとレジデントにすればいいじゃないか」と騒いでみたものの、ま、なかなかそう簡単には話はいかないようでありまする。
ホールの上は、児童図書館&お子様の遊び場空間、上層階2層は大和市図書館で、これまた公立図書館関連指定管理を受けてる某大手企業がやってるそうな。最上層6階は会議室やらコミセン的な集会所スペースで、電子レンジが並んでる部屋なんかもあったのは市民お料理教室をやるんでしょうけど、こーゆーのが最近の流行なんでしょうか。最上階北西部分の自由スペースは、厚木基地に出入りする米軍機監視には最適の場所かもね。特に夏場は冷房完備じゃんかぁ。
ってなわけで、中をひとわたり見物させていただき、ああ大和市民の諸君には素晴らしい場所が出来て善かったねぇ、という以上の感想も抱いたり抱かなかったりなわけでありましたとさ。
さても、せっかく大和なんぞにまで足を伸ばしたのだから、市内最大の観光スポットを眺めないわけにもいくまい。かくて、駅を越えて東に向かえば、曇り空の下、目の前をこんな奴が。
そー、銀座新橋上空を横切って東京天樹周辺をぐるりとまわり、我が佃縦長屋の直ぐ横を抜けて戻ってく観光遊覧飛行ですっかりお馴染み、帝都の空の隠れ王者やんきー海鷹くんじゃああーりませんかぁ。ま、君の塒はここだもんね。乗っけてくれれば、大川端まで20分で帰れるんだけどなぁ。
ヴェトナム戦争終結から40余年、湾岸戦争もイラク戦争も、幸いにも空爆やってる攻撃機が直接この場所から空母に戻ったり、負傷兵を積んだ輸送機が降りてくることもなくなった。すっかり「海上自衛隊の基地」っぽくなっちゃって、大型災害時でもなければノンビリした空気が漂うようになったATSUGI Air Base、南のアプローチ下には、こんな立派な児童公園が整備され
上空には、幽霊もトム猫も叫ばず、猛禽類といえばこいつくらい。
平和に暮らす市民は文化を謳歌し、そして、こんな方々が経済で結果を出してくれている。
さあ、ヤマトの諸君、イスカンダルじゃなく、駅の向こうのシリウスを目指せっ!
神フィルが練習場の指定管理者に [指定管理者制度]
最近、とんとご無沙汰な「指定管理者制度」ネタです。久々の前向きな大ネタかも。
神奈川フィルが、自分の練習場「かながわアートホール」の指定管理者候補に指名されました。
http://www.pref.kanagawa.jp/prs/p812429.html
だからなんだ、と言われるかも知れませんが、これって、相当に大変なことです。
オケが自分の本拠地を自分で所有出来れば、それは理想的に決まってます。とはいえそこまで出来てるオケは世界中にも殆どない。オケを運営するのが楽友協会で、その楽友協会がホールを所有する、なんてのは実質上オケが持っているのと同じだけど、そういう例もそれ程はない。アメリカのオケでも、案外と公共ホールを実質上自分らの本拠地として借り切っている、というのが殆どです。あのウォールト・ディズニー・ホールなんて、いかにもロスフィルが持ってそうだけど、公共ホールなんですよねぇ。
勿論、日本のオケでそんなことが出来てる団体はない。小生は指定管理という制度が出来てから、もうことある毎に公共文化施設の「フランチャイズ」になってるオケの事務局の方々に「ホールの指定管理、取っちゃいなさいよぉ」とけしかけてるんだけど、流石に貸しホールの管理とかホール以外の設備管理とか、オーケストラの本業以外の部分もそれなりに多いようで、みんな冗談としか思ってくれない。あたしゃ、本気なんだけどね。そーゆーのはその道の専門会社はいくらでもいるだから、共同企業体を良いじゃないかぁ、と思っちゃうんだけどねぇ。
ま、それはそれ。今回の神フィルは、本番公演をやる会場ではなく、練習をしている施設です。当然、ライブラリーとか事務局とか有るんでしょうから、まあ、自分ちですわ。これまで借家だったのを、大家さんの仕事を引き受けちゃった、ってことでんな。
これでどういう良いことがあるのか、いろいろ妄想は膨らむけど、ま、それは実際に担当者に目論見を尋ねてみなければ判らぬ。これは取材せんとなぁ。
記事にしてくれる媒体、有るのかしら…うううん、こっちの状況はかわっとらん音楽業界でありましたとさ。
神奈川フィルが、自分の練習場「かながわアートホール」の指定管理者候補に指名されました。
http://www.pref.kanagawa.jp/prs/p812429.html
だからなんだ、と言われるかも知れませんが、これって、相当に大変なことです。
オケが自分の本拠地を自分で所有出来れば、それは理想的に決まってます。とはいえそこまで出来てるオケは世界中にも殆どない。オケを運営するのが楽友協会で、その楽友協会がホールを所有する、なんてのは実質上オケが持っているのと同じだけど、そういう例もそれ程はない。アメリカのオケでも、案外と公共ホールを実質上自分らの本拠地として借り切っている、というのが殆どです。あのウォールト・ディズニー・ホールなんて、いかにもロスフィルが持ってそうだけど、公共ホールなんですよねぇ。
勿論、日本のオケでそんなことが出来てる団体はない。小生は指定管理という制度が出来てから、もうことある毎に公共文化施設の「フランチャイズ」になってるオケの事務局の方々に「ホールの指定管理、取っちゃいなさいよぉ」とけしかけてるんだけど、流石に貸しホールの管理とかホール以外の設備管理とか、オーケストラの本業以外の部分もそれなりに多いようで、みんな冗談としか思ってくれない。あたしゃ、本気なんだけどね。そーゆーのはその道の専門会社はいくらでもいるだから、共同企業体を良いじゃないかぁ、と思っちゃうんだけどねぇ。
ま、それはそれ。今回の神フィルは、本番公演をやる会場ではなく、練習をしている施設です。当然、ライブラリーとか事務局とか有るんでしょうから、まあ、自分ちですわ。これまで借家だったのを、大家さんの仕事を引き受けちゃった、ってことでんな。
これでどういう良いことがあるのか、いろいろ妄想は膨らむけど、ま、それは実際に担当者に目論見を尋ねてみなければ判らぬ。これは取材せんとなぁ。
記事にしてくれる媒体、有るのかしら…うううん、こっちの状況はかわっとらん音楽業界でありましたとさ。
名古屋のホールについての記事 [指定管理者制度]
敢えて久しぶりに「指定管理者制度」カテゴリーにします。
4月になって公立民間問わず彼方此方のホールで運営形態が変更になったりしている今日の頃、中日新聞に名古屋の音楽ホールをさああっっと俯瞰する記事が出ました。全国区では読むのが難しい記事のようなので、名古屋のホール関係者の方にPDFで送ってもらいました。こういうのをぺったりと貼り付けるのは法律的にはどうなのか、正直よーわからんのだが、ま、「書いてあることはみんな嘘、信じるなぁ」を標榜する当電子壁新聞なら世間も諦めてくれるだろーと期待し、貼り付けます。ほれ。
中日新聞ホール記事.pdf
名古屋の方に拠れば、このようなローカル記事はなかなか書いていただけないそうなので、貴重な資料なのかも。
この記事ではもの凄くポジティヴに捉えられている愛知芸術劇場の新指定管理者ですけれど、ここに至るまでにはいろいろなことがあったようで、具体的な変更はいかにもお役所っぽいこんなリリースが出てる。ホールの使い方がちょっと自由になった、というのはこれでも判りますね。
http://www.aac.pref.aichi.jp/shiteikanri.pdf
このセンターが誕生したときに「日本に於ける芸術情報の集約基地となる」というお題目があって、芸術関係の情報収集などを積極的に行い、貯め込み、データベースになるのかと思ったのだが、その辺りは今回の指定管理移行でどうも施設のミッションから削られてしまったようなんですよねぇ。この辺り、もうちょっときちんと眺めてこなければいけなかったとは思うのですが、スイマセン、ちゃんとフォローしていなくて。
なんにせよ、こういうスタッフを集めたのだからなにかが起きるだろうと期待しましょう。名古屋はどちらかというと民間で無茶ともいえるがんばりをする個人が引っ張ってる場所、という印象なんで、公共ホールも負けないで下さいませ。
4月になって公立民間問わず彼方此方のホールで運営形態が変更になったりしている今日の頃、中日新聞に名古屋の音楽ホールをさああっっと俯瞰する記事が出ました。全国区では読むのが難しい記事のようなので、名古屋のホール関係者の方にPDFで送ってもらいました。こういうのをぺったりと貼り付けるのは法律的にはどうなのか、正直よーわからんのだが、ま、「書いてあることはみんな嘘、信じるなぁ」を標榜する当電子壁新聞なら世間も諦めてくれるだろーと期待し、貼り付けます。ほれ。
中日新聞ホール記事.pdf
名古屋の方に拠れば、このようなローカル記事はなかなか書いていただけないそうなので、貴重な資料なのかも。
この記事ではもの凄くポジティヴに捉えられている愛知芸術劇場の新指定管理者ですけれど、ここに至るまでにはいろいろなことがあったようで、具体的な変更はいかにもお役所っぽいこんなリリースが出てる。ホールの使い方がちょっと自由になった、というのはこれでも判りますね。
http://www.aac.pref.aichi.jp/shiteikanri.pdf
このセンターが誕生したときに「日本に於ける芸術情報の集約基地となる」というお題目があって、芸術関係の情報収集などを積極的に行い、貯め込み、データベースになるのかと思ったのだが、その辺りは今回の指定管理移行でどうも施設のミッションから削られてしまったようなんですよねぇ。この辺り、もうちょっときちんと眺めてこなければいけなかったとは思うのですが、スイマセン、ちゃんとフォローしていなくて。
なんにせよ、こういうスタッフを集めたのだからなにかが起きるだろうと期待しましょう。名古屋はどちらかというと民間で無茶ともいえるがんばりをする個人が引っ張ってる場所、という印象なんで、公共ホールも負けないで下さいませ。
自然が織り成す天井の模様 [指定管理者制度]
ある方のリサイタルがあり、半分ぶっ壊れた頭ではるばる目黒は柿の木坂、パーシモンホールまで出かけましたです。このホールの命名法、ベタだけど、なかなかセンスが良いなぁ。
秋も深まり、広葉樹の葉っぱは黄色くなって街路に落ち、月明かりを向こうにした夜の光の下ではこんなに素敵。これが区立のホールなんだから、豊かなブンカコッカだなぁ、ニッポン国は。
さても、演奏会に向けて地下の小ホールに向かいます。大ホールは地上階にあり、反対側は図書館です。うううん、スゴイ施設だ。
ロビーもやたらと高く、床もピカピカ輝いてる。手入れが行き届いてますねぇ。…と、おや、妙なことが書いてあって、妙なもんが置いてあるぞ。
で、眼を上に上げると
なんてことでしょー!おやおや、最近、颱風でもあったかしら。この辺りは地名通り、都立大学駅からダラダラと登ってくる辺りなので、低くなっていて溜まって、ということはなかろうし。
このところ大きな雨があった記憶はないので、昨日の今日にこういうことになったのではなかろう。なんでこういうことになったままなのかしら。
建物のハード面の事故に関しては、指定管理者はどのような予算を持っていて、こういうことがあるときにはどういう風に予算を動かし、修理するのか。よーわからぬが、すごおおおく気になります。
目黒区民の方、どうなってるのか、教えてちょ。調べると、公益財団法人目黒区芸術文化振興財団が指定管理をしてる。ってことは、共同企業体でビル会社と制作会社が別で仕切りがどうで、とかじゃあない、ってことなんですよねぇ。うううん…
秋も深まり、広葉樹の葉っぱは黄色くなって街路に落ち、月明かりを向こうにした夜の光の下ではこんなに素敵。これが区立のホールなんだから、豊かなブンカコッカだなぁ、ニッポン国は。
さても、演奏会に向けて地下の小ホールに向かいます。大ホールは地上階にあり、反対側は図書館です。うううん、スゴイ施設だ。
ロビーもやたらと高く、床もピカピカ輝いてる。手入れが行き届いてますねぇ。…と、おや、妙なことが書いてあって、妙なもんが置いてあるぞ。
で、眼を上に上げると
なんてことでしょー!おやおや、最近、颱風でもあったかしら。この辺りは地名通り、都立大学駅からダラダラと登ってくる辺りなので、低くなっていて溜まって、ということはなかろうし。
このところ大きな雨があった記憶はないので、昨日の今日にこういうことになったのではなかろう。なんでこういうことになったままなのかしら。
建物のハード面の事故に関しては、指定管理者はどのような予算を持っていて、こういうことがあるときにはどういう風に予算を動かし、修理するのか。よーわからぬが、すごおおおく気になります。
目黒区民の方、どうなってるのか、教えてちょ。調べると、公益財団法人目黒区芸術文化振興財団が指定管理をしてる。ってことは、共同企業体でビル会社と制作会社が別で仕切りがどうで、とかじゃあない、ってことなんですよねぇ。うううん…