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サイン会が…戻って来た? [パンデミックな日々]

やっぱり、「パンデミックな日々」ネタなんだろうなぁ。

半月ちょいの旧正月避寒新帝都滞在も残すところあと2日の春節分、寒さも緩んだのかと誤解するような日の長くなった晩に、ニッポン憲政史上最初の実質上の総理大臣暗殺現場の坂を登った四谷堀、紀尾井ホールに参上した次第でありまする。
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今やもう説明は不要、我らが葵トリオがこのヴェニュで3年でシューマン全部を演奏しようというシリーズの2回目でありまする。おお、向こうには随分と若い頃のマキシムくんがこっちを向いてるではないかぁ。一瞬、これだけのために温泉県から日帰りしちゃおうかと思ってしまうが…隠居の貧乏人であることを忘れてはならぬぞっ。

週末金曜の晩、四谷堀を下り神田川を遡った大曲では人気者スターがチェンバロで《パルティータ》全曲、シモン・ゴールドベルク翁の墓を横に更に内陸に入った池袋では宝塚演出のスターがヴェリズモ定番名曲演出で盛り上がってるし、はたまた溜池ではすっかりベルリンフィルの重鎮となったコンマス氏がこれまたシューマン弾いてるし、上野では本日芥川龍之介台本の連作歌曲みたいなモノオペラを日本初演する作曲家氏が日本一売れっ子の作曲家指揮者のジョーと対談してるし…新帝都の週末、オペラ禍の自粛の日々などすっかり懐かしくもない昔話となってしまったかのよーな勢いじゃわい。

演奏者が「聴かせるのは難しい」と仰るシューマンの2番、いよいよ満を持して登場の誰でも知ってるメンデルスゾーンのニ短調、どちらも細部で弦のデュオの「合ってる」っぷりが尋常ではなく、ああああピアノ三重奏常設で滅茶苦茶練習すると、こういうことになるのねぇ、と教えてくれることばかりの演奏が展開され、加齢臭漂うと自虐される室内楽聴衆とはとても思えぬ女性半分以上という華やいだ客席も大いに盛り上がる。面白いことに、やくぺん先生の周囲には、某大音楽事務所の前副社長とか、某ホール館長を辞めて東京に戻ってきたプロデューサーとか、招待券出さなきゃいけないような人達が、いちばん貧乏人席に座りまくってた。紀尾井さんって、新日鉄コンサート以来実質ずっとやってきた今は亡き創設プロデューサーおばさま時代から、独自の広報展開というか、広報する気がそれほどない独自路線を採ってるんで、こういうことになるのかな。逆に言えば、そういう人達が自腹切っても聴きに来る団体、ということですな。元東京Qのセカンドご夫妻にも新年のご挨拶が出来たし。

さても、ここまではどーでもいい枕。写真を撮るタイミングを逸しちゃったんですけど、この演奏会、開演前のロビーに告知がありました。ある方のインスタから文面を引き写します、赤字含め、以下。

「サイン会のお知らせ/ 本日終演後、試験的にサイン会を行います。/ 感染防止の観点から、出演者との《会話》《握手》《撮影》はご遠慮ください。/ 今回の結果を参考に今後のサイン会実施について検討いたします。皆様のご協力をお願いいたします。/ 主催者」

へえ、コロナ時代には御法度だったサイン会、復活するんですな。なにやら「テストだぞ、特別だぞ」って空気プンプンですな。

さても、大拍手も消えたあとのロビーでは、ずらりと聴衆が列を成す。天井桟敷からノンビリ下っていったら、驚くなかれ、100人を超えるのではないかという長蛇となっておりまする。写真撮るなというので、この掲示のみをお見せしましょうぞ。
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この掲示の前にテーブルが引き出され、演奏を終えた葵トリオの皆さんが並んで、CD包装紙をピリピリ破った善男善女が今か今かと自分の番がくるのを静かに待っている。で、この写真の板を手に持ったスタッフが何人も、高く掲げ、赤字部分の指示に従わない奴がいないよう目を光らせております。終演後の聴衆の未だ覚めやらぬ高揚感と、きっちり管理するぞという主催側の緊張感が、なんとも不思議な空間を醸し出しておりました。

マネージャーさんによれば、この日の売上は(流石に正確な数はお伝えできませんけど)室内楽演奏会としては空前のものだったとのこと。余りの盛況ぶりに、ホールの関係者さんに「来週のシンフォニエッタでもやるんですか?」と人の良いオッサンの振りをして尋ねたら、「その予定はありません」とのことでした。うううむ。

とにもかくにも、コンサート会場にサイン会が戻って来た。これが本来のあり方なのか、なんだかなぁ、という気はせんでもありませんけど。
  
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カーネギーホールがマスク義務撤廃! [パンデミックな日々]

このところ、新帝都では連日演奏会に通い、ここ温泉県盆地の田圃の中の仕事場に来ては纏めて山のような(というか、今や隠居の身、五月雨のような、という表現が正しかろー)作文仕事に専念するばかり。この季節は畑作業は端境期で(正にオクトーバーフェストやら収穫祭のハロウィンがやれる、農家さんには閑散期なのかな)、やくぺん先生んちの小さな畑も秋冬の馬鈴薯が芽を吹き出し、薩摩芋は生い茂り、大蒜は葱みたいにひょろひょろ伸び、アスパラは来る春に向けてしっかり地下で根を張っている(のであろー)のをボーッと眺め、おっとセイントタッカーではないかぁ、と黄色い背の高い奴を見つけたら強引に引っこ抜くくらいしか肉体労働はなし。遙か福岡帝国配下の伊都國からボランティア仕事にもならんような畑仕事に来て下さる我らがスーパー庭師様のお陰でありまする。

お嫁ちゃまも、庵前のすっかりヒヨらに位尽くされたパーシモンゲートを抜け、盆地の朝霧を掻き分け
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新帝都経由4年ぶりという遙か南の島国へと1週間のコンファランスに赴き、早速到着するやF-1サーキットの公道を見下ろすウィークリーアパートからバスで学校やらに通ってるようじゃ。

かくて、温泉県仕事場に居る間は誰とも話すことなく、淡々と作文作業に明け暮れる日々。当電子壁新聞も書くことすらなく、すっかり放置になってしまいまする。スイマセン。

とはいえ、神様が出雲からニッポン各地に戻るのと入れ替わり、というわけではないけど、やくぺん先生も南の島国経由で独逸国真ん中から北と仏蘭西国隅っこの白耳義国近くをウロウロするための準備をやっと始め、この2年半のコロナ生活ですっかり即ゴミ箱行きが常識になってしまった異国からやまのように押し寄せるニュースや広報さんからの案内を少しは真面目に眺めるようになる。と、今や定宿もなく訪れる予定も金もない遙か異国の土地のニュースながら、へえ、と思うものもありまする。んで、今朝入っていたニュース。こちら。ええい、まんまコピペ。

Customer Service Update
Masks No Longer Required Inside Carnegie Hall
Thank you for being part of our worldwide family of music lovers.
Since the start of the pandemic, our team has worked with leading medical and public health experts to assess and adjust our guidelines, working toward creating the safest environment possible for all. The health and safety of everyone coming to Carnegie Hall remains our top priority.
With vaccines, boosters, and antiviral treatments now widely available, we have been advised that it is no longer necessary to require audience members to wear masks. Effective October 24, masking at Carnegie Hall will be encouraged, but optional. Audience members who wish to continue wearing masks are welcome to do so.
We greatly appreciate the commitment audiences have shown as we navigate these circumstances together. If you need assistance, please email feedback@carnegiehall.org or call CarnegieCharge at 212-247-7800.
For the most up-to-date health and safety protocols, please visit carnegiehall.org/SafetyChecklist.
We look forward to seeing you soon at Carnegie Hall.

へえ、来る10月24日をもって、カーネギーホール内でのマスク着用は義務ではなくなる、とのことです。これがWebサイトの案内。
https://www.carnegiehall.org/Safety-Checklist?utm_source=wordfly&utm_medium=email&utm_campaign=cs-10-17-2022&utm_content=version_A&sourceCode=40877

マスクというものの扱いがこれほど文化によって異なると驚きと共に判明したコロナ禍でありまするがぁ、御上がどんなに言おうがエスカレーター片側空けとマスク偏愛だけは言うことを聞かない御上従順な筈のニッポン列島住民はともかく、世界はマスク無しに移行しつつあるようで、先月頭のミュンヘンでも、ホールのオーディトリアム内はマスクしろと壁に貼ってあっても、そーだなぁ、三分の1くらいしてるかどうか、でしたね。公共交通内部はマスクは法律で着用が義務づけられているというアナウンスが繰り返され、してないのは根性入った不良とアナウンスが判らぬ外国人くらいだったけどさ。

法律ではなく空気が支配するニッポン国、果たしてこれからどうなるやら。

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コロナ禍の上野をベートーヴェンで眺める [パンデミックな日々]

今年の年明けから、雪の中を落ちた柿の実をつぐみん軍団が喰らいに押し寄せる氷点下6度の温泉県盆地は石武オフィスに遙々新帝都は上野の杜から重量数キロの書籍を持ち込み、数日必死に行った作業
https://yakupen.blog.ss-blog.jp/2022-01-12
その結果が、このような形で世に出ました。やくぺん先生が関わったのは見開き2ページのみですけど。
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http://neil.chips.jp/chihosho/hanmoto/fax20220317h-01.pdf

漫画冊子ではありませんっ。さてもどういうものか、公式リリースをまんまコピペすると…

※※※

東京藝大ならではの執筆陣が多彩な視点からベートーヴェンを語る

東京藝術大学にゆかりのある執筆陣が、ベートーヴェンにまつわるコラムやリレーエッセイを展開。ビギナー向けのオンライン講座のダイジェストや、コロナ禍における演奏会についての取組み等、盛りだくさんの一冊。
ベートーヴェン生誕 250 年を迎えた 2020 年、コロナ禍により、多くの関連企画が中止や延期となるなどの影響を受けた。そんな中、東京藝大での演奏会を企画・制作する演奏藝術センターは、多彩な視点からこの大作曲家にアプローチするウェブサイト「つながるベートーヴェン」を開設。現役教員・出身者を中心とした執筆陣によるリレーエッセイと、ビギナー向けのオンライン講座「14 歳のためのベートーヴェン」等を公開し、好評を博した。本書ではこの 2 つの企画のアーカイブに書き下ろしとなる公演レポートやコラムを加えた。
執筆者:河野文昭(チェロ奏者)/新井鷗子(構成作家)/迫昭嘉(ピアノ奏者)/大石泰(プロデューサー)/越懸澤麻衣(西洋音楽研究者)/川口成彦(ピアノ、フォルテピアノ、チェンバロ奏者)/沼口隆(西洋音楽研究者)/針貝真理子(ドイツ文学研究者)/渡辺祐介(声楽家・指揮者)/小川類(作曲家)/海老洋(画家)/橋本久美子(近現代音楽史研究者)/坂田哲也(画家)/古川聖(メディア・アーティスト)/植村太郎(ヴァイオリン奏者)/島根朋史(チェロ奏者)etc.

※※※

なんだか良く判らん、とお感じでしょうねぇ。実は、やくぺん先生も、長い付き合いの編集者さんから「こういう記事、やってくれる、ちょっと難しいものなんだけど…」と言われて年末でもう誰も居ない上野の杜に呼び出され、何故かチキン弁当出され打ち合わせをしたときには、全く趣旨がわかりませんでした。正直、担当する原稿はやります、と必要な資料を渡されたときも、全体にどういうイメージのものなのか想像も付かなかった。

結果から言えば…そーですねぇ、いちばん近いのは、「ブルータス」とか「東京人」とかみたいな「特集が中心になる定期雑誌でときに猛烈に意識高いとかぶっ飛んでカッコいい系の題材を取り上げるムック志向のある冊子のもの凄く捻った号」、って感じかなぁ。中身的には「ユリイカ」とか「現代思想」みたいなものの、うんと薄い奴というか。ま、単発の出版物としてはちょっと似たものは想像つかない、不思議なもんです。より中身として正確に言えば、「普通の人にもアクセス出来るようにした上野藝大音楽部のコロナ禍2年分のアニュアル・レポートを、ベートーヴェンという視点から纏めた歴史記録資料」かな。

コロナが始まった2020年初春からどうやら終わりが見えてきそうだという感じが一瞬漂っていた2021年冬の盛り頃までの上野の様子を、古い方の門を入っていちばん奥2階の殺風景な演奏芸術センター事務所から眺めていたひとりの元編集者現准教授の歴史への防備録、というのが最も正しい評価かしら。

楽しいから、面白いから、読むとワクワクするから皆さん是非手に取りましょう、とは敢えて言いません。ですが、このようなちょっと不思議なレポートが世界中の図書館に納まる形で紙媒体という後から手を加えられない形に纏められたのは、生データ改竄が常識となったSNS時代の時代であるからこそ、意味があるのでしょう。

ま、手に取る機会があったら(そこが最大の問題でしょうけど…)、どうぞ。なんせ「日本列島ではほぼ購入不可能、ネット販売でもいつ買えるか判らない物理的に重たいドイツ語のみで書かれた書籍の紹介文」ですから…冗談じゃなく、前衛文学にしっかり一ジャンルを構える「存在しない本の書評」、みたいなもんだわなぁ。

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コロナは全然終わってません [パンデミックな日々]

なんだか世界中の「国」が、戦争という「国」の専権事項に血眼になっていて、国を創り上げている国民の健康はもう勝手にして下さい、今は忙しくなっちゃったんで、というおかしな空気漂う今日この頃、皆様はいかがお過ごしでありましょうか。なんせ我が御上、この調子ですから。
https://news.yahoo.co.jp/articles/56eb63d235f714e2bc74f818a79fb80a7f1494de

さても、北極海飛び越えたり、ぐるりとオスマン帝国から中央アジア抜ければやってこられる状況になっているらしい我が極東の島国ですが、まだまだコロナは収まったわけではありません。札幌はふきのとうホールから、先程、こんなリリースが出ました。必要な部分をコピペ。

「4月に来日を予定しておりましたクァルテット ベルリン-トウキョウのメンバーに、複数の新型コロナウイルス陽性反応者が確認されました。それを受けて彼らの来日を中止させていただくことになりました。公演開催間際での決定でお客様及び関係者の皆様には大変ご心配とご迷惑をおかけして申し訳ございません。何卒ご理解を賜りますようお願い申し上げます。」
https://www.rokkatei.co.jp/hall/fukinoto/

まるまる2年間故郷に戻れぬチェロさんの団体、やっと懐かしの北の大地に至れると思ったら、ダメです。来られません。春の終わりから初夏にかけ、欧州北米のシーズンオフの初めの数週間、溜まりに溜まった来日予定を一気に処理してしまう勢いで様々な外国ベースの団体の来日公演が予定されていますけど、それらがちゃんとやれるのか、まだまだ気は許せない状況でありまする。メンバーにロシア国籍がいる団体はどうする、なんてこともありますからね。なんせ我がニッポン政府、少なくとも情報戦に関しては、お得意の宣戦布告無しでの既成事実としての戦時下ですから。

どんなに巷に観光客が溢れようが、気を抜いてはならんぞっ。

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中止だったり開催だったり [パンデミックな日々]

先程、横浜は鶴見で某地元プロデューサーさんと林市長のバレエ劇場騒動が市長選に影響しているのか、なんぞの話をしていたら、こんな連絡が飛び込んで参りました。

2021セイジ・オザワ 松本フェスティバル (2021OMF) OMFオープニングコンサート、ふれあいコンサートI開催中止のお知らせ
新型コロナウイルス感染状況を踏まえ、8月21日(土)「OMFオープニングコンサート」と8月22(日)「ふれあいコンサートI」の開催を中止し、開催期間を短縮いたします。楽しみにしてくださっていたお客様には大変申し訳ございません。対象公演チケットの払い戻しについては後日、OMF公式ウェブサイトで発表いたします。(以下略)
https://mailchi.mp/3e4fc5aad8b2/2021omfno4omfi?e=8cb4064c45

いやはや、中央線の大雨で果たして行けるのか、ということばかりを考えていたこの週末の松本、中止になりました。うううん、高速バスとあずさの切符、払い戻しせにゃならんわい。

その一方で、本日から始まっている草津音楽祭は、一部の演奏会でのキャンセルは発表されていますけど、なんとか開催されているようです。
https://kusa2.jp/

出演予定者のお宅には、事務局からPCR検査キットが送りつけられているそうで、これだけコロナ禍が長引くと、主催者側も独自の基準をきっちり定め始めているようですね。

松本からほど近い木曽福島も、先程、関係者の方とちょっと話をするに、現時点では開催の予定だそうな。ただ、刻々と情勢はかわっているようで、次の公式発表は20日になる、とあります。誠実な言い方ですな。
https://www.town-kiso.com/manabu/event/100210/

来日出来るのか心配されていたサントリー芸術財団のサマー・フェスティバルのメイン招聘団体、アンサンブル・アンテルコンテンポランの演奏会ですが、先週末からサントリーホール公演の招待状が関係者にやっと送られ始め、その先の神奈川県立音楽堂の招待状も昨日くらいから到着しているようです。どうやら、無事に開催されるみたい。

もうひとつ、二期会の《ルル》。少なくとも指揮者のマキシム・パスカル氏はずっと前からもう東京に到着しており、そろそろ2週間待機が終わって練習に参加出来るくらいなんじゃないかしら。

てなわけで、演奏会が開催されるかどうか、ホントにギリギリまで全く判らない、こっちがやってるからあっちもやってるだろう、とは全く言えない状況になってます。皆様も、お出かけ前にご確認を。無論、しっかり感染防止策をなさって、ですけどねぇ。

[追記]

8月19日夜、木曽町長さんから苦渋の決断のアナウンスがありました。
https://www.town-kiso.com/manabu/event/100210/

コロナだけではなく洪水被害、鉄道アクセス寸断も大きな理由なのでしょう。残念ですが、現実的で正しい判断だと思います。関係者の皆様、お疲れ様です。

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またまた緊急事態でどーなる? [パンデミックな日々]

諸般の事情で某地方銀行に口座を開く必要があり、想像以上に面倒なやりとりを経て、先程無事に東京駅八重洲口のぐちゃぐちゃ地帯がとうとう再開発に着手された辺りのビル内東京支店で口座開設。一仕事済んだと、隣のビル地下にある喫茶店ルノワールに潜り込み、なんとも懐かしい環境の中でノマド仕事してます。ホント、全てのスターバックスがルノワールになってくれれば良いのにっ!

今や殆ど手元にない貴重な商売になる原稿をやりながら、なんのかんの入ってくる連絡に対応し、先の日程などを眺めていると、やっぱり不安になってくるのは、昨日来また話題となっている「東京への四度目の緊急事態宣言発令」でありまする。

なんせ、先月くらいから、昨年来の「緊急事態」連発で順延になっていた演奏会がガンガンに入り始めている。いくらなんでも1年先なら大丈夫だろう、半年先ならなんとかなるだろう、オリンピックの頃にはいくら無為無策我らがニッポン政府御上だってまともな対応をしているだろう、と、初夏以降は昨年からこの冬にかけて予定されていた演奏会が並んでいた。そこに持ってきて、コロナ前から予定されていたこの初夏以降の日程の演奏会もあるわけで…。上野の某巨大楽劇はどうなってるんだ、とは敢えて言いません。

やくぺん先生とすれば、当面のいちばんの心配は、来週に予定されているこの極めて興味深いイベントがちゃんと開催されるか、ですな。
TGK14_R_A4flyerW2-1-1024x719.jpg
https://tokyogenonproject.net/?p=782
こんな無責任電子壁新聞で告知してみたところで、チケットは売り止めなんじゃないかしらね。うううむ…

一種の空間全体を用いるインスタレーションみたいな性格もあるこの類いの演奏会は、今や大流行のオンラインでは絶対に体験不可能。そこに体を出さないとなんだかわからん、ってもの。数ヶ月前に開催される予定だったのが、緊急事態宣言故にここに移されていたんだけど…果たして大丈夫なんでしょうかねぇ。

ちなみにこの日は、とても困ったことにこんな演奏会もバッテイングしてるし。どうしてこういう分母が小さいもんがぶつかるかなぁ…
https://www.operacity.jp/concert/calendar/detail.php?id=14360

周囲では、マスク無しのオッサン達がデカい声で仕事の打ち合わせをしてます。ここもなんだか怖くなってきたので、そろそろとんずらします。葛飾オフィス撤収を手伝ってくれた友人が感染したもののなんとか無事に帰還し演奏会再開の話も伝わり安心していたら、今度は別の若い友人から子供経由で家庭内感染の危機に晒されているという悲鳴、はたまた佃近辺でも某学校での集団感染の話が流れてくる今日この頃、コロナの足音がこれまでになく近づいている、世界大運動会実質始まった新帝都中央駅から湾岸地区でありましたとさ。

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移動状況 [パンデミックな日々]

一昔前ならば表に出なかった類いの業界の現場情報が、リアルタイムに本人らによって出てしまい隠しようがない昨今なので、後の記録のために貼り付けておきます。

昨晩遅く、来月6日から始まるベートーヴェン全曲演奏会に向け溜池に向かっていたイェルサレムQが、こんなFacebookの書き込みをしています。
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https://www.facebook.com/jerQuartet/posts/166137555515651
このような文字データがWeb上にいつまで残るか判らないので、視られなかったらスイマセン。敢えて魚拓を。日本時間の2021年5月24日午後10時過ぎの書き込みです。書いているのは、イェルサレムQのチェロさんみたいですな。

要は「今(日本時間24日午後10時)、僕とヴィオラくんはベートーヴェン全曲演奏会のためにチューリッヒから東京に到着したけど、テルアビブからドバイ乗り継ぎで東京に来る筈だったヴァイオリンふたりが、ドバイで搭乗拒否され、テルアビブに戻されてしまった。書類はすべてあるのに、とんでもシュールな話だ!」と怒ってらっしゃります。

日本時間火曜日の午前中の時点で、状況の変化は書き込まれていません。フォローもまだありません。無論、サントリーホールからの発表はありません。招聘現場は徹夜で必死に来日の方策を探っている筈ですので、ファンの皆さん、暫くは無事に溜池まで辿り着けるように祈るだけにしましょう。ただ、チケットお持ちの方は、日程変更を覚悟しておいたほうがいいかもね。

法務省の最新ページを眺めると、今月19日の段階でイスラエルはオリンピックなどの例外を除き(!!!!!)日本入国が出来ない地域になっているようです。昨日成田にチューリッヒから直行で到着する便はなかったようなので、果たしてどんなルートを採ったのか知らんけど、東京に無事に来られたヴィオラとチェロくんの方がラッキーだった、って感じ。第1ヴァイオリン氏は、10日位前にはプラハの春音楽祭弦楽四重奏コンクールにオンライン審査員として参加してましたけど、テルアビブにいたんですなぁ。

※※※

連日お伝えしているパオロ・ボルチアーニ国際弦楽四重奏コンクールですが、本日もホームページが更新され、地元イタリアから唯一参加だったジークフリートQという団体がキャンセルになりました。これで残っているのは参加予定は9団体。ボストンの団体など、大西洋越えて来られるんでしょうかねぇ。一昨日日曜日に本選がある筈だった大阪にも参加する筈だったカオスQは、まだ出場予定のようです。

まだまだ、何が何だか判らないパンデミックな日々は続く…

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溜池初夏の室内楽お庭も… [パンデミックな日々]

昨日午後から、我が業界も「緊急事態」解除が予定される(?)来月に向けての日程に関し、複数の大きな動きがありました。後の記録として、以下に纏めておきます。

★「サントリーホール・チェンバー・ミュージック・ガーデン」参加予定のノーブスQとシューマンQがキャンセル
懸念されていたように、やはり無理でした。
https://www.suntory.co.jp/suntoryhall/schedule/detail/20210612_S_3.html
https://www.suntory.co.jp/suntoryhall/schedule/detail/20210614_S_3.html

殆ど仕事らしい仕事がなく超貧乏状態が続くあたしゃ、お庭の切符は少しでも手数料を取られたくないのでサントリーホールの窓口で買ったんですけど、払い戻しができないねん!ええええーん!
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★イェルサレムQとキュッヒル御大はやるみたい
ベートーヴェン全曲を開催する予定のイェルサレムQは、どうやら祖国には居なかったか、戦時下での出国不可能という事態には至っていないようで、現時点ではやる予定とのこと。「新型コロナウイルス感染症拡大防止の対応上、海外からの渡航制限や公的な入場制限の要請などの状況により、今後公演の中止や公演内容の一部変更、および販売席に制限を設ける可能性がありますので、あらかじめご了承ください。」と赤字でトップに記してはありますけど。
https://www.suntory.co.jp/suntoryhall/schedule/detail/20210606_S_3.html

んで、ノーブスQとイェルサレムQで予定されていたメンオクは、なんとなんと、講師の元東京Qメンバーの愛弟子たるアマービレが代演になったようです。代演とは言わず、チケット新しく売るみたいなんで、あたしの切符、どーなるの?また買わなきゃなんないのかいな?
https://www.suntory.co.jp/suntoryhall/article/detail/000605.html

キュッヒル御大と仲間達、それにヘーデンボルク・トリオといういかにもサントリーさんらしいヴィーン組(「いかにもヴィーンらしい」とは言えないのが、なかなかサントリーさんらしい微妙さなんだけどね)も、2週間隔離のために日程や公演そのものが変更になってますね。
https://www.suntory.co.jp/suntoryhall/schedule/detail/20210626_S_1.html

というわけで、なんとかメインディッシュたるベートーヴェンとハイドンの弦楽四重奏はやるぞ、という溜池の梅雨の入りでありました。ちなみに、お庭室内楽祭りが始まる直前には、なんとなんと天下のバレンボイム様が単身乗り込んでベートーヴェンのピアノ・ソナタを披露することいなっておりますの
https://tempoprimo.co.jp/stage/y2021/barenboim
溜池は一年遅れのベートーヴェン祭りになってるなぁ。

別件ながらもうひとつ、昨日あったアナウンス。イェルサレムQがベートーヴェンの作品18の1と作品127といういかにもなプログラムで初日を開ける直前、上野は東京文化会館で開催が予定されていたサーリアホ媼の室内オペラ日本初演、広報担当の方から「やるぞ、サーリアホ氏も既に東京に入って隔離状態になってます」との連絡がありました。
https://www.t-bunka.jp/stage/9159/

3時開演で2時間半くらい、って話だけど、7時開演の溜池はホントに吹っ飛んでいかないとだなぁ。タクシーよりも銀座線の方が速いかも。それにしても、ここにもまたアマービレ低音くん登場って、ちょっと働き過ぎじゃあないかい。コロナ下の業界内「勝ち組」が、ハッキリ見えてきてますね。

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ニッポンに入れる人と入れない人 [パンデミックな日々]

「パンデミックな日々」が恒常化し、現状に経済的な影響を受けている人と受けていない人の意識の格差がますます拡大しつつある春うらうらの善き日、皆々様におかれましてはいかがお過ごしでしょうか。佃縦長屋では、本日体重三十グラム超えのでぶちんブンチョウ君が無事に1歳の誕生日を迎え、よくまあ無事にここまで大きくなったものだ、と祝われておりまする。はい。

さても、この数日、オフィスなし仕事場なし生活で納税作業を終え、中央区民復帰作品第一号商売原稿を終え、葛飾区民時代最後の取材だった原稿に着手しているのでありまするが、そんな日常が戻ったと錯覚してしまいそうな中に、あれやこれやと世間を騒がすニュースが舞い込んでいる。この2ヶ月、右から左に積み上げていたそんな話題にも、少しづつ復帰していかないとならへんじゃろーなぁ。

んで、この数日で最も大きな業界ニュースはこちらでしょうねぇ。これ、貼り付けてもいいんだろうなぁ。オーケストラのメンバーまでちゃんと出てますから、関心のある方はあるでしょうし。
2021.04.13東京春祭2021プレスリリース.pdf
わしら一般庶民の実質上の鎖国は続き、東アジア圏では唯一未だにどんどんと感染拡大が続いている感染防止対策最悪落ちこぼれ劣等生のニッポン列島、こんなところにも来ようという音楽家がいるようで、一般大衆に課せられた検疫措置などを吹っ飛ばした特例で入国、演奏活動を行える方が出てきています。昨年のうやむやな美談になったヴィーンフィル以来の大物、ムーティ御大が今、新帝都にいらっしゃる。

へえ、入れるんだぁ、リーくんも来られるのか、っても、遇ったり話したりは出来ないんだろうけどなぁ、と思って上のリリースを眺めると
「なお、渡航規制等により参加がかなわなかった指揮受講生に代わって、ムーティ自身のオーディションを経て、新たに日本人指揮者2名、高橋達馬、湯川紘惠の参加が決定しました。」
ってね。あらまぁ、ノブースQ創設ヴィオラ奏者で、指揮者に転向すると退団。前回の民音指揮者コンクールでは見事唯一日本人以外でセミファイナルまで進出したサミュエル・リーくんは、どうやら「渡航規制等により参加がかなわなかった」組のようじゃわい。

ううううむ、どういう基準なんだろーか?ムーティ御大がOKなのは、高松宮殿下世界文化賞なんてニッポン国御上に近い筋が偉い文化人として認定するありがたぁい賞を獲ったりしているからだ、と言われれば、ああそうなんですかぁ、と納得させられなくもないけれど…誰が、どういう基準で入国可の判子を押してるのか、知りたいものでありまするなぁ。あ、商売として、というよりも、単なる一般庶民の下世話なゴシップ話として、ですけどね。

時を同じくして、遙か九州は別府からもこういう案内があったり
https://wmg.jp/marthaargerich/news/86157/
はたまた、こんな話があったり。
https://tempoprimo.co.jp/stage/y2021/barenboim

ざっと眺めると、どれもこれも4月7日から8日くらいに決定している動きのようなので、なにかそこであったのかなぁ、と思わざるを得ないですな。このニュースとも、微妙に話が異なるみたいだし。こっちは「2週間隔離」って昨年の暮れ以来のやり方みたいですから。
https://japanphil.or.jp/orchestra/news/24545

その一方で、昨日、こういう残念な情報も伝えられている。
http://www.jcmf.or.jp/news/detail.php?news_id=101
個人的には、シカゴ響音楽監督やベルリン国立歌劇場音楽監督の来日なんぞとは比べものにならないくらい期待していただけに、とっても残念でありまする。

ムーティ、アルゲリッチ、マイスキー、バレンボイムならばニッポン列島に入国出来、ほぼ普通に直ぐに活動出来るけど、元ボリショイ劇場音楽監督じゃ一般と同じ扱い。ましてはペーペーの若者はダメよ、ってことならば、ある意味、とても判りやすい話だなぁ。失礼ながら、マルメンQは天下の讀賣テレビがバックでバレンボイムは民間音楽事務所ですから、招聘主催者側の現政府与党に対する政治力、って感じではないし。

ニッポン国が法の下での平等がない社会である、と人々が納得してしまうのは、国家の統治という意味で、とってもマズいと思うんだけどさ…

それにしても、ムーティ様やらバレンボイム様はともかく、別府で開催する室内楽でこのお値段って、どういう聴衆が来るのかしら。福岡から車で来るのかなぁ?大分に、このチケット代であの会場を埋めるだけの室内楽愛好家さんの分母があるとは思えぬのだが。うううむ…

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鎖国強化? [パンデミックな日々]

明日から緊急で札幌の葵トリオ取材になっていたのだが、今、ANAさんから金曜日の帰りがちゃんと飛ぶか判らないぞ、という案内が来ました。エクのリハーサル解説のリハーサルのために午後4時には新浦安におらねばならず、午前の便で戻ってくる予定だったのだが…これはヤバい。とはいえ、今、何が出来るわけでもなく、ともかく明日、札幌に着いてから情勢を眺め、最悪、朝6時の札幌発特急と新幹線乗り継ぎ、という酷いことになるやも知れぬ。うううううむ、殆ど取材などない今日のこの頃、ホントに久しぶりの取材でこんなことになるって、なんなんねん…

その葵トリオさん、明日の札幌の後に東京で収録などがあり、一度ドイツに戻り、また年末には戻ってきて名フィルでカセッラの三重協奏曲があったりして、そんな話を聞く予定だったのだけど、とんでもない情報が流れて参りました。ほれ。
https://www.bloomberg.com/news/articles/2021-01-26/eu-plans-to-shut-door-to-travelers-from-japan-amid-virus-surge?fbclid=IwAR0MlNQG5RqDLWJ31yeE0dSaydLAsHVicSvCsdcJMRNXKELKr4AqnGIlYIo

日本語メディアではまだ話題になっていないような、一種の飛ばし記事のような気もするけど、ともかく、「欧州は日本からの人を入れないことになるやも」って。これ、ホントに始まったら、細々と再開されていたニッポンのクラシック業界、ちょっと大変なことになるかも。なんせ、欧州拠点にしている日本人演奏家さんは移動が出来なくなる、ってことですからね。欧州に残るも、日本にいるならそのまま動かないも、なんにせよ、その場を離れられなくなっちゃうわけで。

札響だって、先週の大植えーちゃんはハノーファーだし、葵トリオはベルリンだし。世界の「国立劇場」の中で何故かほぼ唯一普通に舞台を出している初台なんかも、凄く困るんじゃないかしらね。

まだ決定事項か判らない話ですけど、明日以降、かなり大事になるんじゃないかしらね。

なんだかコロナ禍、ドンドン長期化し、2021年度は昨年以上の混乱になりそうな予感。うううむ…

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