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ブログウォッチャー? [売文稼業]

今回の都知事選挙で興味深いのは、「ブログ」とか「ウェブ」とかいう個人壁新聞に対して、様々な形での情報操作の圧力がかかってることです。

既に、小生のこの壁新聞にも、イシハラという都知事候補の支持者と思われる方、若しくは、イシハラ氏の選挙の広報をおやりになってる広報会社関係と思われる方から、興味深い反応がいくつか来ております。1日の閲覧者がたかだが1000を越える程度の電子壁新聞まで眺めて歩くのは大変だろうなぁ、と思うけど、考えてみれば「イシハラ」と検索して、端から中を眺めていけば良いだけですから、さほど大変な仕事じゃあないのかもしれませんね。なんせ、小生も数日前まで文化庁の孫請け仕事で数百のウェブサイトを眺める、なんてことをしてましたから。それくらいは個人でやれちゃうわけですわ。

まさか個人宛てに来たメールを電子壁新聞に公開しちゃうわけにもいきませんから、ひとつの例として、数日前の当壁新聞記事に寄せられたコメントを残しておきましょう。こちらからどうぞ。コメント欄、「一音楽ファン」という方からのコメント。http://blog.so-net.ne.jp/yakupen/2007-03-27

面白いのは、この方が小生の駄文の趣旨をきっちり理解してらっしゃる、ということです。小生が「音楽の友」に寄せた文章は、誰がどう見てもイシハラ都知事支持と思われて当然のものであります。「他人のふんどしで相撲を取るのが上手な石原さん、偉い!」って内容ですもの。政治家としてのイシハラという人が、メディア操作に長けた人である、ということを言ってるわけですから。

今更言うまでもなく、「政治家というのはメディア操作をしているわけだし、それに長けた奴が偉くなるのだから、みんな、そのことはきちんと判った上で騙されましょーねぇ」という、21世紀の現代を生きる人間としての一般常識を述べてただけですから、まあこんなの、主張でも何でもない。道を横断するときは気を付けましょう、とか、ナマモノを食べるときは鮮度に注意しましょう、とか、そんな程度の当たり前のことですわ。

この「一音楽ファン」という方、石原氏を愛し都響をいらんと思ってらっしゃる音楽ファンで、たまたま通りすがりに小生の駄文を読んで怒ったのか?はたまた、お仕事で「イシハラ」というブログをチェックしている方のプロの作文なのかっ?きちんと趣旨を理解した上で、「この記事は石原都知事を誉めているのだから、みんな、このバカなジャーナリストとか自称する奴の情報操作にひっかかるんじゃないぞ」と主張なさってるんですもの。

文章そのものも、インターネット上に溢れる下品な言動の特徴を意図的に模倣したようなプロの同業者さっぽさも感じますし。怒って書いているように見せて、さりげなく「アサノという奴は宮城県で大赤字を出した」と反アサノ宣伝をなさるのも忘れない周到さ、今、イシハラ氏が世論操作のテーマとして中心に持ち出そうとしてることを主張なさってるのも、マニュアルがあって書いてる感じだし。

特にプロっぽいテクニックを感じさせるのは、イシハラ氏擁護に向けたたみかけてくる最後の辺り、「都の税金を使わずに都のイヴェントを開催しついでに自分の名前も売る…これって凄~く優秀な政治家なんじゃないの石原は。」というところですね。
この文章を書ける理解力がある方なら、小生が「オペラの森は都のイヴェント」であるなどと一言も言っていない、都のイベントでもないものを都のイベント風に見せるイシハラ氏の巧さを讃えている、ということはお判りの筈。だけど、敢えてそこは判っていないふりをして、このコメントを読んだ人々が「ああ、オペラの森はやっぱり都のイヴェントなんだ」と勝手に誤解しかねない書き方をしている。さらによーく眺めると、小生から今やってるような突っ込みが入ったら「俺はここで言ってるのは仮定であって、石原がオペラの森でそんなことをしているなんて一言も言っていないぞ、バカめ」と言い返せるようにもなってるでしょ。
なかなかどうして、周到なテクニックが光る文章じゃあありませんか。凄いぞ、「一音楽ファン」さんっ!

ちなみに、イシハラ氏の明らかな失政で都民税で埋め合わせることになる銀行訴訟やら、新しい銀行の失敗やらが、総額でなんぼくらいに価するもので、その額が例えばアサノ氏が宮城で出した赤字と比べてどうなのか、使い方の趣旨はどちらが意味があるのか、なんて反論をすることは極めて容易です。これ、やるべきでしょうねぇ、アサノ陣営とすれば。「赤字を出した知事」vs「自分の判断の誤りで都民税を無駄に使った知事」の対決だぁ。そこまでやって、有権者がどっちを選ぶか、なんだから。

ま、それはそれ。それにしても、昔は出版社への匿名投書でこういうものがいっぱいあって、編集者が面白がって著者に幾つかをみせてくれることもありましたけど、今ではこういう形なんだなぁ、と時代の変化に感じ入る次第でありましたとさ。

さて、本日締め切りのみどりヴェトナム原稿が全然おわってないぞ。明日のサントリーのオープンハウスには行けるのかっつ。ふううう。


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maruta

こんなサービスが世の中にはあります。
http://freshfeed.jp/
これで、「イシハラ」とか「石原」とかあらかじめ設定しておけば、その言葉が入ったブログの新しい記事を勝手に教えてくれます。
by maruta (2007-03-31 12:35) 

Yakupen

なーるほど。それなら、ホントにイシハラさんの選挙事務所で留守番しながらでもブログ対策がやれるわけですね。便利な世の中だ。ちゅーか、そういう「管理されたメディア」なんだなぁ、と判って使うべきなんでしょうねぇ。

勉強になります。有り難う御座いました。さて、フィリアホールにいかにゃ。遅刻じゃあ。
by Yakupen (2007-03-31 12:47) 

maruta

後日談。こんなニュースが出ておりました。前者の掲載紙、後者の某政党での慎重論が強いという書きぶりからすると、なかなか興味深い組み合わせです。
<ネット中傷>民主党“標的”10万件 都知事選と参院補選
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070427-00000014-mai-soci
ネット利用の選挙運動、参院選は解禁見送りへ
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070429-00000102-yom-pol
もし、「一音楽ファン」さんが、なんらかの「プロ」だったりしたら、、、、。ちょっと「一音楽ファン」さんが心配です。杞憂にすぎないでしょうけど。
by maruta (2007-05-02 17:13) 

Yakupen

Maruta様、連休もお仕事ですか?ちょっとは嫁さんと遊びなさいな。

さても、興味深いフォロー、有り難う御座います。その後「一音楽ファン」さんの再襲来を期待しているのに全然それらしき雰囲気がないので、やっぱりプロの方かな、とも思える。なんでしょーね、一体。

それにしても、頂いた記事、興味深いですね。公明党さんは連立与党として情報操作の実態を良く知っている、ということなんでしょうか。
最近はこのような政権与党の暗部を感じさせるような情報はなかなか出ませんから、我々情報統制下に生きるしがない有権者は、こういうところから起きていることを察するしかない。この10年ほどの日本って、ホントに一昔前の社会主義国に生きる庶民みたいな感じだなぁ。翼賛メディアの御上垂れ流し情報の裏読みがニュースを読む基本になっちゃうなんてねぇ。いやはや。
by Yakupen (2007-05-02 19:40) 

maruta

ご配慮ありがとうございます。この連休は無事に休めております。渡辺さんこそ、ご自愛のほどを。
まったく、庶民には生きにくい時代になりました。ネットだって、言いたいことが言える環境から、言いたいことを言っていいですよ、とおだてられると、すっと落とし穴にはまってしまう、もしくは利用されて捨てられる、そんな時代になりそうで、、、。

そうそう、欠かさず見ているネット放送で、世耕さんが出てしました。ええっという発言もあって、なかなかそそられました。これを見ていると、現代の情報統制の背後って、政府の一枚岩の意図というより、政党と役人とメディアの三位一体持ちつ持たれつの中から生み出されているもので、時にはそのバランスがほんの少し崩れると、先のような情報がぽろっと出てくる、という印象を持っています(そういうのって、毎日が多いような)。さて、参議院選はどんな模様が眺められるんでしょうか。
http://www.videonews.com/on-demand/311320/001041.php ← ご参考までに。
by maruta (2007-05-03 14:40) 

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