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質問:この演奏会についてご存じの方は [弦楽四重奏]

敢えて「弦楽四重奏」ジャンル。

今、仁川の宿にいて、日曜までにあと3本原稿を入れにゃならんかなりパツパツな状態。で、そのひとつの原稿で、どうしても必要というわけではないのだが、どうにも気になって仕方ない演奏会があるのです。こちら。
https://www.arttowermito.or.jp/mco/archive/single.php?id=article_596

きちんと水戸芸術館の公式アーカイブにも記されている、同団10周年記念定期演奏会についてでありまする。ご覧のように、この演奏会、恐らく故小澤征爾氏が少なくとも日本でプロオーケストラを前にベートーヴェンの弦楽四重奏曲を全曲披露した、唯一の事例だと思うのですわ。で、何を隠そうやくぺん先生の世を忍ぶ外の人も、この演奏会に行っている筈なんねん。

ところが、まあ、どういうわけか判らんけど、まああああったく演奏の記憶がない。ただ、「へえ、作品131の弦楽合奏版、次のヨーロッパ・ツアーでやるんだぁ、どうしてまた…」って思ってた記憶だけはあるんだわさ。

結局、欧州楽旅でMCOが披露したのはベートーヴェンのニ長調交響曲で、この作品はやられなかったらしい(行ってません、無論!)。これまた「へえええ」って思ったものでしたっけ。

この作品131の演奏って、音として遺されてるんでしょうかねぇ。無論、この時期なら水戸芸術館がオフィシャルにDATで記録用の録音はしていると思うけど、そういうものが表に出ることは絶対にないでしょうし。

ま、記事として触れる必要がないといえば無いんだけど、すごーく気になってるんですわ。個人的には、ボストンのシンフォニーホールでボストン響定期で聴いたもの凄くデカい編成の《死と乙女》とか、それこそ人前で小澤氏が指揮した最期の演奏会のひとつたる松本ハーモニーホールでの奥志賀&ロッラ・アカデミーの合同発表会で披露した作品135の緩徐楽章とか、はたまたロッラのセミナーで学生4人に向けて思わず指揮を始めてしまった《ラズモフスキー第3番》終楽章とか、この指揮者さんが「弦楽四重奏」という文献に真っ正面から対した数少ない例は記憶にあるんだけど、よりによっていちばん大物の作品131全曲というのが、どいういうものだったのか、どういう楽譜を使っていたのか、なーんにも記憶にない。

情けなや…としか言いようがないのであります。ボケ老人、という問題じゃないような気がするけどさ。

この演奏について、なにか情報がある方、記憶がある方、お教え願えれば幸いです。ま、それをどう原稿に反映するでもなく、ホント、喉につっかえてる骨みたいな気分をなんとかしたい、ってだけのことなんだけどさ。

バーンスタインがヴィーンフィルの弦楽合奏で録音してたのって、作品131だっけか?それだったら、やっぱりミトロプーロス編曲版、って奴なのかなぁ。恐らく小澤氏も同じ楽譜を使ってたんじゃないかしら。とはいえ20世紀終わりだと、まだオンラインでNYPのアーカイヴから楽譜落としてくる、って出来ないわなぁ。

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仁川とソウルの境界点 [たびの空]

おはようございますです。仁川の宿でありまする。
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仁川っても、「横浜」と言われても広過ぎ、大桟橋や南京町ならぬたまプラザーや瀬谷、はたまた鶴見に泊まりながら「横浜に滞在中」というのが些か気がひけるようなのと同じで、巨大な地下鉄と韓国国鉄ジャンクションの上に聳える東横イン仁川の17階から眺めても、金日成軍の意表を突いてマッカーサー軍が上陸してきた遠浅の海も、アジア最大の空港のひとつとリンクして機能し半島南の経済大発展の玄関口となっている貿易港も、まるで見えやせんわい。アーツセンターそのものは、正に横浜みなとみらいみたいなランドマークを目指して建てられてるじゃけど、そんなんどこじゃ、って場所でありまする。

仁川広域都市圏の東の外れ、ソウルと仁川に挟まれたそれこそ「川崎」って感じの豊川の西隣に接する豊平…っても札幌郊外じゃあなく、仁川の港地区からソウル市内に向かう乗換駅「プピョン」ってとこ。アーツセンター仁川へは地下鉄1本30分くらいで、富川アートセンターは地下鉄乗り換え3駅(バスなら一本らしいが…)、遙か江南は東の果てロッテホールも時間は1時間20分くらいかかるものの地下鉄2号線への乗り換え1回で到達、どこからも行きにくいソウル・アーツセンターも最後のバスアプローチを含め時間はそんなもの。要は、みなとみらいもミューザもサントリーも東京文化会館も行ける鶴見辺りの東横インに日曜まで長逗留、って感じなのであーる。

実は空港だって、仁川よりもソウルと豊川の市境の金浦の方が遙かに近く、今、東風で西海側からアプローチする金浦着陸便が頭の上を轟音を立てて抜けて行きました。仁川アプローチは遙かマッカーサー湾の上なので、目視は不可能。空域的にヤンキー連中が跋扈する場所ではなさそうじゃわい。

さてもさても、そんな場所に居る理由はふたつで、ひとつは本日、地下鉄乗り継ぎ向かうロッテ・コンサートホールで開催されるこちらの記者会見。
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もうひとつは、週末の仁川の大ホールでのパヴェル・ハースQなんだがぁ、問題はその間。

なんせ明日〆切がひとつ、この週末までの〆切が3本。明日〆切は流石に目安がついていて、あとは半日作文時間が確保出来ればだいじょーぶじゃが、その先の3つはちょっと大変で、結果的にこのツアーは資料を持って歩かねばならぬことになり、大荷物となってしまっておるじゃわい。基本、昼間は完全に宿で作文作業(木曜日は部屋のお掃除が入るそうなんで、どっかに逃げにゃならんけど)、1日一本ペースで上げていかないと間に合わんという、まるっきり現役バリバリ時代と同じ状況になってもーておるわい。

そんななか、「せっかくいるなら」というわけでもなかろーが、昨日、某編集者さんから飛びこんだ月末〆切の要求にホントに誠実に対応するつもりなら、今晩のソウル・アーツセンター開演の江南交響楽団、明後日の豊川アーツセンター開幕1年記念コンサート、はたまた同じく明後日のソウル・アーツセンターでのチャイコフスキー・コンクール優勝者記念コンサート、それに金曜夜の同じく豊川オープン1年記念京畿フィル、なんぞも聴かないといけん状況ではありぃ…。果たして、この体力気力精神力衰え、ひとつの作業が終わるともうその日は終わった終わった状態になってしまうやくぺん爺にそんなことが出来るのやら、午前中の集中力次第、って感じだわなぁ。

ま、なんせ皆様ご存じのように、そこが長崎であれ釜山であれフランクフルトであれニッポンビジネスホテル風朝御飯がしっかり付いてる東横インさん
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朝からモリモリ食って午前中にがああああっと作文し、あとは廃人状態でどこぞの客席まで辿り着き、なんとか座ってろ、ということじゃろかのぉ。

ともかく、がんばろー、あたし!まずは午後2時からの記者会見の勉強をせねばっ。

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来週から月末の日程やっと確定 [売文稼業]

今、パヴェル・ハースQのヴェロニカ様から連絡があり、やっと月曜日から月末に到るツアーの日程というか、必要な部分の動き方が確定しましたです。ふううう…

以下、関係の皆々様に対する連絡及び自分に対する日程確認です。御用事のある方は、基本、九州内ローカル線移動時を除けば、直ぐに反応は出来る筈です。全て2024年5月。

13日:午前、都内某所で翌週からの九州内取材に向けた打ち合わせと東京側資料確認作業。午後6時成田発Tway航空でソウル仁川空港へ。以降、土曜18日夜まで仁川東横イン泊。
なんて半端なとこ、と呆れられそうじゃが、何を隠そう、アーツセンター仁川、ロッテ・コンサートホール、豊川アーツセンター、ソウル・アーツセンター、どこに行くにも無茶がないソウル地下鉄と仁川地下鉄のターミナル豊平駅真上なんじゃわ(ただし、バリアフリー一切なし、各路線連絡は飯田橋駅にも匹敵する滅茶苦茶さ)。要は、「横浜みなとみらいホールとサントリーホールに用事があって、東京文化会館やミューザ川崎にも顔が出せれば便利という状況を鑑み、鶴見駅前のお安くてお馴染みのビジネスホテルに1週間逗留」という感じじゃのぉ。
https://www.sac.or.kr/site/main/show/show_view?SN=64068

14日:午後、ソウル・ロッテコンサートホールにて「シュタルケル生誕100年日韓フェスティバル」記者会見。
https://www.lotteconcerthall.com/kor/CommonSearch?searchText=%EC%95%BC%EB%85%B8%EC%8A%A4+%EC%8A%88%ED%83%80%EC%BB%A4+%ED%83%84%EC%83%9D+100%EC%A3%BC%EB%85%84+%EA%B8%B0%EB%85%90+%EC%B2%BC%EB%A1%9C+%ED%8E%98%EC%8A%A4%ED%8B%B0%EB%B2%8C

15日:終日宿に籠もってこの日〆切ながらまだ手付かずのデカい原稿作業。恐らく、宿から出るのは、宿真下の仁川市営地下鉄豊平駅に広がる迷路のようなエキナカ飯屋街に食いに行くときだけじゃろ。

16日:前日に作文作業が順調に進捗すれば、豊川アーツセンター開幕1周年演奏会とか
https://www.bac.or.kr/product/en/performance/252973?q=null
ソウル・アーツセンターのチャイコフスキー・コンクール優勝者記念コンサートとか
https://www.sac.or.kr/site/main/show/show_view?SN=64068
覗きに行けるかも。商売になりそうなのは後者じゃろが、自分の興味が一切湧かないのは困るのぉ。豊川なら地下鉄4駅だか、30分かからんし、バスでも行けるんで直ぐじゃわい。

17日:夕方、仁川の宿に到着したばかりのパヴェル・ハースQを訪問、取材なんて出来る時間があるか話をする。出たとこ勝負なのは毎度のことであーる。ソウル・アーツセンターで7時半開演の清水直子クァルテットは、流石にムリじゃろなぁ。感覚的には「横浜みなとみらいホール至近のホテルから東京文化会館まで」って感じなんじゃが。なんでこういうことになるかのぉ。
https://www.sac.or.kr/site/main/show/show_view?SN=68724

18日:午後5時仁川アーツセンターでパヴェル・ハースQ演奏会。
https://www.globalinterpark.com/en/product/24003233

19日:午後、Tway航空で仁川空港から福岡板付空港へ。唐津泊。

20日:終日、まだちょっとオープンに出来ない企画で唐津取材。唐津泊。

21日:午前、長崎移動。同上企画で長崎取材初日。長崎泊。

22日:午前、長崎取材続き。夕方、由布院へ帰宅。

23日:福岡へ。九州交響楽団定期シェーンベルク弦楽四重奏協奏曲など。博多駅前カプセルホテル泊。
http://kyukyo.or.jp/cms/wp-content/uploads/2023/10/2024%E5%B9%B4_%E7%AC%AC421%E5%AE%9A%E6%9C%9F%E6%BC%94%E5%A5%8F%E4%BC%9A_%E8%A1%A8-2.jpg

24日:朝一便で福岡から小松空港へ。オーケストラ・アンサンブル金沢GP見物(?)。金沢泊。

25日:OEK定期鈴木雅明指揮ツェムリンスキー《抒情交響曲》室内編成版。
https://www.oek.jp/event/5284-2
最終便小松発福岡板付行きで9時過ぎに板付着。福岡泊。

26日:庭師さん車に同乗し由布院へ。

27-28日:由布院オフィスで作文作業&来客接待。

29日:朝一で久留米経由鹿児島中央へ。昼から鹿児島取材。鹿児島泊。

30日:由布院オフィスに帰宅。

31日:大分市内日帰り取材。

6月以降も7月10日くらいまで、似たような動きが続きます。

完全に現役復帰じゃんかぁあああ!

てなわけで、無茶な仕事もやれる限りはやりますが、なんせ50代までとは違って、自分への秘書仕事を含めひとつの仕事をすると、次の仕事にかかるまでのエネルギー充電期間が驚く程長く必要なほど体が劣化しており、実質、現役バリバリ時代の三分の一くらいの仕事量しかこなせません。お許し下さいませ。衰えた体力は気力とテクニックで補いますので、老人を見捨てないで下さいませな。

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夏のアーヴィン社長半世紀祭り賑々しく開催! [弦楽四重奏]

シェーンベルク生誕150年、フランツ・シュミット生誕同じく150年、ブゾーニ没後100年、ブルックナー生誕だか没後だかキリが良い年などなど、いろんな「記念年」で賑わっている2024年でありまするがぁ、なんといっても最大の記念年は「アルディッティQ結成半世紀記念」と「クァルテット・エクセルシオ30年記念」、それに「ヤーノシュ・シュタルケル生誕100年」であることは万人にとって否定しようのない事実でありましょーぞっ!←遙かにブーイングの嵐がきこえるのぅ、婆さんや…

まじ、爺たるやくぺん先生にとっては以上の3つでもう充分なわでありまして、他はオマケみたいなもんでんな。中でも重要な我らがアーヴィン社長の会社存続半世紀を祝う祭りは、世間的にもスーパーなイベントとして夏の終わりのニッポン列島ホンシュー島は溜池と武生で賑々しく開催されるのでありまするぅ。ほれっ!
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https://www.suntory.co.jp/suntoryhall/feature/summer2024/producer.html
http://takefu-imf.com/

とりわけ溜池でのお祭りは、駿河台に向けて「ゲンダイオンガクの深海から浮上」して以来(その前は浮上しきれずだった…)、数えきれずニッポン帝都への来訪は果たしているものの、ここまで大きな祭りになるのはあの伝説の「全曲日本人作曲家、若手ライバル西村細川委嘱新作同時初演」などというオソロシーことが起きたカザルスホール以来ではないかと思われる規模。田舎者のやくぺん先生にしても、こりゃ流石に顔を出さんわけにいかんと、しっかり8月22日午後に温泉県半島先っちょ空港から新帝都ゴジラ上陸地空港へと向かう便を確保し、更にはサントリーホールの会員なんかになっちゃって、先行予約期間ギリギリにチケットもゲットしたでありまする。ちなみに、本日会員先行販売最終日で、既に初日と2日目晩公演の蒼薔薇正面席は、なあああんと完売でありましたっ。冗談じゃなく、300席だかしかない小ホールリサイタルの方はあっさり売り切れる可能性ありますから、御用の方はお急ぎあれ。

ちなみに、大ホールでのコンチェルトなんぞがある本神輿が出るよな29日(流石に記念年かぶりとはいえ、シェーンベルクのヘンデル協奏曲なんてもんは、アーヴィン社長の会社はやらんのですな)は、オソロシーことに音楽監督のバトンが西村氏から吉松氏に渡された遙か草津では、エクがモーツァルトなんぞを弾くという演奏会と被っております(本人達、ホントにこれがあたしたちの担当でいいんですか、とちょっと驚いておりました)。困るなー、こーゆーの。今年は草津は断念だなぁ。
http://takefu-imf.com/

なお、武生に関しましては、まだちゃんと広報が動いていないのやら、よーわからんですが、ここからしっかりチェックするしかないのかな。9月4日に入り、7日に小松から福岡に戻る、って日程でいいのかしらね。なんせ今や新幹線があるから、武生で5時に終われば、会場からタクシー吹っ飛ばして越前武生だかまで行き、7時の小松発ANA板付行きに間に合うんじゃないかい。それにしても、インテグラさん、便利に使われとるのぉ。
http://takefu-imf.com/2024mainconcert/

てなわけで、夏の終わりのアーヴィン祭り、新幹線武生新駅開業記念で、カントーの皆様も福井の地を訪れてみませんか。

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人生の痛恨事 [売文稼業]

黄金週間が終わった朝、この先の日程を考えると今日明日しかやれない、温泉県盆地作業場&資料倉庫での手持ち資料調べ作業に着手しておりまする。

なんせ、連休の中日に月半ば〆切で依頼された原稿のひとつが、ニッポン新帝都からソウル、唐津、長崎と移動する今週末から2週間のプチツアーにはとても連れて行けない紙資料が膨大に必要なもので、ともかく必要そうなものを積み上げ、日程から考えると来週半ばに仁川の宿でやらにゃならん作文作業でレファランス可能な状態にしておかねばならぬわけじゃわい。

隠居宣言をしたときには、もうこういうことはしないつもりだったんだけど、生活苦で引退撤回をせねばならなくなった。結果として、ここ温泉県盆地というとてつもない田舎が取材拠点となってしまい、それまでの「東京中央駅まで徒歩で25分、羽田成田は共にチェックインカウンターまで1時間半、三宅坂国立国会図書館まで地下鉄で20分、上野資料館など専門レファランス施設も1時間弱、楽譜や校訂コメントをちょちょっと立ち読みするならヤマハ山野はチャリで20分、葛飾オフィスの個人所有資料倉庫まで最短30分、どんな編集部も電話で呼び出されたら1時間以内にはオフィスに到着可能」という仕事にために最適に整備した環境を放棄してしまったことを後悔する羽目に陥っているわけじゃわい。いやはや、これはなかなか大変だぞ、と己の決断の浅はかさに呆れるばかり。なんせ、ちょっとした取材ツアーでも、ギャラが全部移動費になってしまって赤字、って状況になっちゃうわけだからねぇ…

おっと、愚痴はオシマイ。なんであれ、そんな事実を受け入れて動くしかない売文家業なわけで、この状況を「面白い」と思わんといけんのじゃわい。うむ。

さてもさても、ニンゲンそこそこ生きていれば「しまった、あれはやっておくべきだった、受けておくべきだった」という痛恨の判断失敗はいくつも積み重ねているもので、今やってる仕事も、正にそれ。以下、自分のメモの為に記すデータでありまする。読者対象は、あたくしめひとりです。悪しからず。

この記事の公演。
https://www.chinadaily.com.cn/cndy/2008-01/04/content_6369388.htm

細かい経緯は記憶にないのだけど、ともかく、2007年の暮れも押し詰まってのこと、それほど付き合いがあったわけではない某専門誌から連絡があり、「北京に新しく出来たアーツセンターのニューイヤーコンサートの取材に行ってくれないか」という。指揮は小澤征爾氏なんだけど、いろんな事情があってちゃんと発表されていない、ダメかもしれない、それでも行ってくれるか、というものだったような記憶が。

こういうときは当電子壁新聞のアルヒーフ機能というのは便利で、その頃の記事をチェックしてみると、おおおお、そうだっけ、この頃はまだ嫁のご両親がお元気で、年末年始は横浜を離れて関西に滞在することになっており、この年はお婿さんとしてやくぺん先生も付き合うことになっていたようじゃわい。そんなことをするには理由があり、どうやら当時大阪フィルの監督を務めていた大植えーちゃんが旧フェスティバルホール最後の第九を振る、ってイベントがあったらしく、取材なんぞにはなってないけど、それなら眺めに行かにゃならんわねぇ、ということだったみたい。
https://yakupen.blog.ss-blog.jp/2007-12-31

なるほど、それなら、「北京の一部で話題になっている新しい巨大コンサートホールで小澤征爾が振るか振らんかよくわからんニューイヤーコンサートの取材」なんてアヤシげな話、断るだろうなぁ。

今となれば、実質、これが小澤氏が北京で指揮をした最後の演奏会のひとつだったはず。北京のホールは、このときに興味を持って、翌年の北京五輪前のアルバン・ベルクQ最期の演奏会を見物にいくことになったり
https://yakupen.blog.ss-blog.jp/2008-07-17
大震災の年には、やはり小澤氏はキャンセルになったサイトウキネン音楽祭の初の海外引っ越し公演の取材で張り付いたり
https://yakupen.blog.ss-blog.jp/2011-09-02

それから10年代コロナ前まではいろいろあったわけじゃが、結果としてやくぺん先生とすれば「小澤氏が北京のオケを振る」という姿は目にすることはありませんでしたです。

オペラ塾の中国公演って、結局、あったのかしら?ご存じの方、情報、下さい。それから、この北京藝術センター最初のグレゴリオ歴ニューイヤーコンサート、俺は聴いたぞという方は、ご連絡くだされば幸いです。なんせソリストはランランだったわけで、大きい声では言えないが、ライヴ放送でもされていれば、この頃のベイジン、確実に翌日には裏路地に海賊盤CDRが並んだじゃろなぁ…誰か持ってないかぁ、とは言えんけどさ。

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究極の選択:チョン指揮ダイクatソウルvsカーチュン指揮マラクatトーキョー [音楽業界]

キューシュー島北部から眺めると、ニッポン列島ホンシュー島真ん中の新帝都首都圏から眺めていた頃とは世界の見え方が随分と違ってくるもので、連休明けの週末になかなか困ったことが起きておりまする。

ひとつは、ここ温泉県盆地のJR駅前バスセンターから空港リムジンバス(この春からなんと運賃ほぼ5割アップというオソロシーことになって、「空港バス」から「特急リムジンバス」へと名称だけが格上げになったのであーる)で半島先っぽ空港まで50分、そこから1時間ほど北に向けてヒョイッと玄界灘を跨ぎその勢いで半島を真ん中まで縦断した超巨大都市ソウル、アメリカ合衆国大使館真ん前の世宗文化会館で演奏される、チョン・ミョンフン指揮東京フィルのベートーヴェン交響曲第9番。これ、チョンさんがピアノ弾く三重協奏曲が付いてる、ってトンデモなオマケが付いてる一粒で何度美味しいか判らぬ演奏会じゃわい。これが5月9日の晩。
https://www.tpo.or.jp/information/detail-20240329-01.php

もうひとつは、東に向けて飛ぶこと1時間と30分余り、翌日10日と11日にニッポン国は新帝都のこれまたアメリカ合衆国大使館裏で演奏される、カーチュン・ウォン指揮日本フィルのマーラー交響曲第9番。こっちも、特に説明する必要なんぞなかろーってなビッグ・イベントでんがな。
https://japanphil.or.jp/concert/20240510

無論、金に糸目をつけないならば、ソウルでチョンさん拝聴して翌日にトーキョーに向かえばなんてことないんじゃが、問題はその翌週、14日午後と18日午後にソウル及び仁川におらにゃならん、という日程が入っていることなんじゃわい。

流石にこうなってくると、この間に入っている複数原稿から上がるギャラを全部投入しても赤字になりそうで、「その日に使った金はその日の労働で稼ぐ」というフリーの基本原則に反する状況になってしまう。まあ、一度は隠居宣言をした老体とはいえ、フリーの原則を崩したらグズグズになっちゃうわけでありまして、それはそれで引退宣言撤回をまた撤回する事態じゃからそういうわけにもいかんしのぉ。

ま、なんであれ、お金と時間がある皆様、この連休明けから始まる東フィル&チョンのソウル近郊ツアー、足を伸ばして半島聴衆の熱狂に直に触れてみてはいかがでしょーか。昨今、いるぽん新帝都でのチョン&東フィルのコンサート会場でも半島インバウンド聴衆さんたちの勢いを感じることも多いでありましょうけど、やっぱりあの本場の熱狂は一度は経験してみる価値がありますよ。それになんといっても「アジアのイタリア半島」と呼ばれる韓国音楽業界の声楽陣の層の厚さ、第九でしかと確かめよ…って、第九は売り切れ、それどころかツアーでチケットまだあるのは《運命》やるドンゴンだけじゃんかぁ!

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野生の王国 [ゆふいんだより]

21世紀半ばの弦楽四重奏界をリードする可能性のある若者達がニッポン列島はホンシュー島を駆け抜けるのを追いかけて歩いた嵐のような4日が過ぎ、ボロボロになって温泉県盆地に戻ってきて愛するお嫁ちゃまに温かく迎えられ、幸いなことに「連休明けでよろしく」という無茶な〆切はもうない爺とはいえこの先のお仕事の整理をし、連休前から連休中にそれなりに積み上がっている先の予定などをあれやこれや…って秘書作業をせにゃらなんし、なにより連休前最後の数日の山口県某所で積み上げたインタビューのテープ起こしをせにゃらなんなぁ…って仕事机の前に広がる皐月の晴れた空と萌え上がる緑の彼方の由布岳を眺めていたら、こんな奴が縁側の先をノコノコ歩いておるわい。
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JR九州久大本線際の藪から縁側に沿ってやってくるから、最初は田圃作業が始まった向こうの農家さんちの異常に人懐っこい三毛猫お嬢様かと思ったら、なんとまぁ、狸くんではありませんかぁ。

実質的に裏口になっている表玄関前を抜け、皐月の風を入れるべく開け放った仕事机下まで来て、やくぺん先生に見つめられていることを発見し、ギョッとして慌ててまた来た道をゆったゆったと走って逃げていったのでありましたぽんぽこ!

実は本日はこのお狸様がいらっしゃる前に、同じ道をイタチどんが駆け抜けて行き、これまたこっちを発見して慌てて線路際に突っ走って戻ったこともあり、これはマズいなぁ、とニンゲンの存在を感じられるようにしておいたんじゃが…どうも、盆地に勝手に生きてる連中は、ノンビリしておるのぉ。

というのも、こいつらがうろついているやくぺん先生お仕事机の真ん前には、今やすっかり我が庵の居候となってしまっているキジバト夫妻のご飯台があるのじゃわい。なんせ、イタチどんやらお狸様が跋扈する真ん中で、こんなしてほっこりひなたぼっこしてるんじゃからのぉ…
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遙か1000㎞彼方は帝都郊外新開地は葛飾の巨大柿の木下に蟄居しておった頃、やくぺん先生のお仕事場からがらりと開いた物干し台に被さる柿の古木の枝先に、冬のご飯がなくなる時期限定のシジュウカラレストランが開設されていたことをご記憶の立ち読み読者もいらっしゃるかもしれん。
https://yakupen.blog.ss-blog.jp/2021-03-27
佃路地の地べた長屋を退去し葛飾に仕事場を移した10年代半ば頃から数年、コロナの時期を共に耐えてきたシジュウカラさんたちやら、見た目は可愛いけど中身は大阪のおばちゃんたるめじろん達やら、柿の実を秋の貴重なご飯場にしていたムク軍団、そして我らがあたったバナナ大好きなヒヨちゃんたち、いろんな方々ややってきたいたわけじゃ。そんな中に、ノンビリとほーほー歌っては、輪っか飯やエナジーボールなんぞの小さい方々向け食い物よりも、お水を美味しそうにグビグビ呑んでらしたキジバトさんたちがいらっしゃった。ドバト軍団は寄りつかなかったのが不思議じゃがのぉ。

ここ、キューシュー島温泉県盆地に終の庵を結び、当然ながら冬場にご飯がなくなるじゃろシジュウカラさん向けにレストランも準備したのじゃがぁ…由布岳麓の観光地の方にはいくらでもいらっしゃるシジュウカラさん、ヤマちゃん、駅近辺ではやたらと群れで見かけるえながん、はたまた温泉県の県鳥らしいめじろんなんぞは、時折群れで流れてくることがあっても、何故か庵近辺に定住している感が全く無いのであーる。

不思議だなぁと思っていると、どうやら観光地とは反対側の田圃の真ん中の地は、百舌鳥さんたちの天国らしいことが判ってきた。頭でっかちで「きゃーいー」と叫ばれそうながらなんのことない最も小さな猛禽類で、気性は激しく、縄張り喧嘩も上等、って方々が数百メートル毎に領地作ってる地なのであーる。そうなると、カラ類が大好きなブナなんぞの森があるわけでもなく、エナジーボールを下げようが、向日葵の種を出そうが、まーったく減らぬのであったぁ。

かくて一冬、二冬が過ぎ氷点下5度を下回る日々が続いた昨年の厳冬期、ともかく仕事場目の前の視線の中に出し放置してあったご飯台の下に、ノコノコと右足を引きずりながらやってくるキジバト男子が姿を見せるようになったじゃ。雪に埋もれながら落ちている喰えそうなものを拾っている姿に、「あああこいつは冬が越せそうもないなぁ、とはいえこれも何かの縁、こいつが喰えそうなものを出しといてやるか、せめてこの世に出てきた最後の数日くらい、美味しいものを喰えたと少しはいい目に遭ってもよかろーに」と自然界の厳しさを感じたやくぺん爺さん、ほーほーさんたちは大好きだけど当地には絶対に自生しないトウモロコシなんぞをパラパラしておいたら…

なんかしらんが、そいつが無事に標高500メートルの盆地の厳しい冬を生き抜き、やくぺん先生の仕事場前のご飯台レストランにやってくる飛ぶ方世界唯一のレギュラー客になってしまったのであーる。栄養の良いものをたらふく食らえたからか、引っ張る足も完全恢復とは言えぬものだんだんと良くはなってきておるじゃぁないかい。夏場ともなればご飯は豊富な場所ながら、やはりほーほーさんたちは新鮮なお水が供給される場所は貴重なのか、トウモロコシ喰らっては水をグビグビ飲んで、スギの枝に居座ってはほーほーほほー、と歌ってるようになってもーたわい。不思議なことに、他のほーほーさんたちは一切寄りつかず、完全に「俺んち」状態になってもーたわい。

もうダメだろうと思われていた頃に頭の上にアホ毛が飛び出ていたことから、やくぺん先生んちでは「アホ毛くん」と呼ばれるようになった居候ほーほーさん男子、昨年の秋にはちょっと貧相で浅黒い痩せ型のお嬢さんを連れてくるようになり、どうやら無事に夫婦となったらしい。以降、去る秋の終わり以降、ご飯台を巡って「ジャイアン」と呼ばれる性格の悪い男子が陣取ろうとしてアホ毛夫妻と領地争いになったり、いろいろあったんじゃが、ま、ともかく、この春からはどうやらジャイアンが姿を見せなくなり、ご飯台ほーほーさんレストランはアホ毛くん夫妻とあとは気が小さい女の子がひとつ来るくらい、って状況で推移しているのであーる。この調子じゃわい。
ちなみに、一応、サルスベリの枝からぶら下げてある向日葵の種のご飯筒は、まーったく誰からも相手にされずに風に揺れておるのであった…

どうやらキジバトたちの塒があった盆地西の外れの小山のスギが伐採され南斜面が丸裸になり、住むところを追われたようなほーほーさんたち、大分道インターチェンジの方に向けて久大線線路の北側にメインの住処を移したらしいわい。

ノンビリそうに見えてあれやこれや起きている盆地の一角、他にもいろんな方々が動き回っていて、そろそろ周囲の田圃に水が入ると知ってか、こんな方も玉葱畑から顔を出し
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咲き誇る春の花々を求めてお家造りを始めたいろんな蜂さんたちも頑張って飛び回ったり、命を終えたり。それをまたなんとか命の糧にしようと一生懸命働くもっと小さな方々も。

みんな、この場所で生きてる。ロートル爺やくぺん先生も、もうちょっと生きてみるかのぉ、婆さんや。

あ、隣の古民家カフェに向けて、イタチどんが走ったぁ!

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シュタルケル100年記念日韓フェスティバル [音楽業界]

21世紀の未来に向けたレオンコロ旋風が駆け抜けた後は、20世紀を回顧するメモリアル祭りのご案内であります。

今年2024年は、チェリストのヤーノシュ・シュタルケル生誕100年記念。このハンガリー生まれで激動の20世紀半ばを生き抜いたチェロの鉄人の生誕を祝い、お誕生日の7月5日前後に、日韓2人のお弟子さん堤剛氏とヤン・ソンウォン氏がが中心となり、師匠生誕記念のフェスティバルを開催いたします。こちら。ゲラ段階のチラシでスイマセン。PDFをご覧あれ。
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https://www.cello.or.jp/cms/wp-content/uploads/2024/04/syusei.pdf
https://www.cello.or.jp/event/2024/04/7045/

このイベント、国際イベントとしてちょっと興味深いのは、ソウルが終わってから東京でも開催する、というのではなく、ホントに同時に開催するというところ。ソウルは7月3日から5日、東京は5日から7日に開催され、お弟子さんたちによるバッハ無伴奏全曲は同じメンバーで初日と最終日の3日と7日。100年記念日にはソウルと東京で違う演奏会が同時に行われ、お誕生の祝辞などはロッテホールとサントリーホールからそれぞれ中継されて両会場で流される、という今風の趣向も凝らされております。

チェロ好きなら、説明は不要なイベントでありましょう。どちらの会場であれレジェンドが集まる祝請うご期待請うご期待。

ちなみに、やくぺん先生とすれば、ソウルでのお誕生日コンサートで協奏曲のバックを振るのが、ノーヴスQ創設ヴィオラのサミュエル・スンワン・リーくんなのがなんとも嬉しいことじゃわい。

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