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近衛の遺伝子を継ぐ空間で「獅子の魂」炸裂! [弦楽四重奏]

ホンシュー島を4日間で駆け抜けるレオンコロQ初来日ツアー、初日の現在の首都圏弦楽四重奏の聖地鶴見でホントに選ばれた聴衆の度肝を抜かせた翌日のマチネは、21世紀0年代の首都圏弦楽四重奏の聖地晴海の2代目第一生命ホールでの「ボルドー国際弦楽四重奏コンクール優勝ツアー」でありました。

この晴海SQWというシリーズ、中身はともかく聴衆の入りでは常に問題を抱えており、最終的には「評価委員会によりディレクター更迭」とまでは言わぬも、ご苦労様でした、ということになったのは当電子壁新聞を立ち読みなさっているようなすれっからしの皆様はご存じのことでありましょうぞ。その後、溜池でアカデミーと初夏の室内楽お庭の起ち上げをすることになったわけだから、まあ今となれば、必要なときに必要なことをしたとも言えるわねぇ。

ま、とにもかくにも、その後もSQWは次のディレクターが引き継ぎ、「定番企画」という形で今に至っている。集客が爆発的に伸びるということはないながら、ともかくそろそろ四半世紀に近くなっているわけだから、継続は力、なんでありましょう。

本日のレオンコロQ東京デビュー公演は、そんなSQWの歴史の中でも特筆すべきイベントとなりましたです。なんせ、開演前の状況がこれ。
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当日券売り場には列が出来、なんとNHK収録の為に売らなかった席を除けば、2階の舞台に近い席をチョコチョコ残しほぼ満席状態だったそうな!どうしてそんなことになったかは知らんけど、恐らくは晴海SQWシリーズ始まって以来の集客だったんじゃないかしら。

期待に盛り上がる客席の空気をビシバシ感じながら登場した我らが「獅子の魂」レオンコロの面々、まずはヴェーベルン初期の小品で、初日の晩に会場を大いに盛り上げたシューマンの複雑な抒情のコンパクト版を聴かせる。続くシューベルトの初期短調作品では、ヴィーンっぽさとはまるで違うけど、所謂プロイセン系のガチガチの縦の線一生懸命いっちにさん、って音楽とも異なる精妙なフレーズの伸び縮みを自然に展開。へえ、こういうやり方あるんだぁ、って。最後の《ラズモ1番》は、人々が期待したようなパワーと前のめりの勢いは当然ながら、結成5年程度の団体とは思えぬ練られた最弱音にビックリさせられましたです。

ま、流石に時差もキツいマチネということで、敢えて強引なパワー勝負は押さえたわけではないでしょうけど、集まっていただいた皆さんにじっくりと実力を聴いていただく、という音楽でありました。無論、大拍手。アンコールはこちら。
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なお、終演後のサイン会、こんなにいっぱい人が並んでしまい
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明日朝10時開演の公演に向けて急いで東京駅に向ってもらわねばならぬスタッフはハラハラしていたけど、ニッポン里帰りを祝いたい新帝都の方々の列はいつまでも続いておりましたとさ。

お堀端の旧第一生命ホールといえば、近衛管でオープンし、岩淵龍太郎クァルテットが日本人団体初のベートーヴェン弦楽四重奏全曲演奏を行った戦後日本クァルテット最初の聖地。その名を継ぐ空間で、満員の聴衆を前に、近衛の血を引くドイツ&日本の若者らが21世紀の「ドイツ」のベートーヴェンを響かせた。記念すべき午後に、感謝!

さあ、獅子の魂、いよいよ関西へ!請うご期待じゃ。

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