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西東詩編管弦楽団38度線へ [演奏家]

明後日から、ソウルに1週間おります。毎度ながら、殆ど金にならぬものの一応はお仕事です。詳細は来月売りの「音楽の友」誌に記しますが(詳細、という程のページ数ではないのだけどさ)、まかり間違って光復節頃にソウルにいらっしゃる方のために、ご紹介。

本日、上海からバレンボイム率いる西東詩編管弦楽団がソウルに到着。明日から、ソウルアーツセンターでベートーヴェン交響曲全曲演奏会をやり、8月15日光復節の日には、ソウルの北、38度線近くのイムジン河に沿った朝鮮戦争史跡も多く残るImjingak公園で第九やります。
http://www.west-eastern-divan.org/calendar/
http://ticket.interpark.com/Global/Play/Goods/GoodsInfo.asp?GoodsCode=11007410
http://www.xydo.com/toolbar/23489677-barenboim_to_lead_peace_concert_at_imjingak_-_the_korea_herald
歌手は、もう韓国はいくらでも人材はいるので、全部地元調達。この辺り、日本では無理だわなぁ。流石に極東のイタリアだ。

アーツセンターのサイクルは、14日の第九は売り切れに近いようですが、なんせあのまず満員にはならない巨大ホール(ソウルの某音楽記者苦笑して曰く、「ともかくうちの国は不用意にデカイの好きなんでねぇ…」)、まだ他の日は大丈夫みたい。お暇なら是非どうぞ。ソウルは基本的に当日券文化なんで(随分と変わっては来てみたいだけど)、大丈夫だと思いますよ。

小生は10日と11日はダメですが、後半は参加します。モダン楽器のベートーヴェン・チクルスって、「エロイカ」が一種の試金石みたいなところがあるんで、それが聴けないのがちょっと、ってか、かなり残念。まあ、日程の都合もあり、こればかりはしょーがないわね。

参考までに記しますと、この東西詩編管弦楽団ってのは、日本ではどうも翻訳の努力放棄って感じの「ウェスト=イースタン・ディヴァン管弦楽団」という滅茶苦茶な名前が定着しちゃってるみたいなんだけど、よーするに、パレスチナ人文学者サイードが提唱して始まったイズラエルとアラブの若者を集めたユース・オーケストラです。いろんな意味でのミュージック・キャンプなわけで、今年は世界に残された最後の大物分裂国家の係争地を訪れ、敢えて日帝からの独立記念日に第九をやろー、ってわけです。日本を除いた世界的にはそれなりに話題になっているイベントであります。
なお、このツアー、北京、上海、ソウルの後はルツェルンなどを周る、絵に描いたようなジャパン・パッシングです。メディアの皆様、原発地元福井選出の某ウルトラ右派国会議員のオバチャンなんぞの当たり屋特攻を金浦空港周辺で取材してる暇と予算があるなら、そんなヤクザほっといて、15日は一緒に板門店近くまで行きましょいきましょ!

ちなみに、本日のソウルアーツセンターは、ヒュンダイだかがスポンサーのソウルフィルのヨーロッパツアー壮行会演奏会があります。チョンさん、大忙しでんがな。所謂「国際的に活躍する」指揮者さんとすれば、そろそろ体にガタが来る頃だろうに、まるっきり大丈夫そうなのがスゴイ。バレンボイムって人も全然倒れそうに思えないけどさ。

蛇足。本日の東京湾岸では、パレスチナとイズラエルの若者の38度線コンサートに匹敵する、「東混8月のまつり」が開催されます。
http://homepage3.nifty.com/TOUKON/teiki.htm
Fukusihmaからの放射性廃棄物が確実に空を舞ってる東京湾岸で、我らが都知事がどんなとんでもない汚染物質が出て来ても築地市場を移転させると息巻く豊洲の地を眺めながら、「原爆小景」を聴く夏の祭り。埋め立て地の向こうには、第五福竜丸も陸にあがってる。

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浜地道雄

初めてまして。偶然こちらに行き着き、まことに感動しております。
東奔西走の玉稿の数々、圧倒されながら、よみふけりました。
西東詩篇管弦楽団を軸に中東和平対話を日本でと、ドン・キホーテ計画を練っております。
時がきたら、ぜひ御支援下さい。
名前のところのURLをご覧頂けれは幸甚です。
by 浜地道雄 (2013-09-12 10:35) 

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