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ニッポンに入れる人と入れない人 [パンデミックな日々]

「パンデミックな日々」が恒常化し、現状に経済的な影響を受けている人と受けていない人の意識の格差がますます拡大しつつある春うらうらの善き日、皆々様におかれましてはいかがお過ごしでしょうか。佃縦長屋では、本日体重三十グラム超えのでぶちんブンチョウ君が無事に1歳の誕生日を迎え、よくまあ無事にここまで大きくなったものだ、と祝われておりまする。はい。

さても、この数日、オフィスなし仕事場なし生活で納税作業を終え、中央区民復帰作品第一号商売原稿を終え、葛飾区民時代最後の取材だった原稿に着手しているのでありまするが、そんな日常が戻ったと錯覚してしまいそうな中に、あれやこれやと世間を騒がすニュースが舞い込んでいる。この2ヶ月、右から左に積み上げていたそんな話題にも、少しづつ復帰していかないとならへんじゃろーなぁ。

んで、この数日で最も大きな業界ニュースはこちらでしょうねぇ。これ、貼り付けてもいいんだろうなぁ。オーケストラのメンバーまでちゃんと出てますから、関心のある方はあるでしょうし。
2021.04.13東京春祭2021プレスリリース.pdf
わしら一般庶民の実質上の鎖国は続き、東アジア圏では唯一未だにどんどんと感染拡大が続いている感染防止対策最悪落ちこぼれ劣等生のニッポン列島、こんなところにも来ようという音楽家がいるようで、一般大衆に課せられた検疫措置などを吹っ飛ばした特例で入国、演奏活動を行える方が出てきています。昨年のうやむやな美談になったヴィーンフィル以来の大物、ムーティ御大が今、新帝都にいらっしゃる。

へえ、入れるんだぁ、リーくんも来られるのか、っても、遇ったり話したりは出来ないんだろうけどなぁ、と思って上のリリースを眺めると
「なお、渡航規制等により参加がかなわなかった指揮受講生に代わって、ムーティ自身のオーディションを経て、新たに日本人指揮者2名、高橋達馬、湯川紘惠の参加が決定しました。」
ってね。あらまぁ、ノブースQ創設ヴィオラ奏者で、指揮者に転向すると退団。前回の民音指揮者コンクールでは見事唯一日本人以外でセミファイナルまで進出したサミュエル・リーくんは、どうやら「渡航規制等により参加がかなわなかった」組のようじゃわい。

ううううむ、どういう基準なんだろーか?ムーティ御大がOKなのは、高松宮殿下世界文化賞なんてニッポン国御上に近い筋が偉い文化人として認定するありがたぁい賞を獲ったりしているからだ、と言われれば、ああそうなんですかぁ、と納得させられなくもないけれど…誰が、どういう基準で入国可の判子を押してるのか、知りたいものでありまするなぁ。あ、商売として、というよりも、単なる一般庶民の下世話なゴシップ話として、ですけどね。

時を同じくして、遙か九州は別府からもこういう案内があったり
https://wmg.jp/marthaargerich/news/86157/
はたまた、こんな話があったり。
https://tempoprimo.co.jp/stage/y2021/barenboim

ざっと眺めると、どれもこれも4月7日から8日くらいに決定している動きのようなので、なにかそこであったのかなぁ、と思わざるを得ないですな。このニュースとも、微妙に話が異なるみたいだし。こっちは「2週間隔離」って昨年の暮れ以来のやり方みたいですから。
https://japanphil.or.jp/orchestra/news/24545

その一方で、昨日、こういう残念な情報も伝えられている。
http://www.jcmf.or.jp/news/detail.php?news_id=101
個人的には、シカゴ響音楽監督やベルリン国立歌劇場音楽監督の来日なんぞとは比べものにならないくらい期待していただけに、とっても残念でありまする。

ムーティ、アルゲリッチ、マイスキー、バレンボイムならばニッポン列島に入国出来、ほぼ普通に直ぐに活動出来るけど、元ボリショイ劇場音楽監督じゃ一般と同じ扱い。ましてはペーペーの若者はダメよ、ってことならば、ある意味、とても判りやすい話だなぁ。失礼ながら、マルメンQは天下の讀賣テレビがバックでバレンボイムは民間音楽事務所ですから、招聘主催者側の現政府与党に対する政治力、って感じではないし。

ニッポン国が法の下での平等がない社会である、と人々が納得してしまうのは、国家の統治という意味で、とってもマズいと思うんだけどさ…

それにしても、ムーティ様やらバレンボイム様はともかく、別府で開催する室内楽でこのお値段って、どういう聴衆が来るのかしら。福岡から車で来るのかなぁ?大分に、このチケット代であの会場を埋めるだけの室内楽愛好家さんの分母があるとは思えぬのだが。うううむ…

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仮オフィスで納税作業完了 [売文稼業]

一ヶ月遅れでニッポン国民の義務たる納税作業を終え、先程、葛飾税務署宛てにレターパックで投函しました。本日は上野の「東京春」のブリテン大会に行く前に、久しぶりに立石の税務署に行くのかと思ってたら、郵送で良いとお嫁ちゃまが教えて下さり、処理をして下さいました。毎度ながら、有り難いことであります。思えば、確定申告青色申告を始めて以来、郵送は今回が初だなぁ。やっぱり木蓮が香り、年によっては桜もちらほらし始めた頃に書類揃えて税務署に持ってく、ってのがニッポン国民にとっての季節の風物詩だもんねぇ。

葛飾オフィスがなくなった今、領収書の束が積み上がり暫く放置される納税作業を行うのは、セレブでグルメな体重30グラム越えのでぶちんブンチョウ君が飛び回る佃縦長屋では不可能。なにしてるのなにしてるの、これ面白そー、もってっちゃおー、って小型飛翔生命体がウロウロしてるんだもん。

んで、ここ、佃大橋東詰は月島、旭倉庫内やくぺん先生仮設月島オフィスでやるしかない。余りに殺風景なんで掛け軸垂らし、葛飾オフィスの仏壇横に置かれた日めくりカレンダーを配し、アヒル軍団佃派遣部隊からの分遣隊としてボンから新任のベートーヴェンあひる、モーツァルトあひる、そしていかにも季節外れの倉庫送りっぽいクリスマスあひるが見守る中、簡易机を広げ、ネットは実質入らず電源はなく使用時間も週末は朝の9時半から5時まで、という限りなく監獄っぽい閉鎖空間で作業を行うしかない。
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いやはや、この状況、いつまでも続けられるもんじゃあないわい。

かくて昨日からの納税作業、コロナで世界がひっくり返っている世相はやくぺん先生の家計経済にもモロに反映されてる。昨年は何故か1月から2月頭にかけて、まるで40代後半の頃みたいに無茶苦茶な量の作文仕事が入り、このままでは年間総売り上げ過去最高、だけどその代償に失明するかもしれん、と不安がよぎる程だったので、11月には月収3万6千円だかという過去最低水準を記録しつつも、なんとかお嫁ちゃまの扶養家族にはならずに済みました。

それどころか、例年は収入にほぼ近い程の額になる旅費交通費及び資料研究費が、昨年の2割にも達しない有様。そりゃそうだろーに、なんせ30年ぶりに日本列島を一歩たりとも出ず、国際線航空券はいちども買っていない。コンサートも猛烈に少ない。必要経費とされるが額が記録的に少ない年となった。結果として、無事に御上に納税することも可能となり、立派な東京都中央区在住ニッポン国民として目の前で繰り広げられる(られない、可能性大だろーけど)であろう世界運動会の参加者住宅隔離大作戦騒動に堂々と巻き込まれ、一納税者として文句を言うことも出来るわけじゃ。えっへん。

今年の納税作業がこれほどあっという間に終わった最大の理由は、外貨支払いがほぼ皆無だったことにあります。例年なら、膨大な量の紙っぺらの外国での支払い領収書とクレジットカードの支払い調書を突き合わせ、経費支払い額が日本円でいくらになるのかひとつひとつチェックしては記録していかねばならなかった。この作業、酷いときには丸2日くらいかかり、目はしょぼしょぼで見えなくなるわ、頭はパーになるわ…納税とはニッポン国から課された強制労働である、と国家権力に対する敵意がもりもりと盛り上がっていくわけなんだけどぉ、今年はそれがぜーんぜんない。なんせ、外貨支払いは何を眺めたか判らぬブリュッセルの劇場だかに払った€9くらいと、ツェムリンスキーQのストリーミングライヴを眺めた5コルナだけ。総計、日本円で2000円もいかないくらい。誠に以て鎖国の年であったと実感するのでありましたとさ。

さて、金曜日に完全ノマドでテープ起こしをやっつけた明日初稿を入れにゃならん原稿をやらねば。外は良いお天気、ここじゃやりたくないなぁ。上野公園のスタバに行こうかしら。あそこ、混んでるし、恐らくは永居防止で意図的に電源が設置されてないしなぁ、うううむ。

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ボルチアーニ大会はやれるのか? [弦楽四重奏]

本日は朝の8時半に新帝都某所で某若いクァルテットのインタビューをし(メンバーのひとりがオケに入っていて、練習が昼からなんで…という極めて現実的な理由)、近くのやくぺん先生レギュラーノマド場のひとつに移動し延々とテープ起こし。昼過ぎに流石に電池がなくなり、地下鉄で代々木上原駅に移動してホーム下スタバで電源を確保し、なんとか6時半にJASRAC本部隣の立派なホールで開催されるソレイユQの演奏会までにテープ起こしを終えないと明日予定している税金作業に支障が起きると必死になっていると、どこにいるか知らぬダネルQのマークから連絡が入り、彼らがクフモ音楽祭で面倒をみた日本の若い某クァルテットのことなどで話があるので電話して良いか、などと言ってくる。なんだか「若手クァルテットの日」になっておるなぁ。

大阪の大会がキャンセルになったのは狭い業界のあちこちに影響を与えていて、困ったことがいろいろ起きているわけだが、とにもかくにも弦楽四重奏のメイジャー国際大会が2019年秋のバンフを最後にひとつも開催されていない状態が延々と続いているのは事実。昨年の大阪、ボルチアーニ、ミュンヘンが全てキャンセル。今年も本来なら今頃はロンドンの真っ最中で、この週末に本選があるくらいだった筈。その先に延期となって予定されていた大阪がなくなり、となると次の動向としては6月の溜池室内楽お庭に日程がモロにバッティングしているボルチアーニがどうなるか、なんせ課題曲は細川俊夫の新作ですからねぇ、知らんぷりも出来ぬ。

って、Webサイトを眺めに行くと、相変わらずのイタリアっぷりというか、ノンビリッぷりというか、特になんの変更もありません。これが現在発表されている参加団体。
https://www.premioborciani.it/en/admitted-quartets/
オンドレ氏率いる審査員の方は、大阪から掛け持ちのマーチンやら、我らがヤーナ・クス様やら、お馴染みの顔ぶればかり。マーチン、カリフォルニアから来られるのかしらね?

うううむ、これはもう、シンプリーにぶっちぎりで勝ちを取りに行って貰うしかない顔ぶれ(って、現役引退を表明しているやくぺん先生とすれば、最後に直接判ってるのがボルドー優勝の彼らくらい、というのが実態なんでありまするが…)。日本の団体がないのはいまさらながらだけど、やはり前回のロンドンでエスメが勝ったのは韓国の連中には刺激になったようで、こんな情勢下に参加してきてますね。欧州拠点にも見えないのだが、どうするつもりだったんだろう?

開催に関しても、なんせ今やディレクターがパリのオンドレ氏というすっかりEUイベントですから、地元ロンバルディア地方のコロナ情勢などが反映されない筈ないとはいえ、グィド爺さんがやってた頃みたいな良い意味での猛烈なローカル感とはちっと違うものになってるみたいだし。

とにもかくにも、現時点では「中止」は発表されておりませぬ。ジメナウアーおばちゃんとの繋がりはなくなったとはいえ、オンドレ氏がトップということは優勝団体や素晴らしい演奏を披露した団体はパリのクァルテット・ビエンナーレへの登場も大いにあり得るわけで、やっぱり中央は強いわよね、と大阪からは思わざるを得ないでありまする。さても、どうなることやら。現場仕切ってるの作曲家のにーさん、ぶっ倒れていないといいんだが。

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福岡弦楽四重奏団始動! [弦楽四重奏]

昨晩2021年4月6日、福岡は天神のあいれふホールで、福岡弦楽四重奏団の立ち上げ演奏会が行われました。
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メンバーは、九響コンサートマスターの扇谷氏を第1ヴァイオリンに、全員が九州交響楽団のメンバー。扇谷氏というと、現時点では新帝都大川端がホームベースのやくぺん先生とすれば「日本フィルのコンサートマスター」と思ってしまうわけだが、地元の方に拠れば九響定期の半分はコンマスを務め、おうちも福岡にあるそうな。へえ。

中心となっているのはチェロさんで、ステージ上からのご挨拶をまんま拾えば、「昨年のコロナの自粛の間、なにも出来なくなり、何かやりたいと弦楽四重奏を始めることにして、扇谷さんに相談し…」ということだそうな。これもまた、結果としてコロナ禍の一年が生んだ団体、ということになるわけですな。

経緯がどうあれ、聴衆とすれば「九響メンバーに拠る常設の弦楽四重奏団の誕生」ということになるわけで、練習場の問題などいろいろあるようだけど、チラシにはしっかり九州交響楽団も共催に名前が挙がっております。モーツァルトのニ短調に始まり、記念年のストラヴィンスキーを挟み、後半は《ロザムンデ》。起ち上げ演奏会から、まるで定期演奏会みたいなガッツリのプログラムでありますな。

このコンサート、正直言えば、なによりも吃驚したのは聴衆でした。200人入る立派な会場に、聴衆は半分くらい。「東京首都圏のコアな室内楽聴衆はMAXで300人、大阪は200人、名古屋は100人」という室内楽業界の些か自虐気味な無言の常識から考えれば、門司から北九州、直方から唐津、鳥栖、久留米くらいまでを含めた文化圏でこの数が集まったのは、もう驚異的でしょう。そして、もっとも驚嘆すべきは、その聴衆の若さでありまする。ほれ。
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東京首都圏であれ、ロンドンはウィグモアホールであれ、ベルリンのフィルハーモニー室内楽ホールであれ、こんな写真を撮影したらそこに移ってるのは白い頭ばかりになる。それがなんとなんと、明らかにお弟子さんかな、って若い聴衆ばかりではなく、普通の働くサラリーマンくらいの世代の聴衆がいっぱいいる。どーしてこんなことになってるのか判らぬが、凄いぞ、福岡文化圏!

音楽の中身は、意外にも、というと失礼だけど、「扇谷社長と仲間達」ではなく、個々人の表現への意欲が前面に出たアンサンブル。各声部がしっかり前に出ようとし、良くも悪くもガーガーと騒がしく言い立てる、強引に誰かが押さえ込もうとするもんではありません。なるほど、こういうことはしたいのね、という前向きな気持ちは良く伝わってくる音楽でありました。

無論、「常設の弦楽四重奏団」として認知されて行くには、これから長い時間が必要でありましょう。とはいえ、しっかりとオーケストラがひとつの顔として認知し、みんなで支えていけば、1都市1オーケストラの町として看板になる可能性はある団体が誕生したわけです。

1979年の丁度今頃に作品132を最後に真理さんの死で巖本真理Qが解散となり、90年代の室内楽ルネサンスが訪れるまでの間、室内楽といえばスメタナQしかないような冬の時代、日本列島の室内楽に火を灯し続けていた福岡モーツァルト・アンサンブルという団体がありました。アンサンブルとはいうものの、実質上は九州交響楽団コンサートマスターに就任した岸邉さんが率いる弦楽四重奏団で、着実に聴衆を増やし、北九州地区に室内楽の種を蒔き、初期のゆふいん音楽祭を支えるコアになっておりました。九州を一歩たりとも出ることがなく、レコードメディアは大手寡占、放送メディアも猛烈な中央集権だった時代が故、当時の日本語メディアで室内楽の価値を創っていた評論家のH氏やO氏の視野に入ることはなく、残念ながらその存在を知る人も少ない団体です。

他にも、団員にアマチュアを含みながらも日本でのアマデウスQのレッスンを受講し、博多駅前の銀行ロビーを会場にハイドンの全曲を演奏してしまったという驚くべき経歴を誇る福岡ハイドン・クァルテットなど、福岡博多の地は案外としっかりとした室内楽需要の基盤はある。

アクロスには大ホールしかないものの、他にも適正規模の会場もあるわけだし、オーケストラをしっかりとしたバックにして、新たな弦楽四重奏団と若い聴衆が室内楽を当たり前に演奏し受容することになれば良いんですけど。

ま、ともかく、やりたがり屋が気風の街。風来坊やくぺん先生としても、眺めていける限りは眺めていきましょうぞ。

[追記]

その後、この電子壁新聞雉を貼り付けたFacebook上で、なんで若い聴衆が多かったのか、地元の方からの説明が入っています。ご関心の向きはご覧あれ。「福岡文化圏は1都市1オケが辛うじて機能している」ということなんでしょうかねぇ。
https://www.facebook.com/yawara.watanabe
4月8日の当稿というスタンプがある投稿への反応です。最近はweblogはすっかり廃れ、人々の反応はFacebookやらtwitterやらで、ということなんでしょうかね。ま、それはそれでいいでしょ。

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速報:これがゆふいんラックホールだ! [ゆふいん音楽祭]

2021年3月末、ゆふいん音楽祭関係者にとって40数年来の悲願たる「ちゃんとした反響板があるまともなホール」が湯布院町内に誕生しました。場所は音楽祭のメイン会場だった駅前バスターミナル横の中央公民館の道を挟んだ向かい。その名も、ゆふいんラックホール!
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「らっく、ってなんねん?」とか、いろいろ仰りたいことはあるでしょうが、ま、とにもかくにもそういう名前のヴェニュ。ホール、とはいえ、所謂「市役所」を「シティ・ホール」というような意味でのホールで、今時のニッポン語での「音楽なんぞをする空間」という意味ではなく、建物の西半分は由布市公民館
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音楽やら映画やら講演やら演劇やらカラオケ大会をやったりする「大ホール」を挟み、東の隅っこは図書館になってます。ほれ。
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21世紀になって復活してきている「総合文化施設」の人口1万人の町ヴァージョンですな。

本日、旧公民館の隅っこにあったカワイのピアノが全面的に修理されて戻ってきて、始めて新たなステージ上で町民の小林道夫先生の手で音出しテストが成されました。まだ調律はされていない、ホントに「ハードウェアとしてガタガタだった楽器がちゃんとしたものになって戻ってきた」という状態。
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このような状態のピアノを、このクラスの演奏家が触るのを耳にするなどなかなかない貴重な機会でありました。

小林先生が触った結論から言えば、「素材としては良いとは思っていたが、まあこれならちゃんと調律すれば演奏会にも使えるでしょう」というもの。どうやら、来る6月27日のホールお披露目演奏会はやれそうです。良かった良かった。

で、ホールでありますが、きちんと反響板はあり、以前の公民館のように音楽祭になると慌てて反響板を仮設し、後ろに屏風を持ち出し、なんてことはなくても大丈夫。ホールとしては、規模も前とほぼ同じ、形状も所謂市民会館タイプの横に広いもので
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特にどうだというものではありません。とはいえ、湯布院町民や音楽祭とすれば、やっとこれでまともな音楽会がやれるぞ、と盛り上がってしまうに充分であります。はい。

以前の公民館との客席としての最大の違いは、2階席があること。
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ただ、席数が少なく、極めて特殊な座席が設置されております。ほれ。
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わ、なんとなんと、ロングシートのベンチみたいな席ではないですか。席番号も穿たれていないし、これはどうしたもんか。恐らくは、表の扱いがちょっと面倒なこともあり、実際には二階は客席としてオープンにはしないことになるんじゃないかしら。カメラマン席、ってことかな。

とにもかくにも、ようやく由布院町にも「ホール」が出来た。コンサート用に一般貸し出しするか、ピアノをどのように扱うかなど、詳細は未だ未定だそうな。

なお、今年はコロナ禍という特殊事情もあり、現時点ではかつてのように7月最後の週末に集中的に音楽祭を開催する予定はありません。まずは6月27日の音楽会場としてのお披露目を皮切りに、11月にも2回目の演奏会が予定されているとのことです。
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ゆふいんラック・ホール、乞うご期待。

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聖杯も〇〇〇〇もない聖金曜日 [音楽業界]

新帝都はすっかり桜も散ったイースターの日曜日、夕方の便で羽田を発つ前に、内堀の外のニッポンを支配する経団連系大手企業本社ビルのバベルの塔建ちまくる谷間におります。以下、全く内容のない駄文。2ヶ月間使っていなかった頭を治すためのウォーミングアップですぅ。

一昨日の聖金曜日、ヴァイオリニストの森下幸路氏が上野の小ホールでブラームスのソナタ全部をやるという演奏会があり、佃縦長屋のお嫁ちゃま家族の居候になって最初の夜のコンサート通いとして、出かけて参りましたです。

1年前に始まったコロナ禍、「東京春音楽祭」も、やくぺん先生の世を忍ぶ仮の姿のニンゲン体が当日プログラム・エッセイを執筆させていただいた演奏会もキャンセルになり、メイン会場の東京文化会館演奏会案内板も、無残な有様。
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うーむ、やはり本来の予定ならば、聖金曜日とイースター日曜日に《パルシファル》があったんだなぁ。トーキョーでは、ありそうでない季節風景なだけに、是非ともやって欲しかった。個人的には、「東京春音楽祭」のヴァーグナーは、もう一巡したのだから、あとは毎年キャストやら演奏会形式なりの演出やらをとっかえひっかえして毎年《パルシファル》を聖金曜日とイースターにやる、って風にしちゃえば良いと思ってるんだけど…そういうわけにもいかんのですかね。

ま、それはそれ。この日の目的は小ホールでありました。仙台フィルのコンマスなどを務めたこともある森下氏、豊嶋の下の矢部世代が多数輩出した優秀なコンマス群のひとりとして世に知られる方でありましょうが、独奏はともかく、室内楽デュオの活動は地道に継続なさっている。今回も、しっかり固定客がいらっしゃり、こんな状況にあって、それなりにお客さんがいらしておりましたです。
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演奏の中身は、ブラームスの楽譜と自由に対話する、という闊達な音楽で、いろんなものにとらわれるのはもう止めました、って音楽。こういう風になるまでにどれくらいの道を辿ってきたのやら、申し訳ないけれどずっと眺めていたわけではないものの、四半世紀以上昔のカザルスホールの楽屋とかまで想い出される春の宵。みんな、それなりに歳を取ってきてるねぇ…

なーんてノンビリ思ってたら、ふと違和感に気付いた。あれ、なんだろう、あ、そーかあ…

まさか演奏中の写真を盗撮するわけにいかないので、上の写真ではお判りにならないでしょうが、なんとこの演奏会、譜めくりさんがいないんですわ。

ピアニストさんは、鍵盤から手を離してぽちょっ、っと譜面台の上のものに触っている。そー、タブレットでの二重奏でありました。ピアノの場合、ペダル操作があるからどうするのかと思ったら、足はフリーにして、手での操作でしたね。ま、内部奏法なんかを考えれば、なんてことない負担なのかな。

あらゆる分野でリストラが進む21世紀の20年代、いよいよ室内楽の譜めくりという最後の牙城も陥落しつつある。思えば、まだ偉くなる前のアルディッティQがロンドンの北千住みたいなアルメイダ劇場で演奏会したとき、奏者ひとりひとりに譜めくりがついて、まるでオクテットみたいになって巨大な楽譜を捲っていたのを想い出してしまった。

春が来て、花も散り、時代もまた、じわじわ、着実にかわる。

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道夫先生がご自宅で大いに語る [演奏家]

コンサート案内が紙版から消えたと一部で大騒ぎになっている「ぶらあぼ」ですが、今やすっかり電子版が中心になったようで、ホームページには様々な動画がアップされていますね。うーん、日本語の音楽専門媒体の中で、脱紙化が最も成功しつつある媒体なのかしら。ま、隠居の目から眺めていられる世代でよかったなぁ、と思わんでもないけどさ。

そんな中に、興味深いものがアップされているのでご紹介。由布院の賢人、小林道夫先生が、ご自宅にヴァイオリンの白井くんを呼んで話をしているシリーズ。
https://p-academy.ebravo.jp/watch02#2

話としては、道夫先生をよくご存じの方とすれば今更なことも多いでしょうけど、やはりご自宅の空気の中で若い人、それも今やN響コンマスという特等席に落ち着いた異才との話ですから、聞くに値すると思います。3日目のアイキャッチが霧の金鱗湖ってのもいかにもだけど。道夫先生のお宅からの眺望、ってのはマズかったのかしら。

なお、なぜか「ぶらあぼ」さんは記していませんけど、白井氏はちゃんとゆふいん音楽祭にも登場しております。トリオとしてはバラバラでの参加だけど、弦楽四重奏として来てます。前夜祭でも、道夫先生との共演はなかったかな。

こういう映像は、きちんとアルヒーフとして保存されると良いのですが、どうなっているんだろうか。ともかく、なくならないうちに、ご関心の方はどうぞ。

なお、隠すことでもないので記しちゃいますと、来る火曜日に新装成った由布市湯布院町公民館のホールに道夫先生ら関係者と行き、中を見物することになってます。内部の様子など、当電子壁新聞で速報いたしますので、乞うご期待!

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初夏の溜池に室内楽のお庭は花咲くのか? [音楽業界]

世田谷某所で旧葛飾オフィスの鍵を新オーナーさんに引渡し、生命保険や国民健康保険の住所変更等々、いくつか細かい雑務は残るものの、これで築半世紀超えの親父の家からの退去&撤去準備仕事は終了。いつの間にか春も盛り、桜満開の季節も終わってら。

さても、実質まるまる二ヶ月、当無責任電子壁新聞どころか本来の商売作文や取材も殆どせず「勘当された長男の罰ゲーム」に専念している間に、今やすっかり無縁となってしまった初夏の溜池室内楽お庭のチケットが発売になっているではないかい。
https://www.suntory.co.jp/suntoryhall/feature/chamber2021/index.html

うううむ、10年目のラインナップ、なんだか随分と手広く豪華に、かつまた期間も長くなってるなぁ。ホールが文化活動の拠点とされる傾向にある日本の主催団体って、何故かディレクターやプロデューサーの顔を表に出したがらない傾向にあり、業界の人事が判っている奴には「ああ、〇〇さんが辞めてやっぱり感じが変わったなぁ」みたいなことは直ぐに判るのだが、そんな内部事情は世間には判るわけもなく、なんか最近のサントリーの室内楽音楽祭ってキュッヒル御大がディレクターなのかい、なんて誤解されても仕方ない…かな。

ま、それはそれ。この数年の中心となっていた旧東京Qメンバー勢がステージから姿を消したのには時代の変化を感じるものの、アカデミー・フェローの若手から館長、元ヴィーンフィルのコンマスまで広い世代が並び咲き誇るお庭、今年もしっかりやるつもりのようじゃ。

てなことを考えながら久々の目蒲線で久々の溜池に至り
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午後4時には閉店してしまうというなんだかとっても寂しいチケットブースにチラシ広げて、イェルサレムQの6日間5公演で完奏という相当にヘビーなベートーヴェン全曲と、ノブースQ、シューマンQ、葵トリオという馴染みの連中の安い席を無事に購入。葵トリオくらいは売り切れていて欲しかったなぁ、と思いつつ、哀れ3月の月収分くらいを払ったのだけど…
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イスラエルやドイツの若い連中、ホントに6月の新帝都にホントに来られるのかしら。

ワクチン投与がいわゆる「先進国」で最も遅れている現状、初夏頃には世界中から「中韓台は渡航可になりましたが日本はまだアブナイから行っちゃダメ」という逆鎖国の扱いになることは目に見えてる。中国本土や台湾は、マーラーの交響曲をガンガンやったり、メシアンの《アッシジの聖フランチェスコ》だってやろうなんて勢いなんだけど、ショスタコーヴィチやマーラー合唱無し交響曲までは舞台で鳴るようになってきた極東の列島、コロナの状況の何が変わったわけでもなく…

桜花も新緑に埋もれ始め、ヒヨちゃんや雀たちも桜の枝で狂ったように花弁を啄む姿もそろそろオシマイ。今日からはお嫁ちゃまの家族に居候、完全マスオさん生活のやくぺん先生の周囲にもはらりほろりと散っては溜まる卯月初めの午後のカラヤン広場に、ちょっと冷たい風が吹き抜ける。

ちなみに「ぶらあぼ」に拠れば、なんと本日新帝都で開催されるコンサートって、たったひとつだけだそーな!え、それってエイプリルフールかいなぁ。

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