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田舎者3年目の謹賀新年 [売文稼業]

新年明けましておめでとう御座います。新春の冷たい風の中、遙か永代橋の彼方に聳える天樹を眺める大川端から、やくぺん先生とお嫁ちゃまのアイコンで新年のご挨拶でありまする。
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コロナ禍が一応収束に向かった2021年師走から本格的に始まった新帝都東京は大川端(お嫁ちゃまは上野の杜)と温泉県盆地の二重拠点生活も、去る年末でまる2年。少しは落ち着いたか、と問われれば、ドンドン落ち着かなくなっている、という感じの1年でありました。なんせ去る2023年の元旦から大晦日まで、コロナ禍前の秋から強制されている就寝時の医療機材の電源を差し込んだ場所がどこだったかで宿地地を勘定してみると…

温泉県盆地オフィス:147泊
東京都中央区佃塒:128泊
欧州(パリ、フランクフルト、ベルリン、マドリッド、ヴィーン、ホンブルク):22泊
韓国(ソウル、統営、ブチョン、仁川):11泊
シンガポール:5泊
香港:3泊
日本国内(仙台、長崎、大牟田、久留米、熊本、福岡、大阪、金沢、富山、名古屋、松本、箱根、いわき)&機上移動:49泊

えええ、そんなかなぁ、と思わんでもないし、なんかいっぱい数え間違えているような気もするけど、まあ、だいたいザッとこんな動きでありました。これでも、行く可能性もあったけど隠居の身としては自分ではなく別の方がやって人脈を広げていただくべきだろうと断ったヴェトナムとか、余りに急で行こうと思っても無理だったソウルとか、いくつかありましたです。

なんせ、昨年はメイジャーな国際コンクールにベッタリ付き合ったのは大阪の一度だけ、その他は欧州も後数年のチクルス完了までは恒例となるであろう秋のパリ《光》チクルスと春の《中国のニクソン》ツアーだけでしたから、ホントにコンクール業界からは「引退」だったわけですわ。まあ、覗きに行くとしても秋のミュンヘンARDピアノ三重奏くらいしかなかったわけだけどさ。

国内は、キューシュー島北部に拠点を移したこともあって、地勢的な観点からも眺めぬわけにはいかんことになってしまっている冬の日本フィル九州演奏旅行ながら、温泉県盆地からでは東京から行くよりも行きにくい場所ばかりということもあり、それなりの数のお泊まりということになってしまっている。なんせ温泉県盆地、長崎や熊本各所どころか隣の福岡県内でもソワレの演奏会があったら公共交通機関では戻ってこられないとんでもない僻地なこともあり(それどころか、佐伯やら隣の市の豊後竹田でもソワレは日帰り不可能!)、近隣県での寝るだけのカプセルホテルとか限りなくそれに近い安宿利用がそれなりに増えてしまってるのがねぇ。佃の塒からなら、その気になれば仙台のソワレだって戻れるんだけど(シンカンセンではないいわきは無理なんだわなぁ)。

そんなこんな、いきなり人心の乱れに対する天の怒りのような大惨事報道で埋まる元旦の晩、来る2024年の夏至くらいまでの日程をある程度本気で考えるに、昨年同様に三が日明けに温泉県盆地に戻り早速の来客に備え、翌日には老体駆り出される新年初仕事で朝から福岡アクロスまで記者会見ひとつ日帰りに始まり、月の半ばからは久しぶりのミロQの再会となる春節前の香港&オンちゃんと葵トリオがメインのシンガポールの新音楽祭で実質2月頭まで東アジアをウロウロ。そのまま福岡板付に戻るともう日本フィルの第49回九州ツアーが始まり、新帝都に戻るのは旧正月のインバウンド襲来も収まった税金の季節になりまする。

その先は、春は櫻の統営はやはりディオティマQくらいは眺めにいかんじゃろとは思うし、4月連休はホントは新帝都なんていたくないけどレオンコロQが来てるんだわなぁ。6月の室内楽のお庭はダネルQのヴァインベルクがやっとサントリーで響くのを眺めないと叱られるだろうけど、ベートーヴェンはもう隠居は関わる必要ないでしょ。

最大の問題は、6月8日から16日のボルチアーニ・コンクールをどうするかじゃわい。なんせ、今年は審査委員長にあのソニア・ジメナウアーおばさまがお座りになるというとんでもないことが起きていて、その意味が分かる世界中の「常設」で喰っていきたい弦楽四重奏が吹っ飛んでくる可能性があり、コロナ禍以降、レオンコロQの一人勝ちで推移してきたコンクール業界が色めき立つ可能性もある。この時期に渡欧するなら、22日にベルリン・ドイツ・オペラでプレミアが出る《中国のニクソン》まで眺めて来ないわけにはいけんし(なんせバウチャーあるからねぇ)。とはいえ今年はパリ五輪イヤー、更にはキシダ内閣やら自公政権やらが続かない可能性があろうが円安が急速に収束するとも思えず、更にはウクライナ戦争が愚着茶になりロシアと合衆国大統領選挙で世界が大混乱になる可能性もあり、こんな時期にテロリスト跋扈するであろう実質上の半戦時下の欧州に行くなんてホントに大丈夫なんじゃろか…

いずれにせよ、秋のル・バルコン《光》チクルスは一年お休みなんで、ヘタすると欧州には一切足を踏み入れない年になるかもしれんわなぁ。ま、貧乏なんで、それはそれで有り難いんじゃが。

夏ともなれば、忘れてはならぬ、我が温泉県盆地の小さな夏の風物詩「ゆふいん音楽祭」が今年も開催されます。日程は昔と同じ7月最後の週末、27と28日。今年も水谷晃&小林道夫のコンビによる演奏が予定されているとのこと。日程表に書き込んでくださいませ。

秋になると、顧問という名の雑用を仰せつかっておりまするNPOクァルテット・エクセルシオの創設30年記念シリーズがあれこれ本格化し、それに向けた作業もいろいろと入ってきそう。売文家業としては、日本フィル九州ツアー半世紀に向けた構想は、いろんな意味で実現は難しいなぁと思わんでもないながら、まだgive upはしておりませぬ。東夷からすれば、キューシューというのは想像以上に広く、多様であると実感しているところ。さても、どうしよーかねぇ。

一寸先も見えない2024年、ともかく、あと3年は佃と温泉県盆地の二重拠点生活は続く予定であります。具体的な動きは毎度ながら当電子壁新聞及びFacebookに晒して参りますので、連絡その他があります際は、適当にご判断あれ。

あとちょっとは、生きていきましょ。

[追記]

元旦午後4時過ぎに起きた能登大震災でヴィーンフィルのニューイヤーコンサート中継が中止になるという今年を象徴するような事態が勃発したのは皆様ご存じの通り。正直、やくぺん先生とすれば関心があるのは「ティーレマン御大がニューイヤーコンサートでブルックナーを振る」という一部で話題騒然となっていた話だったわけでありまして、その映像、今、世界各地で放送されたものが恐らくは非公式にYouTubeなどにアップされており、眺めることが出来ましたです。こちら、フランス語中継で、問題の作品は1時間19分過ぎくらいから。直ぐに視られなくなるんじゃないかしら。
https://www.youtube.com/watch?v=BnNB-uPWbCA

それにしても、まさかヴィーン楽友協会の黄金のホールから新年にブルックナーなんて、婆さんや、長生きはしてみるもんじゃのぉだっく。

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かめ

ダネル、サントリーのヴァインベルクは6番のみ。この記事を見て、すわツィクルスか!?といきり立ったものの、降りるところがなく哀しみにくれることに。日本の四重奏団は手も出そうともしないし、疎外感でいっぱいです。やくぺん先生、何とかしてくださいな。
by かめ (2024-01-04 22:08) 

Yakupen

かめ様

本人達はやるき満々ですが、なかなか難しいようですね。ソウルではショスタコとヴァインベルク半々、というプログラムでしたし、あれくらいは期待したんですが。正直、ヴァインベルクの弦楽四重奏は決して全曲が成功作とは思えませんけど、それを知るためにもダネルの活動は有り難いことですしねぇ。
by Yakupen (2024-01-05 17:13) 

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