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16日栗東市文教福祉常任委員会審議会報告~ほぼ速記まんま [指定管理者制度]

日本列島が大寒波というものの、東京湾岸地区は日差しうらうら冬の午後。風は冷たそうだが、ニューヨークなんぞに比べればまるっきり春みたい。で、週の半ばに東海道を往復したおかげでたまっている日常業務を次々に処理しているのだけど…
そんな中でも、遙か関ヶ原の彼方、琵琶湖と鈴鹿山脈に挟まれた豊かな近江の地では、来週半ばの議会終了に向けて大騒ぎは続いているのであったぁ。そおおおお、りっとーさきらであーる。

現地から次々と入る情報によれば、今や問題は「さきらの管理者指定を巡る市長と議会の争い」に移行しているみたい。文化の問題というよりも、市政の失態を追求する、という話になっているなぁ。
んで、当ブログとしては、それこそ「私は文化しか判らないので…」と洞ヶ峠(おおお関ヶ原ぁ)を決め込むことも出来るのだろうけど、こうなったらもう乗りかかった船、毒を喰らわば皿まで。栗東納税者有志から送られた昨日16日の栗東市議会文教福祉常任委員会(議会に上程された議案を常任委員が詳細に審議する委員会で、ここでの採決が本会議で否決されることはまずあり得ないとのことです)でのやりとりが、もうなんというか、市長様以下行政側は殆ど抱腹絶倒のドタバタぶり。これはもう公開するっきゃないしょ。
記録なさったのは、去る14日のシンポジウムに参加なさった栗東市民の方です(いかなブログ原稿とはいえ、情報源は秘匿させていただきます)。事態の展開に興味を持ち、議会を傍聴。呆れ返って、取っていたメモをまんままわしてくれました。
こんなしがない壁新聞運営者のごときに義憤に駆られて情報提供をなされても困るのだけど…こうなったらこっちも腹を据え、えいっつと貼り付けちゃいましょう。幸か不幸かわしゃ栗東市にはなんの利害もない。かえって地元の方より良いのかもね。

なお、議会の議事内容は、議事録が作成されています。請求さえすれば栗東市民納税者なら自由に閲覧できます。以下は秘密でもなんでもありません。でも、議事録なんぞ出来る頃には騒動が終わってるのは明らか。決戦の月曜日、そして議会最終日の22日に向け、提供します。中身の解説は敢えてしません。

とはいえ、余りにも長いので、全部読むのが面倒な方にハイライトだけ抜き出すと…
最後の辺り、JRBSの提案書の内容を見た市会議員が、「JRの提案書を見たが、ホール運営について、過去の実績はどこに?資料がないのだが。」と問う。市側はしどろもどろ、結局「JRの提案資料に事業計画がついているので、それを見ていただきたい。京都劇場の運営をしている。」と答弁。あああ、余計なことを言っちゃったぁ、と思ったら案の定、議員は「提案資料には、京都劇場運営の実績資料はないぞ、出せ」と詰め寄る。なんてマヌケな答弁だ。自分で墓穴を掘ってるぞぉ。
それからその先。一部市民の間で「文化事業団職員の首斬り反対だ」との誤解があった部分ですけど、なんとなんと、JR側は事業団職員を全員雇用することを前提に提案書を出していたことが明らかになってますね。
なんなんだ、一体。首斬り話はどっから出たんだ?一部組合の先走りなのかしら。いくらでも深読み、裏読みは出来るけど、なんにせよ猛烈に不可解なり。

昨日の委員会、傍聴者は40名ほどで、溢れて別室のモニターで傍聴した市民もいたそうです。スゴイ人気だ、19日は押すな押すなだろうなぁ。22日など、もう大変だぞ。市が内定した指定管理者を議会が否決するなんてことになったら、これはもう、総務省が考えてもみなかった前代未聞の珍事。市長は議会に対し解散をちらつかせている、などという怪情報も乱れ飛んでいる。おおお、まるっきりプチ小泉じゃないかぁああ。栗東市長、そんなに人気者なのかしら?
文化で議会が解散されようものなら歴史的事態。栗東市民よ、あなた方の市は、日本の地方自治の歴史に刻まれる瞬間を迎えつつある!まさかこんなことになるなんてねぇ。
なお、議会の様子は、本日17日の毎日新聞朝刊地方欄に、かなりの大きさで掲載されているとのこと。地元の方はご覧あれ。
                             ※※※

2005年12月16日栗東市議会文教福祉常任委員会の様子を簡単にご報告いたします。乱文ご容赦ください。9:30より始まり16:00まで開催され、今日の委員会では採決に至らず、19日(月)より再度となりました。
以下、○=議員、●=市

○さきらの指定管理については世間で話題になっている。請願書、要望書多数。問題整理の必要あり。
●法に則り手続きを進めている。市民や団体から寄せられている不安や要望については制度を進める中で理解を求めていく。(教育部長、市長)

○芸術文化は市民と協働して育てるもの。募集要項の中で(判断基準に)市民協働の取り組みなどの項目ないが。
●市の方針に従っている。(教育部長)

○これまで活動してきた文化団体などと話し合いの場を持ったか。
●していない

○市が市民に情報公開せず、話し合い無し、市の姿勢は市民に向いていないのでは。
●法改正に則りすすめてきた。市民への説明不十分はあったかもしれない。市民の心配するような状況にしないのが市の役割。理解を得られるよう行動したい。(市長)

○募集要項に芸術性などの文言ないが、文化施設なのになぜ?
●市の他の施設の制度導入との整合のため。(教育部長)

○鎌倉の例:制度についてパブリックコメントなどとっているが栗東ではおこなったか。
●おこなっていない。
○市民の声を聞かないのは市のサービスが足りないのでは。
●指定管理者制度は法律で決まっていることなのでおこなわなかった。この制度はパブリックコメントになじまない。
○この制度を「市民のためのもの」と市長が言うなら、その論理は納得できない。

○さきらへの制度導入について他自治体を参考にしたか?
●総務省の方針を元に、神戸、札幌、名古屋、長崎など参考に。
○中身はどうだったか。
●総務省については手続きを、各自治体については手続きと方針を参考に・・・。
○あくまでも文化芸術が観点であり、他の施設と同じに考えるべきでない。県びわ湖ホールの例は調べたか。
●手続きについて調べました。
○芸術文化施設への導入事例について訊いている。
●びわ湖ホールは財団継続で、県の文芸などはいろいろあって。収支とか事業とか調べて、制度導入の是非を決めたと。
○わからぬので、私が答弁する。びわ湖ホールは、県の芸術文化を担う中核的施設なので公募になじまず、とした。で、栗東はどう考えたか、と訊いている。
●指定管理者制度に聖域なしと考えている(市長)。

○(14日のシンポジウムに参加した議員)これだけ市民から「制度のことがわからない」不安の声が多い。説明を含め、振り出しに戻す必要があるのでは。
●文化への取り組みはこれまでと同様。今後のとりくみで理解を求める。市民への情報不足は認識。(市長)
○「今後の取り組みの中で」ではなく、今、「わからない」という声が多いことを、どう捉えるのか。
●9月の条例改正の際に議会で説明し、承認を得ており、手続きに問題なし。そこを戻せといわれても。(市長)
○(異なる議員)確認しておく。条例について9月議会で、我々が承認したことは事実。その上で、スケジュールがやや拙速の感あり。さきらを公募とした理由は。
●何度も言うが、この制度に聖域なしと。最終的には私の判断。(市長)
○財団法人栗東市文化体育振興事業団(以下文体)の評価は?
●文化振興の重要なパートナー、よくやってもらっている。高く評価(市長)。その上でよりよい運営を目指して導入した。

○市民への情報公開はどのように。
●要項などはHPに掲載した。
○市民はHPが見られる人ばかりではない。不十分では。
●応募希望者や団体などはネット環境が発達しているところが多いと考えたので。
○市民への説明不十分、サービス不足でしょう。

○市民は入り口まで戻して欲しい、と言っている。市長はこのまま出口まで向いたいと言うが。
●意見は意見として受け止め取り組む。
○ねずみ色では採決できない。

○選定委員について。公募委員3名の選定方法は。
●3名以内とした。広報とHPで応募。第一回目で2人応募。追加で1名。
○芸術文化施設への知識の専門性は問うたか。
●一般公募は専門性見ず。広く市民で。
○審査内容が複雑だが?
●公募委員は全施設(体育、健康福祉など)共通委員なので特に問わず。
○審査施設は合計20施設、5つの施設は2団体以上応募、資料を見る期間など、2週間では無理では。
●1回目に全体説明、2回目には審査、各団体の説明もあるし質問も出来るので問題なしと。
○2週間あったのは、一部の施設。もっと短いところもあり。「さきら」の資料だけ見るわけにもいかない。ところで、市の文化振興計画は、審査員に配布したのか。
●しておりません。

○応募手続きで不審な点がある。
JR-BSからの質問書について、さきらへ出向いて回答を求めたそうだが。
●正確を期すため、さきらへ聞き取りした。
○公平性に著しく欠けるのでは(双方へ)。JRへの回答は、さきらへも内容を明かしたのか。
●聞き取りの際に言ったので。
○質問書と回答の内容を詳しく説明願う。
●多いのですが。
○説明を。
●(かいつまんで答弁)

○仕様書はどんなものを送付?さきらの人件費などの細かい数字の回答は公平性に欠けないか。
●給与は市に準じるので公表されているので問題なしと。
○JRは分からないから聞いたのでしょう。公表されているなら、自分で調べよ、とするべきでは。市がどちらかに肩入れしていると思われても仕方ない。
●質問されたら答えるもので。

○JRは現に、さきらに委託業者で入っている。自分達で調べられる内容もいくらでもあるのでは。それを敢えて質問したということを考えると。聞かれたから答えるでは、市民は市が一企業に加担していると思われても仕方ない。
●他の質問とのバランスを考えて。問題なしと。

○質問に答えていない。光熱費なども答えているし、相手への情報提供になるのでは。回答書が出たのが10/26、応募書類提出は中一日の10/28。市がJRに加担していたのではないか。
●一切ない。

○JRの提案書を見たが、ホール運営について、過去の実績はどこに?資料がないのだが。
●市の指針の基準に従って選定した。市の方針と協調性があるかと。
○そうではなく、実績の有無の評価は大きいのだが、JRの業務内容はビルメンテであるが。
●JRの提案資料に事業計画がついているので、それを見ていただきたい。京都劇場の運営をしている。
○提案資料には、京都劇場運営の実績資料はない。提出を。
●検討する。

○各論に。現財団職員の雇用はどうするのか。JRの提案書には現在の11名全員を雇用するとあるが、JRに確認したのか。
●審査は申請書に基づくので担保すると考えている(市長)
○雇用は大きな問題。間違いないのか。
●間違いない(教育部長)
○職員の身分はJRか財団か。身分管理は。
●各人の希望による。
○JRの運営するホールに、文体に籍を置いて今のままで働けるのか。
●JRは文体の実績を理解されていると思う。
○実績云々ではなく、籍をそのままで、ということがあるのかと。
●あるのではないか。

○9月議会の文教福祉常任委員会で、藤井参事は「ノウハウ、実績のある団体を」と言った。JR-BSは京都劇場、大阪劇場で何を業務としているのか。
●申請書にないので把握していません。
○申請書にないとは、応募資格不適格では?受け付けたこと自体が。
●京都劇場と書いてある。
○三木議員もご存知だが、JR-BS社は京都劇場を企画・運営していませんよ。資料を提出してください。
●審査の中の結果なので、今、示せない。
○それではこの議案について審査できないから、提出を!申請書にないから把握してないとかでなく。
●申請書の内容を見て欲しい。
○通常、こうした応募の際には、どの団体でも過去の実績をアピールするため資料提出する。JRもあるはず。
●検討します。

ここで昼休み。その後、午後の審議も、主にJR-BS社のホール運営実績の有無の部分から、話が先に進まず。16時に中断で終了。19日に再開となった。

                             ※※※

以上、長い長い議事録でした。さあ、どーなる、月曜の栗東市議会!
なお、「さきら」は今晩はクリスマス演奏会ですね。雪は降ってるのかしら。議会がどうあれ、皆様、お楽しみあれ。下の写真は、マンションに囲まれてクリスマスツリーが輝く栗東さきら。栗東市長さん、市議会議員さん、市役所の皆さん、ちょっと早いけど、遙か東京湾岸から、メリ~クリスマス!


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コメント 4

tanitetu

先日はありがとうございました。自分が住んでいる場所でもないのにすご~く気になって月曜日議会に行こうかしらんと思案しているところに、詳細レポありがとうございます。
文面の制度導入の参考にされた某ホールの内情ををよ~く知っておりますがあんなのま~ったく参考になりません(って書かなきゃならないくらい情けない状態なのであります)。

確かに文化で議会が解散なんてなったら前代未聞ですなぁ。とにもかくにも一番良い形で着陸してほしいです。

毎日新聞のWEB版にまだ記事が残っておりましたので貼り付けておきます。
http://www.mainichi-msn.co.jp/chihou/shiga/news/20051217ddlk25040536000c.html
by tanitetu (2005-12-17 16:32) 

Yakupen

今、クリスマスの人ででごった返す銀座まで行って、ヤマハで仕事に必要な楽譜立ち読みして(ううう…)、帰ってきました。栗東市役所に勤める人たちは、休みなんてないんでしょうねぇ。いろんな世界がいっぺんにあるなぁ。

もとい、先日はお疲れ様でした。このレポートは、某栗東市民の労作で、小生は貼り付けただけですから、お礼はその方に向けられるべきでしょう。いやぁ、こういうの、ホントの地方自治ですね。

K市の例も、いずれきちんと人の目に触れるように出来ると良いのですが。ともかく、来年の4月の一騒動が終わったら、日本中で何が起きたのか、きちんと検証しなければならないでしょう。うううん、レポートやルポルタージュとしては商売にならないなぁ。いっそのことどこかから研究助成金を取ることを考えた方が良いかもしれません。なんにせよ、その節にはよろしくお願いします。

さて、吉野直子さんの曲解の続きをせねば。
by Yakupen (2005-12-17 19:34) 

shin k

指定管理者制度の導入の理由の一つであるPFI(Private Finance Initiativeだったかな)制度では、市が建築及び運営会社を決定し契約したあと議会で否決、という事態がありました。2年前くらいだったかしら。議会否決のばあいのリスクはどこのものであるか、ということが不明瞭だったためかかなりもめて、結局安い違約金で和解した。この話は設計や建築会社方面ではかなり話題となった話です。
指定管理者制度ではまだ、議会否決という話は聞いていませんが、各地で起こっている、安易だったり脇が甘かったりというという制度の立ち上げ手法に、一つくらい議会が否決しても良いと思えます。新しい手法の導入にそのくらいの緊張感がないと危険です。論議されているかどうかは別として、この問答の実態に近い自治体は全国で随分あると思いますので、こういうのが表に出るのはうれしいです。
いずれにしろ、情報公開(最近は改革は情報公開から・・という論調は減ってきていますねえ。道路公団あたりからかな。)、それも、大事なことは決定過程における公開が重要ですねえ。
by shin k (2005-12-18 15:18) 

Yakupen

PFIは、殆ど一般の話題にならないままでしたねぇ。←過去形の表現で良いのかしら。
例えば、関東の音楽ファンでは話題の「みゅーざ川崎シンフォニーホール」も、早稲田大学とのPFIということだけど、なんの話題にもならなければ、問題にもなってませんし。
これって、上手くいっている、ということなのでしょうか。ハード面については、もう全然小生には手が出ません。
by Yakupen (2005-12-18 15:49) 

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