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原爆博士交響曲やります [現代音楽]

体力と喧嘩のエネルギーだけはある、と人々から揶揄されるあたくし、なんと珍しくも一昨日来食中毒らしきものにかかり、ひっくりかえっておりました。町会の「そうめん流し会」、お手伝い出来ませんでした。スイマセン。ゴメンナサイ。

さても、ひっくり返りながら、送られてきた「音楽の友」最新号を見物していて、おおおお「ドクター・アトミック」の記事はこんな妙なところに入ったのかぁ、と不思議がっていた。んで、世のなかにどの程度いるか判らぬこの作品に関心を持つかもしれぬ方にお知らせです。この記事の曲。http://blog.so-net.ne.jp/yakupen/archive/20070630

明日、現地時間の21日夕方、プロムスでジョン・アダムス作曲「ドクター・アトミック・シンフォニー」が世界初演され、毎度ながらのライブ放送されます。こちら。http://www.bbc.co.uk/proms/2007/whatson/2108.shtml

どういうわけか初演は随分と遅れ、明日がホントに世界初演になるそうな。電子音で始まる前奏曲やら、ネイティブ・アメリカンのオッペンハイマー家の家政婦さんが宇宙の終わりを恐怖する颱風の音楽やらが纏められてるみたいです。オペラそのものもネット放送されたみたいですけど、コンパクトにどんな音楽かを知るには、このシンフォニー版のが手っ取り早いでしょう。

この作品、どうも欧米の批評では戯曲『コペンハーゲン』との関連というか、似たテーマの作品として議論される傾向にあるみたいですけど、幸か不幸か我々日本語を母国語とする文化圏の人間には、どう聞いても「原爆小景」の前章のようにしか感じられない。ま、ワールドワイドにはまるっきり普遍性のない議論ですけどねぇ。ううううん。

なお、この演奏でオペラに関心をお持ちの方は、年末から来年1月にシカゴのリリック・オペラで同じチームの上演がありますので、是非どうぞ。http://www.lyricopera.org/productions.aspx?arrRef=20084サンフランシスコ、アムステルダム、シカゴの共同制作だったプロダクションですから。アムステルダムの広報さんによれば、小生が見物した晩などを中心に映像収録がされ、年末にオランダでは放送されるとのこと。DVDで出るんですか、と訊ねたら、その予定はあるがまだ確定ではない、とのことでした。←「音友」の記事、量が少なすぎて、こんな大事な情報すら泣く泣くカットせざるを得なかった。うううん。

以上、お知らせでした。

8月22日追記:ネット放送、聴きました。アダムスがいろいろ話したりしていて、始まるのは1時間27分過ぎくらいからです。なお、構成は「序曲から1幕冒頭の原爆作りに励む人々のアレグロ音楽、1幕2場のオッペンハイマー夫妻の会話のアダージョ、第2幕後半のみんなパニックになる場面のスケルツォ、第1幕最後のジョン・ダンのソネットによるオッペンハイマーのアリアをトランペットに置き換えた終曲」という、アッと驚くまるで古典派4楽章交響曲のパロディです。ラジオで喋ってた作曲者によれば、「1ヶ月で書けると思ったけど、弄ってるうちに別物になってきて、結局3割くらいは新しい音楽」だそうな。8月28日くらいまではプロムスのサイトで聴けるはずなので、ご関心の向きはお聴きあれ。
正直なところ「ルル交響曲」くらいのものを想像してたら、プロコフィエフの第3番とか第4番とかのオペラ素材ベースの交響曲くらいに充実してますわ。なんかこんな立派な曲だったかぁ、って感じ。


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