SSブログ

八田利一先生なにが楽しゅーて… [演奏家]

食あたりでひっくり返ってる間、珍しくも新聞なんぞを隅から隅まで眺めたら、現状に不満なオッサン向け鬱憤晴らし雑誌「新潮45」の広告が出ていた。最近は日本語の紙新聞は殆ど目にしないし、通勤列車にも殆ど乗車しないので、こういう扇情的な売らんかな雑誌広告を熟読するのはホントに久しぶりだったんだけど、おおお、八田利一先生、まだ現役でやってらっしゃるんですね。

『天才チェリスト・ロストロポーヴィチのゼニゲバ人生』って、いつもの調子の、「2ちゃんねるがなかったころからの2ちゃんねる」ノリの記事みたいですな。

みたい、って、読んでからなんか言うのが礼儀だろう、って叱られそうですけど、あなた、こういう記事は読まなくても何が書いてあるか判る。ってか、読まないどいてあげるのが同業者としての礼儀です。だって、恥ずかしい記事だもん。誰が書いてるか業界関係者なら誰でも知ってるんだから、ペンネームは同業者に対する「恥ずかしいから読まないでね」ってサインなんでしょうし。
この見出しから考えられる内容なら、あたしだって書けます。小生の同業者なら、まあ、誰でも書けるでしょ。ええ、新潮社の編集部さんが原稿用紙1枚1万円の大企業キラキラ広報誌くらいのギャラくれれば、貧乏で生活に困ってるあたしですから、魂や誇り売ってかいてあげましょー!あたしだったら音楽評論家石井宏氏みたいに偽名じゃなく、どーどーと普段の商売の名前で書いてあげましょーぞ!
どーだ、新潮45編集部さん、そろそろ石井先生にも引退してもらって、八田利一先生の名前、やくぺん先生に襲名させてくれんかね。で、たまにあたしをがっぽり稼がせてくれんかね!あたしの場合は、幸か不幸か、石井先生みたいな個人的な恨み辛み、己の音楽業界内ので不成功を大手マネージメント会社やその配下の演奏家共のおかげと信じ数十年も燃やし続ける怨念のパワーなんぞはありませんから、あくまでも純粋に作文テクニックで「客が喜ぶ有名人の悪口」書きますぞ。さああああ、どーじゃ、わあああああっはっはっははああぁ←世界征服を目前にしたショッカー首領が如き悪魔の笑い声

ぜーぜー…暑いと頭が腐ってくるわい。

もとい。上に記された発狂したような妄言は、すべてなかったことです。読んだ方は脳内破棄して下さい。このブログのここまでの部分に書いてあることは、全くの嘘っぱちですからね!ぜーんぶ嘘ですよ、いいですかぁ。ま、信憑性は八田利一先生の書く文章くらい…かな。それから、ここまでの部分に関するコメント、頂いても端からぜーんぶ読まずに抹殺消去しますので、悪しからず。

もといもとい。ええと、流石のクラシック音楽業界随一のスキャンダル作家八田先生も「天才」という形容詞を付けざるを得なかったロストロポーヴィチ氏ですけど、あの方の「お金」に対する接し方は、なんというか、我々日本国の一般庶民とは明らかに違ってたことは事実ですね。良し悪し、というよりも、「お金というものをどう考え、どう扱うか」という基本的な態度の違いです。だから、そこだけを見て「ロストロは実はゼニゲバだ」と仰られても、「なーるほど、俺はロストロみたいなお金の使い方は到底理解できない貧乏人だ、と正直に仰るなんて素直な方ですねぇ」としか返しようがないです。そんなことが書かれた記事、なにが楽しゅーて読むんじゃろか。判らん。

で、まかりまちがってなんかの拍子に読んじゃって、あたしのロストロさん像がぶちこわされた、あんなゼニゲバとは知らなかった、私を騙したのね、私の感動は間違いだったのね…などと傷つきやすい14歳の少年少女みたいに泣いてる方を、安心させてあげる事実をひとつ記しておきましょう。

演奏家のギャラというのは、ホントにどの程度なのかは、案外判りそうで判らない。八田利一先生(書くたびに「ハッタリ一」と変換されてしまうのが困るなぁ、まあ、そういう意味のペンネームなんだろうけど)はどうやって調べたんだろうか。ちゃんと「新潮45」の記事には根拠が示されてるのかしら。まあ、示されてなかったら、ハッタリ一番オヤジの書くことなんて誰も信じないだろうからなぁ。どーしてるんだろー。ま、いいや。

確かにロストロポーヴィチ氏のギャラは、現代日本に生きる我々貧乏人の感覚からすれば、破格に高かったようです。ようです、というのは、根拠を出して語ってもかまわないデータが手元にないからそう記してるだけ。小生とすれば、今はなき某Cホールの(あ、あることはあるけど、日大ホールだから)、今は亡きS支配人が、今は亡きロストロ氏の一度の無伴奏演奏会&マスタークラスなどなどのギャラとして税込みなんぼのドル札を現金で某所に持っていったかをたまたま知っている、というだけ。ま、いろいろなことを考えると、この額はここに記してもかまわないと思うんだけど…やっぱり教えません。ベンツの高級セダン新車1台くらい、ってとこでしょか。

さて、ホントに記したいのは、そっちじゃない。今を去ることもう3年前の初夏、神戸で「世界チェロ・コングレス」が開催されました。よーするに、アマチュアからプロまで含めた、世界のチェリストの大親睦会ですな。先週、上野近辺でフルートのコングレスやってたでしょ。あれと同じ、いや、もっと大規模なチェロ版です。

そこで名物の「1000人のチェロ合奏」を指揮するために、ロストロポーヴィチ氏が登場しました。無論、他にもグリーンハウス爺さんを挟んでのシュタルケル氏との対談など、もうあっと驚くようなこともなさってくれたわけです。

この大会、ファンドと、それに集まったチェリスト仲間からの参加料で運営されたわけですね。もーあらゆる意味で大変だったわけですが、まあ、終わってみれば楽しい想い出でしょう。

細かい運営費の内訳などは公式に発表されていないので、いろんな事情で今、目の前にデータはあるんですけど、ここに記すわけにはいきません。とはいえ、この大会運営委員長をなさっていたM氏が、当時あちこちで喋ってまわっていたことなんで、これは記して良いでしょう。

この大会のロストロポーヴィチ氏のギャラは、5000ユーロでした。

御本人、「私が駆け出しの頃のギャラだね」と笑ってたそうです。

ロストロさんという方は、「ギャラというのは相手との関係で決定される」と考えていられたのでしょう。お金がある人からは貰う。ないけれど自分が出演する必要があれば、相手が出せるだけいただく。それだけのことです。それを「ゼニゲバ」というのならば、それもまあ、ひとつの意見でしょうね。

少なくともあの頃のロストロさんにとって、お金なんぞよりも、自分に残された時間の方が遙かに大事だった筈です。そんなことも判らずに、ろくに意味もないインタビューで時間を取ろうとした某S新聞系音楽雑誌の記者なんぞには、ホントならば1分間で1000ユーロの請求書を叩き付けるべきだったなぁ。

そう思うわしゃ、ゼニゲバか?


nice!(1)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:音楽

nice! 1

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0