SSブログ

明日パノハQの公開レッスンあります [弦楽四重奏]

急に再来週ミュンヘンに行くことになりました。12月の渡欧予定を、別の緊急の用事と絡めて繰り上げました。ゴメン、クスQ、君たちのベルリンのキャバレーでのライブ(「コンサート」ではなあああい!)には行けなくなっちゃった。許せ、オリバー!すまん、マネージャーのK氏!だけど、ヘンシェルQもそちらのマネージメントなんだから、差し引きチャラにしておくれなさいまし。

んで、いくらなんでもミュンヘンで2泊しただけで戻ってくるってのはなかろうということで、ヨーロッパ最短の9日間、実質1週間の旅程を昨晩深夜から慌てて組み、今、ネットで航空券を取りました。久しぶりに金を払って飛行機に乗るぞ。それにしても、燃料サーチャージと空港税が3万8千円もふっかけられるって、いったいなんなんじゃ。台北まで往復出来るじゃないか。チケット代の3割増しって、いくらなんでもなぁ。ヒースロー空港を使ったりしてるんじゃないのにこれなんだから。
ちなみに、この時期は格安航空券でも航空会社の正規割引エコノミー料金でも、殆ど変わりません。数千円だかの違いだったら、これから楽しくチュニジア観光やらに向かうオバチャンたちの団体の中に突っ込まれるより、自分で座席が指定できる正規割引料金の方が余程良いですよ。

                          ※

さても、どうやら世間は連休のようだが、出発までに最低でも原稿3本をやっつけていかねばならぬことになった。だから今日の午前中、江戸東京博物館でNJP団員によるすみだQが「漱石と音楽」という興味深い特別演奏会をやるのは聴きに行けません。残念だ。

どういうわけかこのところ東京は弦楽四重奏がやたらめったら流れている。昨晩も、ミュンヘン行き騒動を携帯電話でやりながら、浜離宮でパノハQ聴いたですよ。シューベルトとドヴォルザークの変ホ長調のクァルテットを並べる、なんて言われても、余程病人みたいなクァルテット愛好家以外はどの曲やったか判らないでしょうねぇ。この団体らしい、良くも悪くも手に入った、自分らのできることを自分らなりにやってる音楽でした。こういうのはもう、好き嫌いのレベルでしか語れないんだろうなぁ。

で、このパノハQが、明日10月7日、公開レッスンをやります。フェルメールQのベートーヴェン・チクルス最終回とバッティングしてるんですけどねぇ。
場所は前回2年前と同じ地下鉄東西線船堀駅の北口直ぐに聳えるタワーホール船堀の小ホール。午後1時から午後5時までで、その後に短い演奏会もあるようです。お問い合せは「 石川雅子ミュージック・アカデミー」 03-3874-8371までどうぞ。ちらしはこちら。http://www.k3.dion.ne.jp/~music-ac/panoha2007.htm

昨晩の会場で、セミナーを個人で主催なさってる石川女史から聞いたところによりますと、クァルテットのレッスンは実質2組。チラシには「皇帝」をレッスンすると擦られてるけど、N響チェロ奏者さんなどによるプロ演奏家の団体へのベートーヴェン作品18の1になったそうな。どうやら第1楽章をやるらしいけど、せっかくこの曲をやるなら、第2楽章のレッスンをしていただきたいなぁ。
藝大で元アマデウスQのニッセル先生がこの楽章のレッスンをやって、上手に弾いた子達に「君たちはこれが『ロメオとジュリエット』だということを知ってますか」と尋ねたら、しばしの沈黙の後に、「プロコフィエフですか」と応えて、ニッセルさんが澤先生に向かって肩をすくめたシーンが思い出される。猛烈におっかない瞬間でした。

もとい。で、続くもっと若い高校生だかの団体には、皆様期待の「アメリカ」第2楽章をレッスンするとのこと。正直、耐性のない若者にチェコの手練れが「アメリカ」教えるのは危険だと思えなくもないが、まあ、何事も人生経験と思って貰うしかないでしょうねぇ。スコア持ってくと面白い筈ですよ。なにせチェコ系の団体のドヴォルザークやスメタナは、楽譜にないことやら楽譜と反対の指示が連発し、もう椅子から転げ落ちますから。前回の報告はこちら。http://blog.so-net.ne.jp/yakupen/archive/20051031

というわけで、秋の午後にチェコ団体のドヴォルザークの秘密の一端を覗き見したい方は、是非、船堀までどうぞ。


nice!(0)  コメント(3)  トラックバック(0) 
共通テーマ:音楽

nice! 0

コメント 3

KEN

はじめまして。中央区在住のクァルテットファンのkenです。
10/5に浜離宮朝日ホールで初めてパノハSQの実演を聴きました。
CDでは微温風でピンとこなかったパノハSQですが、実演でその微妙な芸風を体感しました。緩徐楽章のパノハ節にはしびれましたねー。シューベルトの10番の最終楽章・・・あの素朴なメロディーを何と愛らしくしおらしく奏でたことでしょう・・
でもやっぱり「皇帝」はアマデウスがいいなぁ・・
渡辺先生のご意見をお願いします。あ、実演をお聴きになっていれば・・
by KEN (2007-10-15 21:29) 

Yakupen

KEN様、東京都中央区は、王子ホール、浜離宮朝日ホール、それに晴海の第一生命ホール、はたまた月島のピアノアートサロンと、クァルテットを聴く場所に事欠きません。恐らく、アジア地区ではクァルテット濃度の最も高いところでしょう。世界でも、マンハッタン、ロンドン、ヴィーン、ちょっと意味は違うがプラハ、なんぞにも匹敵する場所です。なんと幸運な!

ええと、パノハQですけど、小生も聴きました。感想というか…まあ、凄く単純なことで、「こういう長老団体は好き嫌いで判断すれば良いんだよなぁ」と再確認した次第。自分たちの弾きたい曲を(より正確には、自分たちの弾ける曲を)、自分たちを聴きたい人に聴いて貰って幸せな時間を共有すれば良い。
その意味では、浜離宮でも大きすぎた。なんせ音ちっちゃいですからねぇ、ホントは100人くらいの場所でやるのが最高なんでしょう。そういう環境をつくって上げるのは来日公演では難しいかもしれないけど、サロンコンサートみたいな会場があればなぁ、と思いました。だって、集中力をギュッと集めてみんなで聴く、って音楽じゃないですもんねぇ。

ところで、アマデウスQの「皇帝」が最高、というご意見、涙が出ます。日本は世界でも最もアマデウスQ支持者が少ない文化なので、あの天才ブレイニンの奔放なボウイングを称賛して下さるなんて、アマデウスの弟子を自称する小生としては大いに嬉しいです。わお。
by Yakupen (2007-10-16 01:38) 

KEN

ヤクペン先生。おはようございます。コメントありがとうございます。
ここ7~8年ほどライヴから離れてましたが、いつのまにか、中央区はクァルテットの聖地になっていたのですね。
来日公演はずいぶん減ったようですし、演目も保守化している感がありますから、これからは日本のクァルテットに
注目していこうと思ってます。

ご指摘通り、パノハは確かに音小さかったですねー。
かつて、カザルスホールで聴いたヤナーチェクSQもそうでした。
1階の6~7列目だったのですが、耳を疑った記憶があります。もっとも演奏は素晴らしく、「ないしょの手紙」
など震えるほど感動しました。

ヤクペン先生のご著書でアマデウス支持者ということを知り、随分勇気付けられたものです。
世の中にABQ症候群(至上主義)が蔓延しており、どうにも釈然としなかった時でしたから・・・
私が始めてSQを聴いたのが、アマデウスSQの「狩&皇帝」でした。(CDが希望小売価格\4200の時代、
懐かしい!)
当時、ブルックナーばかり聴いていた私にとって、弦楽四重奏は地味で手が届きにくいジャンルでしたが、
アマデウスの「狩」を聴いてみたら、新しい世界が開けていきました。
いまだにハイドンはアマデウスが大好きです。第1VNがうまくないとハイドンはとかくちまちましたつまらない音楽になって
しまいます。
by KEN (2007-10-16 10:37) 

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0