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民衆歌劇場チケットブースのおばちゃん [たびの空]

リンクを離れ遙か外、民衆歌芝居劇場チケット売り場のオバチャンは、いつもなんかムシャムシャ食べてる。

お喋りしてるんだか切符売ってるんだかよーわからんおばあちゃんとのなながああああい対応を終え、とはいえ寒い昼過ぎのこじんまりした正面ロビーには列が出来てるわけでもなく、お待たせ、って感じもなく…

今晩?はい、席はいっぱいあるわよぉお、ギャラリーの正面が良いのね…(カチャカチャカチャカチャ)…ええっと、そう、この辺りはどう?え、一列目が欲しいの。まあ!あるわよぉ、13番。良い、では50ユーロ…かな。カード、ええ、使えますよ。VISAね、はい。(カチャカチャカチャカチャ、カチャカチャカチャカチャ)ここにサインして…ああああ、今日はBカテゴリーだわ、ご免なさい、40ユーロだった。まあ、どうしようかしら(ガチャン、ガタガタ)じゃ、10ユーロ現金でお返しします。クレジットカードからは50ユーロ引き落とされてますけど、大丈夫ですから。ふう、そうね、「低地」は一番値段が高いカテゴリーじゃなかったっけ。え、開演は7時ですから、お間違いなく。お楽しみを。

以上のやり取りの間中、オバチャンはずーっと口の中になんか含んでおりました。モグモグモグモグ…

マーラーが3番のシンフォニーを書き、ラヴェルがクァルテットを書き終えた頃のオーケストレーションとはとても思えぬロマンティックなダルベールの響きを貫いて、リンク通りのショッテン門ターミナルからガタゴトやってくる路面電車の音が流れ込んでくるフォルクスオパーは、どこか観光客を顎であしらうような空気があるシュターツオパーに比べると、とってもノンビリしていて愛想が良い。かの名キャラクターテノール、ハインツ・ツェドニクが演出やら脇役やら、いろいろ活躍しているのも嬉しいなぁ。

目の前を走る市電の下、複雑な五差路に立つ方向指示案内は、ブダペストとブルノとブラティスラヴァ。そう、ここはオーストリア・ハンガリー帝国の帝都。


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