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「大江戸勝手にクァルテット祭り」ラストスパート情報 [弦楽四重奏]

11月半ばから勝手に始まっております「大江戸勝手にクァルテット祭り」、いよいよファイナル週間となりました。
これまで、音楽業界とは無縁の独自のマーケッティング戦略を貫く武蔵野市民会館の公演を除き、小生の顔を出したフェスティバル勝手に参加公演、どれも(今更今でもないことながら)集客の面から眺めれば、哀しくなるほどの惨状。不用意なまでの若い熱気に包まれる日比谷公会堂やらに比べる必要などなかろうし、そもそも小さなマーケットを食い合ってることは百も承知で主催する側はやってるんでしょうから、どうこう言う気はありません。でもねぇ、やっぱり客席の半分が人で埋まってると「おおおお、すげええええ驚異的な入りではありませんか!」と感動してるのも困るもんね。

んで、以下はラストスパートに向けた中間報告、というよりも、はっきり宣伝です。別に広報費用をいただいてるわけじゃない、それどころか「あの人は勝手にブログに書くから困る」とあちこちの主催者さんに煙たがられ本業を減らしてる当電子壁新聞らしく、勝手な宣伝であります。いぇい!

◆ヴェルタボQのグリーグは必聴だ!
金曜日に津田ホールで東京公演が行われましたヴォルタボQ、どんなじゃったかと訊かれれば、もうたった一言。「あのグリーグは、他の連中にはやれないことをやってるから、北欧音楽に関心のある人は絶対に聴くべし」。
正直、「ハープ」の序奏が終わり、主部が始まった瞬間、「なんじゃあこりゃああ」でありました。ソナタ・アレグロの楽章で、ひとつのフレーズが終わろうとすると直ぐに次のフレーズに飛び乗ってしまい、前のフレーズは捨てちゃってドンドン先に行ってしまう。ハリウッドの冒険スペクタクル映画で、ヒーローが乗ったジェットコースターが走り抜けると次々に線路が崩れ落ちていく、みたいなブッ飛び感。そうねぇ、別の比喩を使えば、フィヨルドの巨大な氷河が次々と崩れ落ちていく壮大なドミノ崩しに呆れながら感動する、というような音楽です。
これが彼女らの意図した表現なのか、なんかの都合でこうなってしまったのか、どーにも判らずにただ呆れていたら、前回の来日で武蔵野でベートーヴェン初期を聴いたH先生曰く、「前も同じだったから、俺は驚かないよ」だそうな。
同じ傾向はメインに置かれたグリーグのト短調弦楽四重奏曲の冒頭アレグロ楽章でも同じ。あれよあれよ、ってね。ところがどっこい、第3楽章の冒頭リズムの処理、トリオ(なんかいな)の扱い、はたまた終楽章の主題部に入ってからのいろんな仕掛などなど、楽譜に書いていないような不思議な、でも猛烈に説得力のある処理の連発。それこそチェコの連中がドヴォルザークで楽譜に全然書いてないようなことを次々に仕掛けるような、おいおいおいと言いたいけど説得力だけはある作業だらけ。終演後、後ろに座って聴いてたクァルテット・エクセルシオの大友パパに「あれって、あり?」と大笑いしながら尋ねたら、「そうですねぇ、やってみたいと思いますけど、僕たちがやったら笑われるでしょうね」と仰ってました。
つまり、そんな類の音楽やってます。ベートーヴェンは妙なもの好きな人ならば面白がれるフリークス系演奏、グリーグは一転して今更ながらの「本場物」です。

明日月曜日、大坂のフェニックスホールで本日日曜日4時から、明日福岡は福岡銀行本店大ホール7時からグリーグやります。是非ともお聴きあれ。大阪はフェニックスホールに売れたんじゃなく、招聘のテレビマンユニオンさんが無茶しちゃった手打ち公演ですから、少しでも入って上げて下さいな。

◆アーロンQちゃんと来てます!
昨日土曜日、アーロンQの建長寺の公演はちゃんと行われました。まだちょっと疲労は残ってるみたいだけど、金曜日のヴェルタボQの古典派ソナタぶっこわしにクラクラしてた頭を、パルス感のきっちりした、でもドイツの連中みたいなガッチガッチじゃあないモダンな黄金の中庸の「狩」で、きれいに洗って下さいました。ありがとーございます。
メインの「死と乙女」でなによりビックリしたのは、昨年2月にヴィーンのコンツェルトハウスでこの曲を聴いたときの終楽章の事故と殆ど同じことが起きたこと。ちゅーことは、あれは事故じゃあなくて、そういうやり方をしてるんだろうなぁ。ううううん。これは来る土曜日の川崎が楽しみになってきたぞ。アンコールでやった「皇帝」第2楽章は、どうしても最初の変奏をヴァイオリン通しのバランスチェックみたいに聴いちゃう曲なんだけど、なかなか絶妙のバランスで処理してました。流石、一番力がある40代の団体ですな。せっかくだから、演奏会場となった坊さんの訓話などがある集会室、応挙堂の様子はこんなもの。天井が低いけど、ま、アーロンQはあのシェーンベルク・センターの会議室みたいなところでやってるんだから、特に驚きはしないでしょうね。http://www.schoenberg.at/5_events/events_current_aron_e.htm

弦楽四重奏と小さなヤマハが置かれた仮設ステージの反対側を眺めれば、初冬の夕方の建長寺のお庭。

観光客がいっぱいで、コンサート会場に間違って入って来ようとする人も絶え間なかったみたい。

さて、これからショスタコ騒動の最終回見物に日比谷までチャリチャリ参りましょう。明日は「クァルテット祭り」の特別参加公演、JTでハレーQ+キタラQ+αのオクテット大会です。


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