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巨星(虚勢)落つ [現代音楽]

湾岸に光降り注ぐ土曜日、建長寺に出かけようと思って、湘南電車が乱れたりしてないか、電子新聞をチェックしようとしたら、シュトックハウゼンの訃報が載ってました。
http://mainichi.jp/select/person/news/20071208k0000e040011000c.html

これから追悼祭りになること必至でしょう。あまり小生は参加する気はありませんけど。

どうしてこの作曲家、というか、最期のロマンティックな誇大妄想系アーティストが(一部ドイツ圏で)ここまで巨匠になれ、あれほどのお金を動かせる実力者になれたのか、いろいろな論考が出るのでしょう。なにせ、小生が話をするようなドイツのフェスティバル関係者なんぞの口から出る「シュトックハウゼン」という名前は、「公金を湯水の如く使うイベントを差配出来る特別な人」って意味だった。尊敬だったり、やっかみだったり、皮肉だったり、中身はいろいろだけど(9割は皮肉だったような)、その作品の中身が論じられることは殆どなかった。突拍子もないイベントに対する苦笑で終わってしまう。そんな人だった。ほれ。
http://www.youtube.com/watch?v=13D1YY_BvWU&feature=related

そんな調子で、ネットの上にはツウのマニアの皆さんからの猛烈な批判が溢れるんだろうなぁ。吉松さんなんかがなんというのだろうなぁ。ヨアヒム・カイザーがなんというのだろうなぁ。ル・モンドはブーレーズが書くのかなぁ。

なんにせよ、新聞各紙が誰に追悼記事を書かせるかで文化部編集者のお手並みが拝見できるのが何よりの楽しみであります。亡くなったのは水曜日だったのか。

水曜の 光に昇る ヘリコプター


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コメント 3

すみこ

Le Mondeの追悼記事はPierre Gervasoniという人が書いています。
シュトックハウゼンは現代音楽界のベートーヴェンとも言える人で、電子音楽の
パイオニア、Miles DavisやFrank Zappaその他ジャズ、ロック、ポップ界にも影響
を与えた、といった感じ。
Boulezのコメントとしては、「彼は20世紀後半の偉大なクリエーターの
一人として残るだろう。彼は発見者であり、同時に音楽を書く事を知っていた。
とてもユートピック(理想家?夢想家?)でまた実用主義者であった。つまり
最も大胆不敵なプロジェクトを実現させる能力があったのだ」と、このくらいです。
(来月号の音楽雑誌などにはちゃんとしたオマージュを書くのかもしれませんね)
あとはシュトックハウゼンの経歴と、2001年9月11日のテロ事件の時の
発言に言及、これはルシファーの破壊を糾弾したものだった、最期の作品の一つの
題名が「天の門」であった者にとって、この発言によって再度知名度が高まった事は
不幸であった、と弁護調で終っています。
YouTubeの映像が2つ見られるようになっていました。

Helikopter-Quartettはプレルジョカージュというコンテンポラリーダンスの人気
振付家が使っていて、劇場の外でヘリを飛ばして音を拾って上演したと聞いています。
こんな大がかりな事毎回はできないんでしょうけど。
ベジャールはStimmungを使っています。
by すみこ (2007-12-09 20:04) 

Yakupen

ブーレーズのコメントは、なんだかまるっきり予想したとおりのものでしたねぇ。「とてつもないプロジェクトを実現出来る夢想家」というコメントは、正に小生なんぞが抱いていたシュトックハウゼン像まんまです。なんせ、ノーノ亡き後のかつての前衛三羽烏、今や「実行力のシュトックハウゼンVSメディア影響力のブーレーズ」という構図ができていたわけで、もうお互いがお互いを気にする必要もまるっきりない、接点のまるでない世界にいた人たちですもの。

遅くなりましたが、コメントの紹介、有り難う御座いました。多分、ブーレーズは大きな論考は出さないと思いますよ。この先も、インタビューに応える、という程度でしょう。
by Yakupen (2007-12-10 11:46) 

Yakupen

New York Timesの追悼記事は、やっぱり想像通り、ポール・グリフィスです。以下。まだ読めるはず。お急ぎを。発表の翌日、8日に書いてます。
http://www.nytimes. com/2007/12/08/arts/ music/08stockhausen- 1.html?_r=1&oref =slogin
ちなみに、朝日新聞も11日夕刊に出ました。これまたやっぱり想像通り、長木先生でした。最近シュトックハウゼンに会って話をした現代音楽系評論家、学者さんはあんまりいなさそうなんで、朝日が長木先生を取っちゃったら他の各紙はどうなってるかしら。ご存じの方、教えてください。

昨晩の東フィルの定期で若杉氏が新ヴィーン楽派の後期ロマン派時代ばかりを並べた、それこそヴィーンフィルでやるなら飛行機代出しても飛んでくようなプログラムで、一部好事家からは冒頭で「グルッペン」は無理だろうが、せめて「コントラプンクテ」とかやって追悼でもするんじゃないか、と勝手な期待をされていたようですが、特になにもなかったようです。ピアニストが追悼でピアノ曲をひとつくらいやらないかしら。まさか都響のマーラーの7番の頭でインバルがなにかやらないかなぁ。楽器はいくらでもあるんだし。
来年1月の都響&若杉のデュティユー定期あたり、なんかやりそうですね。楽譜代もかかるし、動きがあれば直ぐに判るだろうから、内部情報お持ちの方、お寄せくださいな。
by Yakupen (2007-12-12 19:04) 

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