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新帝都大川端から琵琶湖畔午前10時開演に向かうのじゃ! [たびの空]

21世紀ニッポン弦楽四重奏演奏史に特記されるであろう2024年ゴールデンウィークが始まるホンシュー島を4日間で駆け抜ける「レオンコロ弦楽四重奏団ボルドー国際弦楽四重奏コンクール優勝記念ツアー」、本日は最難関の3日目「びわ湖ホール春音楽祭公演」なのであった。

この公演、黄金週間開幕のうらうら春の琵琶湖の畔、びわ湖ホールが主催する2日間の「ラ・フォル・ジュルネ」タイプのフェスティバルで、レオンコロQは地下の小ホールを利用したリサイタルシリーズの超目玉。ま、世間的には石田組長のリサイタルがチケット瞬殺の大人気だったようじゃが、なにやら昔から妙に室内楽の目利きがいるらしいこの主催者さん、選りに選ってスーパー先物買いをしっかりしてくれたわけでありますがぁ、困ったことに、どういう都合か知らんけど「2日目朝10時開演」という空前絶後の場所に配されてくれちゃった。
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確かに、びわ湖ホールのメインである歌手の方々にこんなトンデモ時間に調整させるのはキツいだろうし、ロビコンが予定されてる出演者はそっちとのいろんな仕込み差配があるだろうから、ポンと飛びこんでパッケージでやれるレオンコロ公演がここに回されるのはフェスティバル制作の技術的には合理的なのは頭では理解しますが…いやはや、朝の10時開演ねぇ。時差があるからとか、先の移動があるのでさっさと朝っぱらに終えて動いてしまいたい、とかいうクァルテット側の事情ではないじゃろし。

もう終わったことだからバラしちゃってもよかろーが、レオンコロQは土曜日新帝都湾岸晴海で午後4時に終演、その後にサイン会などあって、トーキョー中央駅6時発の新幹線で関西に向かい、びわ湖ホール至近の宿に宿泊。本日は午前8時からホール音出しだったそーな。今日の移動はノンビリJRで大阪までだけだったそうで、午後はツアー最中の半休って日だったわけでんな。

満員の聴衆を集めた演奏は、なんといっても今日はルーカスのヴァイオリンがビンビンで、ハイドン《鳥》第3楽章後半の第1ヴァイオリンの音符が細かくなって繰り返される辺りでは、譜面に書いてあることが全て即興演奏に聴こえる遊びギリギリの綱渡りアクロバットを披露し、大喝采でありました。ヤナーチェクの「多彩な音色」というよりも「特殊音響の表現が単なる音の特殊さだけでないドラマにする」余裕綽々のアンサンブルは、とてもじゃないが結成数年とは思えぬわい。こういうことやるベテランは、もう指周りがアヤシくなった巨匠芸が普通なんで、滅茶苦茶弾ける若い連中がこういうことやるとこんなとてつもない音になるんだなぁ、と呆れるしかないわいな。

ま、中身に関してはもう皆さん、何が起きても驚かないでしょうから、こんなもの。明日の大阪最終公演、フェニックスホールのガラス壁が御堂筋北端交差点に向けて破裂しないように気をつけて下さいな。

※※※

てなわけで、以下は誠にどーでもいい「たびの空」カテゴリー無駄話なのであーる。読んでも暇つぶしにもならんぞよ。

連休始まりとあって関西、とりわけ京都近辺の宿はアホのように高騰しておるわけで、とてもじゃないがレオンコロ連中と一緒に関西に向かって前泊など出来ん貧乏老人、当然、トリトンさんからチャリチャリ戻って来て、新帝都大川端の塒で夜を明かすのであーる。無論、東京駅発京成だか西武だかの浜大津行き深夜バス、という手もあるわけじゃが、そんな10代の若者がアイドル追っかけするみたいなことは体力的にもう不可能じゃわい。

「東海道移動に新幹線を極力利用しない会」に賛同するやくぺん先生とはいえ、流石に空港無し県滋賀のびわ湖ホールとなると、最安値神戸空港早朝便やらLCC早朝便やらを使っても、大津近辺まで戻る時間と費用がバカにならぬ。最も合理的な最安値は、「新帝都中央駅始発に近いこだま号やひかり号で米原まで行き、新快速で大津に至り、当日出る予定の会場までの無料シャトルバス始発に飛びこむ」という穏当な手段であろーと判断。これならばJRグループが盛んに連呼している「ゴールデンウィーク中はのぞみ号は全車指定です、お早めに」というキャンペーンを無視することも出来るじゃろし。

んで、この前の新帝都滞在中に中央駅八重洲口真ん中に陣取るJR東海さんのみどりの窓口に行き、上述の動きで最も合理的と思われる列車を差配しようとしたら、カウンターのおねーさん曰く、「ひかりはジャパンパスが使えるので自由席はありますが混雑するかもしれません、指定にした方が…」と仰る。成る程、老いては若き現役世代の判断に従えと、素直に「午前6時21分発ひかり631号米原8時42分着、米原発8時48分新快速大津9時32分着」なる列車を確保。チケットはその先の大阪管区内までにして、東京米原間新幹線ひかり指定席特急券のみを購入するのであった。これで宿泊する西の大川北は十三駅まで、最後の阪急一駅はPASMOで済むから、一応は全て確保したじゃわい。お値段なんぼか、お暇な方は勝手にお調べあれ。東海道新幹線フルプライスで買ったなんて、ホントに久しぶりじゃのぉ。

かくてそろそろ聖霊降臨祭やら夏至やら近付く新帝都、大川が江戸の湾へと流れ込む佃嶋北端を5時半前に、今回の移動は新幹線とANAさんなんでいくらでも詰めるぞと、かさばる紙モノばかり17㎏も詰め込んだ荷物引っ張って、新帝都中央駅へと歩き始めるのであーる。
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途中でコンビニに寄り朝御飯のおにぎりなんぞ買い込みつつ、全然爽やかじゃない八重洲通りを歩くこと半時間、八重洲口真ん中のJR九州東海さん改札を抜け
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目の前のエレベーターで16番ホームだかに引っ張り上げられると、もうひかり631号くんは扉を開いて待っておるわい。

午前中の日陰となる右側席は「富士山見物席」でもあるので、それなりに埋まっておるわ。インバウンドカップルやらと、朝から観光なのかおばちゃんグループなどが三列二列のブロックそれぞれをきっちり埋めるかどうか、ってくらいの集客。新帝都中央駅ホームをゆるりと発車し、今や九段の坂より西の多摩県民の皆様にはシンカンセンターミナルとなっている品川、新横浜を過ぎても満員にはならないくらい。日曜朝で静かな厚木基地南アプローチ下を抜け、遙か丹沢の向こうに富士山が観光っぽい姿を晒し始め、小田原に到着すると、へええ、結構な数の関西方面観光おばちゃまグループ客が乗ってきて、そこそこ埋まるひかり号なのであった。荷物コーナーに自転車置いてトイレなどの空間を塞いでいる奴がいるらしく、イケメン車掌くんが「お客様、自転車をお持ち込みですか?」と言葉が通じるかどうかアヤシげなインバウンドさんたち含め質問して歩いておる。今、JR東海さん、世界のメイジャー航空会社みたいに大型手荷物別途徴収の流れじゃからのぉ。果たしてこの騒動、どうなったことやら。

黙々と白煙上げる向こうに霊峰富士が麗しく朝の光を東から浴びる姿に車内カメラタイムが展開するひかり号
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淡々と進んで名古屋に至るんじゃが、こっからは一転、あんたは久大本線各駅停車か、って有様。名古屋で5分、岐阜羽島で6分停車で複数の後続列車を行かせてら。やくぺん先生が後者準備をする米原手前では、この駅で10分近く停車します、なんてアナウンスをしておるわい。京都まで総計25分くらい駅停車してる新幹線、ひかり号も今やローカル線なんじゃのぉ。

サンダーバードが実質新快速状態になってしまい、北陸金沢福井への窓口とはとても言えなくなった米原駅、ま、特に変わった感もなく、毎度ながらの新快速への急ぎの乗換え。飛びこんだら、まあ混んでること。外国語の若者で、明らかにインバウンドではない連中が京都大阪に遊びに行ったり、体操着姿の運動部員がごっそり乗っているスポーツ競技に向かう朝の通勤通学列車、それに遊びに行くファミリーも加わり、車内はすっかりゴールデンウィークじゃわい。

さて、シャトルバスはどうなってるか、と調べると…おおおお、大津駅発びわ湖ホール行き無料シャトルバス始発は、9時半発ではないかぁ!次は10時発で、もう演奏が始まってしまうわい!

さあ、どーするべぇか。この行程を決めたときにはまだバスの時間が出ておらず、さらにはこだま号が米原までに10分以上停車するとは知らず、まさか始発に間に合わないとは思わんかった。で、あれやこれや調べると、やはり膳所か石山で京阪に乗り換えて石場駅に向かい、飛びこむしかないと判明。膳所は新快速停まらないから、石山で乗り換えるべきなのか。なんにせよ、乗ってる新快速で最速にホールから街道ひとつ跨いだ湖畔にある石場駅に到着するのは9時52分なのであーる!あの信号、ひっかかると長いし、大きな荷物を預ける必要があるし、これは《鳥》の冒頭楽章はダメかぁ…

大混雑の新快速、大荷物が迷惑になってるのは明らかなんで、近江八幡でホーム反対側に待っている各駅停車に乗り換え、ゆったりした気持ちで膳所に向かえば
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周囲の田圃はまだ朝の光を浴びた池、その間に麦の秋が広がっている近江風景が淡々と続く。指定管理者騒動も懐かしい昔話の栗東辺りからはそれなりに混雑して来て、とにもかくにも9時42分に膳所駅到着。この駅はJRと京阪の接続が妙に便利な不思議な構造で、えっちらおっちらエレベーターとエスカレーターで改札を出ると、目の前がもう京阪ホーム。PASMOタッチで入ると、明らかにびわ湖ホールに向かう方々がお待ちなんであーる。

やってきた京アニのブラバンアニメのキャラクターや音符があしらわれたラッピングカー
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乗車すること1分也、駅内踏切と、街道を越える押しボタン信号をはやる気持ちを抑えつつ突破し
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びわ湖ホールに向かい、荷物があるのでいきなり楽屋口のある地下入口ではなく、表玄関にエスカレーターで上り、100円也のデカいロッカーに17㎏の荷物突っ込み、慌てて小ホールに降りていくと、開演2分前なのでありましたとさ。

てなわけで、大川端厄天庵からびわ湖小ホール客席まで、文字通りのdoor to door で4時間と30分也。これって、速いのやら遅いのやら。盆地のオフィスから福岡シンフォニーホールの客席までこの時間で行くのは…不可能じゃのぉ。

ちなみに終演後は、レオンコロ連中やら関係者さんにご挨拶
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我が盆地オフィスの公式写真も撮っていただいているスーパー・カメラマンさんと外のブースで昼から業界愚痴を漏らしつつ地ビール煽り、無料シャトルバスで大津に至った黄金週間初日の日曜日なのであったぁ。ちゃんちゃん。

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