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Jazz at 66th [たびの空]

春のような異常陽気でコートなんぞいらず、ジャケットどころか、半袖の奴もウロウロしている今日この頃。昨日も今日も、朝からテープ起こしやりながら別の原稿に手を付け、ちゃんと働くNYフィル広報やパシフィカQのマネージャー嬢、大西洋を挟んで、まるで働く気がなさそうなパリはシテ・デラ・ムジーク広報やらハノーファーの大植えーちゃん個人秘書さん、さらには大陸と太平洋越えて神楽坂某音楽雑誌編集部、大阪ビジネスパーク内いずみホール広報と連絡をして、夕方過ぎになると演奏会場に出かけてく。なんのことはない、佃だろうがNYCだろうが、やってることはおんなじ厄偏庵の日常の日々であります。

とはいえ、部屋から出てみれば、いちおーここは騒々しいマンハッタンなのだよ。マゼール御大のまるでレコードのように精密極まりないプロのお仕事の「ヴァルキューレ」をたった1700円也で見物させていただいたリンカーンセンターの近辺なんぞは、あちこち工事中なのであーる。
一昨年だかにジュリアード音楽院裏のタワーレコードが潰れて、この辺は一気に変わってしまった。クラシック関係のCDやDVDは、ブロードウェイを跨いだ向かいのバーンズ&ノーブルの地下1階で漁ることになった。狭いとはいえ場所がらそれなりの揃えで、昨日もヴァーグナーの前に寄ったら「3枚買うと1枚タダ、ボックス含む」という期間セールにあっさりひっかかり、リセウのかのコンヴィチュニー演出「ローエングリン」と、悪趣味という点ではコンヴィチュニーに輪をかけたビオイトの「ドン・ジョヴァンニ」、それに数週間後にパリで見物する予定の「カルディアック」なんぞを買い込んで90ドルくらい。探せばもっと安いところはあるのだろーけど、そんな暇もないし。

それにしてもブロードウェイと66丁目の辺りの工事中ぶりは凄まじい。バーンズ&ノーブル前のアップタウン行き104番バス停留所から眺めると、まずは目の前のタワーレコード跡地をなんか改装している。写真は67丁目とブロードウェイの交差点から、南を眺めたところ。遙かなツインタワーがコロンバスサークル。

元タワーレコードはまだ何になるのか皆目判りません(写真右手前)。66丁目を挟んだジュリアード音楽院のブロックも大工事中。ブロードウェイに面したアリス・タリー・ホール入口が完全に工事現場です。あの音が良いもへったくれもないオーディトリアムはどうなるか知らぬが、ともかくロビーはガラス張りの小綺麗なものになるようだ。
ここを工事してるとなると、当然、ジュリアード音楽院正面入口に上っていく階段やエスカレーターもなくなってる。2階のジュリアード・ブックストアもありません。それらは、音楽院入り口含め、全部65丁目側じゃなくて、66丁目に仮設されてます。昨日、ジュリアード音楽院であったアウトリーチ・コーディネーターセミナーに行こうとした嫁さんは、入口探して散々迷ったそうな。要注意。
なお、65丁目から向こうのリンカーンセンターのブロックは、音楽院とメトの間の大きな池が完全に干上がっていて、奥の図書館までは廻廊が続いてます。他は通常通りに営業中。NYフィル本拠地、エヴリー・フィッシャー・ホールから見おろすとこんな風。左手の巨大な箱がメトです。

もひとつ工事をしてます。音楽家が山のように住んでるこの辺り、リンカーンセンター地区に於ける小ホールとして機能していた67丁目のマーキン・コンサートホールが、昨年の春からずーっと改装で閉まっていた。なんせ、恒例のMusic From Japanの会場ですし、吉野直子さんがNYリサイタルをやったりしたのもここ。NYPのチェンバーアンサンブルが拠点にしてるし。アリス・タリー・ホールが日本の常識からすれば「室内楽小ホール」と呼ぶには大きすぎる1000席ほどの規模なんで、300席くらいなのかしら、この場所が若いクァルテットや現代音楽には一番便利に使われてた。

作業も終わりhttp://www.kaufman-center.org/campaign/campaign.htm、目出度や、本日1月8日夜に再オープンのレセプション&コンサートがあります。昨日、オペラに行く途中に中華料理店オリーズの向こうを右に折れて通りを入り、様子を眺めいってみたら、まだ慌てて内装工事やってました。大丈夫なんでしょうか。ちょっと心配。改装したといっても、外から眺める限り、チケットボックスが前よりも右手に寄ったくらいしか判らないぞ。

今日は作曲家のカーニスが指揮するアンサンブルと、かのラークQが改組したラーク・アンサンブルなる団体が出てくるようです。レセプション中心なんで、貧乏な小生は200ドルもするドーネーション込みのチケットはさすがにパスでありますな。

クリスマス休暇が終わったマンハッタン、まだいまひとつ本気で動き出してないみたいで、カーネギーもなーんにもやってないし、92丁目Yも日曜にリチャード・グードのマスタークラスがあっただけ。東京Qのシリーズは来月から。ブロードウェイを上がったシンフォニースペースは、明後日10日にこれまたなにやら30周年の記念演奏会がある。
http://www.symphonyspace.org/event/2312
調布在住山口昌男大先生がニューヨークなんぞの都市論を盛んにやってた頃、最先端のスポットとして猛烈に持ち上げてた場所も、もう30年になるんだなぁ。この晩はペン駅を夕方に出る夜行「湖畔特急」でシカゴに向かっちゃうんで、残念ながら見物に行けないけど。

さても、もちょっと働いたら、バスに乗って南に下りて、黒い栗鼠が走り回る夜霧のワシントン広場向こう、かの「カナンの地から遙か遠い」ブレーカー街(こんな不必要な形容詞を付けると歳がばれます。http://aimini.net/view/?fid=VfcQBGZP6dZEsvBKZS1x←このサイト、著作権大丈夫なんじゃろかね?)のどっかにある会場で、キャリア・マネージメント・オフィサー勉強会に出ている嫁さんを拾って…どーしよーかなぁ、ブルックリン音楽院の辺りでダヴィッド・フィンケルのアンサンブルが「浄夜」とブラームスのト長調六重奏曲を弾くのを聴きに行くか、それともメトでなかなか評判の良い「ヘンゼルとグレーテル」のラッシュチケットに並ぼうかしら。

                            ※

無事にラッシュチケット$20也を手に入れ、手ぶらになるために一度厄偏庵に戻ろうと66丁目バーンズ&ノーブル前の104番バス停に渡ると、人々がミュージシャン取り巻いて手拍子してら。雰囲気ある演奏に、バスがなかなか到着しないのも気にならない。演奏が達者ならばジャンジャン木戸銭が放り込まれるのは流石、資本主義の総本山!皆様もご一緒に、バスが来るまで、Enjoy Jazz at 66th!


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