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姥桜満開Tokio日和下駄 [新佃嶋界隈]

パリで一宿一飯の恩義を賜りましたすみこさんのリクエストにお応えし、東京大川流域に世界中のアホ共が集まったんじゃあないかと思われる昨日土曜日の空気をお伝えしましょう。単なる写真集でありまする。

これ以上のお花見日和はない土曜日の朝、どこから聞きつけたか、明日からのNHK連続テレビ小説が冒頭一発「月島へ」で始まる、って話題で大いに盛り上がる東京駅銀座から最も近い田舎町佃を後に、えいよっ、と大橋跨ぎゃ、今日は一日稼がせてもらっちゃうよ、と浅草から下ってくる「ひみこ」さん。ちなみに、町会関係者の証言に拠りますと、ホントに大河端桜を愛でたいならば、「ひみこ」よりもオープンスペースが備えられたレギュラータイプの水上バスの方が遙かに良いそうです。ご参考までに。
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浜風が冷たい大川河口や、東本願寺近辺はまだまだ三分咲きなんでパスして、人造桜も咲き誇る銀座を抜け、最近買い込んだ一眼レフを楽しげに弄るご隠居が桜木を取り巻く日比谷公園抜け、酔っぱらいも、捨て損ねた焼き鳥の串の山もまるでないクリーンな一角。なんと見事な桜の通り抜け、そー、ここぞ、知る人ぞ知る帝都中枢の桜名所空白地帯、日本国外務省前!
ちなみにその隣、「己が思うとおりに事態が展開しない状況=混乱」と信じ舌打ちしながら我ら愚民共をご指導下さるえらあああいエリート様がお集まりになる財務省前には、予算編成時に全てのエネルギーを使い果たしたような木蓮がぐったりしているだけでした。
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せっかくだからその隣を紹介しておきましょか。かつての近衛邸跡、はたまたオールドファンには懐かしい日本国唯一の「国立公会堂」虎ノ門ホール跡地が立派な庁舎になり、あたしらにもご縁のある御上、文部科学省やら文化庁さんが入ってます。桜は植えたばかりなのかしらね。
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蛇足ながら、文部科学省さん、こんなイベントスペース作ってますので、桜見物に疲れた足を休めがてら見物してあげてくださいな。広報部、皮肉抜きに頑張ってますから。
http://www.mext.go.jp/joho-hiroba/index.htm
ちなみに、こんなこともやってますぅ。
http://www.bunka.go.jp/oshirase_event/2008/pdf/kasumigaseki_concert.pdf

郷里の誇りNYヤンキーズMatui選手結婚を祝福するかの如くコマツ製作所屋上に燦然と咲き誇る大輪の桜木を眺めつつ溜池交差点を曲がり、アークヒルズに近づくけば、そうだっけ、ここって、旧霊南坂教会からスペイン大使館、それに永井荷風庵跡地辺りを取り巻いて、ぐるっと桜の通り抜けがあるんだっけ。すっかり忘れてた。
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ごった返すサントリーホール・オープンハウスをダッシュで眺め、チャリンチャリンとまたまた新橋銀座抜け、なにやら最近はいつでもごった返している築地市場横から延々と新大橋通りを小一時間もぶっ飛ばす。錦糸町の山形響が始まっちゃうぞ。水天宮向こうのTCATを目にすると「戻ってきた」と感じちゃう、やくぺん先生プチたびの空。
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チャリチャリ隊にゃ猛烈に渡りにくい新大橋越えりゃ川向こう。あ、下町、の限界はこのあたりまでですので、皆様、言葉使いを間違えないようにね。佃は「田舎」、向島から彼方は北千住だろうが葛飾柴又だろうが、「新開地」ですから。んで、なぜかやたらと見事な北斎通り沿いの錦糸町桜。やがてこのショットの背中側に、新Tokioタワーが建ち上がる。
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汗だくで滑り込んだすみだトリフォニーホールでは、今年から世間の潮流に合わせてフェスティバル化された「地方都市オーケストラ・フェスティバル」真っ最中。大阪地ビールも飲めまっせ。
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55人編成でハース版なさる山形発ブルックナーでタップリと船を漕いだら、ユーシアQのヤンネやキサQの成田氏など豪華メンバー(どうして山形弦楽四重奏団が登場せぬ!と贅沢こいたりして)揃えたオリジナル奏法バリバリのK.387までの短いブレイクに、大川までひとっ走りしましょか。江戸東京博物館横の桜並木は、いまや領国名物じゃい。
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両国橋から神田方面を眺めりゃ、溢れんばかりに詰め込んだ水上バス。ラッシュアワーかいな。この船会社、人身事故でもあろうものなら即時倒産ですからねぇ。心配だ。
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江戸東京、桜に狂う土曜の午後、でも、どんなに見事な並木よりも、こんな密やかな派手さこそ、この些かわざとらしい花の命じゃあないかしら。両国裏町、旧吉良邸裏。
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昼がどんなにぬくかろが、夕べともなれば花冷えの弥生晦日近く。紀伊国屋文左衛門のお屋敷裏、深川芭蕉庵近くの運河の並木にゃ、茣蓙敷いて酔っぱらうアホもない。
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それにしても、満開のこの元祖クローン植物たちの色は、春を数えるたびに淡くなってる。21世紀初頭Tokioに生まれた子供は、桜の花の色は白と思ってるだろーに。

忘れちゃいけん。このウラウラの真昼に映える桜たちは、たった60と数回前の春には、どの一本もなかった。ちゃらりちゃらりと春に走って目に入った無数の桜木は、ボコボコの荒れ地に一生懸命植えられたもの。そー、どれこもれもが姥桜。春に狂えるさくらばーちゃん。

あたしらもう、真っ赤になんてぇ咲けません。

なーにもない焦土に桜木を植えるのは、「ブンカ」です。昨日土曜日、帝都の桜を愛でた全ての人は、自然を讃えてたんじゃあない。これらの木々を植えた人の営みの結果、ブンカに酔ってんですからね。

咲き狂う ソメイヨシノの 嘘くささ

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すみこ

おおー!!東京のど真ん中で咲き乱れる桜、桜、桜。。。感謝感激雨あられでございまする。表通りにこれでもか!と艶やかに咲く姿、裏のほうにひっそり咲く桜のゆかしさ。。。アスファルトだと木の下に埋まっているものまでは考えがいかないけど、でもこの暮れかけた空の色をうつす淡雪のような桜の美しさ。満喫させていただきました!!
by すみこ (2008-03-30 22:10) 

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