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緊急告知:芸術提供NPOが常勤広報募集中 [音楽業界]

他人事ではない求人、勝手に宣伝。公式のものではありませんので、詳しくは問い合わせ先まで。

東京湾岸の田舎の田舎、晴海の民間施設「第一生命ホール」を拠点に
①ホールを舞台とするアーティスティックな芸術音楽の提供
②中央区を中心とする都心・湾岸地区への芸術音楽提供(アウトリーチ活動)
以上のふたつをミッションとする非営利特定活動法人(NPO)トリトン・アーツ・ネットワークという団体があります。
http://www.triton-arts.net/

この団体の常勤広報職員1名を緊急に募集しています。締め切りは4月4日、今週末まで。
ギャラその他、詳しくはこちらから、連絡先にお尋ね下さい。
http://www.nettam.jp/main/04bbs/02career/detail.cgi?1038

TANと略称されるこのNPOは、東京晴海の第一生命保険相互会社所有地がトリトン・スクエアとして再開発される際に、土地所有権と引き替えに建てられたオフィスビルの一部として完成した「第一生命ホール」が活動のベースです。

ですが、いわゆる普通の「ホールを運営する会社」とはちょっと違う。

旧第一生命ホールや、トッパンホール、王子ホールのようにビルのオーナーの第一生命が子会社をつくって運営することは、現在は金融業には許されていません。無論、サントリーホールみたいに会社の直営ということもできない。さりとて大阪のいずみホールみたいに保険会社が財団をつくって運営する程のお金は出せない。

で、建物の運営と中身の運営を完全に分離し、「ホールの主催公演」を中心とする業務を、この地域を拠点に活動する外部のアート提供NPOに託する形にした。

幸か不幸か、東京都中央区には他のどの区やら市にもある「文化財団」とか「区生涯学習公社」とかが存在していない。ちょっとビックリでしょ(小生がこのあたりを「田舎」と呼ぶ理由のひとつ)。ですから、市文化財団や区のホールがやるような地域文化活動なんぞ、行われていなかった。
まあ、夜間住民も5、6万人と少なかったし、子供も減っていたし、老人にはジャブジャブある税金をばらまけば良かったんで、さほど問題もなかった。それに、なんつったって、「金さえ払えばブンカなんて商品はいくらでも買える」って場所だし。

ところが、トリトン・スクエアが完成する21世紀から、中央区は人口もジャンジャン増え、なんとなんと、今や人口10万人を突破。はっきしいって、「新興住宅地」です。学校は足りないし、旧住民と新住民の間の(表には余りでないけど)軋轢もあるし。

「ブンカ」が地域戦略としても極めて重要な、東京都心から最も近い新興開発地帯になりつつある。それだけじゃなく、自治体がスポーツ文化財団なんぞを廃止しNPOなんぞに役割の一部を移管していく可能性を探る、時代を先取りした実験場ともなっているわけです。

さても、そんな場所と状況で上述のミッションを掲げてるNPOですから、いわゆる①の業界的な意味での「メディアに宣伝して切符を売る」広報は仕事の半分に過ぎません。幸いにも、ホールの運営はこのNPOの活動目的ではありませんから、「ホールそのものの宣伝」は業務にありません(晴海の第一生命ホールが他の新興クラシック音楽専用ホールに比べると有名じゃないのは、ホールのハードを運営するビル会社に「ホールそのものの宣伝広報」をするセクションがなく、音楽事務所に対する貸ホールとしての売り込みなども一切やってないからです)。
無論、普通のチケット販売用メディア広報も出来ないと困る。だけど、それだけじゃあなく、②の広報もせにゃならぬ。地域住民やサポーターとの直接の関わり、月島のもんじゃ街裏を歩いてオープンハウスのポスター貼って貰うような猛烈に地道な広報活動。
そして、何よりも大事なのは、「なぜこのNPOが存在しているのか」というミッション広報。当然、ファンディングの問題にも絡んできます。

自分で稼いでやりたいことをやればいい民間会社ではない。あくまでも他人様に積んで貰ったファンドで活動するわけです。ですから、「ホールのミッションの広報」は決定的です。NPOにファンドを積んでくれている第一生命さん以下の企業、地域の個人、地域性とは無縁にこのNPOのミッションに共感しお金を積んでくれている個人会員、そんな人々(ボードという形で運営に関わってくる)の提供した金で運営しているのだから、それらの企業や人々に「自分らの活動の意義、存在の意義」を常に語りかけていかねばならない。

先頃の「びわ湖ホール騒動」で、まるで本気で行われていなかった実態が露呈し、それどころか騒動の最中でさえも何一つ活動がなかった、「芸術団体としてのミッション広報」――それが出来なければならない。ミッション広報は、アートNPO広報の一番大事な仕事なのです。
http://yakupen.blog.so-net.ne.jp/archive/20080311

フルタイム職員を複数きっちり雇用している芸術NPOなんぞ、日本にはほぼ皆無です(ですから、一部の人々からは「TANなんてNPOじゃなくて会社じゃないか」と悪口を言われるわけですけど、たとえばカーネギーホールもNPOだしね)。フルタイムのアートNPO広報職員も、おそらくは、日本語文化圏では唯一のポジションです。たったひとつの椅子です。公共ホール職員と民間ホール社員の両方の顔を持った、業界的にはどちらのノウハウも必要な、相当に難しい応用問題的なポジションですけど。

関心のある若者、いや、若者じゃあなくても良い、広報経験者、ジャーナリストの転職だってかまわないかもしれない。小生の個人的な意見としますれば、業界的な経験など入って勉強すればいくらでもどうにもなる。それよりも、ミッション性を理解し、自分らはファンドに積まれた資金で活動しているのだという意識をきちんと持てることが大事、だと思うんだけどなぁ。

ま、実際の雇用担当者がどう考えるかは、小生には判りませんけど。なんにせよ、筋としては以上のような話であります。あくまでも、このNPOに個人として資金を一口提供している会員としての意見でありますので、誤解なきよう。

来たれ、意欲ある者よ。
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