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エベネQの新譜 [弦楽四重奏]

このところ、NJP定期の「薔薇の騎士」曲解に難儀していて、なんと原稿全面破棄が3回というおっそろしーことになり、やっと今、ホントのギリギリ締め切りで諦めて入れました。あまり満足できていない内容なんだが、小生らの売文商売は「時間までに必要な内容を必要な量で提出する」ことがなによりも重要。まあ、しょーがないわなぁ。
何をそんなに難儀していたかと言えば、もー簡単なことで、作品の完成度が高すぎて書くことがない。「本番前の20分に読んで読み捨て、読んだことで理解が深まる作文」が求められてるんだけど、この作品の場合はその目的に合致した作文は「粗筋」だけなんですわ。いつ作曲されたとか、どういう背景かとか、なーんにも要らない。じゃあなにを書けってのよ。うううん。

とにもかくにも、出しちゃったんで、もーそれまで。どーせなんども書き直しがあるだろうからね。で、ゆふいんから戻って、お祭りの大騒ぎ挟んだ10日間くらいの間にゴッソリ溜まってしまった情報から、ひとつ記しておきましょか。

この10年くらいに出てきたヨーロッパ系の弦楽四重奏で、業界的に最も将来性が高い(=商売になりそうだ)と評判の団体は、まあ誰がどう考えてもエベネQでありましょうぞ。日本ではラ・フォル・ジュルネで紹介されて、2年続けて連休の有楽町に登場。若く影響力のある書き手をごっそりシンパにすることに成功したイベントですので、比較的幸せな紹介をされて、良かった良かった、と思っていたわけであります。

そんな彼らの新譜が出てきました。なんとヴァージンです。こちら。おお、日本語表記ではエベーヌQなのか。ま、いーや。
277.jpg
http://www.hmv.co.jp/product/detail/2768277
なんだか一昔前のフランス系団体がデビューするときの定番演目ですね。フォーレ、というのがCD時代だな。うん。

こうやって実際に出てきたので、もう時効なんでしょうから記します。

この団体はこれまでMirareというレーベルから出てたのは皆様ご存じの通り。で、このレーベルがどういうレーベルかは、ご存じの方はご存じの通り。よーするに、ルネ・マルタン氏のレーベルですわ。昨年のラ・フォル・ジュルネの直後、ドイツ某所で連中と数日一緒だったとき、ヴァージンからのオファーが来ていて、いろいろ悩んでいた(アルテミス解散騒動の余波です)。結果的に移籍ということになったようで、当然ながらご商売レベルでいろいろなことがあった。その結果、今年はナントにも行っていないし、有楽町ではイザイQの弟子のアマデオ・モディリアーニQ(エベネQに代わるようにMirareからCDが出始めてますね)がそのポジションに入った、というわけであります。←こういうのは、ホントの意味で業界的にやばい情報ですから、まともな大人ならば絶対にブログ上にだって書きません。当私設電子壁新聞は「書いてあることはみんな嘘、こんなもの信じる奴はアホだぞ!」をモットーとしておりますので、へーきで書きます。わぁっはっはっはぁ!

うううん、ルネ・マルタンのシンパのライターさんなんかが伝えているルネ・マルタンの考えてることが本当ならば、エベネQの「世界で始めてのジャズの基礎がきちんと出来ている弦楽四重奏団」というキャラクターはとっても大事で、恐らくは何年かやってるうちにジャズライブだとか、連中のもうひとつの顔での展開があるだろう、そういう枠組みの中で出てきているんだろう、と勝手に想像していた小生とすれば、あああああなんてもったいない、と思うしかなかったわけです。
彼らのホームページでジャズっぷりがちょっとだけ聴けますので、どうぞ。http://www.quatuorebene.com/en/article/page/jazz

さても、日本のプロモータさん、どうですか、エベネQ、やりませんか。K事務所は手を出しませんから、交渉だけでもしてみたら。ご紹介しますよ。連中はホントのジャズがやれる、コード進行だけでホントの即興が出来るんですよ。これが弦楽四重奏という媒体でどれほど難しいことか、お判りでっか。

ちょっぴりパリからの書き込みを期待しながらのご紹介でありました。

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Yamamoto Akiko

初めまして。以前エベーヌQを検索していてこちらのサイトにヒットし、それから時々覗かせていただいています。
私は現在パリ在住のピアニストで、エベーヌの彼らとはこれまでに何度も共演してます。そして彼らと一緒に録音したブラームスのP5(1番のSQとカップリング予定)が上記のVirgin移籍後第2弾のCDとなる予定です。

ルネ・マルタン氏との関係、よくぞ書いて下さいました!!
そうだったんですよね、移籍後かなり色々とあったのです。
時間がいくらか経過して、また元の関係に戻れると良いのですが。

彼らのスペシャリティでもあるジャズですが、最近ではジャズのみでのコンサートも各地で始めていますよ!
彼らも過去2回の有楽町ですごく日本が気に入ったようで、行きたがってます。是非日本のプロモーターさんにお願いしたいもんです。

現在の世界のカルテット事情が面白いほど分かる、そして業界の裏事情まで時々垣間見えるこのブログ、今後も色んなネタを楽しみしております。そしていつかエベーヌのコンサートでお会い出来ることを楽しみにしております。

最後に今年のスイスのヴェルビエ音楽祭での彼らの演奏です。
アンコールで彼らのジャズっぷりが味わえますよ!
http://www.medici.tv/#/performance/411/
by Yamamoto Akiko (2008-08-10 23:39) 

ガーター亭亭主

なるほどねぇ。それで今年の有楽町には彼らは来なかったのですねぇ。

当面パリに行く予定のないワタクシ、彼らにはぜひ日本で再会したいものです。
by ガーター亭亭主 (2008-08-10 23:44) 

Yakupen

Akikoj様、ブラームスのリリース、情報はレコード屋さんの方からもうちゃんと出ております。期待しております。

確かに、エベネの連中は日本に来る理由がありますもんねぇ。特に、大阪。こうなったら、プソフォス公演を作ってたあのオヤーズ・パワーでなんとか関西方面に突っ込み、招聘業務だけはボランティアでやってるようなところとか、NPOとかにお願いする、なんてゲリラ的なやり方もあるかも。ちょっと前までだったら晴海のNPOで画策することもあり得たんですけど(地域活動、という名目でジャズ系を仕掛ける方法もいろいろあったし)、なにせ弦楽四重奏に特化していたディレクターがいなくなっちゃって、暫くはあそこも使えないし。うううん。

問題としては、ヨーロッパ側がハンブルグのあちらさまですから、受け入れ側がそこそこちゃんとしてないとマズイ、というところなんですよねぇ。ううううん。

ガーター亭さま、なんとかならんでしょーかぁ!当面できることは、エベネQ待望論があるとK音楽事務所に感じさせる、ということくらいかしら。うううううううん。
by Yakupen (2008-08-11 09:43) 

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