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お彼岸の薔薇 [音楽業界]

お彼岸の中日、清澄通りをチャリチャリ北上、すみだはトリフォニーのNJP事務局に行って、クルタークやら武満やらの総譜を眺めて参りました。11月の定期曲解のためであります。そしたら、ホールではこの木曜日と土曜日に本番が迫ったアルミンク社長指揮する「薔薇の騎士」のGPやってて、後半に潜り込んできました。

まあ、明後日に会場行けば判ることですけど、ゾフィーが急に替ってます。コヴェントガーデンでゾフィー歌ってる人が来られなくなって、イスラエルの方になってます。まだホームページには挙がってない。オフレコじゃあないんだろうなぁ。広報さんは本番には挟み込みをする、と仰ってましたが。なんせGPで、声は使ってませんのでどうのこうの申せません。見てくれだけを申せば…日本が誇る世界のブランゲーネ藤村実穂子さんのオクタヴィアンと並ぶと、妙にコケティッシュでまだ全然枯れた感じなど無いマルシャリン&スケベオヤジ全開のオックスの「すいも辛いも承知の大人チーム」に対し、「高校生くらいのおこちゃまチーム」って感じ。あれはあれで、この作品の「時は移ろい世代は交代する」ってテーマを示すのに、ひとつの説得力あるやり方なんだろうなぁ。

オケの前に細長い舞台が作られてますので、分厚いオケの響きが声を覆っちゃうことはありません。録音で聴くのが基本の方や、リンデンオパーやチューリッヒ歌劇場みたいな狭いオペラハウスで耳を作ってきた方には、オケがもっと鳴ってくれぇ、と思うかもね。ま、好き嫌いでしょ。叱られると困るので、ちっちゃくお見せしましょ。こんな。
004のコピー.jpg
公式ホームページにもちっちゃく仕込み中の舞台の写真がありますね。
http://www.njp.or.jp/njp/information/index.html#080917_1
「答えはホールでお楽しみ」なんて書いてあるぞ。やっぱりばらしたら殺されるかなぁ。

演出その他について、ここでどうのこうの言うと叱られちゃうでしょうから、なにも言いません。ただ、1階の真ん中より前の通路側に座る方は、第2幕では荷物を絶対に通路に置かないようにしてね。オックスの従者共が転んだら大変ですから。なお、字幕はあんがい見やすかったです。字がでかかったのかな。

あとは舞台を眺めて下さい。土曜日はもう売り切れで関係者切符を引っ張り出すので一苦労だそうですけど、木曜日はまだなんとかなるそうです。何のかんので上演時間は4時間を超えますから、そのつもりで錦糸町へどーぞ。

それにしても、お彼岸の中日の今日、錦糸町ではあらさーのマルシャリンが時の移ろいに諦念し、数キロ南の四つ目通り向こうの小名木川の辺りでは死に損ないトリスタンが延々と彼岸を憧れてるんだから、大川東はトンでもないことになってたわけだ。やってることの規模だけ見れば、ここはリンデンオパーとドイツオペラが並立するベルリンかぁ、って。このあたり、所謂「下町」に住んでるおっちゃんおばちゃんのどれくらいが、こんな出し物に関心があるのかしら。真にTOKIOって、妙てけれんな都市だこと。

そんなことにゃ全然関係なく、お寺さんだらけのこのあたり、清澄通りの歩道のあちこちじゃ一束500円也の「お彼岸お供えお花セット」を売る露天が並び、瞳ちゃんも最終回を迎え「佃月島」街歩きのお帽子リュックのお若いご隠居がいっぱいでさ。

大川の 湿気に薫る 彼岸薔薇

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コメント 5

ボーや

私は27日に聞きに行きます。最近、家庭の事情で忙しく、忘れていました。

新いゾフィー役、NJPのページでも発表されていますね。
Chen Reiss なら、今年の7月にもミュンヘンオペラフェスティバルで歌っているので、安定しているのではないでしょうか。
彼女は、ミュンヘンの座付きだったのではないかと思います。
ミュンヘンでは、端役~準主役的な色々な役に配役されていました(過去形)から、私も5回程度は聞いている筈ですが、余り印象に残っていません。悪い印象も無かった訳で、ミュンヘンレベルの公演で、それなりの存在感を出せる力があると言う事だと思います。

藤村さんが喜劇をやるという方がちょっと意外です。

藤村さんと言えば、つい最近、台北のレコード屋で、藤村さんがブランゲーネを歌っている、ジュネーブ大劇場でのトリスタンのDVDを買ってみました。

価格は、295元で、この頃のレートで日本円に換算すると、約1000円です。
解説パンフや中の紹介等は中国語(繁体字)ですが、英語の字幕が出ます。台北でDVDを買うと言うのも面白いかと思いました。

by ボーや (2008-09-25 15:38) 

Yakupen

小生は昨晩、ぐちゃぐちゃの頭で見物して参りました。キャストの交代というのはなかなか発表が微妙で、当私設電子壁新聞では発表していいものやら分からず、上述のような中途半端な書き方をした次第です。

昨晩の本番は、女声陣はどれもこれも立派なもんでした。個人的には、最近のマルシャリンの扱いがどんどん小さくなる舞台の傾向に納得いかんシュヴァルツコップ映像刷り込み世代なのですけどねぇ。

台湾のDVDって、リジョンコードはどうなってるんでしょか。台湾は香港みたいなCDVideo文化じゃあないのでしょうか。なんかワクワクするなぁ。台湾、考えてみたらもう10年くらい行ってないし。台湾系の演奏家が「フェスティバルするからおいでよ」とよく声をかけてくれるんですが、商売にならんことがミエミエなんで、なかなか足を運ぶ機会がありません。まずいなぁ、とは思ってるんですけど。
by Yakupen (2008-09-26 11:53) 

Yakupen

ちなみに、来月、北京であるベルリン・ドイツオペラの「薔薇の騎士」のデータはこっちをご覧あれ。
http://www.piao.com.cn/en_piao/ticket_2011.html
by Yakupen (2008-09-26 12:04) 

ボーや

このDVD はリージョンフリーでした。でも、他のDVDもそうだという保証はありませんが、化粧箱の外にはっきり書いてありますから、買う時に気を付ける必要がありますね!

ベルリンドイツオペラは、1月程前に売り出し状況をチェックしていて、一番安いチケットが売り切れていたので、諦めました。

by ボーや (2008-09-27 00:08) 

Yakupen

北京のベルリン・ドイツオペラはあの国家大劇院じゃなくて、空港からの連絡鉄道が到着する辺りの劇場なんですねぇ。どんなところなんだろう。ボーやさんみたいな地元がきっちり分かって、やってることをちゃんと評価出来る方が観ていただきたかった…なんて、勝手なことを申して失礼します。

DVDはリジョンフリーのワールドワイド対応型になっても、なぜか絶対に日本語版だけは別になるのが不思議ですね。ブルーレイでも同じことになるんでしょうか。各レコード屋さんの日本セクション、少なくともクラシックに関する限り、それほど必至に保護せねばならない程の規模じゃあないのに。なぜここもガラパゴス化するのか?不思議だ。
by Yakupen (2008-09-27 10:47) 

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