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桜井健二版マーラー10番 [弦楽四重奏]

世の中にはいろいろな事をご存知の方がいっぱいいるはずなので、当電子壁新聞を通じて質問させていただきます。

ええ、全音から、マーラーの交響曲第10番第1楽章アダージョの弦楽四重奏編曲版という楽譜が出ています。簡単に手に入るものです。これ。
http://www.zen-on.co.jp/disp/CSfLastGoodsPage_001.jsp?GOODS_NO=14417&dispNo=001001001001002
編曲は、そう、日本語文化圏で40代以上のマーラー愛好家の方なら必ず青春時代にその著書なり記事なりにお世話になった筈の、桜井健二氏です。

この譜面、世のマーラー界(なんてあるのか判らぬが)では、どのような評価なんでしょうか?

たとえ弦楽四重奏編曲であれ、そもそもが未完の作品の演奏用楽譜なんだから、クック版やらクシェネク版やらカーペンター版やら、なんだか知らぬがいろいろある中に並べて議論されたって良いような気がしないでもない。なにせ、アルマ・マーラー自伝の翻訳者だったり、NJPが年1度ペースでやっていた小澤征爾のマーラー・サイクル(恐らく全曲はやらなかった渡辺あけさん&TMSOや山田一雄&新響と同じ頃で、オケの定期でサイクルをやった日本で最初の例のひとつじゃないかしら、7番だけは定期に入らなかったみたいだけど)の当日プログラムにとっても特徴的な曲目解説を書いていたり、マーラー啓蒙書が何冊もあったり、ある時期に日本のマーラー受容のキーパーソンだった方の仕事なんですからねぇ。桜井氏、それから10数年も経った神奈川県立音楽堂プロデューサー時代の最後にも、こんなスゴイ演奏会やっちゃったりしてる。
http://yakupen.blog.so-net.ne.jp/2006-10-01
(3月16日午前追記:税務署に税金資料を提出、さて、溜まったお仕事を始めましょか、と別件で神奈川県民ホールに連絡したついでに、この演奏会を仕掛けていたプロデューサーに尋ねたところ、このアルマ・マーラー歌曲&ベートーヴェン・フリーズの演奏会は桜井さんが体調を崩されてお辞めになった後で、彼は直接関わってはいないそうです。毎度、「書いてあることは嘘ばかり」の壁新聞でスイマセン。なお、この演奏会のロビコンで、エルデーディQが桜井版の10番アダージョだか、5番のアダージェットだけを弾いてるそうです。小生、ギリギリで辿り着いたので間に合わなかったんだっけ。)

柴田南雄氏やら桜井氏の後、日本国では極めて独特のガラパゴス的進化を遂げているアマオケ界などを中心にマーラー論のカリスマ的な存在と成った金子先生などは、この譜面についてなにか仰っているのでしょうか?それとも、だーれも真面目に議論などしない、「弦楽四重奏で代用するためのイロモノ」扱いの楽譜なんでしょうか?

なぜこんな事を疑問に思うのかといえば、一昨日、インマゼール御大のフォルテピアノ版「十字架上の7つの言葉」を聴いたからです。リスト編曲のベートヴェン第九くらいの「イロモノ」扱いされたって、文句のひとつも言いようのない楽譜です。
実際、演奏がどんなに素晴らしかろうが、正直、小生にはピアノフォルテから出てくる音の向こうに慣れ親しんだ弦楽四重奏版の音があれこれ聴こえるばかりで、ひじょーに困りました。刷り込みとは本当にオソロシーものであります。
でも、周囲の皆さんは、この譜面を極めて純粋に音楽作品として一生懸命聴いていらっしゃって、とても感動なさっていた。おお、あたしゃこの空間で浮いてるぞおお、ってビシバシ感じざるを得ませんでしたね。あ、あああやっぱりカンタービレは鍵盤楽器では大変だなぁ、これだったらインマゼール先生のお手を拝借するより、ブレンデルとかミツコ・ウチダがハンブルク・スタインウェイで思いっきり微に入り細に入り作り込んで下さった方がよろしーんじゃないかい、なんて不埒なことを思うばかりで。

とはいえ、あの誰が編曲したか判らぬ鍵盤編曲を、東京を代表する錚々たる聴衆の皆さんが真剣に捉え、感動できるのなら、このマーラーの10番の弦楽四重奏編曲だって同じように捉えられる可能性があってもいいじゃないか、って思っちゃうわけですわ。

来る18日の午後、クァルテット・エクセルシオがこの譜面を弾きます。東京都美術館のオーディトリアムです。エクが何を思いながら練習してるのか、今朝まで税金で頭いっぱいだったあたしにゃ、皆目見当もつきません。
http://eplus.jp/sys/T1U90P0101P006001P0050006P002026193P0030019P0481P0007
「お暇な方はどうぞ」なんて、気楽にお誘いして良いものなのかも判らぬ。

とにもかくにも、この楽譜が世間でどのように捉えられているのか、ご存知の方は教えてくださいな。ゴタゴタとまわりっくどいことをせず、桜井氏本人に直接尋ねれば良いじゃないか、って言われそうだなぁ。

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コメント 6

NO NAME

桜井健二なんか本当に評価しているんですか?

桜井健二は、神奈川芸術文化財団時代、
蔵 隆司(現・宮越屋珈琲パリアッチ)と共謀し、
部下の職員に濡れ衣を着せて解雇した奴ですよ!
by NO NAME (2014-05-19 03:37) 

Yakupen

No Name様

桜井さんが財団に行く前のことです。一般の音楽ファンには、マーラーブームに火が付いた瞬間くらいのときになんかやたら小難しことを新日の定期パンフレットに書いていた人、としか思っていないでしょう。それにしても古い記事を。
ちなみに、まあいろいろご存じだと思いますが、桜井さんがおやりになったというような行為は、我がブラック企業音楽業界では残念ながらそれほど珍しいことでもない…と言わざるを得ないのが情けないですね。部下の給与使い込んで南米高飛び、とか剛の者もいるヤクザみたいな世界ですから。

by Yakupen (2014-05-19 08:48) 

NO NAME

蔵も桜井も
県民ホール6階での密談がすべて録音されてますから
手が後ろに回る日が来るのは
時間の問題でしょうね。
by NO NAME (2014-09-05 01:34) 

Yakupen

No Nameさま

この業界では、「海外トンズラ」という手が比較的頻繁に利用されます。制作費使い込み→南米トンズラ→帰国し某私立大学講師、なんてスゴイ人もいます。

わああ、なんか、ヤバイ話になってる。
by Yakupen (2014-09-05 09:20) 

NO NAME

蔵も桜井も
県民ホール6階での密談がすべて録音されてますから
手が後ろに回る日が来るのは
時間の問題でしょうね。
by NO NAME (2014-09-05 01:34)
           ↑
あと、神奈川県庁職員の川上(神奈川大というFラン大学卒)という奴。

この3人が、「濡れ衣解雇のための材料探し会議」を、
財団業務を放棄して県民ホール6階でやっていた。
「・・・という暴言を吐いたということにしておきましょう。」等々。

さらに、専務の太田(コイツも神奈川県庁職員)という奴とも
蔵は密談を交わしている。

結局、蔵は古巣の社会党系弁護士法人に書類作成を依頼した模様。
by NO NAME (2014-11-03 05:39) 

お名前(必須)

川上 哲
それから、元 神奈川県庁県民部の
太田和宏
も、蔵と密談していました。
全部録音されていますww
by お名前(必須) (2016-05-19 03:36) 

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