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240歩北西へ~厄偏庵移転騒動記その1 [新佃嶋界隈]

さても、引越なのであーる。

思えば、東京は荒川放水路と中川放水路に挟まれた蚊ばかりが多い京成沿線新開地の故郷を出、遙か多摩県は深大寺、隣のじーちゃんの他は全部アジア系留学生のT荘で広東語の「北国の春」を耳にしながら修論を書き、以降嫁さんと広大な深大寺東町内を転々。農地法改正で目の前のキウイ畑が駐車場となるのを目に、もう多摩は高架線天を突く緑の大地ではないと察し、ならば帝都に戻るべーか。
で、根津駅から藝大に向け楽器を抱えた若いもんが通う姿を眺める坂の登りっぱたに庵を結ぶや、落ち着く間もなくカザルス騒動勃発。お茶の水から追い出された嫁はしょーがないから自分らで会社を作り、バンダル・スリブガワンの水上集落のようにじめじめした雑草の中に建つオフィス&住居が一緒になる都会の田舎屋を発見、タモリ倶楽部第1回踏切大賞を受賞した目白台は西武線十文字踏切脇へと流れたのは世紀末の頃か。サンシャイン60に新世紀到来を祝うイルミネーションを臨んだことよ。
嫁さんが遙か東京湾岸で「地域密着音楽芸術提供NPOを立ち上げるぞ」と騒いでしまった都合でその地に住むまにゃならんことになり、現厄偏庵に移り幾年月。嫁さんが再び雇われ人となった今、湾岸晴海は遠くなりにけるも、庵を出てから旧マンハッタン厄偏庵までdoor to doorで実質17時間、ソウルや湯布院なら5時間弱、たびの空のベースにはとっても便利な「銀座東京駅から最も近い田舎町」を離れる理由もなく、かくて町内お引っ越しと相成った次第。

今回のお引っ越し、過去の最短記録。240歩北西への移動であります。距離にして200㍍、露地ふたつとちょっと。地方のお屋敷なら、母屋から裏の離れくらいか。大学の寮内部屋替えみたいなもんですわ。

とはいえ、お引っ越しはお引っ越しなのじゃ。一昨日、佃小橋袂の不動産屋社長から鍵を受け取り、引越荷物よりズシリと重い月末までの締め切り3本抱えつつ、台車押しえっこえっこと、まずは厄偏庵入口付近をクリアーにせねばと、家財道具移動を始めた。

と、このわずか240歩の移動に、それをなんとか阻止せんとする様々な障害が待ち構えていることが判明したのであった。どこに、って、あなた、露地に、です。お江戸の足下は、流石にぬかるんだりはしていないものの、どうにもアンチ車椅子になってるのであった。

台車やら車椅子が最も苦手なのは、段差であります。二足方向のレイバーや人間ならばなんなく乗り越える段差が、書物満載の台車には最大の障害となる。それから、溝。IOC委員様視察の真っ最中の我が街トーキョー、300歩もない間にどれほどの障害があるか、良き都民納税者の皆様には想像がつくであろーか。

なんと、新旧厄偏庵の間には、驚くなかれ、7つもの障害が待ち構えているのであーる。

まずは、厄偏庵の露地を出て、町会最長老のお元気G党Yさんちの前の露地に入るところで、段差がふたつ。
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なんとか乗り越え、佃仲通りが見えてきたと思うや、足下に
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夏には町内神輿が練り歩く佃仲通りを突破せねば。無論、段差、あり
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それどころか、なんのためやら、カードレールで両側ガッチリ防備されてさ
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今や二丁目で最大の人通りを誇る繁華街、車の往来も半端じゃない道を強引に突っ切り、ライオンズマンションのフラッグシップが天にもとどけと聳える下の元露地を抜ければ、反対側に新厄偏庵の露地がある。勿論、あっちとこっちに段差しっかり
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そんなこんなで、わずか250歩の引越にもっとも有効なビークルは、リプリーがエイリアン・クィーンと闘ったときに身に纏った類のミニ・アームドスーツであろーという事実が判明したのであーる。誰か貸してくれないか、っても、トヨタさんもニッサンさんも、まだあーゆーもんは開発してないし。

かくてこともなく日は暮れ、引越の最初の夜は更け行く。現お隣の魚河岸ご隠居あにい夫人からは、「いつから向こうで寝るの」なんて哀れがられ、永遠にも思われる引越の時間はだらりだらりと流れてゆくのであった。ふうううう…

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コメント 4

ボーや

余り、まじめに反応する処では無いのは承知していますけれど、、

> トヨタさんもニッサンさんも、まだあーゆーもんは開発してないし。

確かにそういう噂は聞いていませんが、、、

http://sanlab.kz.tsukuba.ac.jp/

この研究室で開発して、会社まで作った、

http://www.cyberdyne.jp/robotsuithal/index.html

こんな物もありますので、宜しく!!

確か、テレビのニュースで、大和ハウス(?うる覚え?)のベンチャーだか、子会社だかが、このスーツのレンタルだか販売だかを請け負っているとか聞いた覚えがあります。

下半身の筋力が衰えた人が自立歩行する為だったり、重い人を運ぶ介護が必要な人の全身の筋力補強などを想定している様です。

by ボーや (2009-04-20 16:15) 

Yakupen

おおおお、パワードスーツだぁあああ!ぼーやさま、これって、借りられるんでしょうかね?ってか、実用段階なのかしら。
冗談じゃなく、本日、段ボール箱いっぱいの書類をリヤカー4箱分運んで上げ下ろしをしたら、もう疲労困憊、やらにゃならぬ原稿もできないでいます。貸し屋住まいはかわらないんだから、墓に入る前にまだ何回かは引っ越しせねばならぬわけで、そろそろ次の引越には絶対にこんなもんが必要になる。大和ハウス様、あと5年で開発してください!

by Yakupen (2009-04-20 22:05) 

ボーや

勿論、実用段階です。そして、改良が必要な部分も多々あるでしょう。

いや、良くは知らないのですが、下(2つ目)のリンクの中で、「HALの個別相談」のボタンを押すと、大和ハウスが「国内販売総代理店」であると書かれています。残念な事に、個人への直接販売、リース、レンタルは未だ開始していないとも書かれています。

でも、半分冗談で、相談されては如何ですか?

マーケティングの参考になる可も知れませんし、なんせ世界で初めての一般商用機械ですから、トモカク宣伝が必要なので、何かが起きる可も知れません?

最後に、大和ハウスは「開発」とは全く関係ありません。ただ売っているだけですので、エールを送る場所は間違えないで下さい。

by ボーや (2009-04-21 03:08) 

Yakupen

ボーや様、いろいろご指導有り難う御座います。こういうものは、開発者の名前を付けて欲しいですよね。「山田式腕力増強マシン」とかね。

それにしても、疲れた頭でこういうものの存在を知ると、前頭葉が暴走し、今荷物を運び込んでる朝日倉庫でレンタルしてくれないのかとか、貸し出された腕力増強マシンを用いて現金自動引き出しマシンを素手で根こそぎ強奪する犯罪が多発するのではないかとか、それに対抗して警視庁第一機動部隊に腕力増強スーツ部隊が出来るとか…うううん、冗談じゃなくパトレイバー的な妄想が現実になるなぁ。

恐らくぼーやさんと小生は同じ世代だと思うんですけど、ガキの頃に少年マガジンとかで夢見ていた「21世紀の未来」の中で、月に住んだり火星に行ったり、超音速旅客機でNYまで3時間、なんてことはまるっきり実現してませんけど、テレビ電話はSkypeで知らぬうちに常識になっちゃたし、コンピュータのボタンひとつでベートーヴェンの交響曲が聴けるのもNMLで実現しちゃったし。いよいよ次はハインラインのパワードスーツかぁ。不思議な世の中だなぁ。
by Yakupen (2009-04-21 08:06) 

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