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ニュース2題 [音楽業界]

おお、10月になってもーた。喪中の年はおせち料理ってどーするんだろーか?

てなわけで、以下、まるっきり無関係なニュースを2つ。別エントリーにしろ、と言われそうだが…

◆メータ御大ソウルをキャンセル

去る土曜日にヴィーンフィルご一行と成田を離れ上海に向かった指揮者のズビン・メータ氏ですが、お疲れの体調不良でスミ・ヨーをソリストに迎えた火曜日のソウル公演をキャンセルしました。代役に抜擢されたのは、このところイギリスの大手アスコナーズ・ホルトが売り出し中の若手、北オセチア出身のロシア人、ソキエフだったそーな。
http://www.koreatimes.co.kr/www/news/art/2009/09/143_52774.html
上の記事はソウル・アーツ・センターのあのバカでっかいホールでのコンサートの様子がかなり詳細に記されておりますので、ご覧あれ。凝った英文じゃないですから、自動翻訳マシンでも訳せるんじゃないかしら。

せっかくだから、こっちは火曜日に出たメータ御大キャンセルの速報。
http://www.koreatimes.co.kr/www/news/art/2009/09/135_52618.html
東京だったらこんなにでっかく出るかしらね。

これ以上の詳細を小生に尋ねられても、当電子壁新聞上ではお応えしかねます。悪しからず。酒持って厄偏庵に来た方を除く。

◆第一生命またメセナ大賞を受賞

第一生命保険相互会社が、またメセナ大賞を受賞しました。20世紀末にVOCA展で受賞してますから、珍しい異ジャンルでの受賞になりますね。新聞報道などがなされ始めましたので、当電子壁新聞にも記しておきましょう。
http://www.asahi.com/showbiz/music/TKY200909300264.html
このニュースに関しましては、いろいろ言いたいことが山積みでありますけど、とにもかくにも「創設以来の現理事長がいらっしゃるときにいただけて良かったね」とだけ申しておきましょうか。これが公式の受賞団体紹介文。
http://www.mecenat.or.jp/news/pressrelease/pressrelease_pdf/release_2009_09_30_award2.pdf
なるほど、こういう見方をしているわけですね。勉強になるなぁ。

それにつけても、第一生命が相互会社を捨てて株式会社になろうとしているときに、かつての第一生命ホールの精神を21世紀にリニューアル再現したシステムが世間様から褒められたというのは、なんとも皮肉なタイミングだなぁ。資本主義システムの矛盾点を解消する策としての相互会社というシステムを最初にぶち上げながら捨てようとしている会社に向かって、資本主義システムでのホール運営の矛盾を解消する策としてのNPOでの運営を最初にぶちあげたことを褒めるなんてさ。

なんせね、小生の『ホールに音が刻まれるとき』なる著作には、おおっぴらには主張してはいないけど、「第一生命がNPOで新ホールの運営をする決断をした底流には、未だに会社のどこかに流れる相互主義の精神があるのではないか」という仮説があった(きっちり読めば誰にでもそう感じられるように書いたつもり)。それがひっくり返っちゃうんだもんなぁ。いやはや。

以上、両者の関連が判る方には判るであろー業界ニュース2題でありましたとさ。ちゃんちゃん。

あ、「今年のヴィーンフィル来日公演のスポンサーが第一生命だった」ってのは、なかなか良い線だけど、正解じゃあありません。ヴィーンフィル来日公演のメインスポンサーは複数社持ち回りで、いっせーさんは最近ではアルノンクールの年がそうだったんじゃないっけ。いずれにせよ、今年は違う会社でした。

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rodrigo

「凝った英文じゃないですから、自動翻訳マシンでも訳せるんじゃないかしら」とおっしゃるので、某翻訳サイトで自動翻訳してみました。

「オーケストラが舞台の上で組織化されたので、1番目と第二バイオリンは、お互い(より多くの次元数を断片に加えた移動)に面していて、話しました。 ストリングの間のミスマッチしているタイミング、1番目の風、および4番目の運動さえ無視しやすかったです、オーケストラが、それがなぜ世界一の1つとしてキャラクタとarticulateなことでプレーすることによって評判であるかを立証したので」

対抗配置について書かれた5つめの段落ですが、簡単な「so that」も意味がとれていません。「1番目の風、および4番目の運動」の原文は、「the first and fourth movements」です。

翻訳ソフトにもよるでしょうが、これを読み解くには超人的想像力が必要だと思います。 変な難癖つけて申し訳ありません。 やってみたら、あまりに笑えたので……

by rodrigo (2009-10-01 11:24) 

Yakupen

rodrigo様、ホントにおやりになって下さって、ご苦労様です。

それにしても、うううん、自動翻訳ソフト、完敗ですねぇ…。でも、恐らく、火星人と会話するときはこんな調子になるんでしょうけど。失礼いたしましたぁ。

今を去ること四半世紀もの昔、講談社が「ニュー・グローブ音楽大事典」を日本語に翻訳するプロジェクトを立ち上げました。今、上野の文化会館などに並んでいる日本語訳は、このプロジェクトがいちど頓挫し、再度の挑戦でやっと完成したものです。で、この頓挫したときのプロジェクトは、小生の同世代の音楽関係大学院生などはほぼ全員が下訳で関わっていたと言われています。勿論、半分は冗談でしょうけど、それほどの規模で人々が関わった企画でした。小生もSだかの一部とヴェーベルンなどの下訳をやってます。で、この下訳仕事、とてもじゃないけどひとりでは不可能で、大学院の同じ研究室の連中をアルバイトに動員することになりました。その後に芥川賞作家になった某氏なんかも関わってたっけなぁ。
そんな中に、フランス中世文学の専門家さんがおりました。今では某国立大学のフランス文学の教授だかになってる方です。その方は中世フランス語やらラテン語やらは猛烈に出来る方だけど、英語は常識程度の能力。それでも下訳だから良いです、とお願いした。
あがってきたなかなか流暢な日本語文なんですけど、ちょっと意味が分からぬところがある。「最初の動きは…」って…おおお、もしかして、「ふぁーすと・むーぶめんと」じゃあないのぉ。一瞬筋が通って見えて、あれええええ、って感じだった。判明した時点で、無論、爆笑。

ま、専門用語というのはそんなもんだ、ということ。こっちだって、どこでなにやらかしてるかわかりゃしないぞ。

ちなみに、その方はその後に音楽学の方を妻に娶られましたとさ。奥様は今や大先生となった亭主のそんな過去の秘密は知らんじゃろーなぁ。

流石に比較文化研究室ですから、「ジョンの情熱」などはありませんでしたけどね。ちゃんちゃん。

by Yakupen (2009-10-01 12:54) 

rodrigo

「ニュー・グローブ音楽大事典」翻訳の裏話、楽しく読ませていただきました。そのあとで、膨大な数の人の手を経た下訳をまとめあげた翻訳者も、訳語の統一とか、さぞ大変だったことでしょう。頭が下がります。
by rodrigo (2009-10-01 16:20) 

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