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深夜(エア)バス3時間半 [たびの空]

新政権になって「羽田のハブ化」なんて騒ぎが急に浮上し、なにやら「空港は24時間運営で世界中からの便が乗り継げるようにしないと世界の潮流に乗り遅れる、ニッポンは一等国から転落する」なんて勢いの勇ましい話が飛び交う今日この頃。そんな議論で必ず引き合いに出される香港の新空港でありますが、深夜1時ともなれば、さああああまった香港ドルでどんどん買ってけ、という勢いも流石に衰え、広大なコンコースにゾロゾロ並ぶ離香客相手の店もぜーんぶシャッターが降りるばかり。

だってさ、この広大な24時間運用空港で、貨物はともかく、旅客便で深夜から早朝にかけて出発するのは、ANAとJALの羽田行きと、あとはKALとアシアナの仁川行き、それにキャセイのロンドン行きだけだもん。ほれ。
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ま、これが「24時間運行のハブ空港」の実態です。このわずか数便のために空港機能全てを動かすだけの経費をかける価値があるかどうか、ってことでんな。ま、深夜前から深夜にかけては、オーストラリア便やら、ヨーロッパに早朝に到着する便やら、文字通りの地獄の長距離深夜エアバスが次々と離陸してくラッシュアワーなんだけど。

まっくらぁいスポットに、767がかろうじて眺められる。ホントならとっくに787になってた筈。そしたら今頃は、コメット就航後の惨事のように、翼の取り付け強度不足で世界中で次々と空中分解事故が起き、ボーイング社が倒産の危機に追い込まれてたんだろうなぁ。
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日本国に向かうホンコニーズをいっぱい乗せたパッツンパッツンの767は、お好きにどうぞ、って感じに空港を自由に使って(そんなわけないんだろーけど)、真っ暗な香港島の方に向けて好き勝手に離陸。すちゅわーですのおねーさんに、「こんな夜遅くて、ご飯出るの?」と尋ねたら、「お出ししないわけにいかないんですよ、私たちもどうなんだろうなぁ、と思うんですけど」とのこと。忙しそうに飲み物配ったらアッというまに機内は暗くなり、さああいよいよ深夜エアバスの世界、ながぁいくらぁいせまあああぃ地獄が待ってるぞ、と思ったら、寝る暇もなく機内灯が点灯します。1時間も寝てないじゃないの。当然、窓の外は真っ暗で、どうやら沖縄を過ぎた辺りみたいな香港時間午前3時過ぎ、ってか、日本時間午前4時過ぎ。まだ佃近辺の魚河岸あにいが起き出して築地に出かけるかどうかくらいの時間に、屋久島上空1万2千メートルを対地速度マッハ0.85くらいで200数十人が蕎麦喰ったりパスタ喰ったりしてるわけですわ。なんなんだ。おねーさんたちは免税品販売に取りかかると、結構、買う奴がいるんだなぁ、これが。へええ。午前4時半のショッピングは、ネットだけじゃあないぞ。

かくて、強烈なジェット気流に押されてマッハに近い速度で飛行する767、最初から最後まで真っ暗な空を3時間と半、どこかよーわからんところを飛び越し、羽田のAランに南から進入。恐らくは羽田国際空港、本日最初のお仕事でしょう。こんな時間じゃあ、イミグレーションに人がおらずに暫く機内でお待ち下さい、なんて北米やヨーロッパではよくある羽目に陥るんじゃないかと心配するが、なんてことなくズルズル機外に出され、あと1年、新国際線ターミナルが完成するまでともかくタコ足にタコ足を重ねて逃げ切るしかないコタキナバルとどっこいどっこいの貧相な羽田国際線ターミナルを歩くと、イミグレーションのブースは1ダースほども開いてら。受け取る荷物もない超短期たびの空、アッというまにターミナルを抜け、連絡バスで誰もいない第1ターミナルに到着し、この時間じゃあ京浜急行は接続が悪そうなんでモノレールだなぁ、と6時4分羽田第1ターミナル駅発を待てば、ANAターミナルからやってきた車輌には乗客は2名しかおりません。すっかり内陸になっちゃった湾岸を延々と眺めるうちに、遅い神無月十二日の空もようやうあけ始め、実質徹夜の海胆頭は、湾岸に林立するビル群の彼方の雲が赤く染まるのをボーッと眺めるばかり。
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かくてやくぺん先生1泊3日超特急香港いってこ、大江戸線に潜って厄偏庵に到着したのが午前6時46分。ちなみに、出発したのは神無月十日午前6時45分。正味48時間と1分のたびの空でありましたとさ。ふうううううう…

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