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居候モグラ春秋航空搭乗記 [たびの空]

佃厄偏庵に半居候のモグラ君、やっと寝床にガスが開通して寒さはしのげるようになったらしい。とはいえ、通信インフラなどは世界各地の音楽事務所や演奏家に直接繋がる我が路地最高の厄偏庵情報ネットワーク網に依存せねばならんようで、半居候状態は変わらんようじゃ。東京で若いもんが一人暮らしをするのは予算的にも大変なんじゃのぉ。

さても、そのモグラ君、先頃、総予算4万円弱で上海に上海Qを聴きに行って来たようじゃ。今、世間の貧乏バックパッカー(死語じゃろか?)なんぞが注目するこの貧乏人専用航空会社、どんなもんじゃろかと好奇と不安の目が百里基地に浴びせられておる。「モグラ君モグラ君、世のため人のために、春秋航空搭乗報告書を書くのが君の人としての崇高な責務ではあるまいか」と申したところ、なるほど、と納得して下さり、以下のようなレポートを寄せて下さった。かくて、モグラ原文まんまではりつけるといたしましょうぞ。世の貧乏人よ、参考にしたまえ。

追記:モグラ君から「日経トレンディのウェブ版に出ていた羽田発LA便ビジネスクラスのレポートを意識して書いてますので、そっちと比べて下さい」との連絡があった。ほれ、これじゃ。
http://trendy.nikkeibp.co.jp/article/pickup/20101130/1033772/?ST=life&P=1
うううん、こっちは会社の金を使って出張に出かけるビジネスマンが対象で、当電子壁新聞の前にいるような貧乏人共には余り参考にならんかもなぁ。正直、わしの成田・パリやら、JKF・パリ、アムステルダム、ベルリンなどの大西洋定番の深夜便貧乏人席経験から言わせて貰えば、この日経トレンディの記事はちょっとANAさんにチョウチン持ち過ぎに感じられるがのぉ。そもそも日本早朝着の西行き便ってのがこれまで存在しなかったわけだから(時差がない豪州方面南北行き便では定番時間じゃったが)、簡単にどれとも比較も出来ぬし。どんなもんじゃろか。

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今話題の、茨城-上海\4,000~という破格の値段を出している春秋航空。その利便性、安全性やいかに!?という事で、やくぺん先生に勧められ、世の中の貧乏人を代表して実験台になってきました。以下、ポイント箇条書きで。
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1. 予約が取れなくても焦るなかれ、というか諦める
航空券は基本的にはインターネットでしか買えないようである。ネット購入には付きものの個人情報の入力などがあり、些か心配ではある。
しかし、それ以前に中国にサーバーを置いているであろうサイトでの登録は不安定極まりない。もぐらは11/14の航空券を購入するのに(10/21(この時点で、往復\12,000だった)購入を試みたが、登録画面が上手く進まず購入に至らない。何度トライしても無理だった。折しも日中関係が不安定になっている(ように見える)時期だったので、何かしらのアクセス制限がかかっているだろうと自分を慰めながら諦めた。

2. 問い合わせの電話は意味があるか分からない
その後、10/26くらいまで待って、とりあえず問い合わせの電話をしてみる事にした。問い合わせ番号は明らかに中国への国際電話だが、サイトには日本語での電話が出来ると書いてあるので思い切ってトライ。電話の向こうに出て来たのは、日本語が出来るのであろうお姉ちゃんの声。
「あのー、インターネットでのチケット購入が出来なかったんですけど・・・」
「アイヤー、お客サマ、会員登録はお済みデスカ?」
「いやぁ、その会員登録をしようとしてもサイトが受け付けてくれないです。」
「お客サマ、会員登録しないとチケットは買えないアルヨ。」
「だから、その会員登録がうまくいかないです。」
「そんな事ないネ、お客サマ、会員登録しないと、チケットは買えないデスネ。」
・・・・・・・
こんな問答が暫く続いたので電話も諦めた。
日が改まっているという事で、ウェブでの購入を再チャレンジ。
すると、なんと今度は上手くいくではないか。するすると会員登録完了。

3. 購入手続きが済んでも安心するな
購入手続きが済んで、決済完了になったと思っても安心してはいけない。最近のネット取引では大抵、指定メールアドレスへの確認メールが来る。10/26(この時点で往復\16,000)に手続きした航空券だが、いつまで経っても確認メールが来ない。メールが来ないという事は、プリントアウトするe-チケットが無いので、空港に行ってカウンターでゴネルにも歩合が悪い。
結局、後日サイトで確認してみたら、そのチケットは何故かキャンセル扱いになっていて、11/2に買い直すはめに・・・・、最終的に往復\20,000の航空券。(上海から帰る時に分かったのだが、クレジットの決済は2重に行われそうになっていた!勿論その場で否定し、事情を説明し事なきを得たが。)

4. バスの予約は忘れるな
春秋航空のサイトからリンクが出ているが、東京駅から茨城空港まで直通バスが走っている。このバスは往路も復路も春秋航空の上海便の離着陸に合わせた時刻になっている。このバスは、事前予約制で予約が無いと基本的に乗れないのだが、フライト利用者は片道\500で乗る事ができる。なお且つ、90分程度で東京駅から茨城空港まで運んでくれる。
これを利用しないと、あとは東京駅からだと3時間以上・\3,000以上かけないと茨城空港までは辿り着かない。時間的も予算的にもこのバスを使わない手は無い。
忘れがちなのが、帰りの予約。茨城空港から東京駅までも同様に予約しておかないと、昼の茨城空港で立ち往生する事になる。フライトスケジュールに合わせたバスの発車時刻は決まっているようだが、飛行機の遅れに合わせて、バスの発車も遅らせているようなので、飛行機の遅れなど心配せず帰りのバスも予約すべし。
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5. 勝負は東京駅から始まる
バスの予約も済んだら、後は搭乗日に東京駅からバスに乗る。八重洲口のハイウェイバス乗り場なので、バス乗り場を見つけるために彷徨う事は無い。乗り場にはずいぶん前から並び始めているのか、かなりの列が出来ていた。そこに並んだモグラの周囲5メートル程から聞こえてくるのは大陸と半島の言語。アニョハセヨ、シェシェ。
言語が異なれば文化も違う。バスがバス停に滑り込み、入口が開けられた途端に、並んでいた列は怒号にも似た音を立てて崩壊した。並び順なんか気にせず、我先にと乗り込もうとするハムニダ。もぐらも取り残される訳にはいかないので、小柄を活かし、人間の間をすり抜け席を確保。
しかし、隣に座り込んできた(多分大陸系の)おっさんは、吉野家の牛丼並盛弁当を2杯引っ提げてきて、バスの出発と同時に喰い始める。茨城空港までの間、ずっと隣の牛丼の香りを嗅ぎ続ける席だった。

6. 空港に着いたらチェックインカウンターへ走る
バスが到着したら、とにかく荷物を引っ提げカウンターへ、目の前の扉を開けてカウンターへ直行する。脇にある茨城物産展なんかに目を奪われていたら、カウンターの前にある列はみるみる長くなってしまう。
とにかくカウンター数に対して搭乗者が多い。しかも、大陸の人たちは一人当たりの時間が日本人の2倍くらい(かかっている様な気がする)。少しでも、早く列に並べるようにカウンターへ急ぐ事。チェックイン後も物産を冷やかしたり、みやげ物屋を見るくらいの時間はある。

7. 空港での食事処は1か所のみ
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茨城空港で食事が出来るのは、1店舗のみ。蕎麦、うどん、ラーメン、パスタなどを出す、遊園地に1件くらいありそうな「レトルトだけど一通り出します」といった雰囲気のお店(実際にレトルトかどうかは不明)。生ビールと簡単なつまみもあるので、フライトの3時間を寝て過ごす為に、呑んでおくのもありかと。もぐらは、茨城と言う事で納豆が乗ったそばとビール。(日によっては空港の外で、縁日風にカレーを出しているテントがあったりもするみたい。)

8. 機内は狭い、が、我慢できないほどでは無い
出発ゲートから飛行機の足元までは当然徒歩で移動。そこでヨッコラショと階段を上り機内へ。座席は3席×2列で、1席あたりの前後の間隔がやはり狭い。しかし、身動きが取れないという程でもなく、もぐらは足を組んだら少し狭いかなというくらい。
映画やオーディオなどの娯楽も用意はされていない。
しかし、フライト自体は3時間程度のものなので、本を1冊持ちこめは直ぐに経ってしまう時間。頼まなければ水も出てこないサービスだが、これも特に我慢できない時間では無い。機内ではお金を払えばある程度の飲食が出来るようで、周りに弁当を買って食べている人もいたが、もぐらは本を読んでウトウトしているうちに上海上空へ。
着陸体勢直前には狭い機内を考慮してか、CAが前に立って皆で体操の時間が始まる。座っていても出来る様々なストレッチが繰り広げられる(機内アナウンスで「イー・アル・サン・スー」と延々と続く)。
2.JPG
浦東国際空港に到着してからは、他の航空会社と変らない。とりあえず、リニアで終点まで行って、タクシーで市街へ。タクシーを含めた移動のコストが安い国なのでとても助かる。


9. 帰りは始発のリニアを目指す
リニアモーターカーの始発駅 龍陽路駅から出る朝1番のリニアは6:45。春秋航空の帰国便の離陸は8:45なので、市街に泊っている人はこの1番電車を捕まえるのが堅実的。その時間なら、道も車はあまり走っていないので、場所にもよるが市街から駅までもタクシーを使っても30分弱で、30元程度で着く。(勿論頑張って空港まで地下鉄で行くのも出来るが、かかる時間と費用を考えると、この乗り方が一番合理的かと。)
始発リニアに空港到着は7時前。ここでも可能な限りチェックインカウンターを目指す。浦東国際空港の出発ロビーは成田の片側くらい広いので、かなり歩かされる事になる。もぐらが行った時は、春秋航空の国際線はHカウンターでかなり遠く、急ぎ歩きだったが、結局カウンター前で40分待ちの列だった。何故か、ここでも周囲の人は、隙あらば少しでも前に割り込もうと警戒している雰囲気ではあった。
それくらい時間がかかってしまうと、空港内をゆっくり眺めている暇はなくなってしまい、名残惜しく牛肉麺などを食べるともう搭乗時刻になってしまうので機内へ。
入国の時もそうだったが、春秋航空の機体待機場所は離れた場所にあるので、出発ゲートからバスに乗って機体の足元まで移動する。

10. 茨城空港での入国には予想外に時間がかかる
成田空港を良く利用している人ならわかると思うが、外国へ入国する時に比べ、日本へ帰国してくる時は入国手続きに、あまり時間がかかる事はない。しかし、茨城空港の場合、入国手続きの窓口が極端に少ないため、帰国者であってもとても長い時間待たされる事になる。機体の後ろの方の席になってしまった場合は尚更。
往路も復路も、チェックイン時に\1,000支払えば、前5列以内の席に振り替えてくれるそうだが、お金に余裕がある人は帰国の便だけでも振り替えた方が、飛行機を降りてからがスムーズに済むかもしれない(結局荷物が出てくるのが遅ければ同じだが・・・)。

4-2.何としてもバスに乗れ
4でも書いたが、茨城空港は陸の孤島とまでは行かなくとも、陸の離れ島みたいなものなので、東京行きバスに乗れなければ途方に暮れてしまう。よって、東京方面へ向かう人に取って、バスの確保は必至である。だが、時間はある程度は待ってくれるが、予約を忘れてしまった場合はかなり危険。無情にもバスの係員は、予約者以外は乗せたくない態度を取り続ける。しかし、バスには補助席もあるので、最後の最後まで粘り続ければ、出車直前に「もうどうぞ。」と乗せてくれるかもかもしれない。


最後に
このように書き連ねましたが、総合的な評価として、安さの割に心配される危険やストレスは感じませんでした。むしろ、他社に比した時の安さ(結局、この時は空港使用料や燃油代込で往復\25,000になってしまったが)を考えると、使用に値する空路ではないかと思う。週に3(月・水・土)日のみの運航ではあるので、日程が限定されている短期ビジネス滞在には使い勝手は悪い。しかし融通が利く職業やスケジュールの場合、上海を普段のワーキングフィールドとして捉えられる様なコストである事は確かである(最安値なら全て込みで往復\15,000を割る)。特に中国の場合は、インターネットなど外からの情報収集は確実性が高くない。現地に実際に飛んで、人に会って話をする、若しくは現物を見ないと情報に対する信頼性が欠けるのは否めない。その中でこのコストの安さは、単なる情報収集だけの用事でも出かけて良いかなという気にすらさせてくれる。
まぁ、マイルは1ミリも溜まらないけどね。

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