SSブログ

American Dream [マンハッタン無宿]

ストームならぬ冷たい雨が落ちてるマンハッタン厄偏庵です。
008.JPG
東京からのEMSはとうとう到着しません。手ぶらでは某ホール広報さんに会いに行くわけにもいかず、本日はお勉強デーになってしまいました。考えようによっては、有り難いことで御座います。NYフィルの広報さんからは、「明日、来シーズンの記者発表会があるよ」って連絡があったけど、その頃はあたくしめは中西部のストームを飛び越えておりまするぅ。

今回のNYC滞在は実質2日間なんで、まさかスーパーで食材買ってきて煮込みを始めるわけにもいかぬ。で、しょうがないから、毎回、飯はスーパーの弁当です。高く付くけど、外で喰うよりはまだ安い。朝からパソコンのハードディスクに収めてあるデ・ワールト指揮の「中国のニクソン」全曲(これって、オケはセント・ルークス室内管で、演奏者にはマユキさんとか知った名前がいっぱい並んでるんだよなぁ)はもう耳に馴染み過ぎてるんで、ナクソス音楽図書館に入ってるオルソップの演奏で全曲を一度通しで聴き、さても腹も減った、弁当でも買ってくるべーか、と外に出ます。

と、街はシャーベットぶちまけたみたいになってる。この街の道はともかく手入れが悪い。ってか、恐らく、道路の補修に税金を殆ど使っていない。結果として、もの凄く凸凹です。普段は、まるでウズベキスタンなみに酷い道だねぇ、って呆れてれば良いんだけど、こういう非常事態になると、手入れの悪さがモロに響いてくる。

ご覧あれ、これがブロードウェイとW77丁目の交わるところ。雪の壁に付けられた獣道に、雨で溶けたシャーベット状態のグチャグチャが溜まり、池になってます。
004.JPG
今日はいつものFスーパーじゃなく、気分転換でちょっと北に上がったブロードウェイと80丁目の角にある有名店ゼイバーズまでいったんですけど、世界一のベーグル屋の前もこんなことになってる。さすがに常駐しているホームレスの勝手にドアボーイ君も今日はいませんね。
011.JPG
それにしても、H&Hベーグルがひとつ1ドル40セントになってた。高くなったなぁ。

で、ゼイバーズで当面の昼飯と、今日のアダムスのオペラは終演が深夜になるので戻ってきから喰らう夕飯を買い込んだわけです。ちょっとそこまでなのでちゃんとした靴を履いていかなかったら、あんよがビチョビチョになってしまったぁ。ええええん。

さても、これが今日のお昼。お寿司。
019.JPG
ご覧のように、東京のコンビニとか、持ち帰り寿司屋さんで売ってるのと全く同じ。味も全然同じです。ちょっと米の量が多いかな、ってくらい。エビ、白身(なんじゃろね?)、赤身、サーモン、それに鰻巻き。これで7ドル76セントだから、ええと、650円くらいかな。ま、お値段も同じですね。SUSHIは高いというのが常識だが、随分と安くなってきてる。こういう寿司コーナーはどこのスーパーにもあって、普通に売れてる。カロリー高すぎないから、健康に良いんでしょ。同じ値段でチキンの弁当なんてかったら、カロリーは数倍あるわい。

ところで、このお寿司のセットの名前、何というかお判りかな。上の写真をじっくり眺めると分かるんだけど…そー、American Dreamです。冗談じゃないよ。

一体何の因果でこんな名前なのか。そもそもこのような取り合わせをそう称するのか、ゼイバーズの担当者がなんかの拍子にそんな名前を付けたのか?知りたいなぁ。
アメリカン寿司はもう完全に別の文化の食物で、ちゃんと調べると面白いエッセイというか、新書本の一冊くらいは書けるネタです(早い者勝ちの企画だぞ)。
ホントを言うと、やくぺん先生の最もお好みなのはドラゴンロールと呼ばれるもの。其れ即ち、エビフライ巻であります。腹持ち良くて、ヴァーグナーの前なんかには最高なのよ、これが。あ、ハードディスクの中に写真があったので、お見せしましょか。これ。
007.JPG
あまりのゴージャスさにビックリして撮影した。一番上のジャブジャブの交差点からブロードウェイを渡り、アムステルダム・アヴェニュとぶつかった角、ミロQが911後にこの島に監禁状態になったときに通い詰めたという日本料理店のランチメニューのひとつです。これで12ドルくらいだったかな。エビフライまるまる2本喰らった程の量がある。

さて、開演は8時なんで、もうちょっと勉強しましょ。アダムスのオペラって、終幕に向かって話が纏まるというよりも、幻想の中に広がっちゃう傾向にある。昨日のオペラトークでの話しぶりでは、セラーズは今日の舞台で第3幕の演出を弄ってるみたいだったが、どう処理したのかしら。これが今日のNYTに出てた昨日のオペラトークの内容。記者君、記事にし易い話だけを拾ったな。あたしも記事にするならここを使うだろうなぁ、ってところが挙がってる。ホントに面白かったは、ピーター・セラーズが粗筋を説明したところでした。演出家がこの物語のこの部分を大事に思ってる、ってのが良く分かった。特に扱いにくい3幕について。
http://artsbeat.blogs.nytimes.com/2011/02/02/adamsnixon-a-kitchen-debate-on-portraying-a-president-in-opera/?ref=music
あの舞台でAmerican Dreamを担当するのは、やっぱりニクソンなんだろうなぁ。だってこの天下の俗物大統領が日本軍の空爆下で見る夢は、寿司ならぬハンバーガーなんだもん。

nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:音楽

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0