全団体２次予選へ

もの凄く疲労してるので、事実関係の報告のみ。

北京国際音楽コンクール弦楽四重奏大会、順調に１次予選が終わりました。13団体参加の予定で朝からセッションが組まれていたけど、結局、10団体になったんで、ま、そこそこ無茶のない日程で動いてはおります。とはいうものの、いかな爽やかな秋の北京とはいえ、これだけ聴くと頭ガンガン。もー、音楽庁から故宮挟んで対角線の反対側の安宿まで戻ってくるとボロボロで、なんにも出来んわい。ふううう。

で、結論から言えば、はじから２次予選は10団体くらいという日程が組んであったために、明日明後日に予定されていた２次予選には全団体が進出することになりました。イーウェンとかコペルマン、マイスルなんぞは全然元気だし、審査委員長のウォルフガング・ベトヒャー氏（懐かしいでしょ、ブランディスQのチェロってよりも、カラヤン時代のベルリンフィルの独奏チェロって方が有名かも）もぜーんぜんお元気なんだけど、ハット・バイエルレ氏などかなりお歳を召されちゃって、松葉杖でちょっとしんどそう。無茶はさせられませんから、こんなもんでいいんだろーなぁ。こんな日程です。

一応、演奏曲目と順番を記します。ええと、全団体が委嘱新作のヘー・クンティアンの「香之舞三」という曲を弾きます。どんなんか、現段階であたしゃ何にも知りません。それと、以下に列挙するロマン派作品を弾きます。毎日５団体づつ。せっかくだから、一巡したところでのひとことコメント付き。

★キローガQ：ブラームス第２番←１次はちょっと固くなってて本領発揮とはならなかったので、是非とも盛り返していただきたいっ。３年前のボルチアーニで特別賞でいただいた楽器は第２ヴァイオリン君が使っているそうな。

★マタンギQ：シューマン第１番←もう完成されちゃった団体。やってることが「良し悪し」というよりも「好き嫌い」になっちゃうレベルなんで、コンクールとしては評価が難しいなぁ。

★ツァイーデQ：ブラームス第３番←相変わらずの鉄壁ぶり、ちょっと柔らかくなって乙女っぽくなったか…？

★ウーQ：ドヴォルザーク作品106←今回最大の発見のイギリスの団体。優勝はあり得ないだろうが、個人的にはこのバランスの良さは嫌いじゃない。ファーストが中国の子なんで、大穴もありかも。半年後のロンドンに期待。

★ヤックQ：ブラームス第1番←北京のオケの連中。団体の名前はみんなの名前の最初の字を並べただけ、どう発音するか本人らもよくわかってない。おおおお。

★スヌェットQ：ブラームス第1番←韓流美少女４人組。綺麗に弾けてますけど、弦楽四重奏としてはまだこれから。このまま古典の楽譜の読み方を勉強するより、いっそエレキヴァイオリンに持ち替えてそっち方面の弾き方を勉強し、ポップス系クァルテットとして韓流スターのノウハウで世界に売り出したら、バネッサ・メイなんかよりもいけちゃうんじゃないか。これ冗談じゃないよ。そういうキャリアの作り方だってあるんだからさ。

★シンプリーQ：シューマン第1番←チェロ君はまだ音楽高校の上海からの４人組。音でかい。

★ケレマンQ：チャイコフスキー第３番←言わずと知れた上り調子のスター候補。18歳というのはチェロちゃんだけだそうな。

★レオニスQ：シューマン第３番←フランス系なんで、アマデオ・モディリアーニがそろそろルネマルのポチ状態に耐えられなくなったりしたら、ゴールデンウィークの日本にお声がかかるかも。

★ハウスマンQ：シューマン第３番←これまた既に出来上がった団体。好き嫌いははっきりするし、もうそれで良いんでしょう。あたしゃ、このスチールスチールした弦の音はちょっとキツイ。

２次の聴きものは、ザイーデのブラームスの３番と、ウーのドヴォルザークかな。ブラームスの３番は絶対に１、２番よりも名曲なのに、終楽章のヴァリエーションが纏めにくいからか、みんな敬遠しますね。ま、確かにロマン派は曲なりに弾けば格好が付いちゃうもんが多いから、敢えて無茶する必要ない、ってことですか。

それにしても、マタンギとかウーとか、怪獣映画みたいな名前ばっかりだなぁ。お暇なら午後２時から北京音楽庁へどーぞ。２日でこれだけ聴けて80元、1000円ちょっとでっせ。

なお、小生の安宿では全くフェイスブックは繋がらないのですけど、どういうわけか審査員のイーウェンの立派な宿では繋がっているそうです。謎だ…。ご関心の向きは、フェイスブックでJiang Yiwenとお探し下さいな。