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エクとのプチびーた [弦楽四重奏]

かつての筑豊炭田の集積地、直方におります。今日もしっかり寒い北九州地方です。
http://yakupen.blog.so-net.ne.jp/2010-06-26
昨日は昼過ぎに大分から婦女子をゴッソリ乗せた、まるでこの車輌は女性専用車か、って感じのソニック28号で博多に到着。慌てて地下鉄に駆け込んで西南学院大学というところに向かいましたです。東西に妙に細長いキャンパスの真ん中には松林が列を成し、晩ともなれば巨大なクリスマスツリーになって福岡の空に輝く博多タワーを見上げるこの場所は、対元軍防御戦の絶対防衛線となった場所。掘ればいろんなものがジャブジャブ出てくるそうな。

ま、そんな物騒な場所なんだけど(日本列島本土って、一度もホントの意味で地上戦で陥落したことがないんですよねぇ)、キリスト教系大学らしくでっかいチャペルが2008年に出来て、これがもー、チャペルと言うよりもコンサートホール。
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内部はちょっと横に広く、これで音が纏まるのかしらと不安に思ったら、意外や意外、きっちり焦点の絞れた、それでいて多すぎない残響が着いた、なかなか良い空間です。東京Qのホームグラウンドのイェール大学講堂にちょっと似た感じかな。無論、ピアノ五重奏なんかやったら大変だろうが、それでもカザルスホールよりは余程よかろー。
福岡地区、ここといい、あいれふホールといい、手頃な良い室内楽会場が揃ってますねぇ。考えてみれば、岸邉先生率いる福岡モーツァルトアンサンブル以来、もう40年に及ばんとする室内楽受容の歴史が在り、ゆふいん音楽祭を支える聴衆の供給地となり、福岡ハイドンQという日本を代表する言葉の最良の意味でのローカル団体がアッと驚くような活動を続けていられる場所柄。この街、あまりそんな風に言われないけど、日本でも有数の室内楽愛好都市なんだわね。

んで、昨日はエクがこの大学の新チャペルが完成した4年前から年に1回続けているシリーズの最終回。授業の中に「音楽を積極的に聴く」方法論を組み込み、140人以上の生徒がこの日のために授業を受け、レポートを提出するそうな。それも、「感動しました」とか、曲解をウィキから引っ張って来て書くとかじゃなく、800字の演奏会批評を書け、というのが課題だとか。授業で様々なタイプの音楽評論の分析をし、それを踏まえて課題に取り組むそうなので、これは本格派でんな。ま、所謂プロのジャーナリスト養成コースではないけれど、メディア・リテラシーという意味ではとても意味がある。こういう訓練を経てきた読者がある程度以上いれば、こっちも気楽に本気で容赦の無い作文が出来ますからねぇ。

さても、エクですが、東京から福岡空港に到着、でっかいボックスのレンタカー借りて、荷物詰め込んで、カーナビに引っ張られチャペルの控え室に到着。先生に挨拶し、練習して、本番やって、終演後はまた自分らでボックスカーに荷物積めて
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福岡ドームの近くの飯屋までカーナビされ、ホントに音楽が好きな大学の偉い先生達と無礼講のお食事会。立ってるだけで風邪を引きそうな駐車場で名残惜しそうな先生たちといつまでも立ち話の歓談をし、福岡ドームに7万人を動員したEXILEのツアーが引けた大混乱に巻き込まれつつ、大友パパ運転する臨時エクカーは深夜前の直方で唯一のビジネスホテルに到着した次第。

って書いてたら、ロビーからエクの電話で、「田村緑さんが来てますよぉ」。なんでも、今日、エクが演奏会をする美術館で、直方のホールの担当者さんが企画する絵画と音楽のコラボレーションをやっていて、これから子供らに「動物の謝肉祭」をインスパイアーするための絵を美術館に選びに行くとか。なんせ町にひとつしかないホテル、こういうコミュニティが出来ちゃうんだなぁ。

さても、これがちょっぴりながらのエクとのびーたの情景です。なんのことはない、これって、アメリカの地方都市を巡って歩いているクァルテットやらの動き方と全く同じじゃないの。

自分らで最安値の飛行機手配し、自分らで車手配し、自分らで運転して会場まで行き、地元の主催者や関係者の方々との関わりを持ち、自分らで宿まで走ってチェックインし、会場に午後からしか入れないなら年末に向けたNPO決算書の経理について打ち合わせし、はたまたその場でバッタリ出会った同業者と地域の情報を交換し合う。

これが、「常設」のクァルテット会社の普通の生き方。こういう普通の人生をやるために、エクはどれだけの努力を重ねてきたか。焼酎に飲まれながらチェリビダッケを熱く語る大学の先生の幸せそうな時間を作るために、この人達は旅をしている。

そんなことをちょっとでもお手伝いをするのが、あたしら雑用人のお仕事…なんだろーなぁ。

さて、本日午後5時から、直方の谷尾美術館でクァルテット・エクセルシオの演奏会があります。北九州福岡のお暇な方、是非どうぞ。田村緑さん企画も、チラシをご覧になったら手に取ってみてください。これが美術館で「動物の謝肉祭」に使う絵を選定する緑さん。この奥で、エクが練習してます。
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http://www.yumenity.jp/yumenity/event/newyear.html

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この記事のファン

先生「南西学院」じゃあなく、「西南学院」では?
by この記事のファン (2011-12-19 23:12) 

Yakupen

おおお、なおしますなおしますううううう。

編集者もない当電子壁新聞は、皆様の御指摘で校正されます。よろしくおねがいします。直しておきます。
by Yakupen (2011-12-20 08:11) 

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