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慶応日吉で大澤を [現代音楽]

宣伝です。所謂「クラシック音楽」というアーツ(=世の中のなんの役にもたたないけど、無限の価値だけはある人工物)を真剣に、創造的に聴く人材を育てようと最も本気になって考えているのは、どうも大学の先生たちなんじゃないかなぁ、と思う今日この頃。だってさ、聴いてくれる仲間がいないと成り立たない芸術なんだもん、そりゃ、真剣に育てなきゃね。

んで、そんなこんなの事情で、一昨年だかの秋から、慶応日吉のキャンパスで、エクをネタに本気で音楽を聴いてみよう、という課外授業が始まりました。
http://yakupen.blog.so-net.ne.jp/2010-12-09
http://yakupen.blog.so-net.ne.jp/2010-01-04
小生が個人的に滅茶苦茶過ぎて、今年度は全く顔も出せずにいるし、当電子壁新聞でどんなことをやってるかご報告もしてなかったんですけど、この秋も無事に続いていて、なんと今年は当電子壁新聞でもご紹介ブログにしてあるNYの今時最もインな音楽評論家、アレックス・ロス氏の英語圏の大学町の本屋ではどこでも平積みになってる大流行の著作をテキストに(日本語翻訳が上下2巻本という無謀なやり方で出版されてるんですなぁ、スゴイぞ!)、相当に本気の授業をなさっているそうな。

それどころか、日本のアレックス・ロス(日本のポール・グリフィスはちょうき先生ですね)たる21世紀の今や吉田秀和よりも人気の音楽著作家のトップ、片山先生も引っ張り込み、いろいろやってる。その流れで、なんと大澤作品の歴史的評価をして、日本では演奏されたことがない弦楽四重奏曲の日本初演をやっちまおー、という壮大な企画になってる。ほれ。
エク慶応12-1.jpg
PDFファイルはこちら。
エク慶応12-1.pdf
エク慶応12-2.pdf
ま、ここでいろいろ記すよりも、直接チラシを眺めて下さいな。なお、片山先生は御自身のウェブサイトで大澤について触れてらっしゃいますので、ご関心の向きはご覧あれ。
http://www.nipponica.jp/archive/tune_oozawa.htm
この作曲家さん、最近では「日本の」というよりも「関西の」とか「神戸モダニズムの」という文脈で論じられることの方が多いような気もします(文化敵視政策を掲げる市長さんの手前、敢えて「大阪の」とは記しません)。関西方面の方も、平日だけど、ラズモ聴かずに帰るつもりなら、日吉の会場は駅の真ん前ですから、新横浜からの新幹線で余裕で日帰りも可能ですよ。

エクは、クリスマスイブの日に日吉に出向くそうな。じんぐるべーる、なんて弾くんじゃありません。ロスの著作を前に、日本の大戦間時代創作とボストンの状況などの学内レクチャーであります。スゴイなぁ、けいおー!

ボストンで大澤の足跡を辿る作業をしている人など、いるんじゃろか。時代的にはエリオット・カーターがハーヴァード大学のグリークラブにいて、今は全部捨てちゃった類の曲を書き始めていた頃じゃないかしらね。

教養ある貴方なら、ボストンは大澤から小澤だった、なんてベタ過ぎるギャクだけは口にしないよーに。

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