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ロンドン五輪文化事業のハイライトは「光からの水曜日」 [現代音楽]

本日も多忙につきニュースネタのみ。

ロンドン五輪の年になって、いろいろな五輪関連文化事業の概要の発表されつつあります。
http://www.artscouncil.org.uk/funding/apply-for-funding/strategic-funding/thespace/space-commissions/
んで、最大の目玉が出ました。グラハム・ヴィックが演出するオペラ。豪華絢爛なオリンピックスタジアムでの「アイーダ」でもなければ、テームズ川にラインの乙女を泳がせる「リング」でもない。なんと、「光からの水曜日」完全上演ですっ!
http://www.birminghamopera.org.uk/index.php?option=com_content&view=category&layout=blog&id=24&Itemid=31http://www.guardian.co.uk/music/2012/mar/13/stockhausen-opera-helicopters-birmingham

それがどーした、と思った貴方にもうちょっとだけ付け加えれば、この作品、よーするにかの有名な「ヘリコプター四重奏」が組み込まれた、ってか、そのオリジナルであります。

ヴァーグナーの「リング」の先を行く誇大妄想ここに極まれりと口をあんぐり開けるか馬鹿笑いするしかないシュトックハウゼン大先生の7部作、ハノーファー万博やらドイツ・ワールドカップやら、ドイツで膨大な文化予算を使ったイベントをやらねばならぬときにはいつも完全全曲上演されるのではという噂というか希望というか怖い物みたさが漂うものの現実とならず、昨シーズンにオペラハウスが建て直しで使えないのを逆手に取ったケルンの劇場がこれまた別の意味で面倒な「日曜日」を上演したりして、これはルールのトリエンナーレなんかで全曲をやる前触れなのか、なんてマニアどもが期待していたわけだが、なーるほど、ロンドン五輪という手があったか。さすがに全7部作は無理だけど、一番大変な水曜日をやっつけてくれようという。

「ヘリコプター四重奏」そのものに限っていて言えば、案外、やられてるんですね。数年に一度はどっかでやってて、ローマで数年前にやった筈。
http://yakupen.blog.so-net.ne.jp/2009-01-22
費用だって、商業イベントでやるならヘリコプターをチャーターする代金がかかるだろうけど、考えてみたらExileのドームツアーなんかにかかってる費用を考えれば、吃驚する程の額じゃないだろう。巨大オーロラヴィジョンを複数レンタルするのに比べれば、ヘリコプター4台を半日借りるなんてなんぼのもんじゃい。ま、今回は「水曜日」の版だからヘリコプターの数も増えるし、それこそオーロラヴィジョン設営だってせにゃならんでしょうけど、案外とイベントとしてはそれほど滅茶苦茶お金がかかるものじゃないのかもね(それに、こんな絶対に元の取れないオペラを商業劇場がやるわけもなく、上演があるとするなら公的機関が関わったイベントの他にないわけで、それなら自治体警察やら消防やら軍隊が持ってるヘリコプターを使えるでしょうし)。
それよりも難しいのは、グラハム・ヴィック御大の演出でしょう。舞台が街全体になっちゃってる空間と、劇場なりで目に出来るライヴ映像との融合を聴衆に提供せねばならない。この仕事、普通の意味での舞台演出家の仕事じゃないもんね。どっちかっちゅーと、北京五輪開会式演出のチャン・イーモーの仕事に近いんじゃないかしら。

どんなことになるのやら、8月末、オリンピック後のバーミンガムに行って下さい。あたしゃ、日程が合えばミュンヘン・コンクールの前に覗こうかとも思ったが、今年のミュンヘンは弦楽四重奏部門がかなり遅く始まり、最後の公演を眺めても2週間空いちゃうんで、ちょっとなぁ。

ラ・フォル・ジュルネの仕掛け人のるねまるさんは、あのイベントの最後の目標は全部現代音楽、という野望を持っているとの噂はかねがね流れているわけで、となれば世界中のどっかの都市のラ・フォル・ジュルネ主催者を言いくるめて全体を「光」にしちゃって、主催都市のポリスにお願いして30分ちょっとだけヘリコプター貸して貰う、ってのが最も現実的かもね。これ、結構、本気で言ってます。

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