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「光」祭開幕! [現代音楽]

いよいよ明日から英都バーミンガムで「光」祭が始まります。現代美術では街のシンボルを覆っちゃったり、通りや広場の真ん中に訳の分からぬオブジェをぶっ建てたりするのは珍しくもなんともないですけど、「ゲンダイオンガク」ってジャンルで街全体を巻き込む迷惑この上ないことをやらかすのは、空前じゃないかしら。

いろんなシンポジウムやら、来週の「水曜日」上演に向けての耳慣らしみたいな演奏会やらがいっぱいあるわけだが、一般市民にもなんかせにゃならん、ってやるのが、22日にバーミンガムの実質上の中央駅広場に巨大スクリーン持ち出して、第3場のかの「ヘリコプター四重奏」を中継するイベントなんでしょう。確かに会場で眺めようがどこで眺めようが、同じってば同じだもんね(小生とすれば、ホントにそうなのかバーミンガムまで確認にいくみたいなもんだけど)。なんせ21日から25日まで、毎晩7時になると街の上をヘリコプター4機が30分くらい飛び回るわけで、ありゃいったいなんなんじゃ、とイヤでも思うもん。Webでもやるようなんで、皆さん、ご覧あれ。なんか、オリンピック閉会式ではエリック・アイドルまで引っ張り出してポップス大会やったんで、シリアス・ミュージック系はバーミンガムの方で全部引き受けてちょーだいね、って感じですな。
http://www.createdinbirmingham.com/2012/08/14/stockhausen-festival-of-light-incl-birmingham-opera-company-and-modified-toy-orchestra/

このフェスティバル、やっぱり基本的には「難解なゲンダイオンガクの偉い人」とか「セリエリズムを駆使し、その先にいっちゃった神秘主義者」とかじゃなくて、「今時のかっこいい電子音楽の先駆者であり巨人」としてシュトックハウゼンを扱うみたい。ま、確かにそういう風に捉えれば、シュトックハウゼン的な音楽は昨今の巷に溢れてますからねぇ。それだったら「水曜日」じゃなくて、それこそ「デビルマン」最期の戦いの場面を描いたと言ってもみんな信じそうな(永井豪とシュトックハウゼンはどっか似ている、なんて言ったら真面目な方々からボコボコにされそうだけど、実際、そーだわなぁ)、アニメの戦闘シーンにもどんぴしゃな電子音楽がジャブジャブ詰まった「火曜日」を上演すれば良いのになぁ、と思わなくもないけどさ。

それにしても、大阪万博の鉄鋼館といい、今回のオリンピック文化イベントとしての「光からの水曜日」世界初演といい、ゲンダイオンガクってのは1960年的な「人類の進歩と調和」に凄く似合う音楽であることよ。シュトックハウゼンは突き抜けてあっちの世界に行っちゃったセリエリズムってのも、なんかどっかで原発平和利用と同じ臭いがする人知を越えた技術への信仰、神に近い世界の構築の意志を感じさせるもん。「ゲンダイオンガク」が歴史になっていく瞬間に立ち会うのも、ま、今、なんでしょう。

さあ、バーミンガムにお住まいの方、みんなでシュトックハウゼンを聴こー!あたしゃ、国を出るまでにやること山積みで、「光」のリブレットを全部読むのも叶わなさそうだ。今日もこれから法事で千葉の外れまでいかにゃならんし。うううん。

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