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地下鉄にて [たびの空]

極寒のソウルにおります。来ている理由の、セント・ローレンスQに関しては、明日のコリア室内管Qという地元団体を聴いた後にでも、まとめてなんか記すかも。なんせ、商売にはならぬ仕込みツアーですから、気楽なもんですわ。

さても、19日に大統領選挙を控え大いに盛り上がるソウル…と思ったら、なんか妙にノンビリした日曜の午後でした。まあ、幸いにも風が強くないので体感温度は零下10度の気温まんまくらいなのは救いとはいえ、やっぱりミネアポリスやらトロントの真冬並の寒さ。どうもニュースを眺めると、モスクワなんかが妙に暖かいんで、今の地球上の大都市でいちばん寒いのはソウルみたいだぞ。いやはや。

ちなみに、日本の一部のメディアが騒ぎ、アベシンゾーさんやら右派の皆さんが盛り上げていた北朝鮮のミサイルの話ですけど、少なくともホテルとアーツセンターと地下街とテレビの画面を眺める限り、気配すらありません。ソウルは短距離ミサイルの射程範囲にいつも入ってるし、ミサイル発射実験なんて東海に向けて撃つわけでソウル地区は関係ないし、ってことなのかしらね。それとも、日本のメディアや政治家がちょっとばかし政治的な意図を持って騒いでいる…

さても、ソウルは、昨年の今頃に来る予定が葬式だ告別式だ、そこから始まる相続騒動だでキャンセルになり、昨年の夏、光復節の頃にバレンボイム指揮西東詩集管が板門店で第九やるのの取材に来て以来。1年とちょっとくらいか。あんまり久しぶり、って感じもないのは、盛んに九州に来てたからかな。なんせ小生の脳内地図では、ソウルと福岡は殆ど同じ場所、飛行機で2時間ちょい圏、ってとこに収まってますもんで。

そのソウルですが、今、ちょろっと街に出て凄く印象深かったことがあります。この短い期間にますます携帯端末が普及している、ってか、冗談じゃなくみんなが持って歩いてる、ってこと。

仁川空港から宿に来るまでの空港鉄道で、まあ乗ってる奴の殆どが携帯端末を弄ってるなぁ、と感じた。
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とはいえ、まだここはガイドブック慌てて読んでる奴とか、車内キョロキョロしてソウル駅まであといくつか気にしてる黒いにーちゃんとか、外国人も多かったから「随分、みんな弄ってるぞ」くらいの感じだった。

ところが、日曜の夕方から夜、ハンガンの北をメディアシティなど新興地域から大学地域を抜けていく地下鉄6号線、それから乗り換えて旧市街から江南に向かい、遥か南の新興住宅街の方まで行く3号線の車内に入るや、文字通り「みんな」がタブレット端末を手に持ち、弄ってる。言葉の綾でも誇張でもない、ホントに「みんな」なんですわ。
若い学生やらが多い路線とはいえ、それだけじゃなくて、オバチャンや、こんなものいちばん手にしそうもないオッサンやおばーちゃんまで、みーんなが席に座ったりつり革にぶら下がったりするや、どっかから手帳とかパスポートくらいの大きさの端末出してきて、弄りまわしてる。なかには、A4だかB5だかくらいのタブレットにルーター突っこんでホームでテレビ視てる奴もいる。小生みたいに何にもせずにただ座ってる奴は殆どいません。帰りの夜10時半過ぎの地下鉄6号線西行きなど、一車両でタブレット弄ってなかったのは、なんとなんと小生だけでした。なんなんだ。
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ソウル市民の皆さん、そんなにしてなにをなさっているのかというと、これがいろいろなんですわ。例えば6号線で小生の右隣に座ったサラリーマンくらいのにーさんとオッサンのギリギリくらいの男は、ずーっとゲームやってました。反対側の若いもんは、なんと、漫画読んでました。向かいのオバチャンは、ずっと電話してるし、その隣の女の子はでっかいパッド開いてなんか読んでた。テレビを眺めている人が案外いて、向こうの隅に座ってるにーちゃんはテレビ画面をイヤホンで眺めながら爆笑してます。本人、自分の状況が判ってないのかも。

東京でも余り電車など乗らない小生は、遠くまでいくときは思わず「車内電子媒体VS旧来紙媒体バトル」をする習慣がある。ってか、暇つぶしをしている。昨今は、東京では7対3くらいのカウントで電子媒体の勝利。世界のどこの都市とも異なり、なぜか「車内では電話機能は利用しない」というローカルマナーが確立している日本国の諸都市の場合、電話は出来ないというハンディはあるにしても、到着来、ソウル市内で車内で紙媒体をハンドリングしているのを目撃したのは、明らかに仕事のプリントアウト書類をひっくり返していたオジサンと、参考書らしいもんで勉強していた可愛い女学生ちゃんくらい。電子媒体圧勝、ってよりも、紙媒体は既に駆逐されたに近い感じでありました。

うううん、サムソンはこうやって国内で様々なタイプの国民を用いて壮大な電子端末実験をやってるのだなぁ、と呆れかえらざるを得ないのでありましたとさ。当然ながら、アップルマークの端末は圧倒的に少数派です。これだけ携帯端末が普及してると、端末を挟み込む小型メモ帳みたいなカバーとか、きゃーいい飾りとか、いろいろ周辺商売も発達しているみたい。これ、地下鉄駅の売り場。
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それにしても、上空でなにやら炸裂させて電脳連絡機能を一気に壊滅させる爆弾というのは実用化されているんだから、そんなことになったら都市機能マヒ。北朝鮮のプロの軍人さんは、相手の社会の弱点は職業上きっちり把握しているだろうから、東海にミサイル打ち込むなんて無駄なことするより、ソウル市内電脳インフラ壊滅の準備を着々としているだろうし。ま、そこまで言わないにせよ、個々人がここまで電子端末に頼ってるとなると、インフラに事故があったら大変だろうなぁ。

やくぺん先生としましては、昨年夏にはPCで利用できたソウルのバス路線案内が携帯アプリになってしまい、使えなくなってしまったのがひじょーに困る。バスに乗れんぞ、携帯端末がないと。いやはや。

追記
今、世宗文化会館と向かいのでっかい本屋まで地下鉄5号線で行ってきました。流石に昼間のご隠居が動き回っているような時間だと電子端末濃度も低いかな、と行きには思えたのだが、昼飯喰って戻ってくる午後の時間になると、こんな感じ。電話してるオバチャンは、ずっと携帯端末弄ってたところに電話がかかってきて、端末を電話にしてお話なさってる。いちばん右の女の子も、手元に携帯端末持ってます。
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若い連中が電子携帯端末好きなのは世界中どこも同じだろうが、ソウルで凄いのは、オジサンオバサン世代がしっかりデジタル端末化されてることですね。流石に韓国の高度成長、ハンガンの躍進を支えた世代、ってことなのか。

追記の追記
月曜の深夜です。今、またアーツセンターから戻って来るのに6号線に乗ってきましたけど、どーもこの路線、猛者が揃ってるみたいです。おねーさんが、iPadみたいなタブレットにイヤフォン繋げてなんかやってて、膝の上には手帳くらいの携帯端末があり、両方を操作してなんかしてました。夜10時半過ぎくらいの地下鉄車内です。隣で朝鮮日報広げてたおとーさんが異星人に見えました。いやはや。
なお、バス路線図のウェブサイト、めっかりました。以前と違う場所に行っていて、めっからなかった。もうメインではない、ってことなんでしょうか。

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コメント 2

上野のおぢさん

先生、毎度です。
先生はソウルでバスにお乗りになるとは達人ですね。私は、どこに行くのかわからないから怖くて乗れませんでした。
楽しんできてください。
by 上野のおぢさん (2012-12-10 15:10) 

Yakupen

いや、乗れるんじゃなくて、乗れなくなっちゃったんです。無論、アーツセンターから地下鉄駅までみたいな、イヤでも判る路線は問題ないんですけど、これまではソウルは市内の各地からバス停と路線検索が出来るPCのサイトがあったんですよ。それがどうも、携帯アプリ用にアップグレードされてしまったようなんです。結果として、小生のようなPC運び歩いてる人間はアクセスが出来なくなってしまった。で、ホントに困ってます。

つまり、ソウルでは完全に時代に取り残されてしまった、ってこと。携帯端末、嫌いなんですよねぇ。うううん…
by Yakupen (2012-12-10 16:11) 

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