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明日からバンフなんだけど… [売文稼業]

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明日の夕方に成田を発って、なんと夏の間だけのカルガリ直行便があるので、10時間くらいエアカナダの767にお嫁ちゃんと揺られていると、もうバンフの入口に到着してしまいます。そこからがまた一仕事なんだけど、もうカルガリ空港のバンフセンター行きバスカウンターまで行くと顔見知りだらけになるので、気分はどっかに行ったというよりも、また来た、になるわけでして、荷物詰めなどなにもしていない土曜日午前中時点でまるで緊張感無し。これはこれで困ったもんだ。

さても、明後日からのセッション、ぶっちゃけ、10年代最初のハイレベルな「最終決戦」となることが予想されるです。大阪優勝アタッカ、ボルドー優勝&大阪2位のシューマン、ミュンヘン3位のカリドール(個人的には選外だったツァイーデが優勝でこの団体が2位、結果は逆さだろーに、と思ってる)のどこが勝ってもおかしくない三つ巴(逆に言えば、どこが負けても猛烈に悔しい、ってことなんだが)に、この数年の国際コンクール常連のジュモー(ここもウェールズと同位のミュンヘン3位だった団体だけど、メンバーが半分替わってます)、ノガ、リンデン、ナヴァラなどもうキャリアをやってる団体が絡んでくるわけで、ホントにトップスリー候補だって気を抜いたらファイナルに行けない可能性もある。ここまできっつい感じなのは、未だに語り草になってるクスVSパシフィカの壮絶な闘い、どっちが勝っても良いですよ、って感じの頂上決戦があったボルチアーニ以来なんじゃないかしら。冗談じゃなく、他のコンクールならもうやる前からこいつら優勝でしょ、って見え見えな連中がこれだけ集まっちゃってるんだから。個人的にはサイコロ転がして優勝決めてもいいんじゃないの、って思えちゃう。

こうなると、ホントに一発勝負になる。体調管理とか心の管理とか、プロとしての演奏の質の維持管理が闘いの中心になってくるんだろうなぁ。前回みたいにファイナルで盤石だった筈のアフィアラがとんでもない失敗をし、アッと吃驚セシリア優勝(セシリアは創設以来苦楽をともにしてきたチェロの脱退が決まっていて、ある意味、無欲かつ純粋に自分らの最初の時代の成果を示してみたかった究極の記念受験だったわけでして…)、なんて事態もあるわけだから。

そんな緊張感に溢れた大会なんだが、どうもノンビリムードなのは、小生自身のコンクールに対する態度が変わって来ちゃってるからなんですな。

ぶっちゃけ、数年前から「俺がこいつらのキャリアを最後まで眺めることはあり得ない」と思えてきている。今世紀の初めくらいまでは、「今、ここで頑張って弾いてる連中は、1次予選で落ちちゃう奴らも含めて、この先をずっと観ていくべき連中なんだよなぁ」と思ってた。だから、こっちも猛烈に真剣眺めていた。実際、ヘンシェルだとか、ロータスだとか、エクだとか、ベルチャだとか、アルテミスだとか、ミロだとか、パシフィカだとか、クスだとか、エベーヌだとか、そういう連中を観てきているわけですわ。カルミナとかボロメーオとかブレンターノとか上海はちょっと上だけど、それでもまあ、キャリアの最初の頃から眺めている。

でも、明後日の午後から一生懸命弾いてくれる連中が中堅になる頃にはわしゃもう隠居だし、彼らが巨匠になる頃は確実に墓の中。そうなると、もうずっと最後までみていることは不可能なんで、それだったら今まで眺めてきた奴らの最後をなんとか見届けるのがわしの仕事なんだろうなぁ、と思っちゃうわけですね。だって、数ヶ月前の東京Qの最後を眺めるところなんかは、わしらの仕事じゃなくて、一つ上の世代、讀賣のSさんとか、そういう人達の仕事だろうと思ってたわけだしさ。

幸いにも、前回から一緒に行くようになったうちとこの若いもんが、バンフに来ている連中とどんどん関係を作って行っている。彼らが笑ってる周りで一緒に心から喜んで拍手したり、悔しさで泣いてるときに一緒に無性に悔しみながら酒を飲んでやったりするのは、若いもんの役回り。うちらは、審査員のニックやらガースやら、はたまた芸術監督のバリーやら、さらには池田さんやらから、審査員としてのしんどさの愚痴を聞く役回り。

だから、とっても気楽に起きていることを見物出来るようになった。

まあ、こんな風に感じられるようになったのは、悪いこととは思いません。俺も爺になった、そろそろ墓の中に足を半分突っ込んでる状況になってきたな、と気楽に思えるわけですわ。

さても、そんな気分はともかく、当電子壁新聞にもちょっと変化があります。ええ、これまでコンクール関係は「書いてあることは嘘ばかり、信じるなぁ」とモットーとする当電子壁新聞にダラダラ書いていたわけですけど、今回からはオフィシャルなレポートというか、現地報告は、「アッコルド」のFacebookに掲載することになります。現時点では、その予定です。無論、無料媒体ですのでどなたでも眺められます。最終的には「アッコルド」本編にレポートになると思います。

で、結果として、当電子壁新聞には、そこに書けないようなどーでも良いことを書くでしょう。ですから、まともなコンクールの経過や結果は「アッコルド」Facebookをご覧あれ、ってことです。

なお、バンフは演奏をストリーミング配信するらしいので、ご関心の方は是非どうぞ。来週日曜日の本選は是非ともお聴きあれ。問題は時差なんだよねぇ。北米山岳部時間だから、ええと、15時間の時差かな。きっついですねぇ。

てなわけで、明日以降のバンフ・コンクールのどーでもいい話をご期待せずにあれ。

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