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現代音楽の3日間 [現代音楽]

遙か北の島国で何が起きているかなど誰も知らぬここ人類が文明を営む最南端の都市メルボルンでは、昨日から第7回メルボルン国際室内楽コンクールが第2ラウンドに突入、いよいよこの大会の(やくぺん先生的には)ハイライト、「過去20年以内に書かれた作品」が課題曲として出て来ました。

この類いのコンクールで所謂「現代曲」をどう扱うかは、実は凄く難しいところがある。いろんな例を挙げていけばそれはそれで面白いんだが、あと15分で会場に向かわねばならぬのでそんな暇はなく、ともかくここはそうなっている、ということ。興味深いのは、「オーストラリア作品の振興の為」に課題曲として出される新作は本線に回されていることで、結果的に各団体は「過去20年に書かれた曲」をふたつ弾かなきゃならんですわ。これ、大会としては珍しいかも。

てなわけで、昨日もピアノ三重奏、弦楽四重奏、各2団体づつが現代作品を弾いてくれたわけです。ま、こういう状況になると、必ずいくつかの団体が「過去の自分らが参加した大会で弾かされた課題曲の新作」を使い回すのが常。今回も、早速、一昨年のミュンヘン大会に参加していたクラシコス・トリオが課題曲だったファジル・サイの曲をやってくれました。それから、友人の作曲家が作った曲とか、自分達がこれまでにいろんな活動の中で弾いてきたり新作初演してきたりした作品が持ち出される。これまたいくつもあります。

んで、もうひとつが、「今時の偉い作曲家の曲」を引っ張り出すこと。んで、今回遙々南の果まで来た目的のひとつだったのが、昨晩演奏されたアデスの「Four Quartets」。これ、数年前にエマーソンQの為に書かれたは良いが、エマーソンがその直後にフィンケルが辞めたりなんだりでグチャグチャになってしまい、彼らがやってまわる、はたまたグラモフォンに録音する、なんて当初考えられていたであろう風にはならず、幻の作品になりかけてた。クスQのオリーのお弟子さん団体が、こういう機会にこの曲を引っ張り出してきてくれたのは有り難いことであります。ああ、どういう曲かダラダラ書いてる時間が無い!またの機会に。

本日これからの6団体では、今回参加8団体で唯一のコンクール長老団体になっちゃったノガQが弾いてくれるクルタークの《楽興の時》が最大の聴きものでんがな。ケラーQが初演したけど、やたらと難しいという話で、ステージに殆ど上らない。何故かコンクールで若い連中は弾いてくれてる。勝手な推察だけど、時間がやたらかかるけど効果が上がらない、ってことなんじゃないかなぁ。ま、本日のお楽しみ。クルタークはピアノ三重奏も出て来ます。流石に大物だなぁ。

あとは大物系としては、そう、リンドベルリのピアノ三重奏曲が今日あって、それから明日だけど、暮れにミュンヘンであったアウグスト・エヴァーディング・コンクールというローカル大会で勝ったフランクフルトのアリスQが、まあなにを酔狂に、あのヴィドマンの《狩》をやります。あれ、どう考えてもコンクール向きじゃないけど、なんであんなん選んだかなぁ。それから、数週間前にボルドーの酒蔵でムニエ先生らとブラームスの六重奏付き合わされていたマイスルのお弟子さんたちのジョコーソQが、いやはや、あのなんとも言いようのないペンデレツキ第3番をやりますわ。うううう…あれやるかい、まあ、ボルドーでも一生懸命れっしゅうしてたけどさぁ…あれやるかなぁ…

そんなこんなご関心の向きは、どういうわけかライブストリーミングはないけどABC放送が夜に編集して放送しているのがネットでも聴けますので(多分)、お暇ならどうぞ。
http://www.abc.net.au/classic/content/2015/07/15/4269173.htm
演目全部並べてる時間が無い。もう出かけねば。ゴメン。

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