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本州中央バタバタのお誕生日 [たびの空]

長野駅始発新幹線あさま自由席で、軽井沢に向かってます。財布には結局もう1日分未使用の青春18切符が入ってます。

なんでこんなことになってるのか、昨日からのアホみたいな騒動を記し始めれば、我が事ながら「こいつアホだろ」と呆れかえるようなことになってる。ええ、事実関係だけを淡々と記しますとぉ…

そもそも松本の《ベアトリチェとベネディクトゥス》を見物すべく、数ヶ月前の切符発売当日の騒動からは身を引き、おおきなイベントであればあるほど必ず出て来る筈の返し券を狙い、なんとかB券を入手したのはいつのことだったやら。ま、正直、とても失礼な言い方ながら、小澤氏が記者会見でこの曲をやると仰った瞬間、思わず手を挙げて「この曲って、バックアップ指揮者をやれる人がいるんですかぁ」と世間から顰蹙買うような質問をしそうだったわけだが、案の定、というか、残念なことに指揮者降板。で、これはキャンセルするしかないんじゃないのかと思ったけど代理のギルさんという指揮者さんでやることになった。ま、演目が狙い、ちゃんとしたキャストでこの曲がステージ上演されるのを観るチャンスは殆どない、ベルリオーズの作品としては《キリストの幼時》と並び文句なしに綺麗な曲なわけで、流石に知らんぷりするわけにはいくまい、ってこと。

で、うちの若いもんが青春最後の旅をして戻って来て、使い切れなかった青春18切符2日分を買い取り、テープ起こしやりながらノンビリ中央線で行って帰って来ましょうか、ということになった。これが8月の上旬くらいのこと。

そしたら、嫁さんが出張ついでに眺めてくるということになったので、突然、この木金のシンガポール響での鈴木親子の演奏会を見物にいくことになってしまい、松本からノンビリ戻って来たら南洋に向かいましょ、ということになった。これがソウル・西日本ツアーから戻って、いよいよ単行本の仕事がいよいよ作文作業ということになって、淡々と進めている頃のこと。それまたなんのかんのなんのかんの、信じられないことに人から生まれたとはとても思えぬやくぺん先生にも存在しているお誕生日の24日午前中に、名古屋宗次ホールで取材をすることになってしまった。これが決まったのが去る週末。

というわけけで、目出度くも勿体なくも、お誕生日の朝7時過ぎに嫁さんと佃の縦長屋を出て東京駅に向かい、嫁さんは羽田からシンガポールに向かった次第。こちとらは可能な限り乗りたくないJR東海の東海道新幹線に仕方なく乗り込み、9時過ぎに名古屋。栄の宗次で11時過ぎまでインタビュー。それから地下鉄で名古屋駅に戻り、いよいよ青春18切符のたびにあいなったわけでありまする。

名古屋を昼過ぎに出て、途中、瑞浪とか中津川とかの駅でぼーっと乗り継いだり
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熟年若者青春18erの壮絶な席取り合戦(なんせ中央西線各駅停車は2両編成でんがな)に参加せざるを得なくなったり、なんのかんので5時前にサイトウキネン改めセイジオザワ・フェスティバル旗はためく松本駅に到着でござるよ。
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スタッフが泊まる立派なお宿から徒歩2分の安宿(モストリークラシックの記者氏もここでしたぁ)にチェックインし、直ぐに劇場に向かい、2000円札で差額返金をされ(お札は「へえ珍しいなぁ、とっかえて」と公式カメラマンO氏に召し上げられてしまった)、7時から9時過ぎまでご鑑賞。その間、心臓が悪くなるような携帯電話の振動があり、やっと日本国に到着した某誌編集長から連絡。「ベルリオーズのレポートなんですけど…」わおおおおおお…きいてないぞきいてないぞきいてないぞおお!

終演後、ともかくロビーにぶっとんで出て、開演前にノンビリ挨拶だけはしてたオーケストラマネージャー氏やら広報さんやらを探すが、当然みんな裏に行っていている筈もない。で、慌てて東京某所と電話で連絡を散り、ともかく必要な素材は集める、その他諸々、お誕生日のコンビニ弁当とかき氷買いながら宿に向かいつつもあちこちに連絡をとり続ける。編集長出国前に入れてあった原稿、やっぱりリードも付けろということで、慌ててリード書いて送って…

バッタリ寝て起きた朝、シンガポールがちゃんと仕事になることになったんで今度はその連絡作業も始まる。朝飯を喰らい、宿を出て、スタッフが泊まる宿のロビーで延々と指揮者さんなどとの連絡待ち。結果、指揮者氏は今日明日のオペラお休みを利用して北アルプスに入ってしまったそうで連絡取れず。ううううう。オペラプロデューサー氏は捉まって、慌てて劇場まで歩く。
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んで、インタビュー…ふうううううう…

さーて、こうなったらもう毒皿でありまする。長野盆地の彼方、草津ではエクが今日弾くことになってる。これはもう眺めていけと神様のご命令でありましょうぞ。青春18使いをあっさり諦め、なんとか午後4時までに草津に到着出来ないかと長野駅のおにーさんに尋ねるに、ともかく軽井沢には1時半過ぎには到着出来るという。おおおおし、じゃ、いきましょか。2時過ぎのバスで、3時半過ぎに草津バスターミナル到着。4時の開演ギリギリでんねん。

…ってなわけで、殆ど観光列車の篠ノ井線車内からシンガポールとやりとりしつつ、長野で北陸新幹線自由席に座り、台風が迫る曇り空の佐久平駅に到着しています。さて、このお誕生日周辺本州真ん中グルグルのたびの空、どう決着するか、請うご期待。


寒い寒い軽井沢駅北口、霧雨に煙る彼方は3時開演の前橋汀子コンサートに向かう方々とは違うエスカレーターを下りて、北京語で「これは白糸の滝に行くのか」と議論している観光客さんたちの中で、草津行きのバスを待つ。わしゃいったいなにをしてるんじゃろか、って思えてくる冷たい雨。ツバメも飛ばず、シジュウカラのつつピー声もなく…

12度という掲示に怯みながら、なんとかギリギリで辿り着いた草津の山の上のコンサートホールは、飛び込んだ途端に松本とは違った意味での知り合い顔見知り友人らばかりの世界で、久しぶりに聴くいつものエクに、まるで家に戻ったみたい。ありがとう御座います、ってのはこちらでございます。
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いつもの顔ぶれの(ひとりは別の意味でも「いつもの」だけどさ)、いつもの音楽が、なによりも有り難いお誕生日のプレゼント。バルトーク2番終楽章のピリピリした哀しさが、腹に染み込む秋の初め。

かくて旅の終わりは、すっかりトンネルばかりになった吾妻線から乗り換えた、一等車以外全部自由席ってのも太っ腹なんだかなんだか、なんとも乱暴な上越新幹線MAXたにがわ号自由席に収まり、一路関東平野を南に向かう。

名古屋松本草津、東海道・北陸・上越3本の新幹線と、中央西・篠ノ井・吾妻3本の在来線と、草軽電鉄JR2本のバスを乗り継ぎ、インタビュー2本、オペラ・弦楽四重奏・弦楽五重奏・ピアノ三重奏各1作品を聴き、総計40時間の本州中央ぐるり周遊たびの道、これにてオシマイ。さても、明日は再び、遙か南は新嘉坡へたびの空。

つらつら思い返すに、安宿の朝飯ビュッフェ除き、喰ったもんはみんなコンビニ飯のお誕生日。うううう…

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