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祭りの後 [たびの空]

シンガポールに来てます。なんだかやたらと来てるみたいだけど、うちのお嫁さんなんて今年になって7回目、大阪よりも来てるとのことでありまして、ま、こういう時もあるんでしょう。

ぶっちゃけ今回は、これもなにかの縁、って感じの訪問で、某月刊誌に写真ページで掲載するための取材なんで、ここに詳細は記せませんです。スイマセン。
プロのカメラマンでもないのに写真がないと成り立たないページ、交渉で必要な写真を引っ張り出すのがお仕事みたいなもんだけど、「演奏中の写真は撮りません」とあっさり言われ、じゃあどうするんよ、ゲリラするしかないんですか、ってことになる。オケの広報担当者も政策担当者も判ってるわけですから、撮影OKという証明書を出してくれて会場のレセプショニストさんにそれがきちんと伝わっていればそれまでの話なんだけど、その辺りが状況によって極めて微妙。どうやらここヴィクトリア・コンサートホールではそう上手くいかないみたい。要は直接の担当者の広報助手お嬢さんがまだ半年の新人さんで、レセプショニストさんなんかの把握が出来て無くて彼女が一言だれかに言ってそれでOKという状況にならない、それどころかソリストのサイン会がインターミッションにあってそっちに彼女が張り付かねばならず…って感じなんだわなぁ。

ま、状況がどうあれ、ともかくブツをでっち上げねば仕事にならない。どうなるやら、請うご期待、ってところでありまする。

そんなこんなのバタバタしたやくぺん先生の動きを迎える南国新嘉坡、前回利用してここは使えるとまた使うことになった宿(所謂インターネットの宿探しサイトに上がってない穴場なんですけど)、ラッフルズスクエアとエスプラネードと旧国会とヴィクトリア・メモリアルホールとの間にポッカリ空いたでっかいクリケット場というかサッカー場というか、はたまたテニスコートというか、ヘリポートなら5面くらい取れそうな街のど真ん中の広場に面してる。
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去る7月にメルボルンからの帰りにトランジットついでに図書館仕事のために立ち寄った際には、シンガポール独立半世紀式典のための仮設巨大ステージが組まれていて、何とも騒々しいことになっていた。
http://yakupen.blog.so-net.ne.jp/2015-07-20
戦車は走るわ、上空に戦闘機からA-380まで飛ぶわの大国家お誕生日式典の後、数週間かけてもまだ完全に撤去されていないとはいえ、ま、いつも通りの緑の原っぱになってる。

土と天然芝の広い運動場をいくつかに仕切るために鉄の杭みたいなものが突っ立ってて、その先端やら間を仕切るロープの上は、エスプラネード側から旧議会側の緑に向けて騒々しいハッカやら雀やら、はたまたなんだか判らぬちっちゃな鳥さん達やらが必死に渡っていくときの中継地になっているようだ。で、眺めていると、なにやら青い方がいらっしゃるぞ。
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イソヒヨドリさんかな、なんてじっくり凝視すれば、あれぇ、カワセミさんじゃあないかいね。いやいや、こんな水路もないところにカワセミの筈はなく、だけどあのでっかい口は世にいろいろといらっしゃる親戚類に違いない。ひとところにずーっと動かず、おっきな頭を左右に振ってずっととまってらっしゃるぞ。ってなわけで、慌てて部屋を出て3階建ての低層ビルの地上階まで走る。この場所のオフィシャル宿舎たるレクリエーションクラブのレジデンスにいるので、直ぐに運動場に出られて、そろりそろりと近寄っていけば
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おお、当地を訪れる飛ぶ者好きの方々の憧れ、ナンヨウショウビンさんではありませんかぁ。期待がデカイ派手な方なわりに、余りにもあっさり眺められるので拍子抜け、ってんで名高い方でありまする。

意外に人慣れしているのか、完全に開けた隠れ場所のない運動場のど真ん中に陣取り、こっちかかなり近付いても微動だにしない。流石にこのお姿を捉えた辺りまで近付くと、なんじゃい、五月蠅いなぁ、というお顔でこちらを見られて、ベイの方の林に青いキラキラした背中を光らせてお去りになりましたとさ。

なーんてことをやってるこの運動場、実は今は次の祭りに向けた準備の真っ最中。ここ、数週間後のF-1シンガポールグランプリで四方を公道サーキットに取り囲まれたど真ん中になります。周囲は高いフェンスを張り巡らす作業の真っ最中、まだこれから並べる縁石が積み上がり、夜間照明設備が設置され、宿から目の前のエスプラネードに行くにも地下をぐるりと通らねばならない状況になりつつある。
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フェンスと湾に取り囲まれてしまうエスプラネードに勤める連中は、自分らのオフィスに行くのにパスを何度も見せてセキュリティを突破せねばならず、F-1の週は仕事にならない、ってぼやいてる。

このお祭り好きの南洋の人口都市、自動車大レース騒動が終わると、旧国会をリノヴェーションしたナショナル・ギャラリーの設立式典が控えているそうな。
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シンガポール響の制作さんに拠れば、「それで今年のお祭りはオシマイ、あとはクリスマスだけね」とのことでありまする。

季節のない街は、人の造る価値の総体たる文化が生きていくのにとても大事になる。祭りのあとに、また祭り。そんな人間共をケララケラケラと笑いながらここは俺の縄張りだと叫んでるカワセミ親戚さんが、この島のホントの住民。

南の島に、夏は続く。

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