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鳥たちの如月 [葛飾慕情]

善き国民の義務たる納税作業がやっと終了しましたです。あとは明日、出すだけ。この間、毎度ながら電子壁新聞どころではないばかりか、行かねばならぬ演奏会まで行かず、今日だってマラソンやってる彼方の讀賣の要塞の如き新社屋で若いクァルテット連中が弾いていたりするのを見過ごしてしまった。マズいなぁと思う半分、若い人に付き合っていくのは若い人達の仕事だからこれも仕方あるまいと思う半分……もう気分はすっかり隠居でんがな。

この数日分のネタということで、そんな隠居爺の慎ましい生活を楽しませて下さるちいさな飛ぶ方々のお話をいたしましょうぞ。

なんせ、寒さが最も厳しく食べるものがなくなる新暦の2月は、小さな飛ぶ方々にとってみれば生きていくのがいちばんしんどい頃であります。寒さが厳しいのでしょうかねぇ、どういうわけか今年は東京湾岸及び新開地葛飾のやくぺん先生の立ち回り先ではとりわけ鳥さんの影が薄い。昨日も、チョン・ミョンフン氏のアウトリーチ取材(ってか、撮影係)で遙々世田谷くんだりまで出かけたわけですけど、その道中の砧公園にはしっかりとバードサンクチャリがあるんだが、まあ、公園内はものの見事になーんにもおりませんでした。高い所でえながんがピチョピチョ言っていたり、シジュウカラさんが飛び回ってるくらいで、善男善女群れ惑う梅の枝にはめじろんすらおらず、虫さんがいっぱいいそうな地面が広がっているのにつぐみんもひとつ眺めたっきり。

そう、今年はホントにつぐみんの類いが少なく、数日前に税金仕事がイヤになってフラフラと散歩に出た大川端でひとつ、この冬初めてのつぐみんを眺めたばかり。アカハラやら親戚の類いも、例年なら一度くらいは眺めるんだけど、全然見ないぞ。砧公園のバードサンクチャリで日向ぼっこしてたオバチャンとそういうどーでもいい話をしたら、やっぱり東京の西でも似たようなもので、今日も公園内にはシメがいたくらいだそうな。

うううん、何が起きてるんだ、2016年如月…

ま、今年がどんな特殊な状況であれ、例年ながらにご飯がなくなる時期であることは判っていたので、月初めにミュンヘンから戻ってきたときに、ミュンヘン厄偏庵前のスーパー入口に積み上げられていた鳥さんご飯をお土産に持って帰ったでありまする。こんなもの。
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Meisen-Ringeという箱入り3つで€1.29のご飯は、牛脂を固めてひまわりの種を埋め込んだもの。カラ類さんやらえながんとすれば夢のような御馳走でありまする。もうひとつ、ボール状のBeeren-Knoedel(こっちにはBerry Feed Ballsと英語表記もあるので、英国でも売られてるんでしょうね)はどうやらクロウタドリやらロビンさんたちに提供するご飯らしい。

というわけで、2月の頭に葛飾セーフハウス厄偏舎に戻るや、ご町内ではちょっと知られたでっかい柿の木、今はすっかりツルツルてんの枝だけになってるところに、こうやってぶら下げたであります。
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ついでに、大量にいただいたけど流石に喰いきれずにダメになりかけていた魚津林檎もふたつにちょん切って突き刺す。

と、もうその日のうちに、まずはやってきましたよ、そー、めじろんご夫妻でありました。林檎に齧り付き、どんどん喰らっている。数時間もすると、こんどはご町内小さな飛ぶ人達界の暴れん坊、ひよちゃんたちが来るようになる。

かくて数日のうちに、めじろんは輪っか油と林檎
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ひよちゃんたちは林檎に齧りつくようになり、向かいの家の椿の木立と柿の木の枝の間を行ったり来たりするようになります。やがて林檎は食らいつくし、同じくいただき物で人間が喰らうにはちょっと厳しい感じになってきてた瀬戸田の蜜柑を突き刺してやる。

どうもここから事態が大変なことになって来たようだ。というのも、めじろんたちは油輪っかと林檎、蜜柑、みんな大好き。ひよちゃんたちは油輪っかはまるで関心ない。だけど、果物達はもう狂ったように大好きであります。そのうち、若いひよちゃんがふたつ、柿の木と向かいの椿の藪、それから上空の電線の辺りに、ほぼ常駐するようになった。で、蜜柑を出すと、パワー勝負でもう一気に喰らってしまう。こんな調子。
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結果として、なんとなく若いひよちゃんふたつと、めじろんご夫婦が適当に共存するような感じに落ち着いてきていたのでありますな。

そこからほぼ1週間は税金週間で、やくぺん先生は新開地に足を向けずに佃厄天庵でひたすら領収書と格闘しておりました。たまああぁに領収書の束がいやんなると大川端に出て、縦長屋最強の生命体たるふたつの自由に飛びまわるグルメな文鳥たちが食い残したご飯を、こいつらにブチ撒いてやったりしてた。
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この方々、蒔いてくれる奴は判るのかなぁ。座ると寄ってくるもん。

かくて税金も終わり、葛飾に久々に向かうや…あああらなんてこと、柿の木に大人のひよちゃんがすっかり居着いていてら。蜜柑を出してやったらそいつがひとりで全部喰らってしまい、めじろんたちどころか、若いひよちゃんすら近寄らせないジャイアン状態じゃああーりませんかぁ。

ううううん…困ったもんだ。

あ、残念ながら、シジュウカラさんたちはまるでいらっしゃいません。ボールの方にも、どなたも近寄りません。どーなってるのかしら。

てなわけで、終わろうとする如月、葛飾の小さな飛ぶ方々のどーでもいい話でありました。

カラみえず ツグミも鳴かず 春遠し

[追記]

月が代わって弥生となり、新開地葛飾厄偏舎柿の木のひよちゃん傍若無人状態は相変わらず。でも、ひよちゃんずは見向きもしない油輪っかは、1ヶ月でこんなになりました。
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あのちっちゃなめじろんたちがここまで喰らったのだから、ま、遙々シベリア越えて運んで来た意味はあったのでありましょー。

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